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2012年2月 6日 (月)

野田内閣が年金保険料不払い正当化する試算公表

消費税増税を将来的に検討せざるを得ないことは、多くの国民が認識しているところだ。
 
 最大の理由は、少子高齢化の急速な進展により、社会保障の支出が急増することは不可避であり、その財源調達の方法を検討しなければ社会保障財政の収支が行き詰まると考えられるからだ。
 
 国民の大半は日本財政の将来を懸念している。そのうえで、真に国民負担の増加が必要であるなら、負担の増加にも対応するとの考えを有している。
 
 しかし、ここで重要なことは、主権者である国民が、無条件で増税に応じるわけではないことだ。当たり前だ。国民負担の増加は究極の選択であるからだ。
 
 それでは、何が条件になるのか。

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第一に重要なことは、適切な経済政策が採られることである。
 
 税収に最大の影響を与える要因は経済情勢である。日本の国債発行額は2007年度には25兆円だった。それが、2009年度に50兆円を超えた。サブプライム危機を背景とする深刻な不況で財政赤字は2年で倍増した。
 
 適切な経済運営が採られなければ、財政赤字は雪だるま式に拡大するのだ。不適切な経済政策が実施され、生まれる財政赤字を国民負担で埋めることになれば、国民負担は不当に拡大してしまう。
 
 第二に重要なことは、持続可能な社会保障制度の姿を国民の前に明示することだ。「社会保障と税の一体改革」と銘打つなら、年金、医療、介護などを中心とする社会保障制度の全体像を明確に国民の前に示すべきである。
 
 年金制度の一元化、年金制度の抜本改革が提案され、持続可能な社会保障制度の全容が国民の前に明らかにされる必要がある。
 
 このような制度が実現する。その実現に際して、これだけの負担をこのような方法で求める。こうした全体像、将来設計が明示されて初めて、国民負担の論議が成り立つのだ。
 
 将来にわたる抜本的な社会保障制度の抜本改革の全体像も示さずに、当面の負担増として増税に応じろなどと言って、主権者が応じられるわけがない。

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第三は、政府支出の無駄の排除だ。
 
 この点は、野田佳彦衆院議員が明確な方針を示している。
 
「シロアリを退治し、天下り法人をなくし、天下りをなくす。ここから始めないで消費税を上げるというのはおかしい」
 
 この通りである。
 
 現状では、まだ、この点について、まったく手がついていない。
 
 したがって、いま、消費税を上げるという議論をするのは、明らかにおかしいのだ。

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このなかで、またまた、おかしな話が広がっている。
 
 内閣府経済社会総合研究所が、年金の保険料支払いと年金受取額の収支試算を公表した。
 
 極めて重大な意味を持つ試算結果だ。
 
 この試算結果によると、1955年生まれの国民の収支が均衡し、これより前に生まれた国民は収支がプラス、これよりあとに生まれた国民は収支がマイナスになる。
 
 マイナスになるというのは、支払う保険料よりも受け取る年金の金額の方が少ないということを意味する。
 
 このことは、二つの意味で重大である。
 
 第一は、このような試算を政府が公表したことは、日本の年金制度が崩壊する宿命を背負っていることを政府が認めたことを意味することだ。
 
 年金制度の持続可能性を考える際のキーワードに、
 
「インセンティブ・コンパーティビリティ」
 
というものがある。インセンティブ=意思・意欲・意向と整合的なシステムであるのかどうかという視点だ。
 
 払う保険料よりも、受け取る年金が少ないなら、この制度に入るメリットはない。メリットがないどころか、損失を蒙るのだ。
 
 誰が、このような制度に加入しようというのだ。この事実が判明すれば、すべての加入者が制度から脱退しようと考えるのは当然である。
 
 年金保険料の未払いが問題とされるが、これを強制することはもはや不可能である。
 
 日本国憲法には次の規定がある。
 
29条 財産権は、これを侵してはならない。
 
 国民の財産を減らすことがはっきりしている年金制度への加入を国が強制することは、財産権の侵害にあたることは明白だ。
 
 年金保険料未払いの国民を責めることが不可能になった。年金制度は確実に崩壊する。

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第二の重大な問題は、政府の説明が180度転換したことだ。政府が発表した試算では、厚生年金保険料の半分を負担する企業負担金額が支払保険料に含まれている。これを含めると、1955年生まれ以降の国民は、収支がマイナスになってしまう。
 
 私を含めて、一部の専門家は、年金制度の自立可能性について、企業負担を含めれば年金収支がマイナスになるから、制度そのものがインセンティブ・コンパーティブルではないことを指摘し続けてきた。
 
 ところが、政府は、年金収支の計算にあたり、企業負担を支払い保険料に含めず、大多数の国民は支払い保険料よりも年金受取額が多くなるとの説明を続けてきた。これに基いて、年金保険料未納者に保険料支払いを強制してきたのだ。
 
 実際、企業負担を支払い保険料に含めない場合には、2000年生まれの国民でも年金収支はプラスで、支払い保険料よりも受取年金額が上回る。
 
 年金保険料を支払わせようとするときにはこちらの数字を使う。

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政府が、突然、逆の試算数値を公表したのは、消費税増税を強制するためである。このまま進むと、若い世代は大損する。大損を緩和するためには、消費税を増税し、年金給付の財源の一部を消費税にして、高齢者に負担させましょうと言い始めたのである。
 
 目的によってまったく逆の説明をする。詐欺師の行動以外の何者でもない。このような不誠実な政府と消費税増税論議をすべきでない。

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Photo日本国憲法第36条に以下の条文がある。
 
36 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
 
日本には「死刑」という刑罰があるが、これが、「残虐な刑罰」に該当するのではないかとの見方がある。
 
2月4日から東京渋谷のユーロスペースで死刑映画週間が始まった。
死刑映画の上映とトークショーが開催される。
「「死刑映画」は「命の映画」だ」のコピーの下、問題作が連日上映され、作家などによるトークショーが行われる。
 
ユーロスペース1 死刑映画週間
 
死刑制度に賛否両論があるが、この機会にイベントに参加して、各自の思考を深めてください。

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