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2013年7月23日 (火)

25%の覚醒で主権者は日本政治を奪還できる

参院選の結果を改めて総括してみたい。


投票率は52.61%で戦後3番目に低いものになった。


有権者の半分しか選挙に行っていない。


これでは、国民主権の政治は実現しない。


投票率が低くなった理由は二つある。


ひとつは、メディアの情報誘導によって投票率が引下げられた側面。


いまひとつは、主権者の側の政治に対する関心の弱さだ。


主権者の主権者による主権者のための政治を実現するために、参政権が保障されている。


主権者が熟慮して投票に臨めば、主権者の意思を政治に反映させることができる。


しかし、参政権を放棄しては、主権者の思いを政治に反映させることはできない。


メディアは自公圧勝予想を流布するとともに、選挙の争点・焦点が「ねじれ」と「景気」であるとの情報操作を行った。


本当の争点・焦点は、
原発・憲法・TPP・消費税・辺野古
について主権者がどのような判断を下すか、そして、この五大争点に対する賛成勢力と反対勢力の分布がどうなるかであった。


主権者の問題意識を高め、主権者にとって極めて重要な問題についての賛否を問う選挙とすれば、投票率ははるかに高いものになったはずだ。


しかし、マスメディアは「ねじれ」と「景気」が争点・焦点であるとし、自公が圧勝するとの見通しを繰り返し流布した。


そのため、五大争点に反対の主権者は諦めて選挙に行くのをやめ、自公勝利の勝ち馬に乗りたい人の投票行動は促進された。

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比例代表選挙での自民党得票率は34.68%だった。


投票率が52.61%だったから、比例代表で自民党に投票した主権者は、全体の18.2%である。


主権者全体の18.2%の投票で、改選議席121の53.7%にあたる65議席を確保した。


参院選の勝敗を決するのは31ある1人区である。この1人区で自民党は29勝2敗だった。


1人区での自民党圧勝に寄与したのが公明党である。


比例代表選挙での自公両党の得票率は48.9%。


選挙区での自公両党の得票率が47.9%。


つまり、参院選では、投票に参加した主権者の48~49%が自公陣営の主権者であったことになる。


これを49%とすると、投票率52.6%を乗じた25.1%が自公票と見ることができる。


全有権者の4分の1が自公票になっており、この4分の1の人々が確実に投票所に足を運ぶことで、国会議席の過半を獲得したのである。


公明の獲得議席は11で、自公両党の獲得議席数は76議席だった。自公両党は改選議席121の62.6%を占有した。


全有権者の4分の1の人々が確実に選挙に足を運ぶことで、改選議席の63%を占有したのである。

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2010年7月参院選、昨年12月総選挙、本年7月参院選を通じて、日本政治は20年前の状況に引き戻された。


国内的には政官業が支配し、外交的には米国が支配する。さらに情報空間を電波産業が統制する、米官業政電支配構造が改めて強固に確立された。


この利権構造を打破しようとするのが主権者国民勢力である。


米官業のトライアングルのための政治ではなく、主権者のための政治を樹立しようとする勢力である。


2009年9月に、主権者政権が樹立され、2010年7月の参院選で勝利を重ねれば、この偉業が成就したが、2010年6月にクーデターが挙行され、主権者政権が倒された。


日本の政治転覆をもたらす原動力になったのが、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対する苛烈な人物破壊工作であった。


その延長線上に、今日の利権複合体による日本政治支配復活がある。

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この政治をもう一度、主権者政治に転換しなければならない。


その戦略、戦術を構築する際に、参考になるのが、自公両党による結束である。


投票所に足を運んだ人のなかでの比率では5割だが、全有権者に占める比率は4分の1である。


全有権者の4分の1を固めて、必ず投票所に足を運んでもらうことができれば、政治権力を掌握することができる。


この4分の1の糾合、結束、連帯が求められるのである。

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参院選の教訓は、自公が結束をより強めたのに対して、主権者勢力がより一層、分立・分裂の程度を強めたことである。


現実的だが、そこには、お金の問題も絡む。


政党交付金が政党単位で支払われ、その資金配分権が政党執行部に委ねられるために、多党分立傾向が助長されてしまう。


なかなか大同団結ができなくなるのだ。


議員数が減少すると、政治活動資金がますます枯渇する。


政治活動が資金面で成り立たなくなるのである。


共産党のように、支持者の資金力によって成り立つ政党は、自立して政治活動を行なえるが、そのような財政基盤を持たない政治勢力は政党交付金頼みになってしまう。


企業献金が認められているが、政官業癒着構造の下にある企業献金は、利権政党に集中して流れ込む。


この構造が放置されるなら、かつての自民党一党支配構造が定着してしまうことになる。

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この難問を解決して、主権者政治を確立することを考えるときに、大きな示唆を与えるのが、東京での選挙を勝ち抜いた山本太郎氏の選挙戦と沖縄での選挙を勝ち抜いた糸数慶子氏の選挙戦である。


全有権者の4分の1の人々を、利権政治に対峙する勢力に糾合できれば、日本政治を変えることができる。


米国・官僚・大資本のための政治ではなく、主権者のための政治実現を目指す主権者が、主権者全体の4分の1を占め、この勢力が結集すれば、政治を変えることができる。


山本太郎陣営の選挙の特徴は、ボランティア選挙である。


政治資金がなくても、市民が自発的に選挙に参加すれば、政治活動を行うことができる。


糸数慶子陣営の選挙の特徴は、利権政治に対抗する政治勢力が大同団結して共闘したことである。


これを実現できれば、自公勢力を打破することができるのだ。

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