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2013年2月13日 (水)

円安誘導をG7声明でお目こぼしする米国の魂胆

昨日付のメルマガタイトルは


「為替変動に関するG7声明が円安に与える影響」


ロシアのモスクワで15、16日に開かれるG20会合を前に日米欧の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が共同声明を発表する可能性があることについて記述した。


実際、G7は12日、通貨安競争の回避に向けた緊急の共同声明を発表した。


メルマガには次のように記述した。

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「G7、G20で、通貨切り下げ競争を牽制する論議が行われるだろう。


しかし、現局面で日本政府が厳しい攻撃を受けることは生じない。


なぜなら、安倍政権を浮上させることがいまの米国にとっては大きな利益をもたらすからである。


米国はいま、安倍政権を浮上させることに全面協力しているのである。



欧州には、日本の円切り下げ政策に対して厳しい意見が存在する。


経済状況が厳しいなかで、ユーロの大幅上昇が生じることは望ましいことではないからだ。


しかし、ユーロは2008年以降の大幅下落後の局面にあり、ユーロの際限の無い下落に歯止めがかかることは、否定しなければならないほどのことではない。


日本の円切り下げ政策を牽制はしても、猛攻撃を仕掛ける局面にはない。

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したがって、安倍政権が国際政策論議のなかで猛攻撃を受けるリスクは限定的なのである。」



実際、共同声明では、


「日本を含むG7各国の財政・金融政策は為替レートではなく、国内の市場や経済などの目的を達成することに向けられてきていること、今後ともそうしていくこと」


を確認し、


「為替レートは市場において決定されるべき」

としたうえで、


「為替市場における行動に関して、緊密に今後とも各国が協議していくべきとする従来からのコミットメントをG7各国が再確認した」


ことが示された。

 

財務相の麻生太郎氏は12日夜、財務省内で為替に関するG7声明を発表し、


「金融緩和の強化など日本のデフレ不況対策が為替を目的としていないことがG7各国から認識されたことに意義がある」


との考えを示した。

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G7が為替について声明を発表するのは2011年9月以来のこと。


安倍政権誕生の見通しが強まった昨年11月14日以降、為替市場では円安が急激に進行している。


安倍氏は円安を目指すことを公言してきたため、海外から「通貨切り下げ競争を煽る動きだ」との批判が生じている。


今回の共同声明は、日本が批判の矢面に立たないための予防線の意味がある。

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洞察しなければならないことは、こうした「安倍政権を守るための声明」とも言える声明がなぜ発表されたのかということ。


このことを予測したうえで私は、昨日メルマガ記事に、


「安倍政権を浮上させることがいまの米国にとっては大きな利益をもたらすからである。米国はいま、安倍政権を浮上させることに全面協力している」


と記述した。


米国は日本に親切にしているのではない。米国は米国のためにこのような対応を取っているのだ。


その理由は、米国が日本を失いたくないことにある。


選挙戦のさなか、安倍氏は「日本を取り戻す」と唱えていた。


しかし、このフレーズには主語がなかった。


その主語は、実は「米国が」だったのである。


安倍政権が誕生して、米国はいま「日本を取り戻す」過程に入った。


この日本を取り逃がさないために、安倍政権を全面支援しているのだ。

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これが日本国民の幸福をもたらすのなら大賛成だ。


ところが、そうは問屋が卸さない。


「アベノリスクのプレジャーアイランド現象」と表現しているが、円安-株高に浮かれている間に、日本国民はロバにされてしまう。


そのリスクが極めて大きい。


TPPに引き込まれ、原発再稼働を強制され、選挙が終われば巨大増税が待ち構える。


米国は50兆円の政府系ファンドを安倍政権に創設させ、米国に上納させるつもりだ。


その「エサ」として、いま、安倍政権を全面支援しているのである。


安倍氏のこれまでの発言を踏まえれば、安倍政権が円安誘導を行っていることは火を見るよりも明らかだ。


その行動に正当性はない。それにもかかわらず、G7共同声明まで提示された。


「うまい話には必ず裏がある」ことを忘れてはならない。


安倍政権は為替レートが円高に振れ過ぎていると主張するが、本当はそんなことはない。

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