参院選メインテーマは「主権者が日本を取り戻す」
参院選がいつ実施されるのかはまだ確定していないが、もっとも可能性の高い日程として7月21日日曜日の投開票が予想されている。
参議院議員通常選挙は公職選挙法32条1項により任期満了の日の前30日に行うこととされている。
公職選挙法
第三十二条 参議院議員の通常選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内に行う。
しかし、この規定には例外規定がある。
公職選挙法
第三十二条
2 前項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から二十三日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行う。
つまり、国会が会期延長される場合には、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行うことになる。
今次通所国会の会期末は6月26日である。
他方、参議院の任期満了は7月28日である。
したがって、参院選は7月14日ないし7月21日に実施されるとの見通しが示されている。
しかし、国会会期が延長される場合は、この限りではなくなる。
8月選挙という可能性も浮上する。
一部には、安倍政権が衆院定数を「0増5減」する法律を成立させて、衆参ダブル選に突入する可能性があるとの見方を示す向きもある。
衆院の区割り、定数変動が生じた場合、総選挙を実施する前に周知期間が必要との見解は存在するが、明文の規定はない。
法解釈の問題であるため、政府の解釈で、区割り変更後、直ちに総選挙を行うことも完全否定はできない。
安倍晋三氏は憲法改正を実行したいと考えていると見られている。
しかし、現在の衆議院議員の正統性には疑問符がつけられている。
違憲選挙で当選した議員に憲法を偏向することが許されるのかという批判である。
この批判をかわすために、安倍氏が新しい選挙区割りで総選挙を行い、その新体制の下で憲法改正に突き進むとの見立てが生まれている。
可能性が高いとは言えないが、7、8月の衆参ダブル選の可能性を念頭に入れておく必要はある。
問題は、日本の主権者が今夏の参院選にどのような意識で臨むべきかである。
結論を一言で示せば、参院選のテーマは、
「主権者が日本を取り戻す」
である。
安倍晋三氏は昨年12月の総選挙で「日本を取り戻す」とのコピーを用いた。
これは、正確に表現すると、
「米国が日本を取り戻す」
ことだった。
安倍自民党は政権を奪還し、その延長上にさまざまな政策が実行されている。
原発再稼働
普天間の辺野古移設
TPP交渉参加
が進み、
さらに、
日本の集団的自衛権行使
が推進されつつある。
象徴的であったのは、5月3日の憲法記念日を祝福せずに、4月28日に政府記念式典を実施したことだ。
政府は、表向き、この日を「主権回復の日」としているが、その内実は異なる。
この日は、「主権回復の日」というより、「日本植民地化」の日なのである。
米軍が日本から撤退して日本の独立=主権回復は実現されるべきものだった。
ところが、4月28日を境に、米軍は合法的に日本駐留を維持することになった。
日本政府はサンフランシスコ講和条約第3条で沖縄などの地域を日本から切り捨てた。そして、その沖縄を米軍に献上したのである。
同時に、米軍は4月28日をもって、「治外法権」を獲得した。1952年4月28日に発効した日米行政協定が米軍に治外法権を与えたのだ。
安倍政権が発足して、日本は完全に米国が支配する国に変質した。
その表れが、原発・普天間・TPPであり、憲法改正による、日本軍の米軍支配化への組織組換えである。
これが安倍氏の言う「(米国が)日本を取り戻す」の意味だった。
参院選では、日本の主権者が「(主権者が)日本を取り戻す」を掲げて、日本の植民地化を阻止する第一歩を築かなければならない。
続きは本日の
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