「言うだけ番長」改めすぐキレる「無駄吠え番長」襲名
前原誠司氏に対して「言うだけ番長」の表現を用いて論評することは、正鵠を射ていると判断する者が多いはずだ。
もっとも分かり易い例は、八ッ場ダム工事の中止決定だろう。
鳩山政権が発足して前原誠司氏は国交相に就任した。就任して直ちに八ッ場ダムの建設を中止する方針を表明した。これに猛反発が生じると、中止を中止してしまった。
その後は、国交相在任中に何の処理もできなかった。
蒸気機関車に乗って運転士ごっこをして遊ぶくらいのことしかしなかったのではないか。
沖縄担当相を兼務していたが、鳩山由紀夫首相が明示した普天間基地の県外、国外移設に向けて、微塵の努力も注がなかったのではないか。
内閣改造が繰り返され、結局、前田武志国交相の時代に、八ッ場ダム工事継続の決定がなされた。民主党の政調会長に就任していた前原氏は、工事継続が決定されるなら、国交相予算を党として認めないと発言したが、その後、うやむやになった。
消費税増税問題では、途中まで、消費増税反対の意思を表明していたのではないか。
それが、何の説明もなく、突然、消費増税賛成に主張が変わった。
尖閣諸島海域で発生した中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件では、日本の法律に沿って粛々と処理すると明言しながら、米国の指令が下されると、たちまち、中国人船長を釈放、帰国させた。
この間の経緯は明らかにされていない部分があるが、前原氏の行動は、ただひたすら米国の指令に従っているものとしか映らない。上記の記述は、私の推測による記述であることを補記しておく。
これだけの「実績」を積み上げているのだから、「言うだけ番長」の表現は順当である。このような「論評」をされたくないなら、言動を改めるしかないのではないか。
それを、その論評を示す新聞社を記者会見から締め出すとは、いささか幼稚すぎる。
今度は言われるとすぐキレる「無駄吠え番長」と呼ばれることになるだろう。
そもそも、前原氏のような実力も実績もない人物が、なぜ民主党の要職を渡り歩くのかが謎である。世界七不思議のひとつに入れても良いのではないか。
人柄についても良い話を聞いたことがない。
前原氏に限らず、現在の民主党執行部には、魅力のある人材が皆無である。皆、ポストと権力の亡者に見える。
野田、岡田、前原、枝野、玄葉、安住、仙谷、渡部とくれば、これは、人徳のない博覧会の様相を呈する。
これらの民主党が消滅し、本来の正統派民主党が生き残れば、それがベストだ。縁起も悪いので、党名を刷新した方が良いだろう。
野田佳彦氏は2月23日の衆議院予算委員会での答弁で、民主党の党運営が民主的でないことを指摘され、まともに反論できなかった。
TPPも消費増税も党内で多数決採決を実行していないのである。
委員会で反対多数となると委員を差し替える。
意見集約の場で反対意見が多数になると多数決を採らずに、「執行部に一任させてもらう」と一方的に宣言して、少数意見を強引に党の決定にしてしまう。この運営が「民主的でない」というのは、正しい指摘だ。
次の総選挙で現在の民主党が惨敗することは間違いない。上記の野田、岡田、前原、枝野、玄葉、安住、仙谷、渡部の八人衆は全員落選が望ましい。
民主党は2009年8月の「国民の生活が第一」の路線に戻るべきである。この正統派民主党を軸に、新しい政党を立ち上げるべきだ。
この勢力が二大政党の一翼を担わねばならない。
言われるとすぐキレる「無駄吠え番長」は、「政治とカネ」の問題でも、客観的に明らかに違反である行為をしてきた。犯罪の存在に対して「合理的な疑いを差し挟む余地のない」、本人も罪を犯したことを認める行為を実行してきたのだ。ただ、「故意ではない」との主張を受け入れてもらい立件されなかっただけである。
できるだけ早期に総選挙を実施して、国会から消えてもらわねばならない議員を主権者国民の力で退場させ、その上で、日本の出直しを図らねばならない。
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