全日本柔道連盟暴力体質の裏側にある重大な問題
1月21日付ブログ記事
同日付メルマガ記事
に法制審議会特別部会の部会長試案について記述した。
厚労省村木厚子氏冤罪事案、うその捜査報告書作成による小沢一郎氏強制起訴誘導事案など、検察の巨大犯罪の実態が明らかになっているにもかかわらず、日本の警察・検察・裁判所がまったく自浄能力を持たないことが改めて示された。
1月31日付中日新聞(=東京新聞)『こちら特報部』はこの問題を取り上げた。
見出しに取られた活字は、
「捜査機関 焼け太り」
「可視化 口実に」
である。
他のマスメディアが警察・検察・裁判所の前近代性問題にほとんど批判を展開しないなかで、中日新聞だけが重要な問題提起を示している。
記事は、
「一連の検察不祥事、冤罪事件のオンパレードがあった。自白偏重の捜査を見直そうと、法制審議会(法制審)特別部会が設けられ、その基本構想が出された。ところが、見てびっくり。直すべき部分がおざなりで、可視化の代替手段という口実で、疑問視されている捜査手法が盛り込まれていたからだ。これでは「焼け太り」だ。」
と主張する。
まさにその通りである。
民主主義とは人民自身が権力者である体制である。
人民による支配とは、言い換えれば、国家権力の暴走を人民が完全に抑止、防御することである。
そのために、法を定め、法に支配力を持たせる。
同時に国家権力の運用にあたって、いくつかの重大な根本ルールを定める。
そして、そのルールを厳格に守らせる。
これが最重要の事項になる。
「法の支配」であり、「罪刑法定主義」の根本原則だ。
法の運用に際しては、「法の下の平等」、「適法手続きの遵守」、「無罪推定原則」などの重要ルールが定められてきた。
いずれも、国家権力から基本的人権を守り、国家権力が人民の支配を離れて暴走しないように、制度としてこれを担保する仕組みである。
これらの根本原則、根本ルールが明確に明文化されたのが1789年のフランス人権宣言である。いまから、200年以上も前に、この原則が確立されているのだ。
日本においては、第二次大戦後になって初めてこの考え方が法律として採用された。日本国憲法および日本国憲法に基づく各法令には、この原則が盛り込まれるようになった。
ところが、現実の運用においては、依然として、これらの根本原則が守られていない。
これを私は、「警察・検察・裁判所の前近代性」と表現している。
問題は、単に「冤罪」を生まないということにとどまらない。
「冤罪」を生まないことはむろん大事だが、それ以上に深刻な問題は、国家権力が「政治的な理由」で、警察・検察・裁判所権力を不正利用することである。
警察・検察・裁判所権力を不正利用するうえで、上記の根本原則は大きな障害になる。
そのために、日本の警察・検察・裁判所は、上記の根本原則を踏みにじる行動を取り続けているのである。
この現状を是正しない限り、日本は「暗黒秘密警察国家」から脱却することができない。
中国や北朝鮮などを「非民主国家」、「人権抑圧国家」などと批判できる状況にはないのである。
柔道日本女子代表チームでの暴力事件が問題化しているが、ここにも「警察・検察・裁判所の前近代性」の問題が横たわっていると感じられる。
園田隆二前監督の暴行がクローズアップされているが、15人の代表選手の告発内容を見ると、もうひとり重要人物が存在する。
それが強化委員長から強化担当理事に昇格した吉村和郎氏である。
15名の代表選手は園田前監督の辞任だけで問題に終止符を打つことは「真意」でないとする一方、前強化委員長の問題を明記したメッセージを発表した。
園田隆二氏と吉村和郎氏の二名が告発対象の主要メンバーであることが分かる。
この二名には実は共通点が存在する。
それは、この二名が警視庁所属であることだ。
東京地検の地下に「同行室」という日本の暗部がある。
警視庁所管の警察署で逮捕された被疑者が身柄を検察庁に招致され、取り調べを受ける際に収容される「牢獄」である。
続きは本日の
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