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2012年10月14日 (日)

民自公だけにしか発言機会与えない日本偏向協会

日本の情報空間がマスメディアに占拠され、主権者国民が真実の情報を容易に確保できない状況に置かれている。


その原因が二つある。


ひとつは、日本のマスメディアがごく少数の資本に握られ、寡占状態になっていること。


そして、民間放送の財政的基盤をなすスポンサー意思を反映する広告代理店がさらに強い寡占状態にあり、番組制作がこの広告代理店に支配される傾向が著しく強いことだ。


もうひとつの理由は公共放送を担当するNHKが公共放送を担う報道機関として機能していないことだ。


その根本的理由はNHKのあり方を規定している「放送法」の内容にある。


NHKは「みなさまのNHK」と謳っているが、内実は「政治権力のNHK」、「政治権力に偏向するNHK」であり、日本偏向協会と呼ぶべき存在になってしまっている。

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民間メディアの寡占状況を生み出している主因は、民間メディアが「クロスオーナーシップ」により、新聞・テレビが系列化されていることだ。


全国各地の放送局、地方紙も大半がこの「系列」のなかに組み込まれている。


地方紙は戦時下の経済統制政策により、各都道府県一紙体制が国家権力によって構築された。この体制が戦後67年経過したいまも続いている。


野口悠紀雄氏が指摘した『1940年体制』がいまも温存されている。


地方紙は全国規模のニュースを追跡し切れない。そのため、全国ニュースを通信社が配給する情報に依存している。


共同、時事の通信社は一般にあまりなじみのある存在ではないが、日本全国に流布される情報の発信元はこの二社なのである。


全国紙5紙である読・朝・毎・産・日経の5社に対応して、よみうり・朝日・TBS・フジ・テレ東のキー放送局がある。地方紙を統括しているのが共同・時事の通信社。これにNHKが加わる。


これに地方ブロック紙である中日、北海道、西日本の3社を加えると合計16社になる。これが日本のマスメディア16社体制である。


このなかで、ジャーナリズムとしての批評精神を備えているのは、中日と北海道の2社くらいだろう。


この「超寡占」状態が日本の情報空間を歪めている。


「情報民主主義」が実現しなければ民主主義は機能しない。

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NHKの「日曜討論」は日本政治を論じる極めて重要な番組である。


政治的公平を確保して番組を制作するべきことは当然である。


ところが、近年のNHK政治番組における偏向は完全に許容される範囲を超えている。


かつて、山本孝氏がこの番組の司会を担当していたころ、NHKは中立公正のスタンスを維持していた。


ところが、影山日出夫氏が司会者になったころから、急激に偏向の度合いを強めだした。


小泉政権の発足が背景にあった。


小泉政権が情報統制を強めたのは、秘書の飯島勲氏の影響が強いと言われている。小泉政権は日本のマスメディア情報空間をコントロールすることによって延命を果たしたのであり、その意味で飯島氏の功績は大であったと言うべきである。


影山日出夫氏の後任として日曜討論を担当しているのが島田敏男氏であるが、影山氏を上回る偏向ぶりを発揮している。


大越健介氏と島田敏男氏がNHKを代表する偏向コンビとなっている。

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いま、日本は重大な政治課題を数多く抱えている。


原発、消費税、TPP、普天間、オスプレイの各問題は、国民生活の根幹に関わる重大問題である。


「日曜討論」と銘打つ以上、重要な政治問題についての討論を行うべきことは当然だ。


政治勢力は多数存在しているが、消費税問題に象徴されるように、民・自・公の三党は、同じ主張を展開する、広い意味での同一グループ政治勢力である。


日曜討論の1時間枠をこの三党だけに配分するのは、明らかに「政治的公平」に反している。


国会は消費税増税を決めたが、政権が総選挙の際の主権者国民との公約に反して行動したことは明白である。


「国民の意思を反映して国会が行動する」との日本国憲法が定める民主主義のプロセスに反して政治が行動したのである。国民主権の大原則を守るには、国会議決のあとに選挙で国民が最終判断を下さねばならない。


したがって、これから消費税問題についての本格的な国民論議を行う必要がある。


NHKは特集番組を組んで、消費税問題についての国民論議を喚起す

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