「生活」の「維新」「みんな」との第三極連合について
日本の政治を既得権益の政治から主権者国民の政治に変えること。
これが2009年の総選挙に託した主権者国民の思いだった。
既得権益とは米・官・業・政・電の五者だ。
原発事故では、このなかに「学」も既得権益の一角として存在することが露見した。
そして、主権者国民は2009年総選挙に大勝した。
日本の歴史上、初めて実現した、民衆の民衆による民衆のための政権樹立だった。
ところが、この希望はわずか9ヵ月で破壊された。
民主党内に潜んでいた既得権益勢力が政治権力を強奪したのだ。
これが2010年6月政変である。
しかし、クーデターの首謀者である菅直人氏は、首相就任後直ちに消費増税提案を示して自滅した。2010年7月参院選で大敗したのである。
菅直人氏は参院選を菅内閣に対する信任投票であると位置付けたから、直ちに辞職すべきであったが、総理の椅子に1年以上しがみついた。
2010年9月14日の民主党代表選で小沢一郎氏が当選していれば事態の是正は実現していた。
本来、勝っていたはずの民主党代表選に小沢氏は敗れた。
その理由は、不正選挙が行われたためだ。
党員・サポーター票の投票用はがきにプライバシーシールが用いられなかった。小沢一郎氏票が大量に廃棄された疑いが濃厚だ。
そして、検察が捜査報告書をねつ造して小沢氏を強制起訴にしたが、その決定が9月14日に行われた。
完全なる「謀略」によって、2010年9月14日民主党代表選で小沢氏が敗北したのだ。
結局、菅直人氏は2011年9月まで首相の座に居座った。そして、2011年9月、第二次クーデター政権である野田佳彦政権が創設された。
この野田佳彦政権の暴走が止まらない。
その具体策が「原発推進・消費税増税・オスプレイ容認」である。
2009年8月総選挙、2010年7月参院選という、直近二度の国政選挙で主権者国民が示した意思と正反対の方向に現実政治が動いている。
いまの民主党は「自由民主党から自由を取り除いたもの」で、両者に差異はない。民自公は一体の存在である。
このなかで、メディアは連日「維新」を宣伝しまくる。
2008年から09年にかけて「みんなの党」創設をメディアが大宣伝したのと同じ図式がいま観察される。
直近二度の国政選挙で主権者国民が示した意思を忠実に受け止めている政治勢力は「国民の生活が第一」である。
次の総選挙で主権者国民政権を再樹立させるには、この政党を軸に戦いを構築しなければならない。
しかし、いまのメディアは民自公国みん維新だけで政治を仕切るかのような報道だけを展開している。
この現状を踏まえて、一部に、「生活」が「みん・維新」と連携する、第三極連合構築を目指すべきとの意見がある。
しかし、私はこの意見に与しない。
これこそまさに「数合わせ」の政治である。
「みん・維新」が消費増税反対の旗を明確に掲げるなら、この問題の重大性に鑑みて「呉越同舟」もあり得ると考えた。
しかし、「維新八策」には消費増税反対は盛り込まれなかった。
維新は消費増税容認なのだ。
そして、原発も推進である。
さらに、普天間の移設先は「辺野古」なのである。
そして、極めつけは「日米同盟基軸」なのだ。だから、オスプレイも容認ということになるのだろう。
維新は世論に敏感だから、人気取りのためにオスプレイ反対などと言い出すかもしれないが、やがてはオスプレイ容認に変わる。
つまり、民自公とみん・維新との間に本質的な相違はない。
生活がみん・維新との連携を打ち出すなら、そのときに、みん・維新は生活を排除する行動に出る。生活のメンツをつぶす行動に出ることは間違いない。
生活をせん滅することが既得権益の目標だからだ。
生活がみん・維新と連携するということは、日本の二大政党制が、対米隷属のAチーム(民自公)とBチーム(生活みん維新)の分化によって成立することを意味する。
この瞬間に主権者国民政権樹立の可能性はほぼゼロになる。
これこそ、既得権益勢力の思うつぼである。
メディアが民自公国みん維新だけによる政治を演出しているため、主権者国民勢力はいま、完全に脇に追いやられている。
この現実を踏まえ、主権者国民勢力の立て直しと、その延長上の政権奪還をどのように実現してゆくかを考えることが、いま私たちに与えられている課題である。
現状が厳しいからといって、単なる数合わせに進むなら、主権者国民政権の再樹立を実現できる可能性は皆無に近くなることを重視しなければならない。
続きは本日の
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