消費増税は国会の「提案」であり「決定」ではない
消費増税法案が国会で可決されたことを受けた新聞報道。
地方ブロック紙が適正な論評を示したのに対し、全国紙の腐敗ぶりには目を覆うものがあった。
地方ブロック紙は、
西日本新聞
「一体改革法成立 潔く国民の審判を受けよ」
の見出しで、民意に反した消費増税法の可決成立を伝えた。
主権者国民は直近二度の国政選挙で消費増税に反対する意思を明確に示した。この民意を踏みにじる形で国会が暴走し、消費増税法を成立させた。
この段階では消費増税に正統性はまったくない。この法制化を総選挙で国民に問い、国民が最終的に判断を下す。それまでは消費増税「案」であって、消費増税政策は決定されていない段階だ。
地方ブロック紙はこの点を正しく認識した社説を提示した。
これに対して全国紙は、
毎日新聞
日本経済新聞
「この増税を次の改革につなげたい」
と、単なる政府の広報機関、御用新聞に成り下がっていることを示した。
読売新聞は、
「それまでに衆院選と参院選が確実に行われる。
消費増税の是非が争点になるだろう。選挙の結果、政権が代わり、反増税の勢力が台頭しようとも、民自公3党は「消費税10%」の実現まで責任を共有するべきである。」
と報じ、
毎日新聞は、
「法を成立させた民主、自民、公明3党は、根気よく丁寧に説明し続ける責任もまた共有すべきだ。手をこまねくと次の選挙で反発を受け元も子もなくなる可能性があることを胸に刻んでほしい。」
日本経済新聞
「議院内閣制は衆院で多数を得た政党に政権を託す仕組みだ。衆参ねじれに乗じ、野党が民意を超えて動くのは望ましくない」
と主張した。
新聞各社が消費増税を推進する立場を取ることは自由だ。
しかし、日本国憲法が議会制民主主義の手続きを定めている以上、この規定を踏まえた論評を示すべきことは当然のことだろう。
読売新聞は、選挙の結果、消費増税に反対する勢力が国会過半数を確保しても消費増税を実行せよと主張するのか。そうであるなら、読売新聞はもはや民主主義そのものを否定することになる。
毎日新聞は、「手をこまねくと次の選挙で反発を受け元も子もなくなる」というが、次の選挙で消費増税に反発を受けるのは、ことの流れからすれば至極順当なことである。主権者国民の判断で消費増税が否定されることは「元も子もなくなる」ことでも何でもない。
「次の選挙で主権者国民の反発を受けて、消費増税が否定されるなら、民自公は潔くその民意を尊重するべきだ」と主張するのが、まともな理解力を持つ者の表現である。
日本経済新聞は、「議院内閣制は衆院で多数を得た政党に政権を託す仕組みだ。衆参ねじれに乗じ、野党が民意を超えて動くのは望ましくない」と言うが、そもそも2009年8月の総選挙で主権者国民が誰にどのような理由で政権を託したのかを考えてものを言っているのか。
2009年8月総選挙で、主権者国民は「シロアリ退治なき消費増税阻止」を明言した民主党に政権を託した。消費増税を主張した自民党を大敗させた。
自民党が衆参ねじれに乗じ、民意を超えて消費増税法制化に向けて動くのは望ましいことではないのではないか。
主張そのものが自己矛盾であり、このような主張を示す新聞社をまともな言論機関とは言い難い。
重要なことは、国会が暴走して決めた消費増税法をこのまま認めるのか、それとも白紙に戻させるのかを、主権者国民が次の総選挙で判断することだ。現段階では消費増税は民意に反する国会による意思決定に過ぎないのである。
財務省はもとより、消費増税法の国会での可決と総選挙の時間を引き離すことを主張してきた。
財務省の考えを代弁している藤井裕久氏は、次の総選挙の争点が消費増税になることが望ましくないとの考えを明言してきた。
主権者国民の意思に反する消費増税を決めておいて、総選挙でも争点にしないとは、民主主義そのものを否定する姿勢である。
国民生活を直撃する超巨大な景気抑制策であり、格差問題を一段と深刻にさせる施策であるから、消費増税の是非を、次の総選挙での最重要の争点にすべきことは言うまでもない。
国会が消費増税法を可決したあとに共同通信社が実施した世論調査で、消費増税に反対との回答が56%に達した。疑わしい面が強い世論調査ですら、過半数の国民が消費増税法に反対の意思を持っていることが示された。
次の総選挙で、消費増税反対勢力が衆議院過半数を占有することは十分に可能である。
消費増税が次期総選挙の最重要争点になることを回避したい勢力は何を考えるであろうか。この勢力は、消費増税以外の問題が争点になるように行動することになる。
もっとも有力なのは、日本と中国や韓国との関係を悪化させ、外交関係を緊張化させることだ。総選挙争点を消費税から外交にすり替える。反中、反韓の感情を煽り、これを総選挙の争点にすり替える。主権者の投票を反中国、反韓国を主張する勢力に誘導することが検討されていると思われる。
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