社会保障切捨て庶民重税だけ押し付ける安倍暴政
2012年8月に野田佳彦政権が主権者国民との契約を一方的に踏みにじるかたちで成立させた消費税増税の法律。
法律の名称は
「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」
である。
社会保障の安定財源を確保することが目的であるように表記されているが、現在の安倍政権の政策運営からは、社会保障制度安定化の姿はまったく見えてこない。
社会保障は財政支出削減の標的とされている。
他方、バラマキ公共事業と官僚利権拡大のための裁量支出に対しては大盤振る舞いが続いている。
政府支出のゼロベースからの見直しが必要不可欠である。
政府支出をゼロベースから点検し、必要性の序列で整理すれば、バラマキ公共事業と官僚利権拡大のための政府支出を切り、社会保障制度は維持・拡充すべきということになる。
歳出改革を先行させ、そのうえで、負担の適正化を検討するべきなのだ。
財政改革の順序が完全に間違っている。
その理由は、財務省が、自分たちの利益、省益、権益拡大だけを考えて、国民のことなど、何ひとつ考えてはいないことにある。
この事実を正しく把握することが、財政問題を考察するための第一歩になる。
野田佳彦政権が国民を騙して成立させた消費税増税の法律。
第一条の条文がこれだ。
第一条 この法律は、世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から消費税の使途の明確化及び税率の引上げを行うとともに、所得、消費及び資産にわたる税体系全体の再分配機能を回復しつつ、世代間の早期の資産移転を促進する観点から所得税の最高税率の引上げ及び相続税の基礎控除の引下げ並びに相続時精算課税制度の拡充を行うため、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を改正するとともに、その他の税制の抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置について定めるものとする。
「世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度」
とは何か。
「世代間の公平性」とは、政府債務の増大が将来世代の負担過多、現役世代の受益過多をもたらすとの判断に立ち、現役世代への課税を強化して、将来世代の負担を軽減することを意味しているのだと推察される。
財政赤字の拡大は、「つけの先送り」だとする考え方である。
「世代内の公平性」とは、社会保障財源を「広く薄く(厚く)」負担させることを意味しているように受け取れる。
所得税による課税では、低所得者に対する課税が行われない。
消費税による課税は、所得ゼロの個人に対しても、金持ちと同率の税率を適用できる。
金持ちの負担を軽減し、低所得者の負担を増大させることを「世代内の公平性」と財務省は考えているのだろう。
そのあとに書かれている三つのキーワードは、
社会保障の安定財源の確保
財政の健全化
消費税の使途の明確化
である。
財政の健全化のために消費税を引き上げる。
これによって社会保障の安定財源を確保する。
同時に、消費税の使途は社会保障に限定する。
この方向が示されている。
一見、もっともな主張に見えるかも知れない。
しかし、よく考えてみれば疑問と疑惑だらけの内容だ。
財政の健全化のために消費税を引き上げるということだが、財政の健全化のためにするべきことは、消費税を引き上げることの前に数多く存在する。
財政の無駄を切ることだ。
無駄なバラマキ公共事業と、官僚利権を拡充する政府支出など、まったく不要だ。ゼロでよい。
消費税について検討するのはそのあとであるのが当然だ。
「社会保障の安定財源」、「消費税の使途明確化」とあるが、社会保障の拡充の言葉はどこにも存在しない。
社会保障支出は巨額であるから、消費税の収入よりも多い。
また、金に色がついているわけではないから、社会保障支出の金額が消費税収を上回っている限り、消費税の使途は社会保障支出に限ると言うことが出来る。
社会保障支出の金額よりも小さな消費税の税収が増えれば、社会保障財源が安定化することもたしかだ。
しかし、こうした消費税増税によって、社会保障制度を拡充するとは、どこにも記述がないのである。
つまり、この法律は、単なる増税法なのである。
「一体改革」とは名前だけで、ただ単に、消費税を増税することだけを決めたものなのだ。
そして、正しい政策対応とは、増税の前に、無駄な政府支出を切ること。
あたり前のことだ。
しかし、政府は、無駄な公共事業と官僚利権への支出を削減する姿勢をまったく示さない。削減するどころか、これらの支出を激増させているのだ。
こんな、不当な増税を許すわけにはいかない。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第659号「財務省日本橋本石町出張所長の黒田東彦氏」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
| 20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社
|
| オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房
|
| アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社
|
| 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社
|
|
|
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
|
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:同時代社 |
| 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
|
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
| 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:青志社 |
| 日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
| 売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
| 知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
| 消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
| 戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:創元社 |
| 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 出版社:筑摩書房 |
|
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 出版社:講談社 |
| 検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 出版社:毎日新聞社 |
| 検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
|
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 出版社:岩波書店 |
|
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:鹿砦社 |
</
« 消費税増税やらせ意見聴取を放置する国会の怠慢 | トップページ | 五輪が持つスポーツの祭典と利権の祭典の二面性 »
「消費税大増税=大企業減税」カテゴリの記事
- 日本の光を闇に変えた野田首相(2022.12.26)
- すべてを疑うことから始める(2022.11.29)
- 消費税問題は選挙の道具でなく核心(2020.09.13)
- 不況下大増税強行という世紀の大失策(2020.08.01)
- 深刻化避けられない消費税大増税大不況(2020.02.27)
« 消費税増税やらせ意見聴取を放置する国会の怠慢 | トップページ | 五輪が持つスポーツの祭典と利権の祭典の二面性 »











