日本民主主義の真正危機と米官業複合体の謀略
日本民主主義の真正危機である。
民主主義国家にとって、何よりも重要なことは、特定の勢力に政治権力を集中させないことである。国家権力が警察・検察・裁判所権力を手中に収めれば、辞書から「不可能」の文字が消える。
反対意見を許さないことが可能になる。危険分子は権力が封殺してしまえばよい。
世論が騒ぎ立てることに対しては、マスメディアを支配下に収めて、情報の統制を行えばよい。世論操作をねつ造してこれを発表し続ければ、本当の批判分子の声を封じることは可能である。大衆はコントロールされてしまう。
小沢一郎民主党元代表の元秘書3名に対する裁判は、日本の暗黒時代の幕開けを高らかに宣言するものである。
私が巻き込まれた冤罪事件の裁判も、客観的に判断すれば、あり得ない不当判決であったが、小沢氏元秘書の裁判も、中立公正の客観的立場から判定して、まったくあり得ないものだった。
二つの政治団体の名称を記載せずに、西松建設と記載すべきかどうかは、判断が分かれるところだが、これを裁判所が西松建設と記載すべきだと判断して、記載の修正を求めるとか、あるいは最低限の罰金を科すということであれば、選択肢としてはあり得ないものではなかったかも知れない。
不動産取得費用の立て替え払いの資金出入りを記載しなかったことを、記載すべきだとして修正を求めるなり、最低限度の罰金を科すというなら、まったくあり得ない選択肢ではなかったかも知れない。
しかし、裁判所の判断は、不確定なことがらについて、心証のみで推測し、その推測だけを根拠に、その推測が実在したと断定するものであり、基本的人権を完全に侵害する不当判決そのものである。
これがまかり通るなら、日本は完全に暗黒警察国家に転じたと断定して良いだろう。
刑事裁判の根本原則は、冤罪を生み出さないことである。不確定なことがらについて、心証のみ、すなわち状況証拠のみで有罪判定することが許されると、無限の冤罪が生み出される可能性が生まれる。
とりわけ、背後に政治事情が存在する事案で、この種の判決が示されてゆくなら、政敵は、いつでも簡単に国家権力によって排除、抹殺されることになる。絶対主義権力の誕生そのものである。
新藤宗幸氏の『司法官僚』〈岩波書店〉が喝破したように、日本の裁判所は最高裁事務総局に支配されており、この最高裁事務総局が政治権力の支配下に置かれていることが重大な問題である。
司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書) 著者:新藤 宗幸 |
政敵を排除することは極めて容易である。警察・検察・検察審査会を総動員して、政敵を起訴に持ち込む。起訴に持ち込んだうえで、裁判の担当判事に権力の意向に従順な判事を充てる。これで、政敵の排除は簡単に実現できるのだ。私の冤罪事件も、まさにこの図式のなかで作られた。
公判廷で、被告無罪の決定的な立証が行われても、判決でその立証を無視すればよい。
小沢氏の秘書3名は、正当な裁判が行われたなら、100%無罪判決が出されるべきものである。ところが、これを裁判所は有罪とし、メディアも国会も、裁判所の判断を絶対のものとして取り扱うから、歪んだものが大手を振ってまかり通ることになる。
絶対主義である。北朝鮮、ヒトラーのドイツ、スターリンのソ連と何も変わらない。いや、表向き民主主義の仮面をかぶっているだけ、なお、たちが悪い。それでも、裁判のの内容を吟味する者には、日本の民主主義が真正の危機に突入したことが鮮明に理解できる。
しかし、裁判所が中立公正の独立した機関であると考えている人々には、この深刻さがまったく伝わらない。
米国と官僚と大資本が結託して日本を支配する構造。小沢一郎氏はこの基本構造を破壊しかねない危険分子の筆頭に位置付けられてきたし、いまもなお、筆頭に位置付けられているのだ。
今回の裁判で大久保隆規氏に無罪判決が示されれば、天地が逆転する激震が走る。検察の暴走で、日本政治の方向が180度覆されてしまったからだ。
2009年9月に小沢一郎政権が誕生し、いまも小沢一郎政権が持続しているのが、唯一の正史となり、過去3年半の現実が全面否定されるからだ。
これを避けるために、日本政治の権力者は、真正面から中央突破を図った。想像を絶する東京地裁の一審判決を押し通して、謀略を既定事実化しようとしている。
小沢一郎氏と小沢氏支持の巨大勢力をせん滅するための、巨大な謀略が白昼堂々と展開されているのだ。
主権者国民は、傍観者でいるだけでは、必ず、悪徳利権複合体の思いのままに、この国を支配されてしまう。必ず立ち上がり、反乱を起こし、絶対主義権力を倒さねばならぬ。
野田佳彦政権は米国、財務省、法務省・警察庁・裁判所、そして大資本の利権複合体に操られる政権であり、野田政権が利権複合体の指令に従い、小沢氏と支持グループの殲滅に動き出していることは間違いない。
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