歴史真実に反するNHKの吉田茂礼賛ドラマ
米国の戦後日本支配の三種の神器は、
戦犯釈放者
検察
マスメディア
である。
戦犯釈放者として挙げるべきは、
岸信介
児玉誉士夫
笹川良一
正力松太郎
などである。
七三一部隊の石井四郎はGHQに研究資料を提供し、戦犯容疑を回避した。
正力松太郎は日本テレビ放送網を創設した人物であり、日本における原子力事業の創始者の一人である。
この正力松太郎がCIAのコードネームPODAMを保持していたことが明らかにされた。
テレビ網の活用は、3Sと呼ばれるスポーツ、セックス、スクリーンによって、人心が政治問題に関心を持たぬように誘導するための、いわば、権力の人心操作の重要なツールと位置付けられた。
東京地検特捜部は戦後の1947年に東京地検内に設置された隠匿蔵物資事件捜査部が前身である。
爾来、東京地検特捜部は米国CIAと密接なかかわりを持ち続けて現在に至る。
1947年以降、米国は冷戦勃発を契機に、日本を反共の防波堤として活用するために、日本を完全な米国支配下に置き続けてきた。
具体的には日本の政権を完全なる対米隷属政権にすることが最重視されたのである。
戦後日本政治の最大の特徴は「対米隷属」であるが、その「対米隷属の父」と呼ぶことができる存在が吉田茂である。
戦後日本の基礎を築いた偉人として語られることの多かった吉田茂であるが、歴史の事実を詳細に調べてみると、「米国と対等に渡り合った偉大なる日本人」としての吉田茂というイメージは、人為的に創作された虚像であることが分かる。
私は新しい吉田茂像を拙著『日本の独立』(飛鳥新社)に提示した。それが「対米隷属の父吉田茂」である。
そして、孫崎亨氏の新著『戦後史の正体』が、改めて日本の戦後史を対米隷属派と自主独立派のせめぎ合いを縦糸にして描き出したのである。
ここでも吉田茂は対米隷属派の筆頭として描かれている。
この吉田茂をNHKが9月8日から5回連続でドラマに仕立てて放送する。
吉田茂を占領軍最高司令官マッカーサーにも臆することなく対峙した人物と描くのだという。
NHKは日本テレビ放送網と並ぶ、米国による日本支配のための道具である。大越健介や島田敏男などの偏向人材が各種政治番組で登用されていることを見れば、NHKの立ち位置は明確だが、一般にはNHKの偏向がよく理解されていない。
本来は「対米隷属の父吉田茂」とのタイトルの連続ドラマを制作して、真実の歴史を国民に知らせるべきだが、その正反対の歪んだ歴史教育が推進されるわけである。
日本の敗戦後、最初の総選挙が1946年4月に実施された。この選挙結果を受けて鳩山一郎政権が樹立されるはずだった。
ところが、その直前、鳩山一郎氏は公職追放に遭遇した。
敗戦後の日本でGHQが主導した公職追放について、日本政府の窓口になったのが吉田茂である。
吉田茂は鳩山一郎が公職追放リストに載せられていることを知ったうえで、これを回避するための努力を一切行わなかった。
鳩山一郎氏が公職追放処分を受け、言わば、棚からぼたもちで、吉田茂が首相の椅子を掴んだのである。正確に言えば、首相の椅子を横取りするために、鳩山一郎氏の公職追放を促進したのだと思われる。
実は、当の吉田茂自身が公職追放リストに掲載されていた。
中国大陸に対する強硬姿勢を決定した1927年の「東方会議」に深く関与したことなどがその理由とされた。「東方会議」当時、吉田茂は奉天総領事の地位にあった。
吉田茂は、自分自身の公職追放リストからの除外にあらゆる手を尽くしたと見られている。
マッカーサー夫人に対して、花、リンゴ、トマト、メロン、桃などの付け届けをせっせと貢ぐなど、涙ぐましい努力を重ねたのである。
その結果として、吉田茂は公職追放を免れ、鳩山一郎氏が公職追放とされたことを幸いに、総理の椅子を手中に収めたのである。
続きは本日の
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