野田氏登場追加増税条項撤回三文芝居は通用せず
野田佳彦内閣の消費増税閣議決定が週明けに先送りになった。
大義も正義も正統性もない消費増税案は撤回するべきだ。
民主党の良識派が野田内閣の暴走に対して、体を張って対抗していることは極めて健全な姿である。
野田・岡田の「天下り決死隊」は、国民を裏切り、国民にうそをついて、巨大な消費増税を強行決定しようとしているが、民主主義を破壊する卑劣な行為を慎むべきである。
民主党内論議では、景気条項と追加増税条項が論議されていると報道されているが、追加景気条項には何の意味もない。
当初から撤回することを前提に示されたものである。
描かれている三文芝居のシナリオは、延々と民主党内論議が続く。
閣議決定日程を何度も先送りする。
機が熟した段階で、野田佳彦氏がしゃしゃり出て、追加増税条項を撤回して意見集約を図る。
執行部一任を宣言し、一部の議員が拍手するというものだ。
追加増税条項は、初めから撤回用に提示されているのである。
議論をできるだけ長引かせるのは、「熟議を重ねた」との説明を付けるためである。
追加増税などという話は、直近になって急浮上した話で、こんな条項を盛り込もうというところに、論議全体のいかがわしさが表れている。
財務省はいま、そこまで求めていない。初めから撤回することを織り込んで提示しているのである。反対者に大幅に譲歩したとの演出を凝らすことが狙いである。
景気条項の実質2%成長、名目3%成長というのは、数値としては適正な部類に入るのだろうが、ひとたびこの数値を条件に設定すれば、彼らは何を始めるか、見当がつかない。
経済成長率の統計を人為的に操作することなど、朝飯前のことだと考えられるからだ。彼らは間違いなくそれくらいのことは平気でやる。
しかし、原点に帰って考えるべきだ。
野田佳彦氏が声を張り上げて叫んだのは、
「シロアリを退治し、天下り法人をなくし、天下りをなくす。そこから始めなければ消費税をあげるのはおかしい」
ということだった。
つまり、民主党のマニフェストとは、
「シロアリ退治なき消費増税阻止」
だったはずだ。
野田佳彦氏が推進する消費増税案のなかに、シロアリ退治の内容は皆無である。シロアリ退治とは、天下りとわたりの根絶を意味するが、この二つが「社会保障・税一体改革」から完全に姿を消したのだ。
代わりに登場したのが、議員定数削減と公務員総人件費削減である。
霞が関の高級官僚の巨大利権である天下りとわたりにはメスが入らぬよう、財務省が財務省にとって都合の良いように内容を改竄したのだ。
そのような改竄を許さないのが、民意の負託を受けた政治家の役割だが、野田佳彦氏は財務省に籠絡され、シロアリ王国を実家に持つ岡田克也氏を副総理に起用したのだ。
岡田氏の実家であるイオン株式会社はまさに天下り王国、シロアリ王国である。天下りの癒着を利用して日本たばこの工場跡地を獲得する、天下りの癒着を利用して日本振興銀行払い下げ先に選定される、など、官民癒着の標本企業と化しているのだ。
この、野田・岡田の「天下り決死隊」に天下り根絶ができるわけがない。
民主党の党内協議では、「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と野田佳彦氏が述べた問題について掘り下げた論議を行うべきである。
野田内閣執行部が景気条項に数値を盛り込むことに反対しているのは、彼らが、不況でも消費増税を断行する方針を保持していることを示す証左である。
不況であるなら消費増税の実施を見送るのであれば、数値目標の設定に合意するはずだ。数値目標の設定に反対するというのは、いかなる事態が発生しようとも、消費増税を断行するとの意思の表出と受け止める必要がある。
経済状況を無視した緊縮財政政策が百害あって一利なしであることは、これまでの事実によって確かめられている。
2014、15年に、2年連続で巨大増税を実施するなら、日本経済は間違いなく大不況に押し戻されるだろう。
大不況は税収の大幅な自然減を招く。大規模な景気対策を必要とする。結果として、財政赤字は減少せずに増加する。この過ちをまた繰り返すのか。
消費増税の際に必要不可欠なことは、増税が持つマイナスの経済効果を相殺する景気対策を併用することなのだ。この点についての論議がまったくない。
この点を民主党内で論議する必要がある。
論議を重ねたところに野田佳彦氏がのこのこと出て来て、追加増税条項を撤回して、執行部一任→一部の委員の拍手で幕引きなど、絶対に許してはならない。
ここで消費増税賛成の見解を示す民主党国会議員は、一人残らず、次の総選挙、参院選で落選させられることをしっかり念頭に置くべきだ。
消費増税論議の最後は、必ず多数決採決によって党議を決するべきだ。それが、民主主義政党の正当な意思決定プロセスである。
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