基地建設強行なら沖縄は日本から独立する
4月22日付の琉球新報が米国MIT名誉教授であるノーム・チョムスキー氏へのインタビュー記事を掲載した。
チョムスキー氏は『メディア・コントロール』などの著書で知られる著名な社会哲学者である。
インタビュー記事は五部構成でまとめられている。
1.普天間問題
2.米国の民主主義
3.「地域の安定」とは
4.東アジア情勢
5.沖縄へのメッセージ
極めて示唆に富むインタビュー内容である。
マスメディアの大半が御用メディアに堕して、本来の必要な情報が市民に提供されていない。
中日新聞=東京新聞、北海道新聞、日刊ゲンダイなど、数少ないメディアだけがメディアの良心を維持しているのが現状であるが、市民がメディア・コントロールの餌食にならないようにするには、有害な新聞の購読をやめることが望ましい。
読売・産経・日経などの購読をやめて、例えば琉球新報などの購読に切り替えることは十分に検討に値する。
http://ryukyushimpo.jp/info/page-79.html
また、既得権益の視点からではない市民目線での事実認識が示されている。
ちなみに、
『日米地位協定入門』(創元社)
の著者の前泊博盛氏は琉球新報社の論説委員長を経て沖縄国際大学教授に就任した。
チョムスキー氏は以下の指摘を示す。
1.普天間移設問題
「市街地に基地を置くことは決して許されるべきでない。だからと言って、県内のどこか別に移設すべきでもない。私が知る限り、県内で新たに施設が建設されることを県民は拒否している。沖縄のことは沖縄県民が決めるべきだ。」
「仮にボストン郊外に中国が基地を設置しようとしたら、マサチューセッツ州の人々が受け入れるかどうかを決める。それと同じだ。」
これが当たり前の考え方である。
沖縄のことは沖縄が決める。
沖縄の県民が総意として普天間の代替施設を沖縄に置くことを拒否するなら、その意思は尊重されるべきである。
日本政府は日本国民の意思を反映して行動するべきものであり、日本国民の意思を無視して、米国の命令に従って、沖縄県民に沖縄県民が拒否している沖縄県民の負担を強制するべきでない。
チョムスキー氏は南米のエクアドルが米軍基地を排除した際の論法を紹介する。
「米国は駐留継続を希望したが、エクアドル大統領のコメントは秀逸だった。『米国は駐留継続してもよい。エクアドルがマイアミ(米フロリダ州)の隣に基地を置いてよければ』。それで米国は基地を引き揚げた。あれは実に見応えがあった。」
そして、チョムスキー氏はより重大な問題にも触れる。
「この問題はより大きな疑問をはらんでいる。沖縄が日本に支配されるべきかどうかという疑問だ。歴史的に見て沖縄は独立国家だった。沖縄の人々が日本の一部であり続けたいならそれでいい。だが、独立を望むなら自発的に動いていくべきだ。」
日本政府が沖縄県民の総意を踏みにじり、沖縄の巨大な基地負担を強制してゆくなら、沖縄県民は重大な判断を念頭に置くことになるだろう。
「沖縄独立」である。
チョムスキー氏が指摘するように、歴史的に見て、沖縄は日本とは離れた独立国家であったし、文化的には中国・台湾と近い。
明の時代に中国が外交対応を誤り、沖縄の日本帰属を認めてしまったのである。
この点は司馬遼太郎氏の著作『翔ぶが如く』に詳述されている。
2.米国の民主主義
チョムスキー氏は米国のダブルスタンダードを指摘する。
帝国主義国家においては、国内では民主主義が採用されても、植民地に対しては非道な専制主義体制をもって支配する。
チョムスキー氏は、米国は他の民主主義国家と比べて、より民主的な国家であるが、東南アジアや南米で絶えず民主主義を傷つけてきたと指摘する。
自国の利益のためには、民主的な政府を転覆させることも繰り返してきた。
米国の歴史の真実を私たちは直視する必要がある。
4,5.東アジア情勢と沖縄へのメッセージ
チョムスキー氏は沖縄周辺で軍事衝突が起こることは予想していないとしたうえで、しかし、軍事基地がある所では常に衝突の可能性があることを指摘する。
そのうえで、沖縄の基地負担を軽減してゆくうえで、意味のある抗議行動が物事を動かす唯一の力になると言う。
希望を持ち続け、力を注ぎ続けること。
これが大事であると指摘した。
続きは本日の
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