小沢一郎氏人物破壊巨大謀略事件もみ消しを糾弾
9月24日に、元大阪高検公安部長であった三井環氏が、田代政弘元東京地検特捜部検事に対し検察審査会へ審査申立を行った。
罪名は 虚偽有印公文書作成・同行使
2012年8月28日に最高検察庁検察官事務取扱検事中村孝氏が田代政弘元検事を不起訴処分としたことを不服として、三井環氏が東京検察審査会に審査を申し立てた。
被疑事実の要旨は以下の通り。
被疑者田代政弘は、平成22年5月17日付捜査報告書において、小沢一郎議員の関与を認める供述をした元秘書石川知裕議員の取り調べ状況について、石川がそのような供述をした事実はなく、事実に反する虚偽の公文書を作成し、その報告書を検察審査会に提出して行使したもの
時間は過ぎ去り、重大事件が風化される。
2009年から2012年にかけて、日本政治史上最大かつ最悪の政治謀略事案が進行した。
文字通り日本政治を転覆させる謀略事案であった。
2009年9月16日に鳩山由紀夫政権が樹立され、日本政治史において、初めて、民衆の民衆による民衆のための政権が樹立された。
しかし、この事実は日本の既得権益にとって許し難いものであった。
政権交代を主導したのは小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏。
小沢-鳩山体制の民主党が日本政治史上に残る政権交代の大業を成就させたが、このことを背景に、既得権益は、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に照準を定めて人物破壊工作を実行した。
小沢氏に対する人物破壊工作の秘密兵器にされたのが、西松事件、陸山会事件と、これに関連する小沢一郎氏強制起訴事件である。
他方、鳩山由紀夫氏に対しては、普天間飛行場移設問題と鳩山氏の献金税務処理問題によって人物破壊工作が仕掛けられた。
結局、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏は、この人物破壊工作によって破壊された。
その結果として、小沢-鳩山体制の新政権は破壊され、既得権益側に立つ菅直人政権、野田佳彦政権をつなぎ役として、安倍晋三政権が樹立されたのである。
「日本の政権転覆」と表現するのがもっとも適正である。
小沢氏に対する人物破壊工作は、三つの方策によって実行された。
西松事件、陸山会事件、そして小沢一郎氏強制起訴事件である。
詳しくは
『20人の識者がみた「小沢事件」の真実』(日本文芸社)
西松事件とは、2009年3月3日に、小沢一郎氏の公設第一秘書大久保隆規氏が突然逮捕された事案である。
未来産業研究会、新政治問題研究会という名の政治団体からの献金を事実通りに収支報告書に記載して提出したことが「虚偽記載」だとされ、逮捕、起訴されたものである。
しかし、まったく同じ事務取扱いを行った政治家資金管理団体が多数存在した。
このなかで、小沢氏の資金管理団体の事務取扱いだけが摘発の対象にされた。
二つの政治団体に実体がなければ虚偽記載の主張も成り立ち得るが、二つの政治団体には実体があった。
2010年1月13日の大久保氏第二回公判で西松建設元取締役総務部長の岡崎彰文氏がこのことを証言した。
この瞬間に、大久保氏逮捕が史上空前の大誤認逮捕、謀略逮捕であったことが明らかになった。
追い詰められた検察は、2010年1月15日、今度は、2004~2005年に小沢氏資金管理団体「陸山会」が取得し、収支報告書に記載した世田谷不動産に関する記載内容に虚偽があるとして、大久保隆規氏、衆議院議員の石川知裕氏、池田光智氏の三名を逮捕した。
完全なるでっちあげ謀略事案による逮捕であった。
世田谷不動産は2004年10月に代金決済が行なわれたが、移転登記が完了したのは2005年1月であった。小沢氏資金管理団体は2005年の取得として収支報告書に記載したが、検察はこれを虚偽記載だと主張した。
これらの背景に、裏金受領や収賄などの実質的犯罪が存在しているなら、刑事事件としての立件は適正であるが、結局、実質的犯罪の立件はできなかった。
秘書3名の裁判で、東京地裁の登石郁朗判事および東京高裁の飯田喜信判事は、裏金受領を事実認定したが、客観証拠に反する不当で不正な事実認定であった。
この点は、小沢氏に高裁無罪判決を示した東京高裁の小川正持判事が的確な指摘を示している。
石川知裕氏を取り調べた東京地検特捜部の吉田正喜副部長が、2010年2月1日に、石川氏に対して、小沢氏が検察審査会によって強制起訴されるとの見通しを示したことが明らかにされた。
東京地検が小沢氏に不起訴処分を決定する前の段階である。
小沢氏が強制起訴されるためには、
検察が不起訴処分を決定する
検察審査会に審査が申し立てられる
検察審査会が起訴相当議決を行う
検察が再捜査して再び不起訴処分を決定する
検察審査会が再度起訴相当の議決を行う
のプロセスが必要になる。
このプロセスを吉田副部長が2010年2月1日に見通しとして述べているのだ。
他方、小沢一郎氏は2010年2月2日に、国会内の民主党幹事長室で米国国務次官補カート・キャンベルと会談した。
カート・キャンベル氏は翌日韓国のソウルでキム・ソンファン首席秘書官と会談し、日本の外交窓口を小沢・鳩山ラインから菅・岡田ラインに切り替えることを伝え、これがワシントンにも伝えられた。
この事実はウィキリークスが公表したものである。
田代政弘検事による石川知裕氏に対する事情聴取は2010年5月17日に行われ、田代政弘検事は、虚偽の捜査報告書を作成して、これを検察審査会に提出した。
検察審査会は、この虚偽の捜査報告書に基いて小沢氏に対する二度目の起訴相当議決を行った。
この田代政弘検事の虚偽有印公文書作成・同行使の嫌疑が、三井環氏による検察審査会への審査申し立ての直接の対象である。
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