国民主権の大本乱れて政治の安定得られぬは当然
2011年、辛卯の年が幕を閉じる。
辛(かのと)は陰陽五行では金性の陰、鋭い刃物で刺すことを表し、転じて、刺すような痛い感じを意味する。またしびれるような辛さ(からさ)とか、身にこたえるような辛さ(つらさ)を表現する。
3.11の大災害に襲われた今年の相を的確に表出していたものと理解できる。
中国の四書のひとつ『大学』には次の一節がある。
「小人をして国家を為(おさ)めしむれば災害並び至る。」
この言葉通りの天災と人災であった。
3.11の災害以外にも台風・豪雨による災害も深刻だった。
まずは、犠牲になられた多くの同胞に心からご冥福をお祈りしたい。
しかし、巨大災害の傷跡は、いまなお、深刻に残されている。多数の被災者がいまなお、過酷な状態に置かれている。一刻も早いご健康と安定した生活の回復と被災地の復旧、復興を念願する。
『大学』には次の一節もある。
「其の本乱れて末治まる者は否(あら)ず」
何事でも根本や基本が乱れていると、結果がうまく治まらずに、大失敗に終わるという意味だ。
野田内閣の為政に強い警鐘が鳴らされている。
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日本の再生 著者:植草 一秀 |
『金利・為替・株価特報』第147号を12月26日に発行したので、タイトルおよび目次を紹介させていただく。
「矛盾あるものは立ち行かず劇的転換が生ず」
<目次>
1.【概観】目先は反発あるも矛盾の解消が先決
2.【陰陽五行】2012年壬辰縁起
3.【政治】正統性のない消費税増税案をまとめられるか
4.【予算】超大型復興経済対策効果を破壊する愚
5.【日本経済】すでに再悪化し始めた日本経済
6.【為替】欧州の矛盾は解消せずユーロ下落が持続
7.【金利】内外の低金利持続だが米国動向に留意
8.【中国】政治の季節を迎える中国は金融緩和に転換
9.【投資】投資戦略
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「其の本乱れて末治まる者は否(あら)ず」
を、もう一度見つめ直す必要がある。
この国における「其の本」とは民主主義である。
「国政は国民の厳粛な信託によるもの」
という、日本国憲法の規定こそ、この国の基本である。
いま、この基本が乱れている。
メディアの評論にこの基本を踏まえているものがどれほどあるのか。
この基本を踏まえずして、首相が独断で正統性のないものをごり押しするところに、すべての乱れの原因がある。
普天間、原発、消費税、さらにTPP。このすべてにおいて、国民主権、民主主義の大原則が踏みにじられている。これが、この国の乱れの大本にある。
普天間は日本の問題である。日本の国家主権にかかわる問題だ。辺野古移設は日本国民の意思に反する。政府が日本国民の総意に反することを、ただ、米国が命令するから強行実施するというのでは、主権を放棄したのも同じだ。独立国をやめて、米国の植民地であることを宣言するようなものだ。
原発を推進するのか原発を廃止するのか。決定権を持つのは国民である。絶対安全と言いながら、人類史上最悪レベルの事故を引き起こした以上、利権複合体に決定権はない。主権者である国民が叡智を持って判断するべきことがらだ。
脱原発、反原発は国民の声であると思われる。
消費税は国民生活の根幹に関わる問題である。国政選挙に際して方針を明示し、国民が判断するべきことがらだ。
2009年、2010年の国政選挙で、消費税は最大の争点になった。この最重要問題に対して主権者国民は明確にNOの判断を示した。
政府がこの民意を尊重するべきことは言うまでもない。
この民意を、根こそぎ踏みにじっているのは誰であるか。
財務省が裏から糸を引くメディアが、暴走する野田佳彦氏を諌めないどころか、暴走を助長しているのだから情けない。
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第92号「 其の本乱れて末治まる者は否ず 」
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