日経世論調査で消費税増税政府案に8割が反対
消費税率の引き上げをめぐって壮大な茶番劇が始まった。
有識者からのヒアリングと称して、一大デモンストレーションが開始された。
消費税について論議するのは国会の責務だろう。
財務省が消費税大増税を強硬に推進しているのだから、財務省に敵対する覚悟のあるもの以外は、消費税増税を否定する発言を示さない。
静岡県立大学の本田悦朗教授は増税実施時期の先送りを提案しているが、本田氏はつい最近まで財務省職員を務めていた人物である
財務省と連携して発言していることは明白だ。
本田氏は8月18日のNHK日曜討論に出演したが、本田氏がいみじくも指摘していたように、この番組には消費税増税に賛成の人しか出演していなかった。
財務省は、予定通り消費税を引き上げる意見と、予定をずらして消費税率を引き上げる意見で、世の中の意見を占有しようと考えているのだ。
一見すると、本田氏の主張は消費税増税に対して批判的に見えるが、全く違う。
本田氏の主張の核心は消費税率を引き上げるべきだという点にある。
放射能汚染水に例えて言えば、来年4月から放射能汚染水を海に全面排出させるか、再来年4月から放射能汚染水を全面排出させるかを論じているようなものだ。
有識者への意見聴取といっても、聴取内容を公表されるのだから、御用聞きの言論人が財務省の主張に全面対立する意見を言うわけがない。
野球のオールスターゲームのように、国民が出場者を選出するのならまだ分かる。
そうではない。政府が人選して、この政府に人選された人物が記名で発言するのである。
その人物がどのような意見を述べているのかは事前に分かる。
増税賛成者を多く選べば増税賛成論が多数を占める。
増税反対者を多く選べば増税反対論が多数を占める。
当たり前のことだ。
こんなことに膨大な国費を投入するなら、その分増税額を減少させるべきだ。
2009年と2010年の国政選挙で主権者である国民は消費税増税に明確にNOの意見を示した。
ところが、野田佳彦氏は主権者国民との契約を一方的に踏みにじって消費税増税の法律を国会で可決させた。
民主主義を冒涜する暴挙であった。
だからこそ、野田民主党は主権者国民から壊滅的な批判と攻撃を受け続けているのだ。
主権者国民の意思を踏みにじって国会が消費税増税の法律を決めてしまったのだから、順序は逆になるが、その次の国政選挙で、この問題の是非を主権者国民に問わなければならない。
2012年12月の総選挙では、消費税増税の是非が最重要の争点にならなければならなかった。
NHKはこの局面で徹底的に消費税増税の是非を論じる討論、特集番組を編成するべきだった。
ところが、NHKはそのような取り組みを一切示さなかった。
示さないどころか、総選挙に際して、重要争点隠しの偏向報道を全面展開したのである。
政権の枠組みを問う選挙、景気と経済政策が争点などの偽りの報道を展開し続けた。
したがって、主権者国民は消費税増税の是非を軸に選挙に臨まなかった。
消費税以外にも、原発、TPPの重大問題が存在した。
原発・消費税・TPPを推進するのか、
それとも
原発・消費税・TPPを阻止するのか、
これを総選挙の争点に位置付けるべきだったのだ。
ところが、NHKをはじめとするマスメディアは、意図的に、この最重大争点を隠蔽し、消費税増税の是非を国民に問わなかったのである。
8月26日付日経新聞は一面に世論調査結果として、
「消費増税7割が容認」
の見出しを躍らせた。
この新聞は本当にいかがわしい新聞である。
見出しの根拠になっている世論調査の数値を見ると以下の通りだ。
消費税率は予定通り引き上げるべきだ 17%
引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ
55%
引き上げるべきでない 24%
なのだ。
つまり、政府が予定している消費税増税の計画について、79%の人が反対の意見を提示したのである。
したがって、まともな報道機関であれば、見出しは
「消費税増税 政府方針に8割が反対」
となる。
財務省職員だった本田悦朗氏が消費税増税の実施時期を変更する意見を述べているのは、この範疇を含めて消費税増税賛成論が多数であるように見せる「工作」にすぎないのである。
根本的な問題が二つある。
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