野田氏は結局シロアリ退治なき消費増税案撤回へ
テレビ朝日「朝まで生テレビ」が「激論!ドーする?!日本漂流政治」と題して討論を行った。
出演者はそれなりに優れた意見を提示するが、司会進行者が支離滅裂では良い番組にはならない。
時代遅れになった、ものごとの理解力を欠くMCの交代を検討するべきだ。
直面する三大問題は消費税、原発、TPPだ。
ネット上の政治運動「主権者国民連合」を提唱し、発足させた。
早速、「雑談日記」様がトラックバック・ピープルのサイトを立ち上げてくださり、バナー、ならびに掲げるべき「旗」を作成下さった。
この運動は、お金をかけずに、ネット上で連帯の輪を広げてゆくことに主眼を置いているので、カンパ活動を含めて、金銭を一切動かさないで活動を展開していただきたく思う。
私は技術的なことに詳しくないので、あとからついてゆかせていただきたいと思うが、ブログ等にバナーを貼り付けて、ネット上の連帯運動を少しずつ、じわじわと、しかし、着実に広げてゆけたらよいと考えている。
各自が自発的に行動することの連帯運動であるので、いわば自主登録であり、特定の事務手続きは一切不要である。
脱原発、反TPP、反消費増税の旗の下に主権者が結集し、この三つの課題を、困難を乗り越えて実現してゆきたいと思う。
野田佳彦氏が暴走を続けている消費増税。
そこに正義も大義もないことは、野田氏が一番よく知っているのではないだろうか。
確認の意味で、野田氏と岡田氏による新ユニット「天下り決死隊」の三つの演説を改めて視聴賜りたい。
政治に対する信頼が失われているが、その最大の理由は、政治家が自分自身の発した言葉に責任を持たなくなったことにある。
野田氏は2009年8月の総選挙に際して、主権者である国民に対して直接約束をした。
「シロアリを退治し、天下り法人をなくし、天下りをなくす。そこから始めなければ消費税を上げるのはおかしい」
非常に分かり易い、説得力のある言葉だった。
これが、野田氏自身が主権者国民に発した言葉だ。
国民の多数は、消費税そのものに全面反対しているわけではない。いずれ消費税を増税しなければならないことは分かっている。しかし、その前に、とてつもない巨大な官僚利権、血税に群がるシロアリを退治しなければ、増税をしたって、またシロアリがたかってしまうのだ。だから、増税の前にシロアリ退治をやり抜かねばならない。
これが、野田氏自身が発した約束なのだ。
その言葉を無視した行動を野田氏が取っているときに、どうして野田氏の行動を正当化できるのか。
民主党内で正論を述べているのは小沢一郎氏である。
メディアは首相で党首の野田氏の主張を受け入れず、反対意見を主張する小沢氏を悪者に仕立て上げようとしているが、その見立てが正しいと言えるか。
私は偏って小沢氏が正しいと言っているのではない。中立公正の立場から論評して野田氏が間違っており、小沢氏の主張が正しいと述べている。
しかも、民主党は消費増税案を民主主義のルールに則って決定していない。討論の最後に多数決採決をしていたなら、増税案は否決されていた。多数決を採ると否決されるから討論を打ち切り、執行部が勝手に増税案を決めただけで、この増税案を民主党の決定とすることには無理がある。
第二に、消費税増税は社会保障制度の抜本改革の財源として提案されることになっていた。だからこそ、「社会保障・税一体改革」の名称が付けられている。
ところが、年金一元化、最低保障年金、後期高齢者医療保険制度廃止後の制度、総合こども園制度、など、社会保障制度の抜本改革案は未定時のままだ。これでは、「単なる増税」で、約束が違う。
そして、一番重要なことは、大増税が日本経済を破壊しないための措置が提示されていないことだ。消費税率5%の引上げは、金額にして12.5兆円にも達する。このような巨大増税を実行すれば、日本経済は確実に崩壊する。
増税を実施する際にその経済効果を相殺する景気支援政策発動が不可欠だが、この論議が完全に抜け落ちている。
これでは、国民生活がもたない。
著者:植草 一秀
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中曽根元首相は1986年に提示した売上税案を撤回した。最大の理由は、総選挙の前に、「投網をかけるような税は導入しない」と発言したことだった。政治家は言葉に責任を持たねばならないのである。
野田氏は、「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と明言した。この言葉に責任を持つのなら、いま進めている、「シロアリを退治しないで消費税をあげる」提案は撤回せざるを得ない。
最終的に、「シロアリ退治なき消費増税」案は撤回されることになるだろう。
4月21日に東京で開催された「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」動画映像が飛鳥新社サイトから無料配信されておりますのでご高覧ください。
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●配信日時:2012年5月26日(土曜日)
19時00分~20時30分放送予定
今回のテーマはズバリ、小沢一郎氏の復権はあるか。
一審で無罪判決を勝ち取り、停滞する政局が急転回するかと思われた矢先に流れた控訴のニュース。対談では、高裁に舞台を移して争われる裁判のゆくえとともに、小沢氏の復権のシナリオはあるかを考察します。
また、消費増税、解散、総選挙など多くの難題を抱える政局の予測とおふたりが提唱するインターネットを活用した政治活動についても討論します。
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