特捜・最高裁事務総局・検察審査会を結ぶ黒い糸
小沢一郎民主党元代表の裁判が行われているが、これと並行して、極めて重大な事実が、少しずつ白日の下に晒され始めている。
天網恢恢疎にして漏らさず
「天網」とは、天の張りめぐらす網のこと。
「恢恢」とは、広くて大きい様。
「疎」とは、目が粗いこと。
「天網恢恢疎にして失わず」ともいう。
意味は、
天が悪人を捕えるために張りめぐらせた網の目は粗いが、悪いことを犯した人は一人も漏らさず取り逃さない。天道は厳正であり、悪いことをすれば必ず報いがある。
というものだ。
2009年3月3日の大久保隆規氏の逮捕以降、小沢一郎氏を標的にした検察の暗躍が続いてきた。検察とメディアがタッグを組んで、小沢一郎氏の社会的生命を抹殺する、巨大な謀略が仕掛けられてきたとの見方を人々はどう評価しているだろうか。
オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏が昨年3月に、
『誰が小沢一郎を殺すのか』(角川書店)
と題する著書を公刊した。英題は
CHARACTER ASSASSINATION
である。「人物破壊工作」だ。
欧米では、政治的な敵対者を社会的に抹殺しようとする謀略が広範に観察されるとウォルフレン氏は指摘する。しかし、小沢氏に対する「人物破壊工作」ほど大規模で長期にわたる例はないと言う。
ウォルフレン氏の指摘によって、政治的敵対者に対する「人物破壊工作」の存在が、日本でも認識され始めることになったことは、重要な変化である。
私自身、自分がまきこまれた事案が、まさに「人物破壊工作」そのものであったのだと痛感するが、それでも、ウォルフレン氏による著作の発表がなければ、そのような理解をする人口はずっと少なかったと思われる。
現時点でさえ、私の主張にまったく耳を貸さない人々は多数存在しており、それほどまでに人物破壊工作の効果は大きいものだと痛感するが、現存する事象として、このような政敵攻撃があることを知っておく意味は極めて大きい。
『月刊FACTA』2012年3月号に「「西松事件」も検察の虚構だった」と題する記事が掲載されている。
未来産業研究会、新政治問題研究会という政治団体からの献金を、この事実通りに収支報告書に記載して提出した政治家の資金管理団体は20近くに及ぶ。そのなかで、小沢氏の資金管理団体だけが刑事責任を追及された。形式的な記載方法の解釈の相違に過ぎない事案だ。
この問題の内容を報道せず、針小棒大な小沢氏攻撃が続いた結果として、小沢氏は2009年5月11日に代表職を辞する方針を表明した。
つまり、2009年3月3日の「不当逮捕」がなければ、小沢一郎氏はこの年の秋に内閣総理大臣に就任していたはずなのだ。
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翌2010年1月13日の大久保氏第2回公判で、西松建設元取締役総務部長岡崎彰文氏が証言台に立った。二つの政治団体には実体があったこと、そのことを大久保氏にも伝えていたことを証言した。この瞬間に、2009年3月3日逮捕は不当逮捕であったことが、誰の目にも明らかになったのである。
窮地に追い込まれた検察は、2日後の1月15日に、石川知裕衆議院議員など3名を別の虚偽記載の疑いで逮捕した。2004年10月の不動産取得を2005年の収支報告書に記載したことが虚偽記載だとされたのだ。
しかし、これも、その後の公判で、当該不動産が農地であったため、移転登記が完了した2005年1月の年月の取得として報告することが順当であるとの専門家意見が提示されるに至っている。
不動産取得のための銀行融資が実行されるまでのつなぎ資金を小沢氏が立て替えたことを報告書に記載しなかったことも、立て替え払いを記載しない、通常の慣習によるものだった。
とても、刑事事件として立件できるような案件でないと判断される。
しかし、これも「犯罪」だとされて秘書が起訴された。
これを有罪とするには、その裏側に実体的な犯罪が存在することが必要不可欠だった。検察は懸命に捜査したが、実体的な犯罪を発見できなかった。だが、秘書の公判では、検察サイドの要請によって、実体的な犯罪を演出する証言が行われた。しかし、社用車の運転手記載の運転日誌と合わないという決定的な矛盾が明らかになった。
裏金授受は検察による創作としか判断できないものとなった。これを合理的に立証できるなら、検察自身がこの事案を起訴に持ち込むはずだが、それができなかったのは、立証不能と判断したからに他ならない。
ところが、東京地裁の登石郁朗判事が、驚異の有罪判決を示した。検察が立証を断念した裏金授受を事実だと認定し、その上で、秘書3人を有罪としたのだ。
登石判事は、判検交流で検察官を経験した人物である。検察サイドの人間と判断できる。
そして、この問題に関連して、東京第五検察審査会が小沢一郎氏に対して2度の起訴相当議決を行った。その検察審査会の審査委員選定をめぐり、いま、驚愕の新事実が浮上している。
また、検察は、小沢氏不起訴を不服として検察審査会に申し立てがあった際、検察審査会に小沢氏シロの理由を説明する報告書ではなく、小沢氏クロの判断を誘導する報告書を送付した。
報告書を作成した田代政弘検事一人による行動ではなく、地検特捜部が組織ぐるみで小沢氏起訴を誘導する行動を取った証拠が次々に明らかになっている。
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他方、検察審査会の運営を担当したのは最高裁事務総局だが、審査委員の選定に重大な疑惑が浮上している。国会に特別調査委員会を設置するべき事案になりつつある。
「一市民が斬る」様が徹底して執拗に問題を追及されている。
十万人単位のネット上の有識者の皆様には、「一市民が斬る」様の記述を、まず熟読していただきたいと思う。
最高裁事務総局に対して、ネット上の十万単位の識者が立ち向かえば、必ず、大きな、正当な圧力になるはずである。
巨悪の存在がついに暴かれる時が近づきつつある。
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