« メディアが主導するTPP参加のための巨大茶番劇 | トップページ | 米国が用意した台本通りに茶番演じる安倍害交 »

2013年2月25日 (月)

予測完全的中安倍政権日銀幹部人事のキモ

2月22日早朝にブログ記事


「日銀総裁・副総裁人事案をズバリ予測する」


メルマガ第499号記事


「安倍氏の日銀運営評価は歴史が定めることになる」

を発信した。


私が予測した日銀総裁・副総裁候補者の最有力案は次のものである。


A案


総裁  黒田東彦氏


副総裁 岩田規久男氏


副総裁 雨宮正佳氏

なお、日銀出身者は雨宮正佳氏ではなく中曽宏氏になる可能性がある。

人気ブログランキングへ

いま報道各社が伝えている日銀幹部人事案は筆者の予測と同じだ。


日銀出身者は中曽宏氏を軸に人選が進められると伝えられている。


私が上記A案を最有力案とした理由は以下の通り。

人気ブログランキングへ

まず、総裁候補の黒田東彦氏。


三つの要因があった。


第一は、安倍晋三氏が「自分の考えに共鳴する人」を日銀総裁に起用したいとしていたこと。


いわゆる「インフレ誘導」色の強い金融政策を実現するには、非伝統的手段を含めて、追加金融緩和措置に積極的な人物を選出する必要があった。


岩田一政氏でもこの条件を満たすはずだが、みんなの党などがこれに反対していた。


これには、もっと深い理由が存在する。


第二は、財務省が何としても総裁、副総裁ポストを奪還したかったこと。


財務省の第一希望は武藤敏郎氏の総裁就任だったが、この案が通る見通しは低下していた。


とりわけ、安倍氏がインフレ推進派の起用にこだわっていたため、福井俊彦総裁体制下で副総裁を務めた武藤氏の起用では、この方針を示すことにならないとの声が安倍氏周辺で高まっていた。


また、武藤氏は財務省の官房・主計畑出身で、いわゆる財務省の天下り人事の側面が強調されることから参院での野党の拒絶も予想された。


黒田氏は財務官出身者であり、財務省の保守本流ではないが、財務省としては誰であっても日銀幹部人事を獲得できるのであれば、それを優先するとの姿勢を示したと思われる。

人気ブログランキングへ

第三に黒田氏が財務省出身ではあるが、財務官経験者であるため、参議院での野党の賛成を得やすいことである。財務次官経験者を候補としても、参院で同意を得られなければ起用する意味がない。


2008年には財務次官経験者が相次いで同意を得られず、結局、財務省は日銀幹部ポストを失った。


黒田氏は財務省のなかの企画調査、ならびに国際金融畑の経験が長く、アジア開銀総裁の職にもあったため、野党の同意を得やすいとの事情がある。


これらの事情から武藤氏ではなく黒田氏が起用されることになった。


私は2月22日付メルマガに次のように記述した。


「財務省は武藤敏郎氏の日銀総裁就任を悲願としているが、武藤氏が必ずしも安倍氏が提唱するインフレ誘導に積極賛成しているわけでないこと、野党が財務次官経験者の日銀総裁就任に難色を示していること、などを踏まえると、武藤氏の総裁起用の可能性は低下していると判断される。


ここで安倍氏が武藤氏を起用するなら、「アベノミクスマジック」は消滅することになるだろう。


安倍氏周辺の取り巻きが武藤氏起用に強く反対するものと思われる。」

人気ブログランキングへ

他方、学者出身の副総裁候補として、私が最終的に最有力候補になるとしたのが岩田規久男氏である。


2月22日付メルマガには次のように記述した。


「岩田一政氏をみんなの党などが金融緩和に消極的だとして除外しよ

うとしていること。


安倍晋三氏は、「自分の考えに共鳴する人」を日銀総裁に起用する方針を示している。岩田一政氏では、この要件を満たさないと安倍氏の周辺にいる取り巻きが騒いでいる。


これは、岩田氏では米国の命令を直接的に強制することが難しいとの事情があるのだと思われる。


安倍氏周辺の雑音とでも呼ぶべき声が偏り過ぎていることが問題なのだが、安倍氏がこの雑音的な声に影響される可能性がある。


(中略)


安倍氏がより鮮明にインフレ誘導の色を示すなら、黒田氏と岩田規久男氏をそろって起用する可能性が生まれる。


これがもっとも安倍氏提唱インフレ誘導路線を体現するものになる。


年次は岩田規久男氏が上だが、官僚出身者が総裁なら、この点は霞が関、永田町では問題にならない。


日銀経験のない人物の組み合わせになるから、極めてギャンブリングな人事となる。」

人気ブログランキングへ

日銀出身者としては、本来は雨宮正佳氏が適任であるが、雨宮氏が正統派のセントラルバンカーであることが副総裁への起用への障害になったものと思われる。


かくして、私の日銀幹部人事予想はほぼ完全に的中したようだ。


しかし、2月22日付記事にも記述したように、これが適正人事だと私が評価しているのではない。むしろ、大いなる問題を内包する人事であると感じている。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第501号「安倍政権日銀人事がはらむ三つの重大問題」
でご購読下さい。



2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« メディアが主導するTPP参加のための巨大茶番劇 | トップページ | 米国が用意した台本通りに茶番演じる安倍害交 »

金融政策」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 予測完全的中安倍政権日銀幹部人事のキモ:

« メディアが主導するTPP参加のための巨大茶番劇 | トップページ | 米国が用意した台本通りに茶番演じる安倍害交 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ