スイシンジャー対ミトメンジャ―
昨日、永田町議員会館を訪問し、「主権者国民連合」の政治運動を拡大・発展するための会談を行ってきた。
まだ、詳細については語れないが、着々と進行していることはお伝えしておきたい。
「主権者国民連合」は、私個人が提唱したものだが、趣旨に賛同いただける方には、主権者国民の同志、有志として、自由に活動を展開していただきたいと思う。
「主権者国民連合」が掲げる基本政策と基本理念を改めて示す。
基本政策
1.「シロアリ退治なき消費増税」の白紙撤回
2.反TPP参加
3.脱原発
政策理念
主権者である国民の利益、国民の生活を第一に位置付ける
主権者である国民をすべての意思決定の主役に位置付ける
この基本理念および基本政策を軸に、次期総選挙および参院選に臨む。
この基本理念、基本政策を掲げる政党および候補者を支援するとともに対立候補者の落選に注力する。
小選挙区における当選を確保するには、政党間の選挙協力が重要な要素になるため、選挙協力についても積極的に関与する。
ネット上で、「主権者国民連合」の連帯を形成することを目指す。
規模として、100万人の連帯実現を目指す。
100万人の連帯が実現すれば、その後はこれを核に、一人が十人に「連帯の輪」を広げてゆくことにより、1000万人の連帯の輪を形成し得る。
この「連帯の輪」によって、マスメディアの情報発信に対抗する。
「言うは易く、行うは難し」
だが、ここで肝に銘じるべきは上杉鷹山の次の言葉だ。
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も
成らぬは人の 為さぬなりけり
実行力が肝要である。
「シロアリ退治なき消費増税」
二つの致命的欠陥がある。
ひとつは、これを掲げる野田佳彦氏が2009年に主権者国民との間で、
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」
と見栄を切っていることだ。
「見栄を切る」とは、
1.芝居で、役者が「見得(=歌舞伎での決めのポーズ)」の仕草(しぐさ)をする。
2.自分を誇示するような大袈裟な態度を取る。自信のほどを示す。
ことだ。「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と大見栄を切った野田佳彦氏が、いま、臆面もなく「シロアリ退治なき消費増税」を推進している。はらが据わっている。
二つ目は、「シロアリ退治なき消費増税」案が民主党内で、民主的に決定されていないことだ。
民主党の論議の場では、反対多数だった。多数決を採れば否決されていた。それを執行部が勝手に党の案だと言っているだけで、党員は党で民主的に決定した案だと考えていない。
民主主義のデュープロセス違反である。
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「シロアリ退治なき消費増税」案を国会で可決するには二つの方法がある。
ひとつは、民主党・国民新党の与党賛成で成立させること。
ただし、参議院は与党少数だから、さらに賛成を得る必要がある。
問題は、半数以上の民主党議員が反対であることだ。
これを前提にすると、衆議院も通らない。
もうひとつの方法は、民自公の三党を軸に賛成票を集める。
これなら、参院も可決できる。
そこで、野田佳彦氏は民自公の三党による修正協議を始めた。
その結果、次の修正が行われる可能性が生まれている。
①景気条項の削除
②歳入庁創設の先送り
③給付付き税額控除制度導入の先送り
④後期高齢者医療制度廃止の先送り
⑤最低保障年金制度導入の先送り
⑥子供手当の廃止
⑦総合こども園創設の先送り
である。
これを全部飲むと、完全なる自民案になる。
自民案はイコール財務案だ。
財務省は、景気条項を外し、歳入庁構想を闇に葬り、給付付き税額控除制度を消し去ろうとしている。
ここまでやるなら、民主執行部は、民主党を離党して自民党に入党し、そこから協議をするべきだ。
小沢一郎元代表が指摘するように、「民主主義の冒涜」そのものだ。
しかし、自民案丸呑みになると、民主党中間派が法案反対に回る可能性が高くなる。そうなると法律は成立しない。
その結果として、自民がベタ降りになる可能性が高い。
もう一つ考えておかねばならないのは、公明党が2013年のダブル・トリプル選挙を嫌っていることだ。
自民の財務OB族は、法律成立と選挙の間をできるだけ開けたいと考えている。そうなると、選挙は2013年ダブルになる。
この可能性が高まれば、公明党は反対に回る可能性がある。
公明が受け入れられるギリギリの条件は年末選挙である。
これらを踏まえると、自民党がベタ降りして、年末選挙を条件に修正案がまとめられる可能性が高くなる。
これで修正協議がまとまれば、採決、法律成立となる。
年内に総選挙を実施するには、今国会会期中に定数是正法を成立させる必要がある。5増5減を今国会で決める。
かなり狭き門だが、実現可能性はある。
このケースでは、焦点は次の総選挙だ。
総選挙が消費増税選挙になる。
「主権者国民連合」は二つの重要な役割を果たす。
第一は、「落選運動」を宣言することで、民主党議員の裏切りを防止すること。「落選運動」による「抑止力」である。
第二は、総選挙になった場合に、消費増税勢力を打破することだ。同時に、主権者国民を裏切った民主党議員を落選させることだ。
次の総選挙は、消費増税の是非とともに、原発再稼働の是非を問うものになる。
ポイントは、二つが一体になっていることだ。
つまり、シロアリ退治なき消費増税推進者と原発再稼働推進者が重なるのだ。
ズバリ、次の総選挙は、
対
「消費増税・原発再稼働ミトメンジャー」
の戦いになる。
もちろん、主権者国民連合は
「消費増税・原発再稼働ミトメンジャー」
の側に立つ。
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