消費増税各党討論を実施しない日本偏向協会
今次通常国会で最重要の討議テーマは消費増税である。
野田政権は正統性のない消費増税提案を、非民主的なプロセスを経て決定した。
法案通りに現実が動くと、2014年4月に消費税率は現行の5%から8%に引き上げられ、2015年10月にはさらに10%にまで引き上げられる。
現在の5%の税率で消費税収は約12.5兆円ある。5%の税率引き上げは12.5兆円規模の増税となる。10年で125兆円という、とてつもない巨大増税である。
消費増税を検討する場合、第一に、意思決定プロセスの正統性が求められ、第二に、消費増税の目的が明確に定められねばならない。そして、第三に経済活動に対する大きな攪乱要因にならないことが不可欠である。
いずれにせよ、国民経済に重大な影響を及ぼすものであり、主権者である国民の判断が何よりも重要ということになる。
こうした事情を踏まえたときに、公共放送であるNHKは極めて重要な役割を担う。
消費増税問題を分かり易く解説し、主権者である国民が事実を正確に把握したうえで、適正な判断を下すための情報をあまねく提供する責務を負っている。
ところが、このNHKが最近腐臭を放っている。NHKの偏向はこれまでも顕著であり、NHKの正式名称は「日本偏向協会」であると信じている国民が多い。
本来、NHKは「日本放送協会」という名称であるのだが、最近の現実を見るならば、「日本偏向協会」に正式に名称変更した方が良いと思われる。それほどまでに、最近のNHKは劣化している。
民主党が消費増税法案についての党内意見を集約したのは3月28日未明である。集約と言っても、多数決採決を実施して民主的に決定したのではない。
司会進行を担当した前原誠司氏が一方的に討議を打ち切り、「執行部に一任してほしい」と要望を述べただけである。
討議を打ち切り、党としての意見を集約するには、多数決採決が必要であったが、前原氏は多数決採決を実施しなかった。
したがって、消費増税法案は民主党の了解を得ぬまま、国会に提出されたものである。
この事態が発生して以降、日曜日が3回あった。
消費増税問題を中心に各党討論を行うのが、NHK日曜討論の当然の責務である。
ところが、NHKは3週間、各党討論を行わなかった。
4月1日には、討論会を実施すべきところ、各党代表者に個別のインタビューを行った。
インタビューの場合、議席配分をベースに時間が配分されるため、民主党、自民党、公明党の三党に配分される時間が圧倒的に長くなる。
つまり、消費増税賛成者に圧倒的な時間を配分したのである。
4月8日は、北朝鮮のミサイル問題に1時間が費やされた。
消費増税問題を討議しないために、重要性の低いミサイル問題に全時間が費されたのであある。
そして、4月15日は、二部構成で、前半に民主・自民の二党だけによる国会審議問題を論じさせ、後半はミサイル問題に時間が充てられた。
前半の民主、自民二党の国会対策委員長による対論は、消費増税賛成の二党だけの討論である。
ミサイル問題にまたしても時間を費す必要性は存在しない。
つまり、NHKは、消費増税問題を各党討論の形態で実施させない措置を取っているのだ。
このような偏向放送協会は、即時解散させるべきである。
背景には財務省のTPRがある。財務省が財務省の権力にモノを言わせて、狂気の言論統制活動を行っているのだ。
NHKはその成り立ち上、政治権力に逆らえない。
NHKの最高意思決定機関は経営委員会である。
経営委員会委員の人事権は内閣が握っている。
経営委員会がNHK会長を決める。NHKの副会長、理事は経営委員会の同意を得て会長が決める。
つまり、NHKは内閣総理大臣に支配されている。
他方、予算は総務大臣に提出され、国会の承認を受ける必要がある。
ただし、NHKは放送法第64条により、テレビを設置した市民から放送受信料を徴収できる権限を付与されている。
これらの規定により、NHKは完全に政治権力の支配下に置かれていると言ってよいのである。
しかし、放送法は第一条に放送法の目的を定めており、その第二項に以下の条文がある。
二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
そして、第三項には、次の条文がある。
三 放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
また、第四条には、放送番組の編集についての規定が設けられている。
しかし、NHKは公共の福祉に適合する放送のあり方をまったく踏まえず、ひたすら、自己の利益のみを追求する存在に堕している。
だから、消費増税問題についての徹底討論を一切行わず、増税賛成論だけを流すという暴挙を続けているのだ。
政権交代を早期に実現し、NHKの解体的改革を断行する必要がある。
放送法の全面改正が必要である。
続きは
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お知らせです
「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」が開催される4月21日(土)の前日にあたる4月20日(金)には、文京シビックセンターで、
「ストップ!権力の暴走 国民大集会」
と題する、極めて重要な大集会が開催されます。
警察・検察・裁判所の不正、人物破壊工作、巨大犯罪を絶対に許さない、ための市民による大集会です。
多数の市民の参加が求められます。
「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」を含め、日本の民主主義の根幹を問う、重要行事ですので、一人でも多くの市民の皆様のご臨席をお願い申し上げます。
4月21日の講演会は拙著出版の機会に合わせての開催であるので、大変、恐縮に存じ上げますが、民主党が主権者国民と「シロアリ退治なき消費増税阻止」について明確な約束=契約を交わしてきたことを踏まえますと、契約を一方的に破棄して、官僚利権を一般庶民から搾り取ろうとする消費増税には、どうしても賛成するわけにはいきません。
4月20日国民大集会、4月21日シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会を、併せてご支援賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
4月26日には東京地方裁判所が適正な判断を示すことを、主権者国民が厳しく監視しなければなりません。
主権者国民の行動力、発言力が問われています。
「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」の概要は以下の通りです。
講演会参加申し込みケットについては、
リブロ池袋追加受付け案内
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日時 4月21日(土)
開場 午後5時30分
開演 午後6時30分
場所 豊島公会堂(池袋駅徒歩5分)
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-19-1
地図
講師および演題
第一部
平野貞夫先生(元参議院議員・「日本一新の会」代表)
「消費増税導入と絶対的タブー」
第二部
植草一秀(政治経済学者)
「シロアリ退治なき消費増税ほか亡国の国策運営」
著者植草一秀の講演に加えまして、元参議院議員の平野貞夫先生がご講演くださることになりました。
平野貞夫先生は小沢一郎元民主党代表の右腕として活動を続けてこられ、現在は「日本一新運動」を推進する「日本一新の会」代表をお努めになられておられます。
平野貞夫先生は、1986年の中曽根内閣による売上税導入提案、1989年の竹下内閣による消費税導入のすべてを政界の側から知り尽くしておられ、この知見をもとに野田内閣の消費増税提案に警鐘を鳴らしておられます。また、現下の政局の動向にも精通しておられますので、政治情勢についてのホットな内容についても触れられるかもしれません。
書籍付参加チケット代金は1500円になります。
(誠に恐縮ですが、書籍代とチケット代金の差額500円を会場費等の実費に充当させていただきたいというのが主催者出版社からのお願いです)。
参加ご希望の皆様は、
お名前、ふりがな、電話番号、をご明記のうえ、
eventinfo@libro.co.jp
にご送信下さいますようお願い申し上げます。
1メールにつき、お1人様1枚限りのご応募となっております。
また、お申込み内容の確認・変更、ご応募結果についてのお問い合わせは一切お受け出来ないとのことでございます。
参加希望メールをご送信いただきましたら、先着順にてお送りいただきましたメールアドレス宛にご案内メールが送信されます。
当日会場にて、"ご案内メール"をプリントアウトしたもの、あるいは携帯端末のご案内メール表示画面をご提示ください。
代金お支払いと引き換えに書籍付参加チケットをお渡しいたします。書籍は講演会当日、会場でのお渡しとなります。
なお、チケットは4月20日(金)開催の「STOP!権力国民大集会」会場でも販売される予定です。
ただし、予めご用意したチケット枚数に達し次第、受付は終了させていただきますので、予めご了承下さい。
詳しくは、
リブロ池袋本店サイト
ならびに、
飛鳥新社サイト
をご覧ください。
新著の概要は以下の通りです。
『消費増税亡国論-三つの政治ペテンを糺す-』(飛鳥新社)
新書版 368ページ 価格:消費税込み1000円
目 次
第一章 シロアリ退治なき消費増税
第二章 一体改革という名の単なる増税
第三章 民主主義の命はデュー・プロセスにあり
第四章 特権官僚が蝕(むしば)むこの国の骨組み
第五章 増税の前にやるべきことがある
第六章 日本財政が危機にあるというデマゴギー
第七章 日本再生の方策と国民の政治選択
概要
「シロアリ退治なき消費増税」こそギリシャ化への道だ
なぜマスメディアは野田総理の白昼堂々の公約違反を追及しないのか?
民主主義を踏みにじる野田政権、許されざる三つの過ち
1.マニフェスト違反の官僚利権(天下り)擁護
2.日本財政は真正危機にあるとの風説の流布
3.社会保障制度改革なき「単なる増税」の推進
亡国の増税シナリオの裏を知り抜く最も危険なインサイダーが命懸けの徹底告発。
衆議院を解散し消費増税選挙を実施せよ!
主権者国民勢力が政権を奪還できるか、
それとも対米隷属政権が持続してしまうのか?
「植草一秀の『知られざる真実』」をご愛読のみなさまにfoomiiよりお知らせです。
4月28日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第4弾を生配信することが決まりました。
■天木×植草リアルタイム時事対談
●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者)
●配信日時:2012年4月28日(土曜日)
19時00分~20時30分放送予定
今回は遂に判決を迎える「小沢一郎氏裁判」について90分間徹底討論。
4月26日に下る判決を踏まえ、今後の小沢一郎氏、そして多くの難題を抱え混迷を極める政局のゆくえをどこよりも深く、舌鋒鋭く解説します。
また、最新刊『消費増税亡国論』で抉り出した、消費増税問題と小沢-鳩山政権攻撃のつながりについても、徹底解説します。
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◎サタデーナイトライブ:
消費税増税のゆくえと今後の政局
(2012/03/24 放送分)
◎サタデーナイトライブ:
日本はどこまで米国に支配されているのか
(2012/02/27 放送分)
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