野田佳彦氏はLeaderではなく財務省原稿のReader
民主党代表選が野田佳彦氏の勝利に終わり、野田政権が発足し、小沢一郎元代表に近い輿石東氏が民主党幹事長に就任、また、山岡賢次氏と一川保夫氏が入閣したことで、政局の季節はいったん収束に向かう。
さまざまな問題が積み残しになっているが、現実は待ったなしで動く。野田体制で新しい時間が刻まれてゆくことになる。
野田新政権が適切な政策運営を実行するなら、1年後の民主党代表選では野田氏が再選されることになるだろう。しかし、その保証は皆無だ。
野田政権の政策運営が不適切であれば、1年後には代表交代、首相交代の声がこだまするようになるだろう。これが、過去5年間、繰り返されてきた年中行事の光景である。
2012年民主党代表選に小沢一郎元代表が出馬し、小沢氏が内閣総理大臣に就任するべきである。そのためには、小沢氏のグループが結束力を強化するとともに、民主党内中間派勢力を糾合する必要がある。今回の代表選で海江田氏が敗北した最大の理由は、中間勢力の取り込みに失敗したことにある。
主権者国民にとっては、日本政治刷新の大きな目標が、大幅に遠のいてしまった。2009年8月総選挙を通じて、やっと実現した政権交代であったが、2010年6月にクーデターを挙行され、権力が主権者国民の手から利権複合体の手に渡ってしまった。
2010年9月代表選、2011年8月代表選は、主権者国民が利権複合体から権力を奪還する大きなチャンスであったが、それが成功しなかった。しかし、こんなことであきらめてはならない。
日本政治を利権複合体のためのものである現状を打破し、日本政治を主権者国民のためのものにすることは、永遠の課題である。その課題実現に手が差し掛かったが、利権複合体の激しい抵抗により、再び、権力が利権複合体の側に回ってしまったのだ。
利権複合体とは、米国、官僚、大資本のトライアングルを軸とし、その手先である利権政治屋と電波産業=マスメディアを総称したものである。野田佳彦氏が民主党新代表、新首相に就任したが、野田氏が利権複合体の側に立っていることは明白である。
米国、官僚、大資本の利益が優先される。このことは、主権者国民の利益が損なわれることを意味する。
野田氏の行動を見るがよい。
まず、米国に恭順の意を表明した。宗主国米国の命令に従うことを誓約したのである。
野田氏の発言内容のほぼすべてを財務省が書いている。野田氏の提案は100%財務省の提案だと考えてよい。したがって、野田氏は財務省の天下りを切らない。
「官僚が支配する日本」を変える意思があるかどうか。これを判定するのは容易だ。官僚天下りを根絶するのかどうかですぐに分かる。
より具体的に示せば、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への財務省天下りを根絶するのかどうかだ。
断言しても良い。野田氏は上記8機関への財務省からの天下りを絶対に禁止しない。このことが、野田氏が財務省利権の擁護者であることの証左である。野田氏は財務省の利権を切らずに、国民に重税を強制する方向に政策を進める。
2010年代なかばに消費税率を10%に引き上げる税制改正法案を2011年3月までに国会に提出することに、根拠は存在しない。野田氏が主張する所得税法附則104条は、この増税とは無関係のものである。所得税法附則104条は、2009年8月総選挙および2010年7月参院選ですでに主権者国民が否定したものだ。
3党合意は、民主党が民主党の政策方針を否定し、野党自民党と公明党の政策方針を採用することを決めたもので、主権者国民に対する背任を示すものだ。この3党合意を野田新首相が守るということは、民主党が2009年8月総選挙マニフェストを一方的に破棄することを意味すると同時に、震災復興対策の財源を復興増税で賄うことを意味するものである。
政府は震災復旧・復興対策にかかる金額を合計19兆円としている。このうち、6兆円がすでに第二次までの補正予算に計上された。しかし、財源ではこのなかの2.5兆円の調達方法が定められていない。
今後の支出規模が13兆円とされているが、このうち、10兆円を復興増税で賄う方針とされる。さらに第一次補正予算の財源未確定分2.5兆円も復興増税の対象にされる可能性が高い。
つまり、野田政権は今後5年間で12.5兆円の復興増税を実施しようというのだ。
増税策はこれだけでない。復興増税は5年間合計で12.5兆円の増税だが、野田氏が実現しようとしている消費税増税は1年間で12.5兆円という規模のものだ。2年で25兆円、4年で50兆円、8年で100兆円という、桁違いの大増税が検討されている。
この方向に野田政権が進むなら、日本経済の沈没はまず間違いないだろう。野田政権の寿命は最長で1年ということになる。
自民党は首相交代でなく、解散総選挙だと叫ぶだろうが、民主党は解散する必要などない。自民党も小泉政権から、安倍政権、福田政権、麻生政権と3人が同じ衆議院任期中に登場して、衆議院を解散しなかった。だから、民主党が鳩山政権から数えて3人目の首相を仮に選出しても、自民党からクレームを付けられる謂れはない。
新政権が2009年8月総選挙の原点に回帰する以上は、解散総選挙は必要ない。
新しい首相の下で2013年秋に総選挙を行えばよいのだ。
消費税増税の前に国民の審判を仰ぐことは、何度も何度も確認されてきたことだ。したがって、消費税増税を決めるなら、間を置かずに解散総選挙を実施しなければならない。
総選挙を実施しないなら、増税を確定する税制改正を実施してはならない。2011年3月末までに消費税率10%法案を国会に提出する必然性は皆無だ。
2012年度の超緊縮財政、12.5兆円の復興増税、平年度12.5兆円規模の消費税大増税が野田氏主導の下で実行されてゆくとするなら、日本経済の崩落は間違いないことになる。
その場合には、野田氏は1年以内に退場処分を受けることになるだろう。また、外国人からの献金問題や、品川美容外科元理事長からの献金問題についても、今後、国会での追及が始まる。
正しい経済政策が実行されなければ、野田氏が失脚する可能性は十分に高いのだ。日本の銀行、証券会社を取り巻く環境も極めて厳しいものになっている。再び、金融不安が噴出する可能性が十分にある。
利権複合体の一味であるマスゴミは野田新政権を賞賛しているが、野田政権の前途は極めて暗い。財政再建よりも経済回復を優先し、増税よりも先に天下り根絶を有言実行する、真のリーダーが必要なのだ。
野田佳彦氏は財務省が書いた原稿を読むREADERであって、日本と日本経済を正しい方向にLEADするLEADERではない。
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