「街の声」用いて投票誘導報道を行う偏向NHK
新聞紙上に各党の公約が掲載されている。
主権者である国民は、ここに示された公約を吟味して清き一票を投じる先を選択しなければならない。
その際に注意が必要なことは、政党によっては、公約に示した主権者との約束を平然と踏みにじる「詐欺的行為」を働く政党が存在することだ。
本来、このような詐欺的行為は許されることではない。
しかし、残念なことに、このような詐欺的行為が白昼堂々と実行されて、しかも、それが野放しにされているというのが日本の現状である。
前回総選挙は2009年8月30日にあった。
このときの選挙で、次のように発言した人物がいる。
この人物がその後、政権を担い、絶対にやらないと主権者と約束した「シロアリ退治なき消費税増税」を国会で決めてしまった。
国会で決めたと言っても、最終判断は主権者国民が行うこととされているから、今回の総選挙でこれを否定すればよいのだが、このような「詐欺的行為」を行う政党があるということは、しっかりと認識しておかねばならない。
そのような「詐欺的政党」の場合、公約に何が書いてあっても、まずは信用しないことが賢明である。
逆に信用の置ける政党が示す公約については、その公約を内容を吟味して、清き一票を投じる対象を選ぶべきだ。
今回の選挙では、日本の主権者国民の「未来」を定める超重要テーマについて、主権者国民が最終判断を示さねばならない。
この決定は、日本の未来を左右するほどの重要性を持っている。
日本の主権者は国民であり、政治は国民の信託に基いて行われる。
超重要争点について、主権者である国民が最終判断することが基本だ。
その争点とは、「原発・消費税・TPP」である。
総選挙公示日であった12月4日のNHKニュース報道では、午後7時の定時ニュースでは、三大争点を「原発・消費税・TPP」と明確に表示して、各党に三大争点に対する公約を提示させたが、その後の「ニュースウォッチ9」では、これを否定して、偏向そのものの報道が行われた。
NHKは「街の声」という方式を用いて偏向を行う。
「街の声」など、どのようにでも操作可能だからだ。
12月4日放送内容では、「街の声」から総選挙争点を浮かび上がらせるとの手法が用いられた。
このなかで、NHKは次の言葉を紹介した。
1.零細企業の言葉として、大企業の海外転出を防いでもらいたい。
2.日本を再生させる成長政策が必要
3.金融緩和・円安政策が必要
4.最低賃金を引き下げるなど労働市場の規制緩和が必要
5.政策の実現可能性が重要
そのうえで、偏向司会者の大越健介氏が「決められない政治をリセットする必要がある」と述べた。
1はTPP参加賛成論者が使うプロパガンダである。TPP参加は大企業の海外転出を促す効果を持つが、TPP参加賛成論者は大企業の海外転出を防ぐためにTPP参加が必要と述べている。
2.3は安倍晋三氏などが提唱している政策に該当する。
4は維新やみんなが提唱する政策に符合する。
5は子ども手当などについて流布されている「実現可能性が低い」との批判に呼応したものである。
「決められない政治からの脱却」は野田佳彦氏の主張に同調するものだ。
つまり、NHKは「街の声」という手法を用いて、恣意的に特定政党の支援を行う報道を展開しているわけだ。
正しく「街の声」を拾うなら、
6.民主主義のプロセスを破壊する公約違反の消費税増税を廃止に持ち込んでほしい
7.少子化対策として子育てに対する政府助成を拡充して欲しい
8.10年で200兆円の公共事業などのバラマキはやめてほしい
9.原発再稼働を阻止して原発ゼロを実現して欲しい
10.消費税増税を検討する天下り全面禁止などのシロアリ退治をしっかりやって欲しい
などの声がいくらでも出てくるはずだ。
腐ったNHKの報道を今後、しかるべき場所で徹底的に糾弾する必要がある。
今回の選挙を一言で表現するなら、「政策選択選挙」である。
「原発・消費税・TPP」という、超重量級の三大争点が浮上しているのだ。
いずれも日本の「未来」を左右する最重要テーマである。
これらの最終結論を下すのは主権者国民であり、政策を吟味せずにムードで投票を行い、主権者国民の意思に反する最終決定がなされることは、絶対に回避しなければならない。
だから、国民は政権公約を吟味し、信用の置ける政党の明確な政権公約を軸に投票先を決めなければならないのだ。
続きは本日の
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