民主主義破壊の消費増税強行を総選挙で阻止する
次期総選挙は2013年秋までに必ず実施される。
参議院選挙も2013年夏に実施される。
2010年7月参院選から、衆議院の解散がなければ国政選挙が丸3年実施されない、いわゆる「空白の3年」のタイミングに遭遇したが、気付いてみると、もう、残すところ1年を切った。
この「空白の3年」とは何を意味していたか。
それは、財務省が必ず消費増税を仕掛けてくると考えられるタイミングであることを意味していた。
選挙が近づく前に増税を決定、実施しにくい。
選挙を実施したあとに増税を実施するには、選挙で増税を問わなければならない。
政治的に増税を通すことは難しいから、増税は、一般的に、選挙と選挙のはざま、できるだけ国政選挙と国政選挙の時間が開くタイミングで決定したい。これが財務省の思惑だ。
2009年8月30日に総選挙があった。衆議院解散がなければ、2010年夏の参院選後は、2013年夏まで国政選挙がない。財務省は、この2010~2013年の3年間が消費増税決定の千載一遇の時機であると考えてきた。
この基本戦略に合わせる形で、自民党は2009年3月に所得税法附則104条を整備した。2011年度中に消費増税を含む税制上の措置を講じることを法律に明記したのだ。
著者:植草 一秀
販売元:飛鳥新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する
ところが、財務省には大いなる心配があった。
小沢一郎氏が率いる民主党が大躍進を遂げ、政権交代を窺う状況を示し始めていたからだ。
小沢氏は「国民の生活が第一」とのスローガンを掲げて、解党の危機にあった民主党を救出し、民主党による政権奪取を視界に入れるところまで、民主党を躍進させていた。
財務省が心配したのは、小沢政権が誕生すれば、官僚が支配する日本政治が破壊されてしまうかも知れないことだった。
同時に小沢政権を警戒したのは米国だ。小沢氏が政権を握れば、日本がこれまでのような対米隷属の姿勢を変化させる危険を明確に認識した。
民主党の小沢一郎氏が巨大な政治謀略の標的にされたのは、小沢氏が日本を支配し続けてきた二大勢力である官僚機構と米国に危険視されたためであると思われる。
小沢氏は政治謀略としか言いようのない方法で、激しい攻撃を受けた。
その結果、民主党は2009年5月に代表選を実施することになった。
この代表戦で財務省が支援したのは岡田克也氏である。
岡田氏は天下り王国企業の御曹司であり、天下りを全面的に擁護する、官僚の守護神のような存在である。
官僚利権には手を入れず、巨大増税に積極賛成する、役人の鑑とも言える岡田氏の民主党代表就任を財務省は切望した。
岡田氏の対抗馬となったのは鳩山由紀夫氏である。鳩山氏は代表選に際して、次の衆議院任期中の消費税増税を封印する方針を示した。
「増税よりも前に、官僚利権を切ることが先決である」ことを明示した。
消費増税封印の旗を掲げた鳩山氏が民主党代表に就任したため、財務省の戦略は大きく狂うことになった。
そして、2009年8月総選挙で鳩山民主党が歴史的大勝利を収めた。
この瞬間、財務省の消費大増税シナリオは破綻したはずだった。
ところが、ここで退かないところが、財務省の傲岸不遜さである。
財務省は所得税法附則104条の凍結を実行せず、鳩山首相の排除に突き進んだのだ。財務省は傘下に国税庁を持つ。この国税庁の権限を使って政治家に揺さぶりをかける。これが財務省の常套手段のひとつだ。
また、米国は、普天間基地を県外、国外に移設せよと主張した鳩山氏を敵視した。財務省、米国、国税が連携して行動し、鳩山由紀夫首相は退陣に追い込まれたのだ。
その後、二代続いて財務省傀儡政権が誕生した。菅直人氏、野田佳彦氏は、財務省の指令に従い、民主党の公約に反する消費大増税への道を突き進んでいる。
ところが、この紆余曲折のために、参院選から2年の時間が過ぎた。これから1年以内に、衆参両院の選挙が実施されることになる。
野田佳彦氏は1997年の消費増税も法律を定めてから、96年10月に総選挙を実施して増税が実施されたことを繰り返し指摘する。
法律を通してから民意を問うこともある例としてこれを持ち出す。
また、その国政選挙で国民から消費増税にゴーサインを得たのだという。
しかし、96年10月総選挙を受けて増税が実行された理由は、反増税票が新進党と民主党に二分されたためだった。比例区得票率は自民党32%、新進党28%、民主党14%だった。
新進+民主は42%の得票を得たのに、得票率32%の自民党が圧倒的多数の議席を獲得した。これが小選挙区制下における選挙の盲点だ。
消費増税を掲げた自民党が圧勝したわけではない。
反自民票が二つに割れてしまったことが消費増税を阻止できなかった主因である。
今回、消費増税を実施する予定になっているのは2014年4月と2015年10月だ。
増税法案が国会で可決される場合、財務省はほとぼりが冷めてから選挙を行うとの考えを主張するかも知れない。
しかし、時間が経てば、増税実施の時期が近づき、その直前の選挙ということになる。逆に法律可決直後の選挙では、民意を踏みにじった政権に対する批判票は激増するだろう。
最大の問題は、増税反対勢力が選挙協力を行えるかどうかだ。
反民自公票がいくつかの政党に分散してしまうと、小選挙区制下の選挙では獲得議席数が極めて少数になってしまう。
増税反対勢力が選挙協力を実行できて、全国300選挙区に、一人ずつ統一戦線候補を擁立できれば、大いなる力を発揮するだろう。
4月21日に東京で開催された「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」動画映像が飛鳥新社サイトから無料配信されておりますのでご高覧ください。
続きは
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第291号「1年以内の衆参両院選挙で三大問題を判断」
でご購読下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
foomiiからのお知らせです。
6月30日にライブ配信した「サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談」アーカイブ動画の販売を開始いたしました。
今回の対談では、強引に消費税増税につきすすむ政府・民主党と、それに反対する小沢グループの攻防を中心に、今後の政局をズバリ、大胆予測しました。
さらに「再稼働に舵をきった大飯原発と原子力・電力行政の問題点」、「欧州債務危機と世界の経済金融情勢の今後」、「中東(シリア、エジプト)情勢」について徹底討論を行いました。
《対談のテーマ》
・消費税増税、解散、総選挙へのシナリオ
・再稼働に舵をきった大飯原発と原子力・電力行政の問題点
・欧州債務危機と世界の経済金融情勢の今後
・中東(シリア・エジプト)情勢
●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談
小沢氏民主党離党と今後の政局
http://foomii.com/00057/2012070315000010688
【販売価格:315円(税込)】
ダイジェスト版はこちら ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=xkfKZD2HVMo&feature=youtu.be
著者:植草 一秀
販売元:飛鳥新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する
| 【送料無料】日本の独立 |
| 【送料無料】TPP亡国論 |
| 【送料無料】誰が小沢一郎を殺すのか? |
| 【送料無料】原発のウソ |
| 【送料無料】売国者たちの末路 |
| 【送料無料】知られざる真実 |
« 天下り王国子息岡田克也氏の天下り全面擁護発言 | トップページ | メディアによる政治家評価を読み解く心得 »
「消費税大増税=大企業減税」カテゴリの記事
- 日本の光を闇に変えた野田首相(2022.12.26)
- すべてを疑うことから始める(2022.11.29)
- 消費税問題は選挙の道具でなく核心(2020.09.13)
- 不況下大増税強行という世紀の大失策(2020.08.01)
- 深刻化避けられない消費税大増税大不況(2020.02.27)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 民主主義破壊の消費増税強行を総選挙で阻止する:
» 【大津・いじめ自殺】 「自殺の練習だ」 加害生徒ら、笑いながら校舎3階窓から身乗り出させる…目撃の女子生徒、初の具体証言 [政治経済ニュース・今私の気になる事]
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、男子生徒と同級だった女子生徒が19日、読売新聞の取材に対し、「『自殺の練習』の場面を昨年9月以降、数回見た」と証言した。 男子生徒はいじめの加害者とされる同級生3人に指示され…... [続きを読む]








