小沢氏攻撃政治謀略事件での『検察の崩壊』
弁護士で関西大学特任教授を務める郷原伸郎氏が4名の重要人物と対談した対談集である『検察崩壊 失われた正義』が刊行された。
すでにネット上では大きな反響を呼び、アマゾンでもベストセラー上位にランクインしている。
私も同書を一気に読んだ。
小川敏夫元法務相、石川知裕衆院議員、大坪弘道元大阪地検特捜部長、八木啓代氏など、小沢一郎氏をめぐる巨大な政治謀略事件である「西松事件」、「陸山会事件」に直接、あるいは間接に深く関わったキーパーソンが、生々しく事件の核心に迫っている。必読書のひとつだ。
一連の謀略は2008年後半に始まった。西松建設が海外から持ち込んだ裏金の捜査がことの発端だった。
海外資金の流れから問題が始まったことを踏まえると、そもそもこの事案がCIAによる情報提供をきっかけにしていることが推察される。
私は西松建設捜査の真の狙いが小沢一郎氏に対する政治謀略創作にあると洞察し、すでに2009年1月16日のブログに、
と題する記事を掲載した。ここに私は次のように記述した。
「検察当局が西松建設の裏金疑惑解明に動き出した。「悪徳ペンタゴン」による政権交代阻止活動の一環としての行動であるとの見方が存在する。
日本の政治を「悪徳ペンタゴン」から「一般国民の手」に取り戻す、千載一遇のチャンスである。「悪徳ペンタゴン」はあらゆる手段を用いて、本格的政権交代阻止に全力を尽くすと考えられる。あらゆる工作活動の本質を洞察して粉砕し、本格政権交代を成し遂げなければならない。」
西松建設捜査を通じて、小沢氏に対する政治謀略、政治攻撃が仕掛けられることを強く警戒したのである。
政権交代を実現させた総選挙が実施されたのは2009年8月30日である。米官業の利権複合体=日本政治を支配し続けてきた利権トライアングルは、この政治構造を破壊しかねない小沢一郎民主党の存在に対して、最大の警戒を払ったのである。
私は、小沢一郎氏に対する利権複合体の警戒感を、すでに2008年5月28日付ブログ記事
を掲載し、2006年3月の小沢一郎氏民主党代表就任以降の民主党の躍進と、日本政治構造の刷新を恐れる米官業利権複合体の小沢氏に対する警戒感および攻撃の歴史を詳細に記述した。
この小沢氏に対する攻撃が具体的に火を噴いたのが2009年3月3日だった。私はこれを「三三事変」と呼んでいる。
小沢氏の公設第一秘書大久保隆規氏が突然逮捕、勾留されたのだ。
その理由は、新政治問題研究会と未来産業研究会という二つの政治団体からの献金を事実通りに記載して報告したことが、「虚偽記載」にあたるというものだった。
同じ事務処理をした政治家は20名ほども存在したが、なぜか、小沢氏の団体の処理だけが問題にされた。当時の漆間巌官房副長官は、「この問題は自民党には波及しない」と発言した。事件表面化の段階から、政治謀略であることははっきりしていた。
1年後の2010年1月13日、大久保氏の第2回公判で、西松建設元総務部長が法廷で証言し、二つの政治団体に実体があり、そのことを大久保氏にも伝えていたことを明らかにした。
この結果、検察が事実無根の誤認逮捕を演じたという検察の大暴走が誰の目にも明らかになり、検察は窮地に追い込まれた。
この窮地から逃れるために、検察はさらに巨大な悪事を企てたのである。2010年1月15日に、こんどは石川知裕衆院議員、大久保隆規氏、池田光智氏の3人を、別の事案で逮捕、勾留したのである。
これを私は「一一五事変」と呼んでいる。
内容は、小沢氏の資金管理団体が2004年10月から2005年1月にかけて取得した世田谷の不動産に関する収支報告を2005年に行ったことが「虚偽記載」としたものである。
代金は2004年10月に決済されたが、不動産登記が完了したのは2005年1月だった。そこで、小沢氏事務所は2005年の収支報告書にこれを届けた。
犯罪でも何でもない。現に小沢氏事務所では司法書士にも確認を取っている。法廷でも、この事務処理は適切であるとの専門家意見が提示された。これを2004年の届けとするべきだというなら、収支報告書を修正すればよいだけの話だ。
この事案について、小沢氏は不起訴とされた。
実は、2009年3月から2010年2月にかけて、検察は1年がかりで小沢氏資金管理団体の不祥事を探し続けた。裏金受領、あっせん利得などの犯罪があるのではないかとの「見込み」に基づいて強制捜査が繰り返され、検察は全力を注いで小沢氏周辺の犯罪を発掘しようとしたのである。
ところが、犯罪を発掘することはできなかった。
本来は、検察が謀略に動いたことを告白し、国民と当事者に謝罪し懺悔する必要があったが、検察は、暴走の上に暴走を重ねた。
それが、2010年1月15日の3名の逮捕という、大暴走である。
それでも小沢氏を起訴することはできなかった。
これに対して1月21日、「真実を求める会」という名の団体が小沢氏を共謀共同正犯嫌疑で刑事告発した。検察は2月4日にこれを不起訴とする決定を行なった。
これに対して「真実を求める会」は2月12日に、東京第五検察審査会に不起訴を不服として審査を申し立てた。
検察審査会は4月27日に、小沢氏に対する「起訴相当議決」を行った。
これを私は「四二七事変」と呼んでいる。
検察は、再捜査に進み、5月17日に石川氏対する事情聴取を行った。
その際、石川氏はICレコーダーをカバンの中に潜ませて、事情聴取の模様を録音した。この事情聴取録音こそ、検察の巨大犯罪を立証する動かぬ証拠になったのである。
検察は東京第五検察審査会に捜査報告書を提出したが、この、うそとねつ造で固められた捜査報告書こそ、検察の巨大犯罪犯行に用いられた「凶器」だったのである。
この捜査報告書の提出を受け、検察官からの説明を受けた東京第五検察審査会は民主党代表選の投票があった2010年9月14日に、第2回目の小沢氏に対する「起訴相当」議決を決定したのである。
その結果、小沢氏は強制的に裁判にかけられ、「刑事被告人」の呼称が広く世間に広められた。結局、東京地裁は小沢氏に対して無罪判決を示したが、それでもなおかつ、検察官役の指定弁護士が無理筋の控訴をおこなったため、小沢氏の裁判はいまも続いているのだ。
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