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2013年3月22日 (金)

直ちに実績上げなければ責任を問われる新体制日銀

日銀幹部が交代した。


白川方明総裁は4月8日まで任期を残していたが、安倍政権の政策遂行方針を尊重して、前倒しで辞任することとした。


白川方明総裁、西村清彦副総裁、山口広秀副総裁が辞任し、


新たに、


黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁が就任する。


このうち、白川氏、山口氏、中曽氏が日銀内部職員からの起用である。


メディアは、日本の失われた20年、デフレの長期化の原因を日本銀行に押し付けているが、事実誤認も甚だしい。


そして、明確な定義を示さずに、「デフレ」という言葉を用いているが、定義が明確でないのに、責任が誰にあるのかなど、特定できるわけがない。


2009年の日銀幹部人事では、財務省出身者の総裁、副総裁起用が阻止された。


私は、これが順当な対応であると考える。


今回人事においては、出身機関等によって可能性を遮断することはしないとの方針が、なし崩しで定められた感がある。


結果として、財務省出身者が日銀総裁ポストを奪還することになった。

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現時点では、


「日本の「失われた20年」をもたらした元凶は日銀であり、デフレが長期化しているのは白川氏が率いた日銀に責任がある」


とされ、この誤りを正すために、いわば正義の味方として黒田-岩田(規)体制が敷かれるとの話になっている。


しかし、この評価が正しいという保証はどこにもない。


現在のインフレ誘導論の最大の欠陥は、歴史的な視座を欠いていることにある。


第二次大戦後、ドイツでも日本でも、中央銀行の独立性が重視されるようになった。


中央銀行が政府の支配下に置かれて、通貨価値の暴落を引き起こしたためである。


通貨価値の暴落は、二つの意味で致命的な影響を生み出す。


ひとつは、巨大な経済的不公正の発生である。


インフレは債権者から債務者に巨大な規模で所得を移転してしまう。


借金が棒引きされる一方で、預金が紙くずになってしまう。


借金をしている人は喝采し、預金をしてきた人は絶望の淵に落とし込まれる。


政府は軍票を発行してあらゆる資材を調達し、業務を委託した。この軍票を手にして資材を提供し、業務を委託された事業者はやがて、大切に蓄えた軍票が単なる紙くずになって呆然とするのだ。

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この事態が発生した最大の理由は、巨大な借金を積み上げた政府に、インフレを渇望する理由があり、その政府の支配下に中央銀行を置いたことだ。


インフレを渇望する政府が、インフレをコントロールする手段を持つ中央銀行を掌握すれば何が起こるか。


容易に想像することができる。


だからこそ、戦後の立法で、中央銀行の政府からの独立性を法的に厳しく担保したのである。


それをいま、日本では、人為的に外そうとしている。

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2003年から2008年まで日銀総裁の任に当たった福井俊彦氏、2008年から2013年まで日銀総裁の任に当たった白川方明氏の両名は、歴代日銀総裁のなかでも傑出した名総裁であったと評価することができる。


この両名の金融政策運営を批判する者は、金融政策の真髄を知らない者だと言って過言でないだろう。


この10年間において、日本銀行は、基本的に超金融緩和政策のスタンスを貫いた。


そのなかで、2006年、福井総裁の下で日銀は量的金融緩和政策とゼロ金利政策を解除した。


インフレ誘導派の人々は、この措置を誤りだと批判するが、根拠が希薄である。


2005年から2008年にかけて、日本経済は緩やかな成長軌道をたどった。


物価上昇率も着実に上昇し、2008年半ばには1%台半ばまで達した。


022013


福井日銀の政策対応は極めて順当なものであったと評価できる。

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景気低迷が深刻であるとき、金融政策は緩和政策を実行するべきだ。


しかし、金利をゼロにまで引き下げた段階では、金融政策は追加的な効果を発揮し得なくなる。


この局面では、財政政策を活用することが検討される必要がある。


これが有名なケインズが指摘した「流動性のわな」の局面なのである。


2008年後半以降、日本経済が急激に悪化し、その後、経済の低迷が持続してきたのは、次の三つの理由による。


第一に、サブプライム金融危機に伴い、深刻な世界不況と急激な円高が発生したこと。


第二に、2011年3月11日、東日本大震災が発生したこと。


第三に、震災発生後に菅直人政権と野田佳彦政権が日本経済浮揚ではなく、消費税大増税に突き進んだこと。


この三つの理由で、2008年後半以降、日本経済の低迷が長期化したのである。

これを福井総裁と白川総裁の責任に帰すことは事実に反している。

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