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2012年5月22日 (火)

筋違いの増税主張を礼賛する日経新聞の劣化

国会でようやく消費増税論議が始まったが、メディアは金環日食一色である。


5月22日はスカイツリー一色になるのだろう。


そうして、7月27日から8月12日まではロンドンオリンピックが開催されるから、オリンピック一色になるだろう。


その前の6月3日からはサッカーワールドカップのアジア最終予選が始まるから、サッカー一色になるのだろう。


NHKは消費増税の賛成論と反対論の全面討論をまったくやらない。


意図的に徹底論戦を行わないのだ。


こんな状況で公約違反の消費増税を決定することは許されない。

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5月21日付日本経済新聞オピニオンのページに、同紙論説委員長の芹沢洋一氏による「ポピュリズムよさらば」と題する署名記事が掲載された。


芹川氏は、かの悪名高い、小沢一郎氏攻撃マスコミ組織「三宝会」世話人を務めた人物である。


共同通信社の後藤謙治氏も同じ世話人を務めている。いまも、小沢民主党を叩くことをなりわいとしているのだと思われる。


また、芹川氏は私がかつて主査を務めていた21世紀臨調(「新しい日本を作る国民会議」)政治部会の委員も務めていた。


「ポピュリズムよさらば」に示される主張の奇妙さは特記に値する。




要するに、消費増税反対論を叩くための文章であるわけだが、基本的に論理が破綻している。


芹川氏は米国で、欧州で、そして日本でポピュリズムの暗雲が浮かんでいるとする。


芹川氏は大衆迎合主義という訳を用いているが、そもそも、この訳語を用いているところから芹川氏の勉強不足は明白だ。


ポピュリズムは、民衆の利益が政治に反映されるべきという政治的立場であって、大衆迎合主義とは異なる。政治学を知らない初心者の間違いを犯して論を進めるのだから、全体の内容は推して知るべしだ。


この点は、月刊FACTA6月号に寄稿している田勢康弘氏とまったく共通した間違いを示しており、日系に共通する恥部かも知れない。




主権者である国民の判断の真の意味を考察しようとせず、あらかじめ決定している価値観に合わないものを民衆が示すときに、それを「ポピュリズム」と表現して非難の対象にする姿勢は、まさに「思考停止」と言わざるを得ない。

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フランスで現職大統領が惨敗した。ギリシャでは政権与党が敗北した。そして、ドイツでも与党CDUが州選挙で大敗した。


民衆は現行の政策運営に明確なNOの意志を表示したのであって、それをはなから否定する根拠は存在しない。


現実の政策運営とは、与えられた環境のなかでの、優先順位の設定という側面を強く持つ。


経済学的な表現を使うと、「制約条件化の最適化」を目指すのが政策運営者の基本的立場だ。


しかし、ここで問題になるのは「最適化」の中身である。


すべての政策手段にはメリットとデメリットが付きまとう。すべてを同時に満たす政策手法はほとんど存在しない。


その時に重要になるのは、何を優先し、何を劣後させるのかという判断である。


例えば、緊縮財政政策は景気にはマイナスの影響を与えるが、財政危機回避には有効であるかも知れない。しかし、緊縮財政が景気を著しく悪化させる場合には、景気にマイナスであるとともに、財政収支にもマイナスの影響を与えるかも知れない。


このとき、正しい判断がどのようなものであるのかは、一概には決められない。


専門家の間でも望ましい政策対応の手順については、意見が分かれるからである。


ある専門家は、強い緊縮政策を推奨するかも知れない。これが正しい処方箋であると。


しかし、別の専門家は異なる主張を示す。


強すぎる緊縮政策は百害あって一利なしであると。まずは、積極政策で経済を回復軌道に誘導し、構造的な財政改革はそのあとで実施するべきであると主張するかも知れない。




どちらが正しいかは、経済学の論争課題であるが、実は、学問的にも答えは一通りには定まっていない。

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芹川氏にしても田勢氏にしても、共通するのは、経済学の専門知識が乏しいことだ。経済学の専門知識がないから、どのような政策運営が正しいかを判定できない。


もっとも、専門家の間で意見が一致しないということは、専門家であっても結論を断定することは難しいということでもある。


芹川氏は記事のなかで、緊縮政策を実行するのが正義であり、緊縮政策に反対するのが不正義で、これに迎合することをポピュリズムと表現して、非難の対象としているようである。


その論理の構造の軽薄さと言うか、中身の乏しさには驚きを禁じ得ない。


これが、社を代表する論説委員長の記事なのだから、日本経済新聞の置かれた現状がいかに危ういものであるのかが透けて見えてくる。


私は芹川氏を個人的にもよく知っているから、これ以上は言いたくないが、経済学上の重要な論争点について、予断と偏見に満ちた知識で主張をまとめることは、いささか軽率に過ぎると思われる。




問題を見つめるため、野田氏、岡田氏による下記「天下り決死隊」変節動画三点盛をご高覧いただきたい。


2009年8月15日の大阪街頭演説


2009年7月14日衆議院本会議演説


平成の無責任変節王=岡田克也氏のビフォーアフター

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5月26日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第5弾動画生配信を行うことが決まりました。

■天木×植草リアルタイム時事対談
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●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者)

●配信日時:2012年5月26日(土曜日)
      19時00分~20時30分放送予定

今回のテーマはズバリ、小沢一郎氏の復権はあるか。

一審で無罪判決を勝ち取り、停滞する政局が急転回するかと思われた矢先に流れた控訴のニュース。対談では、高裁に舞台を移して争われる裁判のゆくえとともに、小沢氏の復権のシナリオはあるかを考察します。

また、消費増税、解散、総選挙など多くの難題を抱える政局の予測とおふたりが提唱するインターネットを活用した政治活動についても討論します。

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