TPP反対派を論破できない3K・フジの大暴走
3Kグループのテレビ放送会社であるフジテレビが、ついに反対討論者をスタジオから締め出した。
米国の手先として行動していると見られるフジテレビは、米国が要求し、日本に大きなデメリットを与えるTPPを推進するために、何度もスタジオで、TPP反対派撃破の試みを繰り返してきた。
10月16日の「新・報道2001」では、TPP反対派の亀井静香国民新党代表をスタジオに招き、5対1での討論を設定した。TPP推進者5名が亀井静香氏に対して集中攻撃を浴びせるのだ。
実際にフジテレビは、TPP推進派5人で亀井氏を集中攻撃して、亀井氏をめった斬りにしようと企んだ。
ところが、現実には亀井静香氏に5人のTPP賛成派がメッタ斬りにされてしまったのだ。
そこで、3Kグループのフジテレビは手を変え、10月24日の「新・報道2001」で、今度は、2対5の討論を行った。純粋な反対派は山田正彦氏ただ一人だった。
それでも、討論で圧勝したのはTPP反対派だった。
つまり、論議を深めれば深めるほど、TPP賛成論は論拠を失うのである。
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これらの経緯に尻尾を巻いたフジテレビは、ついに、11月6日、論議の一方の主張者だけをスタジオに出演させる恥知らずの行動に打って出た。
番組が前半で取り上げたのは、沖縄普天間基地問題だった。
沖縄普天間基地移設問題では、普天間基地を県外ないし国外に移設することが、沖縄県民および日本国民の総意である。この意思を尊重しようとした鳩山由紀夫首相の行動は明らかに正しいものだった。
鳩山首相は最後までこの方針を貫くべきであったが、残念ながら最後の場面で、この方針を放棄してしまった。
しかし、これは、県内移設の方針に戻したことが誤りだったのであって、県外、国外に移設する方針は、いまでも正しいものである。
ところが、フジテレビは、鳩山由紀夫元首相が普天間基地の県外ないしは国外移設を主張したことで、基地移設問題がこじれたと主張し続けた。
フジテレビが出演させた人物は岡田克也氏、石破茂氏、高橋進氏、森本敏氏の4名であり、全員が対米隷属派に属する人物である。フジテレビサイドから出演している須田哲夫氏および平井文夫氏も御用出演者に過ぎないから、6人全員が対米隷属派に属する人物である。
彼らは鳩山元首相の采配の悪さを全員であげつらい、辺野古でまとまりかけた基地移設を混乱させた鳩山元首相が悪い一点張りの主張を繰り返した。
石破氏や森本氏は米国海兵隊が沖縄に駐留することの「抑止効果」を何度も強調していたが、対米隷属派の人々が繰り返す説明など、無関係の者でも暗誦できるほど陳腐化したものだ。
沖縄の米軍基地は米国が米国の国益のために、日本領土を不当に占領し続けているだけのものだ。本来、ポツダム宣言では、日本が独立を回復した時点で、占領軍は日本から完全撤退することとされていた。
ところが、沖縄の地政学上の重要性が高いため、米国は沖縄の基地利用継続を渇望し、昭和天皇が米軍による沖縄の基地利用継続を米国に提案したことから、沖縄の基地が固定化されるようになった。
また、1951年9月にサンフランシスコ講和条約が調印されたその当日、日本の吉田茂首相はサンフランシスコ郊外のプレシディオ陸軍基地に連行され、日米安全保障条約への署名を強制された。この日米安保条約により、米国は日本領土の、米軍基地による占領状態継続を日本に認めさせたのである。
日本の敗戦から55年の時間が経過するなかで、鳩山元首相は、普天間基地を単に沖縄県内で移動するだけでなく、沖縄県外に移設して、沖縄の実質的な負担を軽減するべきだと考え、これを実行しようとした。
その過程で、沖縄県民も、日本国民も、沖縄の基地負担を改めて見直し、普天間の県外ないし国外移設を、日本国民の総意として米国に要求することに賛同したのである。
これが、日本の主権者国民の意思である。国民の厳粛な信託による国政が、この民意をないがしろにすることは許されない。したがって、鳩山元首相は、文字通り、政治生命を賭けて、この主権者国民との約束を貫くべきであった。
ところが、残念ながら、鳩山元首相はこの方針を貫くことができなかった。最終的には、主権者国民の意思を無視して、米国と辺野古移設の合意を結んでしまった。
しかし、現実の問題として、沖縄の県民、日本国民の総意を無視して辺野古の海岸を破壊する軍事基地建設を強行することはできない。
辺野古の海岸を破壊するには知事の許可が必要であるし、実際に工事が行われれば、工事用物資を運ぶ道路に座り込んで反対運動を続ける地元住民を強制排除しなければならない。地元住民の血を流して、政府が工事を強行できるかという、現実の問題がある。
民主主義の根本を知らない石破茂氏は、辺野古移設を決めていた状態を変化させた鳩山元首相が悪いと言うが、民主主義体制下の政治家として失格だ。
自民党が辺野古移設合意を成立させた裏側に、巨大な利権を巡る取引が存在したことは、公然の秘密である。巨大利権の力で、地元の過半数を丸め込んだだけに過ぎない。このような不正利権を用いなければ、そもそも辺野古移設など成立していないのだ。
この意味で、鳩山元首相の果たした役割は限りなく大きい。米国に対して、日本政府が初めて、「言うべきを言う」姿勢を示したのだ。
テレビ局がスタジオで討論をするなら、賛成派、反対派を同数出演させなければだめだ。フジテレビはついに、5対0の討論に突き進んだのである。さすがは3Kグループに属するテレビ放送会社だ。
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