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2012年1月 6日 (金)

消費税大増税構想破れて日本経済大浮上あり

2012年の政局変動の軸になるのは、恐らく消費税問題であろう。

 最大の矛盾は、消費税増税封印を政権公約に掲げた民主党が、適正な手続きを経ずに、消費税増税を具体化して強硬に推進していることにある。
 
 その首謀者である野田佳彦氏が、2009年7月14日に声を張り上げた。
 
「私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。
 
 これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります。
 
 わたりも同様であります。年金が消えたり消されたりする組織の社会保険庁の長官、トップは、やめれば多額の退職金をもらいます。六千万、七千万かもしれません。その後にはまた、特殊法人やあるいは独立行政法人が用意されて、天下りすることができる。そこでまた高い給料、高い退職金がもらえる。また一定期間行けば、また高い給料、高い退職金がもらえる。またその後も高い給料、高い退職金がもらえる。六回渡り歩いて、退職金だけで三億円を超えた人もおりました。
 
 天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声にまったく応えない麻生政権は、不信任に値します。」

 つまり、民主党は、消費税増税の論議に入る前に、官僚の天下り・わたり利権を根絶することを政権公約に掲げたのである。
 
 主権者である国民と民主党とが交わした契約はまったく変更されていない。契約変更の手続きも取らずに、野田佳彦氏は契約内容を全面的に改竄しているのだ。
 
 民間企業であれば、クレームが殺到して、この企業は間違いなく倒産するところだ。

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自民党は消費税増税を政権公約に掲げて総選挙を戦った。その結果、選挙に大敗したのだが、消費税増税反対を掲げて大勝した民主党が、突然、大増税提案をするから賛成しろと言われて、素直に応じられるわけがない。
 
 政権公約を全面転換するなら、まず、マニフェストを全面的に書き直し、総選挙で国民の審判を受けて出直すのが筋だと主張する。これは正論である。
 
 同時に、民主党内部では、恐らく半数以上の国会議員が消費税大増税に反対である。民主党税制調査会が増税の方針を決めたと言うが、多数決も取っていない。民主主義のルールに基づく決定ではない。DUE PROCESS=適正手続きを欠いているなら、決定は正統性を持たない。
 
 党内の過半数が反対する提案であり、閣議決定も経ていない案を野党に提示して協議に応じろというのがそもそも間違っている。
 
 野田氏は、消費税増税を具体化する前に、「シロアリが群がる構造を変える、シロアリを退治して働きアリの政治を実現する」ことを優先するべきだ。これに手を付けずに、増税だけを絶叫したところで、すべての国民は野田氏の無責任さに白い目を向けるだけだ。

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この野田氏が、野党の公明党を攻撃するために、国会議員定数削減について、比例代表80削減を提示し始めた。
 
 国会議員定数削減は、方法によって、政党に与える影響がまったく異なる。経費削減ではなく、まさに「政争の具」である。
 
 比例定数を削減することは少数政党の議席が減ることを意味する。自民、民主の二大政党は比例代表の定数削減を大歓迎する。小政党を亡き者にできるからだ。しかし、逆に言えば、小政党は議席を減らし、少数意見が切り捨てられることになる。総選挙における死票も確実に増大する。
 
 選挙制度について、小選挙区制に対する批判が強いが、小選挙区制の弊害を緩和するためには、比例定数を縮小しないことが有効である。
 
 300選挙区があり、比例代表枠が180ある。小選挙区で立候補した人が比例区で重複立候補する場合、180の選挙区では第2位の得票を得た者までが当選できる可能性が高い。惜敗率が下位の候補者は落選するが、かなりの部分までは比例代表で復活当選できる。
 
 180の選挙区については、定数2に近い取り扱いがなされることになる。小選挙区が選挙結果のブレを拡大し、あまりに急激な変化をもたらしやすいとの欠点を有するとの認識があるなら、比例代表が180あることは、この欠点をカバーするものになる。

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また、日本の国会議員数は、人口比で見ると、諸外国と比べて多すぎるものではない。政府支出の削減という観点から見れば、削減するべきは国会議員定数ではなく、地方議員定数である。
 
 現在日本には1789の地方公共団体があり、39,255人の議員定数と首長が存在する。かつての3000団体から見れば約半分になったが、まだまだ多い。
 
 日本の地方公共団体を、人口40万人を目安に300団体に再編し、この300団体を基礎自治体とする。基礎自治体には極めて強い自治権を付与する。江戸時代の「藩」を復活させるわけだ。つまり「廃県置藩」を断行するのだ。
 
 この300の基礎自治体が20名定員の議会を持つなら、議員定数と首長の合計は6300人になる。各団体が30名定員の議会を持つなら合計数は9300人だ。いずれにしても、現在の約4万人と比較すれば、4分の1ないし、6分の1に人数を減らすことができる。
 
 政府支出のスリム化を掲げるなら、この程度の抜本改革を行うべきだ。
 
 法の下の平等を重視するなら、人口を基準に地方自治のあり方を考えるべきである。
 

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 公明党を刺激して税制論議に引きずり出すために、このような提案を示すのでは、野田氏の見識が疑われて当然だ。公明党は野田氏に見識があると判断していないと思われるが、わが身の過ちを棚に置いて、相手の足元を見て恫喝するのでは、暴力団も顔負けということになる。公明党をますます硬化させるだけだ。
 
 自公が連携のあるなかで、自民党が自分に有利だからと、のこのこ協議に出てくるとも考えられない。
 
 与野党協議は行き詰まるのではないか。
 
 民主党内では、恐らく半数以上の国会議員が反対であると思われる。
 
 野田佳彦氏は解散総選挙に打って出るかも知れない。しかし、大義と正義は野田佳彦氏の側にはない。消費税大増税は挫折する可能性が高い。
 
 2012年は激動の年になると思う。日本経済の視点から言えば、野田佳彦氏の消費税大増税断念を契機に日本が大浮上する可能性が高いのではないか。
 
『金利・為替・株価特報』第147のタイトルに記した通り、
 
「矛盾あるものは立ちゆかず、劇的転換が生ず」 
 
るのだ。

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