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2012年2月12日 (日)

対米隷属政党の正体現した橋下徹大阪維新政党

大阪維新の橋下徹氏が国政参加に向けた政権公約を明らかにしつつある。
 
 天下り廃止を撤回し、TPP参加に賛成し、日米同盟を外交の基軸に位置付けるという。
 
 予想通りの展開である。
 
 これで、「みんなの党」とほぼ同一の政策路線が示されることが確実な情勢になった。
 
 他党との連携は、この政策基本路線に同調することが条件になる。
 
 選挙でのおこぼれを期待して、連携志願政党が増えるかも知れない。

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この動きを2006年以降の日本政治漂流の流れのなかにどのように位置付けるか。
 
 歴史を見る視点として重要なことは、個々の事象を単独の事象として暗記することではなく、その背後に存在する、歴史を動かす本尊の正体と意思を探る点にある。
 
 個々の事象そのものは単なるインフォメーションに過ぎないが、これらの背後にある本尊の存在とその意思を探ることによって、インテリジェンスに格上げされるのだ。

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2006年から2008年にかけて、民主党が大躍進した。
 
 いま民主党で大きな顔をしている面々は、他人のふんどしで相撲を取る輩である。岡田克也氏は2005年の総選挙で、見当違いの政策方針を示して、民主党を大惨敗に導いた張本人である。
 
 後継の前原誠司氏は、偽メール事件の取り扱いを誤り、民主党を解党の危機に追い込んだ人物である。このときの国対委員長が野田佳彦氏であり、永田寿康議員の死に責任を負うのがこの前原氏と野田氏である。
 
 2006年の民主党の危機に火中の栗を拾って党代表に就任し、民主党を大躍進させ、遂に政権奪取に導いた最大の功労者は言うまでもなく小沢一郎氏である。
 
 会社を名実ともに大企業に成長させた功労のある大社長を追放して、無能な居残り社員が、家屋を飾り、衣服を飾り、蓄財を図って、政権ポストにあぐらをかいているのが現状である。

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小沢民主党が大躍進を遂げていたとき、この躍進する小沢氏に対する攻撃が陰に陽に加えられた。
 
 メディアには、1996年に竹下登元首相が創設した、小沢氏攻撃のためのマスコミ談合組織「三宝会」が存在したことが知られている。
 
「三宝会」は大手マスコミ各社の中枢メンバーおよび主要スポンサーを会員とする組織であり、いまも、小沢氏攻撃の先頭に立つ後藤謙次氏などはその世話役の一人であった。
 
 小沢一郎氏は2006年4月に民主党代表に就任した。直後の千葉七区衆院補選で奇跡の大逆転勝利を収め、2007年の参院選に大勝した。
 
 しかし、ここから小沢氏攻撃のメディア攻撃、工作活動が本格化する。
 
 2007年秋の大連立構想は小沢氏の影響力を排除するための工作だった。2008年春には日銀副総裁人事で、渡部博史財務省財務官経験者の起用を拒絶する小沢一郎氏は、最終局面ではしごを外されかけた。
 
この謀略を首謀したのは田原総一朗氏と仙谷由人氏であると私は判断している。当時、仙谷由人氏と交わしたメールを私はいまも保管している。
 

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 2008年秋には、民主党代表選を複数で戦えとの大キャンペーンが展開された。同じ時期に実施された公明党の代表選では、一人の候補者が無投票で再選された。メディアは公明党代表選のことなどひとことも触れずに、ひたすら、複数候補による民主党代表選を主張した。
 
 小沢氏を失脚させる、小沢氏に対するネガティブキャンペーンを展開することがその目的であったことは言うまでもない。
 
 同時に、フジテレビが用意した政治ドラマが『CHANGE』である。マドンナに新曲まで提供させる力の入れようだった。
 
 この『CHANGE』放送と平仄を合わせて登場した政党が「みんなの党」である。選挙実施が先にずれ込む見通しが広がり、「みんなの党」結成は先にずれた。
 
『CHANGE』放映と連動する新党結成の狙いは、次の総選挙で増大する反自民票の分裂にあった。反自民票が民主党に殺到することを阻止し、政権交代を阻止しようとしたのだ。

これらの万策が尽きて、ついに、本尊は、禁じ手を用いる領域に足を踏み込んだ。これが、検察権力を利用しての小沢氏攻撃である。この効果を最大化するために、メディアが総動員されたことは言うまでもない。
 
 この攻撃がいまなお続いている。

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これらの一連の工作活動の底流を流れる大きな意志とは何か。これを洞察することが「インテリジェンス」の役割だ。
 
 読者の多くは、その答えを正確に探り当てていることだろう。
 
 すべての底流を流れているのは、日本政治を支配し続けようとする米国の意思である。
 
 大阪維新が日米同盟機軸を決め、天下りを容認し、TPP参加賛成の方針を示した裏側に、米国の工作活動があることを洞察するべきである。

日本政治の最大の焦点は、日本が今後も
 
「対米隷属のくびきのなかで生き続けるのか」
 
という点にある。

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