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2012年9月 5日 (水)

誰が誰の為に何を目的に領土問題を煽っているか

尖閣問題に火をつけてきたのは、前原誠司氏と石原慎太郎氏である。

日本と中国の間には、尖閣領有権を棚上げするとの合意が存在してきた。

「棚上げ」合意とは、中国が、尖閣を日本が実効支配している現状を容認し、その変更を武力をもって行わないことで合意したとうことである。

「棚上げ」措置が取られたのは、中国が尖閣諸島を中国領であると認識しながら日本との関係を発展させることが重要であるとして、日本の実効支配を容認すると譲歩したからである。

日中国交回復時に、この「棚上げ」合意が成立された。

日本は尖閣の実効支配を確保しており、中国がこれを容認している。この状態で安定化させることが、日本にとってももっとも賢明な対応である。

この「棚上げ」措置を日本が一方的に破棄して日本の領有権主張を始めれば、中国が対抗手段に打って出ることは当然である。

このとき、避難されるのは中国ではなく日本ということになるだろう。

ところが、前原誠司氏は国会答弁で、「日中間に棚上げ合意は存在しない」と何度も答弁した。

そして、石原慎太郎氏は、本年4月、ワシントンで尖閣を東京都が購入する考えがあることを意思表示した。

これを日本で語らず、ワシントンで語ったところがミソである。

一種のワシントン詣でである。

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8月24日付ブログ記事「領土紛争はアメリカが仕掛けた」


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1adf.html

に記述したが、菅沼光弘氏も指摘するように、日本の国境問題である、北方領土、尖閣、竹島の紛争の種を蒔いたのはすべて米国である。

北方領土問題のポイントは、1945年2月の米ソ英参加国によるヤルタ協定において、ソ連の対日参戦と千島領有権が交換条件とされたことにある。サンフランシスコ講和条約で日本は南千島の領有権を放棄した。

この南千島に国後、択捉両島が含まれていた。このことを日本政府は国会答弁でも示していた。

この事情を背景に1956年、鳩山一郎首相はソ連を訪問し、日ソ平和友好条約の締結を模索した。歯舞、色丹の二島返還で平和友好条約は締結されかけたが、ここに横やりを入れたのはアメリカだ。

アメリカの国務長官ダレスは、「日本が二島返還で日ソ平和友好条約を締結するなら、米国は沖縄を永久に返還しない」と通告してきた。このアメリカの横やりで二島返還は消えた。

サンフランシスコ講和条約にはソ連が参加しなかった。これを口実に、アメリカは日本に対して、四島返還をソ連に要求するように要請したのだが、これは、日ソが関係を修復しないための工作だった。

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竹島問題は、GHQが日本を支配下に置いている時期の1952年1月18日に韓国の李承晩大統領が一方的に「平和ライン」なるものを設定したことに起因して発生した問題だ。このラインの中に竹島が含まれた。


当時、日本は占領下に置かれていたから、韓国の言動に抗議し、適切な処置をとるのはアメリカの役割であった。しかし、アメリカは手を打たず、李承晩ラインを黙認した。このために竹島問題が生まれた。


米国は日本と韓国の間に紛争の種を植え付けたのである。

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中国が尖閣の領有権を主張し始めたのは1970年頃以降である。米国が強い影響力を持つ国連が、尖閣近辺の海底に鉱物資源が埋蔵されていることを発表したのが契機になった。


尖閣は1971年の沖縄返還協定の対象地域であり、米国の施政下に置かれていたから、沖縄返還で日本に帰属することになるのは順当である。


ところが、この米国が、尖閣の日本領有を強く主張しなくなった。現在の米国は、尖閣の領有権について、日本にも中国にも加担しない立場を明示している。


現在、中国を訪問しているクリントン米国務長官は、領有権問題について、「特定の立場をとらない」ことを明示したと伝えられている。


他方、米国は、尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用地域であることを認めている。日本政府が国民にこの点だけしか伝えないのは姑息である。


日米安保条約は日本の施政下にある地域を対象としているから、安保条約の対象地域なのだが、肝心の領有権について、中国の主張を認めず、日本の主張を認めるとの立場を採っていないから、安保条約の適用地域だとしても米国が中国と戦うことはあり得ない。

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米国は、日本と中国の間にも紛争の種を植え付けたのである。


それにも拘らず、日本と中国が「棚上げ」合意で、紛争を封じ込めて友好関係を築くことは米国の国益に反する。


この米国の意向を忖度してか、米国から指令を受けたからなのか、前原氏は「棚上げ合意」を否定し、石原氏は尖閣購入で、意図的に、日中間に波風を立てる努力を示してきたのだ。


これまでの日本では、米国のお墨付きを得ないと総理大臣になれない。


あるいは、なったとしても米国にすぐ潰される。そこで、前原氏も石原氏も熱心に米国の歓心を買うことに注力しているのだと思われる。


石原氏はせがれの石原伸晃氏を何とか総理の椅子に座らせたいのだと思う。

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