小沢氏人物破壊工作は日本民主主義への挑戦
10月21日金曜日に開かれた
「小沢一郎議員を支援する会」
および
「日本一新の会」
共催による、第6回シンポジウム
「司法部を巻き込んだ小沢一郎攻撃」
—小沢一郎議員と3名の元秘書に対する裁判の動向—
の動画を藤島利久氏が主宰する「街カフェTV」様が配信くださっているので、ぜひ全編をご高覧賜りたい。
今回のシンポジウムを、平野貞夫元参議院議員が
「歴史に残る画期的な意味を持つシンポジウム」
と評価されている。
その意味は、小沢一郎氏および小沢氏の元秘書に対する国家権力の不正な行使という問題を、単なるひとつの重大事案として捉えるのではなく、日本の民主主義の根幹に関わる重大問題、日本の民主主義の危機であるとの認識で、初めて出席者全員の見解が一致した点で、極めて大きな意義を有するとしているのである。
この中での私の発言部分は、こちらのページでご覧いただけるので、ぜひ、ご高覧賜りたい。
リンク
私の発言内容に関するメモは以下の通りである。
私からは、以下の七点について、問題提起をさせていただいた。以下のメモをもとに、動画をご高覧賜れれば、発言内容を理解しやすいと思う。
1.有罪無罪と有実無実
裁判が中立・公正の存在でない限り、判決は相対的なものである。
真実に照らし罪を負う有実と人為の判断の所産である有罪とは違う
真実としての有実・無実と、人為の所産としての有罪・無罪との間には大きな隔たりがあることを認識することがまず重要である。
私自身も、有罪とされたが、真実に照らして無実である。このような事実が存在することに対する認識を持つことが肝要である。
2.不当判決の背景
①西松事件(「三三事変」)、陸山会事件(「一一五事変」)のいずれについても、刑事責任が問われるような内容は存在しなかった。
②刑事責任を問えるのは、形式的問題の裏側に実質的な犯罪が存在する場合だけである。
③裁判所の立場としては、
(a)背後に実質的な犯罪がないことから無罪とする
か、
(b)無理に背後の実質的犯罪を認定して有罪とする
か、究極の選択を迫られた
④結局、登石裁判官は検察と利害を共有する者として、無理な事実認定で有罪判決を書かざるを得なかった。
被告無罪とすれば、一連の検察の暴走が、内閣総理大臣の系譜を変えてしまった、つまり、日本の歴史を検察の暴走が書き換えてしまったとの、取り返しのつかない大失態、日本検察史上最大の汚点が鮮明になってしまうのだ。
⑤このために、常軌を逸した判決文を書いた。しかし、「及ばざるは過ぎたるに勝れり」である。常軌を逸した判決が、異常裁判の痕跡を明確に残す結果を生んでおり、これが事態逆転の大きな原動力になる可能性が高い。
3.正当な裁判を期待できるのか
日本国憲法は、第76条に
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」
との規定を置いているが、実際には、最高裁事務総局が裁判官の人事処遇上の全権を握っているため、裁判官は「良心に従ひ独立してその職権を行ふ」ことができない。
そして、最高裁事務総局は法務省行政当局と密接に関わり、政治権力の支配下に置かれている。このため、政治事案については正当な裁判が行われることを期待できない状況が生まれている。
4.小沢氏に対する人物破壊工作の歴史
①1996年に竹下登氏が小沢一郎氏の政界影響力排除のために「三宝会」創設
②2006年4月7日 民主党代表に就任
③2007年秋大連立構想
④2008年春日銀幹部人事
⑤2008年秋民主党代表選
⑥2009年3月3日「三三事変」
⑦2009年5月11日民主党代表辞任表明
⑧2009年8月30日総選挙民主党大勝
⑨2009年9月16日鳩山政権発足
⑩2010年1月13日大久保隆規氏第2回公判
⑪2010年1月15日「一一五事変」
⑫2010年4月27日「四二七事変」
⑬2010年6月2日鳩山首相辞意表明「六・二政変」
⑭2010年9月14日民主党代表選「九一四事変」
⑮2011年9月26日小沢氏秘書不当判決
⑯2011年10月6日小沢氏初公判
小沢氏の起訴を決めた東京第五検察審査会審査委員の平均年齢は一度目が34.27歳、2度目が34.55歳であった。この二つの数値に人数である11を乗じると、377と380になる。
このことは、まったく同じ審査委員のうち、3人が4月から9月の間に誕生日を迎えたと考える有力な根拠である。
5.小沢一郎氏が人物破壊工作を受ける理由
①日本の政治支配構造を破壊する恐れのある者の筆頭に小沢一郎氏が位置付けられている可能性が高い。
「米国・官僚・大資本による政治支配」に対するアンチテーゼが
「国民の生活が第一」の政治
である。
②民主党は水と油の混合体である
松下政経塾派は米国・官僚・大資本の利益を優先する利権複合体派
これと、主権者国民の利益を優先する主権者国民派は全面対立する。
③米官業利権複合体は、二つの利権複合体勢力による二大政党制を目指している。
民主党から主権者国民派を排除してしまえば、この目的が実現する。
6.民主化国家とは何か、非民主化国家とは何か
日本国憲法は日本の民主主義を定めているが、実態の日本は民主化国家でない。
日本の警察・検察・裁判所制度は前近代に据え置かれている。
三つの問題がある。
①運営上の欠陥
法の下の平等、罪刑法定主義が守られていない。
刑事訴訟法第248条が拡大解釈され、裁量権が肥大化している。
これが、警察・検察の天下り利権の温床になっている。
②制度上の欠陥
基本的人権が尊重されていない
憲法33条適正手続きが無視され、憲法33条、34条、35条が無視されている。
③裁判所の欠陥
三権の分立が確保されていない。
7.求められる小沢氏秘書および小沢氏裁判の相対化
9月26日朝に「西松・陸山会事件被告は判決と関わりなく完全無実」と題するブログ記事を掲載した。
裁判で無罪を勝ち取ることは無論大事だが、利権複合体勢力が不正に権力を行使すれば、無実の人間に罪を着せ、社会的生命を抹殺することは極めて容易である。
したがって、利権複合体勢力が政治権力を不正に行使して、不当な判決を導くこともあり得ることを踏まえた対応も検討するべきである。
日本が非民主化国家であるなら、有罪判決があっても被告は批判の対象にならない。むしろ、悪政に立ち向かったがために権力から不正で不当な攻撃を受けた、ヒーローということになる。
・・・・・
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