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2013年3月13日 (水)

3.13判決を迎える陸山会事件の真相

本日、3月13日、陸山会事件の判決がある。


石川知裕衆議院議員、大久保隆規氏、池田光智氏の3名に対して、東京高裁の飯田喜信裁判長が控訴審での判断を示す。


陸山会事件とは、2004年10月に代金決済が行われ、2005年1月に移転登記が行われた、小沢一郎氏の政治資金管理団体=陸山会による世田谷不動産に関する政治資金収支報告書への記載について、東京地検特捜部がその違法性を提示した事案である。


検察は、


1.2004年分の収支として報告すべきだった。


2.陸山会が不動産取得費として受けた銀行融資の実行に際して、銀行側に指し入れた4億円の定期預金の原資について、これを陸山会の収支報告書に記載すべきだった。


ことを主張し、これを理由に「虚偽記載」の疑いで秘書3名を起訴した。


しかし、会計学の専門家である大学教授は2005年の収支として報告したことについて、これを「適正である」と法廷で証言した。


また、融資を受けるために銀行に差し入れた4億円の定期預金は、陸山会自身の収支ではなく、単なる「預り金」であることから、これを収支報告書に記載する必要はないというのが、収支報告書記載の一般的考え方である。


百歩譲って検察の主張を取り入れるとしても、適正処理としては、収支報告書の修正で済ませれば十分な事案であり、このことを刑事事件として検察が立件したこと自体、異常というほかない。

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2009年3月3日の西松事件創作以来、メディアは、これらの事案の裏側に収賄や裏金受領などの実質的犯罪が存在するとの、根拠なき憶測を流布し続けてきた。


この無責任な虚偽情報流布に重大な影響を与えてきた、最大の根拠は、2011年9月26日の登石郁朗判事による判決である。


小沢氏元秘書が水谷建設から裏金を受領したとの検察の見立てについて、裏金提供を主張する水谷建設元幹部の証言を、水谷建設元運転手が事実関係として否定しているにもかかわらず、登石郁朗判事が事実認定したことである。


仮に裏金授受が事実であるなら、これこそ検察が立件を目論んできた「実質的犯罪」そのものである。


検察は、この「実質的犯罪」を立件するために、違法性のあるいわゆる「見込み捜査」を行い、違法な強制捜査、違法な逮捕・起訴を繰り返した。


検察サイドがこの裏金授受の事実を立証できるなら、この事案で立件していたはずである。


ところが、検察はこの事案を立件できなかった。


つまり、裏金授受に立証はできないことを検察自身が認めざるを得なかったわけである。

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客観的に見ても、石川知裕氏に裏金を渡したと証言した水谷建設元社長川村尚氏の証言は、すでに一審で川村社長の運転手によって否定されている。


検察は第一審で、10月15日に、川村元社長が単独で鹿島建設東北支社を訪問し、その後、東京に戻って単独で全日空ホテルで石川知裕氏に5000万円の現金を渡したとの主張を示した。


しかし、この主張は、元運転手が法廷で、当該期日に全日空ホテルに川村社長を送った覚えはないと、事実関係を否定したのである。


また、控訴審では、水谷建設元会長の水谷会長が、


「10月15日に鹿島建設支店に向かう前日、川村社長から『すでに裏金を渡した』と聞かされた」


と述べたこと。


川村元社長が10月15日に水谷会長と行動を共にしたことを認めるとともに、


「今も現金を渡した相手の顔を思い出せない」、


「検事に『(裏金の授受は)15日じゃなきゃ、ダメだ』と念を押された」


と供述しているとの新事実も明らかにされた。


つまり、裏金授受というもっとも重要な事案について、客観証拠は、これを立証できないことを明らかにしているのである。

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一連の西松事件、陸山会事件は、単なる形式的な政治資金収支報告書の記載方法に関する、解釈上の問題が存在するだけのもので、せいぜい収支報告書の修正をすれば十分な事案であって、刑事事件として取り扱うべきものではない。


ところが、登石郁朗判事が、この裏金授受を根拠なく事実認定したために、メディアによる「巨大犯罪報道」に大きな根拠を提供してきたのである。


事実として、一連の事案は、無実潔白の小沢一郎氏および元秘書を、不当に犯罪者や刑事被告人に陥れるための、日本政治史上最悪、もっとも卑劣な政治謀略事件である。


この事案に「巨大犯罪」としてのイメージを植え付ける面で、一審登石郁朗判事による「裏金授受」の事実認定は何よりも重大な影響を与えてきた根拠となっている。


真相は逆である。


検察による巨大犯罪、検察とメディアの連携による小沢一郎氏に対する「巨大政治謀略事案」という問題の本質を隠蔽するために、極めて不当で卑劣な方法として、登石郁朗判事による不当な裏金授受事実認定が「創作」されてきたというのが、真相であると言える。

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つまり、検察が立件できないとして起訴もできなかった事案を裁判所が客観証拠に反する事実認定を行うことの異常さ、不当性にこの事案の特殊性と謀略性が明白に表れている。


この、不当な事実認定がなければ、一連の事案が、「単なる政治謀略事案」であることが、誰の目にも明らかになってしまう。


また、元秘書の事案を「犯罪」として取り扱うためには、その裏側に実質的犯罪が存在し、収支報告書の取り扱いを意図的に操作する動機、理由が必要不可欠なのであり、こうした「必要性」から、不当な事実認定が行われてきたのである。

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残念ながら、これが日本の裁判の現実である。


刑事訴訟法は、第一条に、


「公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現する」


ことを掲げているが、現実には、基本的人権は安易に踏みにじられ、事案の真相を明らかにすることも実現されていない。


政治的な意図を背景に、検察、裁判所権力が不正に、そして不当に利用されているのが、日本の現実である。

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