日本を破壊する売国どじょうの駆除が急務
野田佳彦氏がTPP交渉への参加を表明した。
公表を1日遅らせたのは、「慎重に判断する」を演出するためであった。
どのように言葉を重ねようとも、事実の重みの前には無力である。
日本は、愚かな内閣総理大臣をまた抱えることになった。
「国政は国民の厳粛な信託による」
べきものであるが、主権者である国民の意思を踏みにじる内閣総理大臣の暴走が放置されている。
内閣総理大臣が例えば、イラン、北朝鮮と軍事同盟を締結するための交渉に入ると言い出したらどうなるのか。
国会議員の反対意見が多数で、国民の反対意見も多数で、ただ、マスメディアだけが積極推進したとする。
しかし、最終的に内閣総理大臣が交渉に入ると決定すれば、日本・北朝鮮・イランの軍事同盟締結に向けて、外交交渉を進めることが容認されるのか。
日本の民主主義の原点が問われているのである。
野田佳彦氏は9月21日の日米首脳会談でTPP交渉への参加を確約したのだと思われる。
報道はオバマ大統領が普天間問題の決着の時期が近付いていると野田氏にプレッシャーをかけたと伝えたが、これは報道官が発表したもので、事実とは異なるものだったのだ。
オバマ大統領が日米首脳会談で強いプレッシャーをかけたのは、TPP交渉への日本の参加表明であった。私はこのことをブログとメルマガに記述した。そして、10月がTPP論議の月になることを予言した。
野田佳彦氏は米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明したのである。民主党内での論議も、国会での論議も無関係である。
国民が反対しても、国会が反対しても、野田氏は、ただ、米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明しただけだ。
このストーリーは9月21日からまったく変わっていない。
この路線を敷いたのは菅直人氏である。
昨年6月8日に菅直人氏は首相の椅子をつかんだ。首相の椅子をつかむために、その前の4月に米国を訪問した際、アーリントン墓地を訪問し、米国政府への忠誠を誓った。
昨年6月の政権交代は、米国による日本政府の差し替えだった。米国にモノを言う鳩山政権を放逐し、米国に隷従する菅政権を米国が創出したのである。
菅直人氏が最初に実行したことは、普天間基地移設問題について、辺野古への移設を容認することだった。
11月に横浜でAPEC総会があった。このAPEC総会での目玉がなかった菅直人氏に、米国はTPPを提示することを命令した。
米国に隷従する菅直人氏は何を考えることもなく、TPPを「平成の開国」として日本の政策メニューに掲げたのである。
この菅直人氏は、あと二つのことを実行した。
消費税増税の提案と法人税減税の提案である。
TPPと消費税増税提案と法人税減税提案。
この三つが誰の幸福をもたらすものかは明白である。
この三つの重大政策を渇望しているのは、米国、官僚、大資本である。
つまり、米・官・業の利権複合体=米官業トライアングルの利益を追求する政権が菅政権だったのである。
米官業利権複合体のための政治。これが、戦後65年間、日本を支配してきた政治構造である。
この構造を打破しようとしたのが2009年の政権交代の試みであった。米官業と対置される利害関係者は、言うまでもなく主権者国民である。
米官業のための政治
と
主権者国民のための政治
この根本的な対立が、現代日本政治の基本対立構造なのである。
詳細は拙著
『日本の独立-主権者国民と米・官・業・政・電利権複合体の死闘-』
![]() |
【送料無料】日本の独立 |
をご高読賜りたいが、2009年9月に樹立された新政権は主権者国民政権であった。ところが、民主党内には主権者国民勢力と敵対する米官業利権複合体勢力が潜んでいた。
鳩山内閣が総辞職した間隙を縫って、米官業利権複合体勢力が民主党の実権を強奪してしまったのである。
爾来、主権者国民勢力と米官業利権複合体勢力の戦いが何度か繰り広げられてきた。
昨年9月14日の代表選、本年8月29日の代表選の2度の戦いがあったが、いずれも米官業利権複合体の一味であるマスメディアが狂気の情報誘導を実行して、米官業利権複合体勢力が権力を維持した。
その延長上に今回のTPP交渉参加表明がある。
野田佳彦氏は菅直人政権をそのまま引き継いでいる。
TPPと消費税大増税、そして法人税大減税に突進しているのだ。
主権者国民のための政治は実行されない。
どじょうの「ど」は、ばいこくどの「ど」だった。
日本国民にとって悪夢のTPP交渉参加表明だが、もっと大きな図式から見ると、良かったこともある。災い転じて福となさねばならぬ。
・・・・・
続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第43号でご購読下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
![]() |
【送料無料】日本の再生 |
![]() |
【送料無料】日本の独立 |
![]() |
【送料無料】TPP亡国論 |
![]() |
【送料無料】誰が小沢一郎を殺すのか? |
![]() |
【送料無料】原発のウソ |
![]() |
【送料無料】売国者たちの末路 |
<>
![]() |
【送料無料】知られざる真実 |
« 野田佳彦氏結論表明先送りに狼狽する古舘伊知郎 | トップページ | 優柔不断売国どじょうが農業・保険医療を破壊する »
「TPP」カテゴリの記事
- 安倍政治が売国政治である決定的な証拠(2018.08.18)
- 『タネはどうなる?!』種子法廃止と種苗法運用改変(2018.07.20)
- 日欧EPA影響試算は試算ではなく根拠なき妄想(2018.02.10)
- 売国まっしぐらの安倍暴政日欧EPA&TPP11(2018.02.09)
- TPP推進安倍政権支援は馬鹿主権者だけだ(2017.11.12)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 日本を破壊する売国どじょうの駆除が急務:
» TPP原子爆弾! 〜TPPをとりまく光景〜 [格闘する21世紀アポリア]
安倍晋三ほど無能な首相は、今後出てこないだろうと確信していた時期がある。
しかし、物事には上には上があるもので、その後登場した不感症な福田康夫、漢字すら覚束ない麻生太郎、そして鳩山由紀夫にいたっては「宇宙人」とすら言われた奇人変人だった。さらに「...... [続きを読む]
» 【TPP参加反対】今こそ生活を守るために市民革命を起こそう!【ノダ豚内閣打倒!】 [ステイメンの雑記帖 ]
2011年11月11日。この日は多くの日本国民にとって「悪夢の日」として記憶されるであろう!情報隠蔽が行われる中、広範な国民各層からの反対論を無視して操り豚ノダがTPP協議への参加を決めたからだ!
しかも国会開催中で集中審議すら行われたにも拘わらず、主権者の代表である国会ではなく、インタビューという形で表明したのだ!
これは 明らかに憲法を無視し国会を軽視し民主主義を踏みにじる暴挙 だ!
惨軽珍聞やゴミ賣など売国マスゴミなどは必死に TPP参加へのキャンペーンを張って問題点が農業だけかのよう... [続きを読む]
» ある退役軍人が思い出すこと [マスコミに載らない海外記事]
ハワード・ジン 11/12/06 Information Clearing House 退役軍人の日の起源に立ち戻ろうではないか。もともと停戦記念日だったのだ。1918年の11番目の月の11番目の日の11時に、第一次世界大戦が終結したためだ。 我々はあの戦争を忘れてはならない。主張が、どれほど正しかったり 人道的だった... [続きを読む]
» やっぱりTPPを理解していなかった野田義彦首相。日本国民を犠牲にしてでも、米国に媚びる戦慄すべき醜態を晒す。 [ニュースを読まねば]
11月11日。311、911と1が並ぶ日は不吉だと言われていた。とりあえず爆破などのテロは起きなかった。 しかし、なんと参議院の議場内で、日本の首相が自爆テロを起こしていた。 その状況がYoutubeにアップロードされている。記事の最後にリンクを張っておいたので、是非ご…... [続きを読む]
» 資料 TPP 佐藤ゆかり議員 @参院予算委員会 11月11日 [木霊の宿る町]
★十日ほど前にいただいたコメントを再掲します。TPP賛成派は本当にアメリカをはじめとした諸外国を相手にごね得なんてことが可能と信じているのでしょうか?フルボッコにされるだけでしょうに。なぜ、こうまでして貢ぎあげたいのか。99%の日本庶民もここらで1%のエコノミックアニマルに抵抗しなければ、大変な苦難に陥ることでしょう。ごね得をTPPの交渉内でせよと主張するなら、TPPに最初から入らなければいいだけです。現状のままで困ることなどありません。むしろ、景気の良い国とwin,winの関係を構築することに力を... [続きを読む]
» 【政治】消費税を10%にする代わりに、低所得者には現金を支給-政府が検討 [政治経済ニュース・今私の気になる事]
低所得者に還付 軽減税率は見送り 政府が消費税率を10%に引き上げる際、低所得者に税金の一部を還付する方向で検討に入ったのは、抵抗の強い増税に対する国民の理解を求めやすくする狙いがある。 政府は、消費者が購入する生活必需品などにかかる消費税の増税分…... [続きを読む]
« 野田佳彦氏結論表明先送りに狼狽する古舘伊知郎 | トップページ | 優柔不断売国どじょうが農業・保険医療を破壊する »