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2012年10月 3日 (水)

中日新聞世論調査が示す「総選挙争点はこれだ」

マスメディアは次期総選挙を通じて、日本の政治を対米隷属勢力だけで成り立つ構造に移行させようとしている。

民自公の大政翼賛会勢力と大阪維新の四つの勢力は、すべてが対米隷属で足並みを揃えている。

大阪維新はもともと国民の多数が支持する勢力でなく、政策方針もぶれまくっているから、メディアが取り上げる価値のない存在である。

しかし、これを人為的に大宣伝して無理やり政治力を持たせようとしている。

支持率が高いはずもなく、一部メディアが真実に近い数値を発表したところ、人為的に創作された支持率は一気に剥げ落ちかけている。

これでは次の総選挙でまったく影響力がなくなってしまうから、大手メディアが再び人為的に創作した高めの支持率を発表し始めている。

大阪維新が論評に値しないのは、その政策が完全にぶれているからだ。

大阪維新が注目を集めたのは、原発再稼働に明確な反対姿勢を示したからだ。ところが、これが一転して原発再稼働容認となり、あげくの果てに原発容認に転じている。

消費増税について、当初、反対するかのような気配を漂わせていたが、結局、消費増税容認に転じている。

官僚の天下りを根絶するのかと思いきや、官僚天下り容認の姿勢が示されている。

他方、当初から日米同盟主軸を明確に示し、また、TPP参加推進の政策も明確である。

また、社会保障の切り捨て姿勢も明確であり、要するに、小泉竹中政治の焼き直しに過ぎないことが明白になった。

それでも大阪維新を支持するという国民も皆無ではないだろう。支持する人は自由に支持すればよいと思うが、大多数の国民はこの政党に嫌悪感を覚えるだろう。

メディアが政治的公平を踏みにじって大阪維新を過剰報道していることが不正である。

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大半のマスメディアは、日本の政治構造を対米隷属で固めるために、虚偽の情報を流布している。国民の大半が民自公&大阪維新を支持しているという現実は存在しない。

メディアのなかで辛うじてジャーナリズムとしての良心を保持しているのは中日新聞、北海道新聞、日刊ゲンダイなどのごく少数の媒体である。

その一角である中日新聞(東京新聞)が実施した世論調査が興味深い結果を示している。なぜか、ネット上では把握できない。広く情報が流布されないように何らかの対応が取られているのだろうか。

世論調査の第一問は、次の総選挙での主要争点についての質問だ。

第一位は「消費増税と社会保障改革」で、回答者の62%が主要争点に挙げた。

第二位は「原発政策」で、37%だった。

第三位は「外交と安全保障」で、35%だった。

TPP環太平洋経済連携協定は9%に留まった。

私は次の総選挙最重要争点として、

「脱原発・反消費増税・反TPP」

を掲げてきた。

TPPを掲げた理由は、TPPが米国の国益を満たすための施策であり、日本にとっては明かに弊害が大きいからだ。

その真意の中核には、「対米従属・対米隷属」の政策に賛成すべきでないとの考え方がある。

ただ、問題はTPPの内容の説明が簡単ではないことだ。

「日本の市場は自由で開かれたものであるべき」との正論だけが振り回されると、TPPが賛成の方向に誘導されてしまう。

その意味で、総選挙争点としてTPPを前面に押し立てることを留保するとの選択もあり得ると思う。

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一方で、尖閣や竹島の問題を考察するとき、私たちは日米関係を根本からもう一度見直す必要に迫られている。

日米関係の深層を見ると、1944年のジョージ・キューカー監督、イングリッド・バーグマン主演映画『ガス灯』が思い起こされる。

イングリッド・バーグマンが演じるポーラは夫グレゴリー(シャルル・ボワイエ)を慕っているが、実はグレゴリーはポーラを騙していた。

日本は日米同盟を盾に、米国は常に日本の味方であると考えているが、当の米国ははるかにしたたかなのである。

ロシア、韓国、中国との間の三つの国境問題の地雷は、すべて、米国が仕掛けたものだ。いまや米国は対日関係よりも対中関係を重視している。尖閣について米国は、領有権について日本の側にも中国の側にも立たないことを明確に表明している。

Photo
日本が日本国民の利益を尊重するには、米国にひれ伏すだけではだめなのである。

危険極まりないオズプレイが住宅地上空の飛行することを自国では禁止しているのに、沖縄では住民が猛反対しているのに、平気で飛行させるのが米国であり、この米国に何ひとつモノを言えないのがいまの野田政権である。

米国の対日政策の深層については孫崎享氏の
新著『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)
に詳しいので、是非一読されることを推奨したい。

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中日新聞の世論調査には、もうひとつ興味深い内容が加えられていた。

経済政策、政治の目指すべき方向についての質問が設定された。

社会の仕組みとして、

「ルールを緩くして自由競争を重視」

すべきか、それとも、

「一定のルールの中で平等を重視」

するべきかが尋ねられた。

回答は、

自由競争重視が20%、平等重視が76%だった。

経済政策の方向、政治の役割については、二つの対立する考え方がある。

小泉竹中政治は、市場原理主義、格差容認、弱肉強食奨励だった。

これに対して、小沢一郎氏が提唱してきた「共生社会」は

市場原理を基軸に据えるが、結果における格差是正、セーフティネット重視の政策理念である。

中日新聞調査では、圧倒的多数の人が「共生重視」を示したのである。

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同時に中日新聞は、社会的格差の責任について、

「個人の責任」か「社会の責任」かを尋ねている。

「個人の責任」との回答が43%、「社会の責任」が54%だった。

すべてが「個人の責任」でもなく、すべてが「社会の責任」ということではない。

どちらもあるのが現実だが、それでは結果として「頑張った人が報われる社会」で成功者として掲示されてきたのはどのような人だったのか。

竹中平蔵氏が掲げたのは、堀江貴文氏や村上世彰氏などのような人物を「頑張った人が報われる社会」の成功者と位置付けるというものだった。

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斎藤貴男氏は『機会不平等』(文春文庫)

に、現代社会の「機会不平等」の現実を詳述された。

斎藤氏と私ので上梓した新著『消費税増税「乱」は終わらない』(同時代社)


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でも、この問題を深く掘り下げている。

とりわけ、教育のあり方が重要だ。「ゆとり教育」がどのような考え方で提示されたのか、驚くべき真実が明らかにされている。

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