検察の巨大犯罪を報道しないメディア
野田佳彦内閣が強引に推進しようとしている原発再稼働にブレーキがかかり始めた。
当然のことである。
福島の惨禍が大きく広がるなかで、核暴走事故の原因も特定できぬなかで、新たに原発の再稼働が認めてよいわけがない。
泥縄で作成した安全基準など、科学的な根拠が皆無のものである。
原発稼働ゼロの状況が生まれ、夏のピーク時を原発稼働ゼロで乗り切れることが実証されると、脱原発を求める声はますます拡大すると見込まれる。
この事態を回避したいというのが電力業界および原子力ビジネス利権複合体の切実な声である。
有識者の見解のなかで、原発利用継続を主張する人々の大半は、何らかの形で原子力利権複合体との関わりをもつ者である。
原子力利権複合体との関わりを持たない人々で、原発利用継続を主張する者はほとんどいないのが現実である。
巨大な経費を投入して作ってしまった原子炉を使わないということになれば、大きな損失が生まれる。また、年間2兆円規模に達する原子力関連産業の規模が急激に縮小することは、関連産業に打撃を与えることも間違いない。
しかし、福島事故の惨禍を踏まえれば、そのような単純なそろばん勘定でこの問題を考えることは適切でない。
まったく次元の異なる問題であるからだ。
日本の命運をも左右しかねない問題であることを踏まえて、少なくとも拙速な対応を避ける必要がある。
最終的にどのような結論に至るにせよ、ここは立ち止まって、一度、原発稼働ゼロの状況を作り出すことが必要だ。
消費増税の問題も国民生活の根源にかかわる重大問題である。財務省が実行している言論統制活動であるTPRは、消費増税問題の争点化を避けようとのスタンスを示している。
典型例はNHKの番組編成スタンスだ。
日曜討論では2週連続で消費増税問題との討論を回避した。
野田佳彦内閣が強引な政策運営を実行して、連立与党内での分裂などの問題も噴出したわけだから、当然、各党討論を行うべき局面である。
数字が操作されていると見られる世論調査でさえ、野田内閣が推進する消費増税提案には反対意見が過半数を超えている。
政党討論会を開催すれば、消費増税に賛成する政党は民自公とたちあがれ日本くらいしかない。
これ以外の政党は基本的にすべて消費増税反対である。
最大の問題は、消費増税提案が民主主義のプロセスを経て決定されていないことだ。民主党内の論議では、最終的に反対意見多数であった。最後に多数決採決を行えば反対多数で否決されていたはずだ。
それを曲げて消費増税法案を提出していることがそもそもの大きな問題なのである。
この点について追及されて野田佳彦氏はまともな答えを示すことができない。このような歪んだ政策運営が行われているのが現状である。
もうひとつ見落とせない問題がある。
小沢一郎氏に対する裁判の問題だ。
この問題を詳細に検証すると、日本は総理大臣の選出を二度誤ったことが判明する。
2009年3月3日の大久保隆規氏逮捕は明らかに不当な逮捕であった。政治資金収支報告書に記載する寄附行為者についての解釈の相違が刑事案件にされることはありえない。
この不当逮捕がなければ、2009年9月には小沢一郎政権が誕生していた。
2010年9月14日に民主党代表選が実施された。7月2日には鳩山由紀夫首相の辞任表明もあった。
この裏側で動いたのが、検察審査会を活用した小沢一郎氏に対する強制起訴謀略である。
「謀略」の表現を用いたが、まさに正真正銘の謀略である。
この謀略活動がなければ、この年の7月、遅くとも9月に小沢一郎政権が樹立されていた。
検察権力の不正行使が日本の政治史を塗り替えてしまったことの罪深さは計り知れない。
このなかで、2010年の謀略にかかる事実が昨年12月15日以降に明らかになっている。検察内部では2011年年初からこの事実を把握していたことも明らかにされている。
この問題に対する捜査当局の動きがあまりにも遅い。そして、メディアがこの問題について、何も報道しない。日本は北朝鮮以下の状況に陥っていると言わざるを得ない。
お知らせです。
4月21日(土)午後6時30分開演予定の
『消費増税亡国論-三つの政治ペテンを糺す-』
出版記念講演会について、新しいご案内内容をお知らせいたします。
著者植草一秀の講演に加えまして、小沢一郎元民主党代表の右腕として活動を続けられ、いまも「日本一新運動」を牽引されておられます
元参議院議員の平野貞夫先生をゲスト講師としてお招きし、ご講演をいただくことになりました。
演題は
平野貞夫先生 「消費増税導入と絶対的タブー」
植草一秀 「シロアリ退治なき消費増税ほか亡国の国策運営」
を予定しております。
平野貞夫先生は、1986年の中曽根内閣による売上税導入提案、1989年の竹下内閣による消費税導入のすべてを政界の側から知り尽くしておられ、この知見をもとに野田内閣の消費増税提案に警鐘を鳴らしておられます。
書籍付参加チケット代金は1500円になります。
(誠に恐縮ですが、書籍代とチケット代金の差額500円は会場費等の実費に充当させていただきます。)
参加ご希望の皆様は、
お名前、ふりがな、電話番号、をご明記のうえ、
eventinfo@libro.co.jp
にご送信下さいますようお願い申し上げます。
1メールにつき、お1人様1枚限りのご応募となっております。
また、お申込み内容の確認・変更、ご応募結果についてのお問い合わせは一切お受け出来ないとのことでございます。
参加希望メールをご送信いただきましたら、先着順にてお送りいただきましたメールアドレス宛にご案内メールが送信されます。
当日会場にて、"ご案内メール"をプリントアウトしたもの、あるいは携帯端末のご案内メール表示画面をご提示ください。
代金お支払いと引き換えに書籍付参加チケットをお渡しいたします。書籍は講演会当日、会場でのお渡しとなります。
なお、チケットは4月20日(金)開催の「STOP!権力国民大集会」会場でも販売される予定です。
ただし、予めご用意したチケット枚数に達し次第、受付は終了させていただきますので、予めご了承下さい。
詳しくは、リブロ池袋本店サイト
ならびに、
飛鳥新社サイト
をご覧ください。
新著の概要は以下の通りです。
『消費増税亡国論-三つの政治ペテンを糺す-』(飛鳥新社)
新書版 368ページ 価格:消費税込み1000円
目 次
第一章 シロアリ退治なき消費増税
第二章 一体改革という名の単なる増税
第三章 民主主義の命はデュー・プロセスにあり
第四章 特権官僚が蝕(むしば)むこの国の骨組み
第五章 増税の前にやるべきことがある
第六章 日本財政が危機にあるというデマゴギー
第七章 日本再生の方策と国民の政治選択
概要
「シロアリ退治なき消費増税」こそギリシャ化への道だ
なぜマスメディアは野田総理の白昼堂々の公約違反を追及しないのか?
民主主義を踏みにじる野田政権、許されざる三つの過ち
1.マニフェスト違反の官僚利権(天下り)擁護
2.日本財政は真正危機にあるとの風説の流布
3.社会保障制度改革なき「単なる増税」の推進
亡国の増税シナリオの裏を知り抜く最も危険なインサイダーが命懸けの徹底告発。
衆議院を解散し消費増税選挙を実施せよ!
主権者国民勢力が政権を奪還できるか、
それとも対米隷属政権が持続してしまうのか?
続きは
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第197号 」
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3月24日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第3弾生動画配信を行いました。
●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者)
●配信日時:2012年3月24日(土曜日) 19時00分放送開始予定
3月は『消費増税のゆくえと今後の政局』と題して、消費増税問題と政局のゆくえについて徹底討論しました。
・野田内閣と財務省が消費税増税を急ぐ真の理由とは?
・法案可決の見込みは?日本経済と私たちの生活はどうなる?
・今後の政局と衆議院解散の可能性は?
また、東日本大震災から1年の時が流れ、今なお住民に不安を与え続ける福島第一原発事故の問題とこれからのエネルギー政策や、大詰めを迎える小沢一郎氏裁判の行方、「インターネット政党」など市民の政治参画などの問題について90分間ノンストップで議論しました。
アーカイブ動画配信を、動画配信記事として有料で販売しております。
販売代金は、全額を動画配信費用と番組へのゲスト招聘などの今後の動画配信放送内容の充実のために活用させていただきますので、ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
早速、3月24日の対談ダイジェスト版をYoutubeに公開いたしました。
◎サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 2012/02/25
http://www.youtube.com/watch?v=byxJ3QPETeo
また、2月25日の対談のダイジェスト版はこちらです。
◎サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 2012/02/25
http://youtu.be/NFo-WKDB3r4
ぜひ、ご高覧下さい。
また、3月24日の
◎サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 2012/02/25
の完全版動画配信記事はこちらでご購入いただけます。
http://foomii.com/00057/201203242200009024
「消費増税の行方と今後の政局」を議題に、小沢裁判の行方を含めて90分間を超えるノンストップ論争を行いました。
ぜひ、ご高覧ください。
●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談
消費増税のゆくえと今後の政局
【価格:315円(税込)】
視聴をご希望の方は、[この記事のみ購入する 315円(税)]より、手続きをお願いします。登録いただきましたメールアドレス宛に、動画の視聴方法をご案内します。
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