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2011年9月

2011年9月30日 (金)

民ではなく米官業を主とする野田民主党の寿命は1年

民主党税制調査会が9.2兆円の復興大増税案を決めた。民主党というのは名ばかりで、実態は「非民主党」になっている。反対意見多数を無視して、多数決原理も無視して、大増税案を決めた。
 
 民主党税制調査会長の藤井裕久氏は、かつての志を棄て去ったようだ。「日本一新」の大目標を棄て去り、大蔵省OBとして、官の利権を守り、庶民から最後の一滴まで血税を絞り出すことに全力をあげている。
 
「民主党」はもはや主権者国民のための政党ではなくなっている。

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民主党が追求しているのは、米国と官僚と大資本の利益だ。
 
 この三者と主権者国民の利益は相反している。政治の姿勢としては、
 
「米官業の利益を削り、国民の利益増大を図る」
 
のか、
 
「国民の利益を削り、米官業の利益増大を図る」
 
のかが、最重要の政治基本姿勢の相違ということになる。

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3月11日に大震災が発生した。同時に、東京電力福島第一原子力発電所が、人類史上最悪レベルの核暴走事故を引き起こした。
 
 被災地にとってはもちろんのこと、日本全体の危機が発生した。
 
 政府が主権者国民のための存在であるなら、政府の行動の目標は明確だ。
 
 人民の生命と健康を守り、人民の生活を守る。
 
 これだけのはずだ。
 
 ところが、菅直人民主党政権の対応は異なった。
 
 福島原発周辺の住民を全面的に避難させなかった。3キロ、10キロ、20キロ、20キロ圏外と、避難エリアが五月雨式に拡大されたが、すべてが事後対応だった。
 
 生命と健康を重視する場合の避難指示は、まず絶対安全策を採用して避難エリアを広域に設定し、絶対安全を確認してから避難エリアを縮小するというものだ。避難エリア設定は、必ず「広域から狭域へ」変化する。
 
 ところが、菅政権の避難エリア設定は「狭域から広域へ」変化した。避難エリアを広く設定することは財政負担が大きくなることを意味する。菅直人政権は「命より金」、「国民の命より自分の金」を優先したのだ。

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大震災が被災地を襲い、放射能が原発周辺地域を襲ったのだから、総合的な災害対策事業が必要になる。震災発生から半年以上もたつのに、まだ総合的な政策が示されていない。
 
 政府が創設した復興構想会議が最初に提示し、いまも、中心に据えている政策は何か。
 
「復興大増税」ではないか。
 
 国民の生命と健康を守らず、国民からカネをむしり取ることだけを考える政府。主権者国民にこんな政府を樹立した覚えはない。

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さらに、すべてを歪めていることがある。東京電力の救済だ。原発事故を生んだのは、政官業そして学の癒着である。御用学者と天下りしか考えていない堕落官僚、これらと癒着する利権政治屋が原発事故を引き起こした。
 
 この構造を刷新するなら、まず、東電、原子力村諸団体への天下りと補助金を一掃すべきだ。ところが、いまも東電は、51人もの天下りに巣食われたまま存続している。51人のうち、32人が警察庁および警察OBである現実が注目される。官僚天下りの大御所は、実は警察天下りなのだ。
 
 菅政権は原子力災害の損害賠償を規定する唯一の法律である原子力損害賠償法を無視して、東京電力を救済することを決めた。東電が負うべき負担を国民が電気料金で負担するスキームが打ち出されている。

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さらに、小沢一郎氏に対する人権無視暴政の嵐が吹き荒れている。いまから200年以上も前に確立されたフランス人権宣言は、「法の下の平等」、「罪刑法定主義」、「適正手続き」、「無罪推定原則」、「疑わしきは罰せず」などの基本的人権を守るための根本原則を提示した。小沢一郎氏の元秘書に対する有罪判決はこれらの大原則をすべて無視する史上空前の破廉恥判決だ。
 
 すべてが、「米官業利権複合体」の利益を追求する方策である。
 
「主権者国民」に敵対する政策が進められている。

    
 ・・・・・  
 
   
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2011年9月29日 (木)

偏向NHKがひた隠す天下り根絶なる増税前提条件

NHKは正式名称を「日本偏向協会」に改めるべきであるし、略称は実態を正しく表す「犬HK」に変更するべきだ。
 
「ニュースウオッチ9」の偏向は目に余るが、NHKは意識して偏向報道を展開していると考えられる。
 
 9月28日放送の「ニュースウオッチ9」では、藤井裕久氏へのインタビューが放映された。
 
 大増税問題という、国民生活に直結する重要問題を取り上げるなら、必ず、賛否両論を公平に紹介するのが、政治的公平を義務付けられた放送の取るべき姿勢である。

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放送法第四条に次の規定が置かれている。
 
(国内放送等の放送番組の編集等)
 
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 
 公安及び善良な風俗を害しないこと。
 
 政治的に公平であること。
 
 報道は事実をまげないですること。
 
 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
 
 
第二号
「政治的公平」
 
だけでなく、
 
第四号には、
「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」
 
が明記されている。
 
 
 
 復興大増税については、明らかに「意見が対立している」。
 
 藤井氏を賛成意見の代表者として登場させるなら、反対意見を表明している政治家を反対意見の代表者として出演させることが不可欠である。
 
 NHKの悪質さは、藤井氏を登場させるだけでなく、藤井氏をヒーローに仕立て上げる演出を施していることだ。
 
「野党の時には責めるだけで良かったが、与党になれば責任を負わねばならない。」
 
「社会保障と税の一体改革も必ず実現しなければならない。」
 
「最後の仕事だと思ってやっている。」
 
 藤井氏をヒーローに仕立て上げる一方、報道機関として、必ず示すべき指摘すら示さない。

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三つの問題を問うことは必須だ。
 
 第一は、日本経済が深刻な不況にあり、雇用問題が極めて深刻な状況下で増税政策が適正な政策と言えるのか。
 
 答えは明確だ。これほど誤った政策はない。
 
  
 第二は、復興事業の中心は投資事業であり、その効用は長期にわたって発揮される。したがって、財源負担を現代世代だけに負わせるのは適正でないのだ。赤字国債を発行して、現代世代が受ける恩恵の負担を将来世代に押し付けるのはおかしいと主張してきたのは誰なのか。
 
 将来にわたって効用を発揮するインフラ資産を建設するのであり、そのインフラ資産建設は大災害・大事故で破壊されたものであり、その費用負担を直ちに被災者にも負わせるのはあまりにも酷い。
 
 
 第三に、法人に対する税制改正は「増税」ではなく「減税」である。減税は2011年度に実施する予定だったというが、今年度は減税を実施していない。だから、減税は2012年度に初めて実施されるものなのだ。
 
 2012年度から減税を新たに実施し、最初の3年間はその減税金額を少なくするというのが政府案だ。
 
 これを「増税」と表現して報道するのは、虚偽報道である。
 
 放送法第四条第三号の条文をよく読みなおすべきだ。
 
「報道は事実をまげないですること。」
と定められているではないか。
 
 法人税について、2012年度以降に実施するのは、「増税」ではなく「減税」である。NHKは放送法第四条の第二号規定、第三号規定、第四号規定に明らかに違反している。
 
 こんな偏向放送会社、大本営に放送受信料を支払う必要はない。このような放送を行うNHKが放送受信料を強制的に徴収するのは、明らかに公序良俗に反する。

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さらに、二つ、決定的に重要なことがらがある。NHKはこの点についても、まったく触れない。
 
 第一は、庶民大増税が主権者国民の意思に反していることだ。国民主権の下で議会制民主主義制度を採用しているなら、政府や議会が主権者である国民の意思を尊重するべきことは当然だ。
 
 直近2回の国政選挙である2009年8月総選挙、2010年7月参院選で、主権者国民は、大増税に対して明確にNOの意思を表明した。
 
 選挙に際して政党が政権公約を明示し、主権者国民が政権を選択する選挙、マニフェスト選挙が日本政治を刷新すると、マスメディアも大々的に宣伝してきたのではないか。
 
 菅直人氏は、大きな税制改革を実施する際には、必ず、総選挙で国民の判断を仰ぐことを確約した。この確約は菅政権を引き継いだ野田政権でも継承されねばならない。

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第二は、国民に重税負担を求める前に、官僚利権を切ることが先決だ。官僚利権を切ることについて、何も俎上に乗せられていない。何も乗せられていないどころか、財務省等の官僚に、総工費105億円、豪華13階建て公務員宿舎2棟:850世帯分のマンションを新築して提供するというのだ。家賃は3LDK75平米で4万円、駐車場は月額3262円だという。
 
 庶民に大増税を押し付けて、官僚利権てんこ盛りの政策を推進するのが野田佳彦悪徳財務省傀儡政権だ。
     
 ・・・・・  
 
   
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2011年9月28日 (水)

日本民主主義の真正危機と米官業複合体の謀略

日本民主主義の真正危機である。

 民主主義国家にとって、何よりも重要なことは、特定の勢力に政治権力を集中させないことである。国家権力が警察・検察・裁判所権力を手中に収めれば、辞書から「不可能」の文字が消える。
 
 反対意見を許さないことが可能になる。危険分子は権力が封殺してしまえばよい。
 
 世論が騒ぎ立てることに対しては、マスメディアを支配下に収めて、情報の統制を行えばよい。世論操作をねつ造してこれを発表し続ければ、本当の批判分子の声を封じることは可能である。大衆はコントロールされてしまう。

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小沢一郎民主党元代表の元秘書3名に対する裁判は、日本の暗黒時代の幕開けを高らかに宣言するものである。
 
 私が巻き込まれた冤罪事件の裁判も、客観的に判断すれば、あり得ない不当判決であったが、小沢氏元秘書の裁判も、中立公正の客観的立場から判定して、まったくあり得ないものだった。
 
 二つの政治団体の名称を記載せずに、西松建設と記載すべきかどうかは、判断が分かれるところだが、これを裁判所が西松建設と記載すべきだと判断して、記載の修正を求めるとか、あるいは最低限の罰金を科すということであれば、選択肢としてはあり得ないものではなかったかも知れない。
 
 不動産取得費用の立て替え払いの資金出入りを記載しなかったことを、記載すべきだとして修正を求めるなり、最低限度の罰金を科すというなら、まったくあり得ない選択肢ではなかったかも知れない。
 
 しかし、裁判所の判断は、不確定なことがらについて、心証のみで推測し、その推測だけを根拠に、その推測が実在したと断定するものであり、基本的人権を完全に侵害する不当判決そのものである。
 
 これがまかり通るなら、日本は完全に暗黒警察国家に転じたと断定して良いだろう。
 
 刑事裁判の根本原則は、冤罪を生み出さないことである。不確定なことがらについて、心証のみ、すなわち状況証拠のみで有罪判定することが許されると、無限の冤罪が生み出される可能性が生まれる。
 
 とりわけ、背後に政治事情が存在する事案で、この種の判決が示されてゆくなら、政敵は、いつでも簡単に国家権力によって排除、抹殺されることになる。絶対主義権力の誕生そのものである。

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新藤宗幸氏の『司法官僚』〈岩波書店〉が喝破したように、日本の裁判所は最高裁事務総局に支配されており、この最高裁事務総局が政治権力の支配下に置かれていることが重大な問題である。
 

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 政敵を排除することは極めて容易である。警察・検察・検察審査会を総動員して、政敵を起訴に持ち込む。起訴に持ち込んだうえで、裁判の担当判事に権力の意向に従順な判事を充てる。これで、政敵の排除は簡単に実現できるのだ。私の冤罪事件も、まさにこの図式のなかで作られた。
 
 公判廷で、被告無罪の決定的な立証が行われても、判決でその立証を無視すればよい。
 
 小沢氏の秘書3名は、正当な裁判が行われたなら、100%無罪判決が出されるべきものである。ところが、これを裁判所は有罪とし、メディアも国会も、裁判所の判断を絶対のものとして取り扱うから、歪んだものが大手を振ってまかり通ることになる。
 
 絶対主義である。北朝鮮、ヒトラーのドイツ、スターリンのソ連と何も変わらない。いや、表向き民主主義の仮面をかぶっているだけ、なお、たちが悪い。それでも、裁判のの内容を吟味する者には、日本の民主主義が真正の危機に突入したことが鮮明に理解できる。
  
 しかし、裁判所が中立公正の独立した機関であると考えている人々には、この深刻さがまったく伝わらない。

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米国と官僚と大資本が結託して日本を支配する構造。小沢一郎氏はこの基本構造を破壊しかねない危険分子の筆頭に位置付けられてきたし、いまもなお、筆頭に位置付けられているのだ。
 
 今回の裁判で大久保隆規氏に無罪判決が示されれば、天地が逆転する激震が走る。検察の暴走で、日本政治の方向が180度覆されてしまったからだ。
 
 2009年9月に小沢一郎政権が誕生し、いまも小沢一郎政権が持続しているのが、唯一の正史となり、過去3年半の現実が全面否定されるからだ。
 
 これを避けるために、日本政治の権力者は、真正面から中央突破を図った。想像を絶する東京地裁の一審判決を押し通して、謀略を既定事実化しようとしている。
 
 小沢一郎氏と小沢氏支持の巨大勢力をせん滅するための、巨大な謀略が白昼堂々と展開されているのだ。
 
 主権者国民は、傍観者でいるだけでは、必ず、悪徳利権複合体の思いのままに、この国を支配されてしまう。必ず立ち上がり、反乱を起こし、絶対主義権力を倒さねばならぬ。

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野田佳彦政権は米国財務省法務省・警察庁・裁判所、そして大資本の利権複合体に操られる政権であり、野田政権が利権複合体の指令に従い、小沢氏と支持グループの殲滅に動き出していることは間違いない。
    
 ・・・・・  
 
   
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2011年9月27日 (火)

本性剥き出し米官業利権複合体による不当判決

私たちは恐ろしい国に住んでいることを認識するべきである。

 警察・検察・裁判所の公正、中立性は市民が尊厳を保ち、安心して生きて行けるための最低条件である。
 
「法の下の平等」が厳格に守られているのか、法令が適正に運用されているのか、裁判官が良心に従い憲法と法律にのみ拘束されて職権を行っているのか。
 
 答えは否である。
 
 裁判の結果を左右するのは法廷における立証の巧拙ではない。事実と証拠の積み上げでもない。
 
 最大の要因は裁判官の属性である。
 
 
 裁判官の人事処遇を支配しているのは最高裁事務総局である。最高裁事務総局は少数の組織でありながら、裁判所組織全体を支配下に置く組織である。

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 最高裁事務総局は法務省と一体化して、基本的に政治権力の側を向いて職務を執行している機関であると考えられている。日本の政治権力の最大の特徴は、その中心に宗主国米国が君臨していることである。
 
 検察組織が米国の監視下に置かれていることは、GHQ時代からの歴史的経緯を背負ったものである。法務省は行政組織であり、内閣総理大臣を頂点とする行政権力の一部であり、政治の顔色を見て行動する組織である。
 
 これと一体化して行動する裁判所も、当然のことながら、時の政治権力、そして、その裏側に君臨する米国の顔色を窺いながら行動する組織なのである。

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 裁判をコントロールすることは極めて容易である。コントロールしたい事案を担当する裁判官に、権力の意向に従順な人物をあてがえばよいのである。
 
 裁判官のなかには、最高裁事務総局の指導に従わない、自分の良心に従って行動する気骨のある人物も存在する。人事評価での不利を承知の上で、良心に従い憲法と法律にのみ拘束されて職権を行う、本来の正しい姿勢を持つ裁判官が、適正な判決を示すのである。
 
 しかし、政治的な背景を持つ事案について、政治権力が裁判を支配しようと考える場合には、権力は担当判事に権力の意向に従順な人物をあてがえばよいのだ。極めて簡単なことである。
 
 何よりも重要なことは、この意味で、裁判所の判断にはほとんど意味がないということだ。この最重要の事実をしっかりと認識することがもっとも重要なのだ。
 
 政治的背景を持つ事案で裁判所が示す判断は、公正な判断ではない。政治的な判断なのだ。この基本を踏まえることが何よりも重要なのだ。

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 石川知裕衆議院議員、大久保隆規氏、池田光智氏に有罪判決が示された。不当判決以外の何者でもない。三名は、秘密警察国家の冤罪被害者である。小沢一郎氏も同じであるし、私も同様に秘密警察組織の冤罪被害者である。
 
 事案の詳細については、これまでに詳しく記述してきたから、改めて記述はしないが、極めて微細な、事務上の解釈の相違に基づく紛争である。西松建設関連の政治団体からの献金の取り扱いについては、小沢氏の資金管理団体とまったく同じ事務処理を行った政治家の資金管理団体が多数存在する。
 
 これらのなかで、小沢氏の資金管理団体だけが摘発された。
 
 水谷建設から渡されたとされる裏金疑惑も、検察は立証対象とできず、その刑事責任も追及しない、根拠に乏しいものである。それにもかかわらず、法廷では、小沢氏のイメージを悪化させるために証人尋問が行われたが、水谷建設社長車の運転記録とも矛盾する証言であった。その信憑性は極めて低いものである。
 
 疑わしきを罰してはならないのが刑事裁判の基本の基本である。ところが、現実には、このような微小な事務上の解釈の相違で、現職衆議院議員を含めて3名もの市民の尊厳が奪われた。許されざる暴挙と言わざるを得ない。

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 この不当極まりない判決が示すものは、日本の既得権益、日本政治の支配者がいかに小沢一郎氏を恐れているのかという事実である。
 
 大久保隆規氏の無罪は動かせぬものであったはずだが、裁判所は無理を押し通して有罪判決を示した。
 
 小沢一郎氏の元秘書3名に対する有罪判決は、当然のことながら、これから始まる小沢一郎氏の裁判にも影響を与える。
 
 この状況のなかで、日本の既得権益、日本政治の支配者たちは本性を現し、獰猛な牙をむき出しにした。この刃は小沢氏だけに向けられたものではない。主権者である国民に向けられたものであることを私たちははっきりと認識しなければならない。
 
 ・・・・・
 
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2011年9月26日 (月)

西松・陸山会事件被告は判決と関わりなく完全無実

2009年から2010年にかけて吹き荒れた、民主党元代表小沢一郎氏に対する人物破壊工作=CHARACTER ASSASSINATIONの主要部分をなす、小沢一郎元代表の秘書に対する公判の第一審判決が9月26日午後1時半に開廷される東京地裁の判決公判で示される。

誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀 Book 誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀

著者:カレル・ヴァン・ウォルフレン
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 2004年10月から2005年1月にかけて売買契約が交わされ、不動産登記が行われた東京都世田谷区の不動産取引にかかる政治資金収支報告書への記載に間違いがあったとされたこと、および、小沢氏の政治資金管理団体が西松建設と関わりのある政治団体から受けた政治献金について、寄附行為者の名称を誤って記載したのではないか、ということが「犯罪」として取り扱われ、裁判が行われてきた。
 
 裁判所が示す判決について、あれこれ論評が示されることになるが、日本の警察・検察・裁判所の現状を踏まえる限り、このような政治的背景を強く有する事案についての評価は、裁判所の判断と離れて行う必要がある。
 
 つまり、日本の警察・検察・裁判所は信頼するに値しないという事実を、すべての市民が認識する必要があるのだ。
 

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裁判所が適正な判断を示す場合は良いが、裁判所が適正な判断を示すかどうかは、ひとえに、裁判官の属性に委ねられている。
 
 日本国憲法第76条には、
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」
との条文があるが、問題はこの条文が実現するための制度が確立されていない点にある。
 
 現実はむしろ逆である。裁判官の任用および10年ごとの再任用、昇進、昇格、勤務地、その他処遇のすべてを、「最高裁事務総局」が握っているのだ。通常の裁判官は、この最高裁事務総局に逆らえない。だから、歪んだ判決が示されることになる。
 
 問題は、この最高裁事務総局にある。最高裁事務総局が裁判官の独立性を担保するために、他の権力機関、すなわち、行政府や立法府からの不当な圧力を遮断し、文字通り、個々の裁判官が良心に従って職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束されるための防御壁として機能するなら、憲法第76条の規定の精神が生かされることになる。
 
 ところが、現実には最高裁事務総局は、逆に裁判官の独立性を歪める働きをしているのだ。ここに最大の問題がある。

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この問題を抉り出した名著が、前千葉大学法経学部教授新藤宗幸氏による『司法官僚』〈岩波新書〉である。

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  新藤氏は最高裁事務総局が法務官僚と一体化している現実、および、最高裁事務総局が判例を誘導するための研修会を開催してきた事実などを鋭く指摘する。
 
 一言で表現するなら、最高裁事務総局は司法の独立性を重んじるのではなく、時の権力の側を常に見る側面を強く有しているのであり、この点に最大の問題がある。つまり、政治的背景を背負う問題については、裁判所の示す判断に政治的影響が色濃く反映されることになるのだ。
 
 最近では長銀や日債銀の粉飾決算事件の事実認定等が最高裁で覆された。防衛医大教授の痴漢事件については、逆転無罪が言い渡された。砂川事件では第一審で米軍の日本駐留を憲法違反であるとの判断が示されたが、米国の圧力などを背景に最高裁が差し戻しの判断を示し、第一審の判断が覆された。
 
 八幡製鐵による政治献金の是非をめぐる裁判でも、第一審で政治献金を違法とする判決が示されたが、高裁、最高裁が判断を覆し、企業献金を判例が容認する契機になった。この点について元最高裁長官が、政治的な判断から司法の違憲立法審査権発動を躊躇したものであったとの趣旨の発言をのちに国会で陳述している。

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2006年3月に小沢一郎氏が民主党代表に就任して以来、マスメディアを通じて小沢氏に対する激しい攻撃が展開され続けてきた。その理由は、米国、官僚、大資本が支配する日本政治の構造を小沢氏が破壊するリスクが高いと判定されたことにあると思われる。
 
 自民党との大連立構想、日銀幹部人事、民主党代表選などのあらゆる機会を通じて、小沢氏の影響力を排除しようとの工作活動が展開されたと判断できる。
 
 2009年3月の大久保隆規氏逮捕、2010年1月の石川知裕氏、池田光智氏、および大久保氏の逮捕は、このような流れのなかで発生した政治事件である。

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本日の判決公判でどのような判断が示されるのかは定かでない。適正に無罪判決が示されるべきことは当然だが、日本の裁判所の腐敗した現状を踏まえれば、楽観視ばかりはしていられない。
 
 重要なことは、争われている事案の詳細な内容を市民が正確に知り、裁判所の判断とは別個に、適正な判断を市民が共有することだ。
 
 裁判所が有罪とする事案のなかに、実は完全な冤罪が数多く含まれている。
 
 裁判所が無罪とする事案のなかに、実は完全な犯罪が含まれていることも決して少なくない。
 
 裁判所の判断とは別に、適正な判断を持つことが重要であり、本当の正しい判断とは異なる判断を裁判所が示す場合には、その背景を考察することが重要である。
 
 小沢一郎氏の人物破壊工作の一環として取り上げられている今回の二つの事案について、「犯罪」の名に該当する内容は皆無である。これは、裁判所がいかなる判断を示したところで、変わらぬ真実=真理である。このことを私たち市民は確実に認識し、その判断共有しておかねばならない。
 
 裁判所の判断を絶対視してはならないのだ。裁判所の判断を相対化することが不可欠である。
  
 ・・・・・  
 
   
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2011年9月25日 (日)

世界金融危機に処方箋を示せなかったG20会合

G20財務相・中央銀行総裁会議は9月22日、金融市場安定を目的にした共同声明を採択して閉幕したが、具体策が乏しい。
 
 共同声明では、
「銀行システムと金融市場の安定を保つために必要なすべての行動をとる」
ことが盛り込まれたが、問題は、
「銀行システムと金融市場の安定を保つために」
何が必要であるかが明らかにされていないことだ。
 
 意識不明の重病患者を前にして、医師団が会議して、
「患者の生命を守り、健康を回復するために必要なすべての行動を取る」
ことを決めながら、具体的に、何をすれば患者の生命を守り、健康を回復できるのかが分からない状態と同じだ。
 
 中央銀行が必要に応じて流動性を供給することが提示されたが、具体策が示されたのはこれ位のものだ。
 
「ユーロ圏は10月の次回会合までに、欧州金融安定基金〈EFSF〉の柔軟性を高める」
ことも盛り込まれたが、これも具体策が欠けている。
 
 さらに極めつけは、
「財政健全化と成長の確保を確認」
だ。
 
 世界経済は2012年に向けて厚い暗雲に覆われている。経済活動の停滞が長引き、2012年に向けて、さらに停滞感が強まる恐れが高まっていることが問題だが、現代経済の大きな特徴として、実物経済以上に金融経済の変動の影響が拡大していることを見落とせない。
 
 日本では1980年代後半にバブル経済を経験し、その後、バブルが崩壊し、20年以上に及ぶ経済停滞が持続してしまった。これも、金融市場の激動が主たる原因になって発生した経済全体の停滞現象であった。
 
 2008-2009年にかけて、世界の金融市場を吹き荒れたサブプライム金融危機は、日本が経験したバブル崩壊現象と類似はしたが、その規模、マグニチュードがかけ離れたものであった。
 
 サブプライム危機の嵐がまだ完全には吹きやまぬなかで、今回の不安定性がクローズアップされている。
 
 経済問題にいかにも暗いと見られる安住淳財務相が、今回の欧州政府債務危機について、
「2008年のリーマン・ショックよりも深刻度が増している」
と述べたと伝えられているが、この表現そのものに、安住氏が本質を理解していない現実が示されている。
 
 1992年から2000年にかけて、クリントン政権は米国経済を見事に浮上させたが、クリントン政権は優れたエコノミストを政権内部に取り込んでいた。クリントン政権はS&Lの経営破たんの広がりに伴う金融危機を克服し、巨額の財政赤字を巨額の財政黒字に転換させることに成功した。
 
 経済問題に対処するためには、優れたエコノミスト=経済学者が必要だが、現在の主要国経済政策に積極的に関与する優れたエコノミストが見当たらない。
 
 日米欧が道を踏み外し、「けものみち」に迷い込んでいるように見える。経済問題を正しく把握し、適正な処方箋を提示しなければ、治る患者も治らない。世界経済が重病を患っていることははっきりしているが、医師団会議を開いているメンバーが「やぶ」ばかりでは、患者の命が持たなくなるかも知れぬ。
 
 主要国が集まって会議を開いたからと言って、適正な処方箋が示されるとは限らない。優秀な頭脳が集まってこそ、会議は意味を持つが、今回のG20は単なる時間の浪費にしか見えない。
 
 ・・・・・  
   
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2011年9月24日 (土)

野田首相が国際社会に発信した三つの非正統政策

野田佳彦氏は日本の首相に就任したが、日本の首相にふさわしくない人物であることが明白になった以上、一刻も早い退陣を求めなければならない。
 
 野田佳彦氏がこのまま首相の地位に留まることを望むなら、年内に総選挙を実施して、国民に信を問う必要がある。
 
 野田氏はなぜ首相を退陣するべきなのか。三つの重大な問題がある。
 
 野田佳彦氏は国連総会に出席して日本を代表して演説した。また、オバマ大統領と会談して、日本を代表して発言した。
 
 野田氏は日本の民主主義制度のプロセスを経て首相の地位に就いたとの原点をひと時も忘れることは許されない。
 
 野田首相が民主主義のプロセスを無視して個人の見解を表明することは許されない。それは政治の私物化を意味する。
 
 菅直人氏は2010年3月16日の参院内閣委員会質疑で、
「議会制民主主義は期限を切った独裁制」
だと発言した。これも正しくない。
 
 主権在民の国家における議会制民主主義において、何よりも重要なプロセスは、以下の二点である。
 
 主権者である国民がその意思を表明する唯一の機会とも言える国政選挙において、第一に、議会政治の主役である政党が責任ある政権公約を主権者国民に提示すること。
 
 第二に、この提示された政権公約が絶対に守られる約束=契約であるとの前提の下に主権者がどの政党に政権を委ねるのかを判定すること。
 
 このプロセスにより、主権者国民の投票で議会内多数勢力を確保する政党が政権を主権者国民から委ねられる。政権の枠組みが仕切り直しされる次の国政選挙までの期間、政治を支配する最重要の制約は、国政選挙の際に主権者と正当との間で交わされた約束=契約=政権公約になる。
 
 一国を代表する首相は、このような政党政治の枠組みのなかで、主権者と国政選挙の際に交わした約束=契約=政権公約について、議会与党の代表者として、責任ある行動を取ることが絶対に必要なのである。
 
 首相はこの制約を乗り越えて行動する自由を与えられていない。菅直人氏が、首相の地位を手にした以上やりたいことを何でもできるとの意味で、「独裁」の言葉を口にしたとするなら、菅直人氏は民主主義の根本をまったく理解していない。
 
 野田佳彦氏が今回の訪米で、国際社会に向けて発信した内容には、三つの重大な問題が含まれている。
 
 エネルギー政策、沖縄基地問題、そして、経済政策問題である。
 
 ・・・・・
  
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2011年9月23日 (金)

野田佳彦首相お披露目日米首脳会談に隠された罠

国連総会出席などのため米国を訪問している野田佳彦首相が、現地時間で9月21日午後、国連本部で米国のオバマ大統領と会談した。
 
 会談の時間は約35分だった。
 
 鳩山政権の発足以降、日米関係にはすきま風が吹いている。鳩山政権がこれまでの対米隷属の姿勢からの脱却を模索したためである。
 
 鳩山元首相は、普天間基地の県外ないし国外への移設を目指した。鳩山元首相が用意周到であったなら、関係閣僚の人選を誤らなかったであろう。
 
 岡田克也外相、北澤俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相の布陣で普天間基地の県外ないし国外移設を実現することに、そもそもの無理があった。この三者はすべて、完全なる対米隷属派議員である。
 
 しかし、それでも鳩山元首相は県外ないし国外への移設を目指したが、米国の総攻撃に遭って撃沈してしまった。
 
 この問題で溝の広がった日米関係が存在している。
 
 もうひとつ、見落とせない背景がある。米国経済の悪化が鮮明になり始めて、オバマ大統領の進退が窮まる状況が強まりつつあることだ。
 
 NYダウは『金利・為替・株価特報』での見通し通り、下落傾向を強めている。世界経済が2012年の大波乱に向けて着実な歩みを進めていることに、私たちは最大の警戒を払う必要がある。
 
 2010年の中間選挙で大敗したオバマ民主党は、下院での多数議席を共和党に奪われた。上下両院のねじれに伴う政権運営の困難は、8月2日が期限であった政府債務上限引き上げ法案を巡る攻防で改めて確認されている。
 
 窮地に追い込まれつつあるオバマ大統領、すきま風が吹く日米関係のなかで発足した野田佳彦政権、この両者の立ち位置を正確に把握したうえで、日米首脳会談を評価しなければならない。
 
 この会談から透けて見えてくる、今後の重大問題がある。
 
 会談では、普天間基地問題、経済政策運営、TPP問題、北朝鮮問題などが話し合われた。このやり取りのなかに、日本の命運を左右する重大な仕掛けが盛り込まれていることを見抜かねばならない。
 
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2011年9月22日 (木)

民主党が民主政党なら復興増税は多数決で撤回だ

民主党の税制調査会が党内意見を集約するために開いた総会で、政府が目論んでいる11.2兆円の復興増税について反対意見が噴出したことが報道されている。意見が提示された。復興増税反対意見の噴出は当然のことである。
 
 五つの重大な問題がある。
 
 第一に、大増税の方針は、民主主義の正当なプロセスに反している。
 
 直近の国政選挙は2009年8月総選挙と2010年7月参院選だ。
 
 2009年8月総選挙で、鳩山由紀夫元首相は、2013年秋の衆院任期満了まで大型増税を行わないことを明言した。主権者はこの方針を示した鳩山民主党を大勝させた。
 
 2010年7月参院選に際して、菅直人氏は突如、消費税率10%への引き上げ方針を提示した。主権者国民は菅直人民主党を大敗させた。
 
 2011年3月に大震災が発生した。震災復興政策の財源を復興増税で賄うとの政府方針が浮上しているが、主権者国民は賛同していない。菅直人氏は大型税制改革を実施する場合には、必ず国民の審判を仰ぐと明言した。
 
 野田佳彦政権がどうしても大型増税を実施しようとするなら、本年12月に解散総選挙を実施しなければならない。
 
 第二に、経済環境を踏まえて、いまは増税を行うべき時ではない。
 
 日本経済は昨年の10-12月期から、3四半期連続の大幅マイナス成長を記録している。完全に日本経済は景気後退局面にある。そのうえ、円高も進行している。
 
 ここは、大型景気対策が必要な局面であり、景気抑制をもたらす大型増税を実施しようというのは、狂気の政策である。
 
 ここで緊縮財政の急ブレーキを踏めば、日本経済は崩壊し、3度目の金融危機が表面化する。全面的に間違った政策路線である。

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第三に、復興政策の主軸は政府によるインフラ資産の整備である。政府消費ではなく政府投資が震災復興政策の中心になる。消費と異なり、投資の場合には、支出に見合う資産が形成され、長期間価値を発揮する。したがって、その財源を短期間に調達することは、現在世代に過重な負担を押し付けることになり、経済に対する中立性を保てない。
 
 震災復興政策の財源は、政府資産売却による資金調達か、建設国債の発行によるべきである。
 
 第四に、政府提案の大増税案が一般庶民にすべての負担を押し付けるもので、公平でないことだ。
 
 1990年前後と2009年前後を比較して、
法人税は4分の1に激減
所得税は2分の1に減少
消費税は5倍に激増
した。
 
 Photo
 
 政府は2007年11月の税制調査会報告書において、日本の法人税負担が国際比較で必ずしも高くはないとの結論を示した。
 
 それにもかかわらず、法人に対しては減税を実施し、すべての大増税負担を一般庶民にだけ、負わせようとしている。
 
 さらに、政府は2010年代半ばに過去5倍に激増した消費税負担をさらに2倍増させようとしている。消費税増税だけで年間10兆円にも及ぶ。
 
 このような不正が許されるわけがない。
 
 野田佳彦氏は松下政経塾出身らしいが、野田氏の政策は主権者である国民の意思を踏みにじり、米国と官僚と大資本の利益だけを追求するものであり、国民は一刻も早い野田佳彦氏の退場を求めるべきである。

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第五に、官僚利権をまったく切っていない。野田佳彦氏は2009年7月14日の衆議院本会議で、次の発言をしたことを、まさかお忘れになったとは言わせない。麻生内閣不信任案への賛成討論を行った際の発言だ。
 
「一番国民が問題にしている天下りやわたりを実効性ある方法でなくしていこうという熱意が全くありません。
 
 私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。その前の年には、十二兆六千億円の血税が流れていることがわかりました。消費税五%分のお金です。さきの首都決戦の東京都政の予算は、一般会計、特別会計合わせて十二兆八千億円でございました。
 
 これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります。」
 
 大増税の前に完了すべき、官僚利権の根絶にまったく手が付けられていない。
 
 私はハードルを大幅に引き下げて、まず、
財務省から日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを根絶せよ
と言っている。
 
 氷山の一角も一角、些細なことである。
 
 これさえもやらないと言うなら、主権者国民は、1円たりとも増税を認めるべきでない。一般庶民に大増税を求めるのに、官僚機構が利権には一切手を入れさせないことを通用させて良いわけがない。

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日本財政が深刻だと言うが、よく調べれば、財政危機は財務省が作り出している「虚偽」である。問題にすべきは391兆円の赤字国債だけで、他方、政府は簿価ベースで647兆円の資産を保有しており、財政危機は存在しない。
 
 サブプライム危機の影響で財政赤字が拡大しているのは事実で、5年程度の視野で、この赤字の縮小を目指すべきだが、性急な増税は景気崩壊を通じる税収減をもたらし、財政赤字を拡大させるだけだから、これを行うべきでない。
 
 野田政権は復興増税方針を直ちに撤回するべきである。
 
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2011年9月21日 (水)

脱原発100万人デモとNHK解体的改革を成功させよう

政治に関わりのある主体には、市民、官僚、大企業、外国の四者がある。零細事業者は市民のなかに含めて考えることができる。
 
 日本の政治改革の課題は、日本政治を市民のための存在に変えることである。
 
 市民が主役の、市民の幸福を追求する政治を実現することが政治改革の課題である。
 
 これまでの日本政治はどのようなものであったか。
 
 政治の主役は、米国、官僚、大資本(大企業)の連合体であった。
 
 米国、官僚、大資本を背後に抱え、日本政治を支配し続けてきた存在が自民党である。
 
 第二次大戦直後、GHQは日本の徹底した民主化を目指した。財閥解体、農地解放、労働組合育成などの大改革を矢継ぎ早に実行し、平和憲法を制定し、徹底した武装解除を実行した。
 
 新憲法が施行された1947年の総選挙では、社会党党首の片山哲氏を首班とする社会党主軸の連立政権が樹立された。日本の歴史は大変革の道を踏み出すかに見えた。
 
 ところが、この1947年に日本の実質支配者であった米国内部で劇的な変化が生じた。冷戦の勃発に伴う、反共政策の浮上だった。
 
 この変化に伴い、GHQの対日占領政策は激変した。レッドパージの旋風が吹き荒れ、GHQによるさまざまな工作活動、謀略活動が積極的に展開されたと見られている。
 
 米国は、日本の民主化政策を中断し、日本を反共の防波堤とすることを新たな目標とした。思想を統制する秘密警察組織が構築され、日本の再軍備も進められた。

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これ以後、GHQは日本政治を米国、官僚、大資本の支配下に置くことを基本方針と定めたのである。
 
 それでも、国政選挙を通じて樹立される政権のなかには、米国による支配に抵抗を示す政権も出現した。
 
 鳩山一郎内閣、石橋湛山内閣、田中角栄内閣などである。これらの政権が米国から激しく攻撃されたのは言うまでもない。鳩山一郎首相は一度も米国を訪問しない首相になった。石橋湛山氏は就任間もなく肺炎で病床に伏し、首相を辞任したが、細菌兵器で肺炎をり患した可能性は十分に想定可能である。
 
 田中角栄首相は米国が仕組んだロッキード事件によって政界を追われた。脳卒中による麻痺、そして死に至る過程の裏側に謀略の影が鮮明に浮かび上がる。
 
 長きにわたる自民党一党支配の構造を打破し、政権交代の偉業を成し遂げたのが小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が牽引した民主党であった。
 
 しかし、2009年9月に発足した鳩山政権はメディアの総攻撃を受け、普天間問題で米国は意図して鳩山政権を窮地に追い込んだ。
 
 鳩山政権退陣とともに出現した菅直人政権は、反革命政権である。市民が支配権を有する政権を倒し、米国、官僚、大資本が支配する政権に、日本政治を逆戻しさせたのが菅直人政権である。

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野田佳彦政権は、米官業による支配構造をさらに純化させた政権である。
 
 野田政権の政策基本方針を見れば、このことは明白である。
 
①普天間問題で米国の指令に従順に従う「恭順の意」を表明している。
 
②官僚利権を完全擁護する姿勢を示している。
 
③大資本には法人税大減税で利益供与する方針を示している。
 
 日本経団連の要求は次の三項目だ。
①法人税減税、②原発推進、③TPP参加
の三つである。
 
 野田佳彦氏は、この三つを丸呑みする可能性が高い。
 
 この基本構造を打破することが政治改革の課題である。

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米官業トライアングルは、市民を洗脳するためのツールとして、メディア支配を極めて重視している。このメディアの一部を市民勢力が奪取することが政治改革には不可欠である。
 
 ターゲットはNHKである。NHKは9月19日の「さようなら原発」5万人集会を午後7時の定時ニュースでまったく伝えなかったという。
 
 堕落大本営NHKを解体し、市民メディアに生まれ変わらせることが必要だ。
 
 NHK受信料支払い拒否運動を全国規模で広げる必要がある。

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 新たに「放送委員会」を設置し、視聴者の互選による放送委員会委員によって放送委員会を組織し、この放送委員会にNHKのすべての運営権を付与するのだ。
 
 NHKの番組編成を必要最小規模のものとする。肥大化したNHKを縮小し、市民の受信料負担を大幅に引き下げることができる。
 
 偏向大本営と化しているNHKを解体し、市民が支配する公共放送を樹立するのである。

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9月19日の「さようなら原発」5万人集会では、大江健三郎氏の呼びかけに、驚くべき数の市民が呼応した。大江健三郎氏の呼びかけに応じる者などいないなどとほざく五流評論家もいたと伝えられているが、洞察力のなさで改めて五流を証明したわけだ。
 
 脱原発運動で、100万人デモを実現させることが重要である。日本政治の主権者である市民の声を政治に反映させるための、より大きなデモンストレーションが必要だ。
 
 100万人デモを挙行し、政治が市民の声を無視できない状況を作り出してゆくのである。
 
 野田佳彦政権は、経団連の要求を丸呑みして、原発・減税・TPPに突き進み、すべての負担を市民に押しかぶせる暴挙を示している。
 
 大企業には大減税だが、一般庶民には、復興増税11兆円、消費税増税年10兆円の暴政を具体化させつつある。1年10兆円の超巨大増税規模は、5年で50兆円増税に膨れ上がる。復興増税11兆円を加えれば、61兆円巨大増税になる。
 
 他方で、官僚天下りは完全温存される。
 
「米国・官僚・大企業のために行動する政治」
 

 
「市民のために行動する政治」
 
は、目指す方向が完全に逆なのだ。したがって、市民は「米官業のために行動する政治」を支援すべきでない。日本政治を「市民のための政治」に転換することを目指さねばならない。
 
 小沢-鳩山民主党政権が倒閣されたいま、戦略・戦術を練り直さねばならないが、方針ははっきりしている。この方針を明確に認識して、脱原発100万人デモ、NHK放送受信料不払い運動など、可能な運動から手を付けてゆかねばならない。
 

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10月1日より、有料メルマガ配信サービス「フーミー」より、有料メルマガの配信を開始することといたしました。読者の皆様には、有料配信への移行に伴い、ご負担をお願い申し上げることになりますが、なにとぞご理解を賜り、ご支援賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 
 2008年4月に本ブログを創設し、3年半の時間が経過いたしました。この間にトータルのアクセス数は9月19日時点で5223万アクセスに達しました。これまでの皆様のご支援に心より厚くお礼申し上げます。
 
 2009年8月総選挙は、本ブログを創設したひとつの目標である政権交代を実現させる重要な意義を持つ選挙になりました。本ブログは、政権交代を実現し、日本政治の基本構造の転換を目指し、そのための情報発信に努めて参りました。
 
 この目的に向けて確実な前進を遂げていることを認識いたしますが、日本政治構造の刷新に伴い政治の実権を失うことになる既得権益勢力、米国、官僚、大資本のトライアングル=利権複合体の抵抗は想像を絶する強烈さを示して現在に至っています。
 
 しかし、私たちは利権複合体との戦いに最終的に勝利を収め、市民が支配する市民のための政治を樹立してゆかねばなりません。この目標を達成するまで、私も微力ではありますが、たゆまぬ努力を注いで参る所存です。
 
 その基本判断の下、情報を発信する我が身の財務的な基盤を強固にするため、このたび、有料メルマガ配信に移行することを決断いたしました。引き続き、本ブログでも情報を発信して参りますが、詳細な主張は有料メルマガをぜひご高覧賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
 
 憲法の上では市民が政治の主人公です。内閣も政府も国会も、すべては市民の意思を基盤として形成されるものです。
 
 しかし、現実には、市民とは利害を共有しない、共有しないと云うよりも市民と対立する利害を持つ、本来の日本政治の主権者ではない、米国、官僚、大資本が日本政治の実権を握り続けてきてしまいました。
 
 政権交代の実現により、権力の移譲が実現することが期待されたにもかかわらず、米官業の利権複合体は、再び、日本政治の実権を市民から奪還してしまったのです。
 
 江戸から明治に移行して140年、第二次大戦が終結して65年の時間が経過しましたが、いまだに、市民が主役で市民が支配する政治は実現していません。
 
 人が生きてゆくうえでどうしても必要な生きる糧と尊厳。財務省と警察・検察・裁判所が、この領域を支配しています。残念ながら、財務省も警察・検察・裁判所は江戸時代の発想と手法から抜け出すことができておりません。日本はいまだに前近代に取り残されていると言って過言ではありません。
 
 これでは、市民が幸福に、安心して生きてゆくことはできません。
 
 対米隷属を打破し、官僚利権を根絶し、政治と大資本の癒着を排除して、初めて日本政治は市民のものになるのだと思います。
 
 この目標に向けて、私も微力ではありますが、精一杯の情報発信を続けて参りたく思います。
 
 読者の皆様にはご負担をお掛けすることを大変心苦しく感じますが、何卒ご理解賜り、引き続きご支援を賜りますよう謹んでお願いいたします。
 
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2011年9月20日 (火)

反増税勢力結集し次期総選挙への準備を始めよう

財務省は2012年にこだわってきた。何をこだわってきたのかと言えば、増税を実施することと増税を決定することだ。
 
 なぜ、こだわってきたのかと言えば、2010年7月から2013年7月までの丸3年間が国政選挙のない期間だからである。
 
 増税を決める、増税を実行するには、このタイミングしかない。
 
 しかし、日本にはもっと重みのある重大な大原則がある。
 
 それは国民主権だ。すべてのことの決定権は国民にある。実際は、すべてのことを霞が関が決めているから、この根本規定は机上の空論になってしまっているが、少なくとも、建前の上では、この根本原則を否定できない。
 
 国民が意思を表明できる機会は限られている。マスメディア(=マスゴミ)の世論調査は、国民の声を示すものでない。マスゴミが勝手に創作しているものである。メディアの世論調査を信用の置けるものにするには、世論調査に関する法規制が不可欠であり、重い罰則規定を設ける必要がある。
 
 マスゴミが世論調査をねつ造しても取り締まる法規定がない以上、マスゴミ世論調査を信用するわけにはいかない。
 
 主権者である国民が意思を表明できる機会は国政選挙しかない。
 
 したがって、この国政選挙をどのように行うのか、この選挙でのプロセスを次の選挙までの期間にどのように反映させるのかが決定的に重要になる。

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こうした問題意識から生み出された言葉が「マニフェスト選挙」である。政党は、国政選挙に際して、主権者との約束=契約内容をマニフェストとして公表し、このマニフェストを順守することを誓約する。
 
 主権者は政党が提示したマニフェストを吟味したうえで投票し、政権を委ねる政党を選出する。
 
 主権者国民の選択によって政権政党の地位に就く政党は、次の選挙までこの契約を順守する責任を負う。契約を守らねば、契約不履行=詐欺になる。
 
 政党の公約において、何よりも重大な意味を持つ施策は税制である。増税をするのかしないのか。するとすれば、どのような増税を実行するのか。国政選挙において税制についての政権公約は常に最重要の重みを持つ。
 
 2009年8月総選挙に際して、自民党は消費税増税を政権公約に掲げた。この根拠法が所得税法附則104条である。2011年度までに税制改正を終えて、2012年度から増税することが政権公約に盛り込まれた。
 
 これに対して、民主党は鳩山由紀夫元首相が、2009年8月総選挙に際して、2013年の衆議院任期満了までの消費税増税を完全に封印した。この期間は官僚利権の根絶に全精力を注ぐことを明言したのだ。
 
 鳩山政権がメディアの総攻撃を受けて退陣に追い込まれた最大の原因は、鳩山元首相が大増税を否定したことにあったとも思われる。
 
 2010年7月参院選から2013年7月参院選までの「空白の3年間」こそ、財務省にとっての命綱である。この「空白の3年間」を除いて大増税を決定、実行できるタイミングは存在しない。
 
 しかし、主権者国民はどのような判断を示したのか。国民主権の国では、これが何よりも重要である。国民は2013年の衆議院任期満了までの大増税封印の意思を明示したのである。

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ところが、鳩山政権がメディアの集中攻撃で倒された。後継の菅直人首相が最初に実行した行動は何であったか。
 
 2012年消費税大増税案の復活である。これは、自民党の2009年8月総選挙での政権公約である。ところが、この提案は主権者国民によって完全否定された。2009年8月総選挙の直後に、所得税法附則104条を凍結する法律を制定しておかねばならなかった。
 
 財務省は適正な助言をせず、附則104条を温存した。国民に対する背任行為である。
 
 菅直人氏は2010年6月17日に、2012年消費税大増税を民主党政権公約に無理やり盛り込んだ。
 
 しかし、主権者国民はどのような審判を下したか。菅直人民主党を大敗させたのである。この瞬間、消費税大増税提案は殲滅された。したがって、この時点で附則104条を凍結する法律を整備すべきだった。
 
 政党は国政選挙に際して政権公約を明示する。主権者国民は政権公約を吟味して国政選挙で意思を示す。政党および議員は、この主権者国民の意思を尊重し、政権公約を順守する責任を負う。
 
 ところが、菅直人政権は、主権者国民の意思を踏みにじる決定をした。2010年代半ばに消費税率を10%に引き上げる方針を決めたのである。
 
 民主党には正統派と悪徳派が共存している。正統派の民主党議員は消費税大増税など決して認めない。主権者国民との契約が存在するからだ。だから、菅政権は消費税増税方針を閣議決定はできなかったのだ。
 
 ところが、悪徳派は主権者国民の意思を踏みにじり、消費税大増税に突進し始めている。

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8月29日に民主党代表選が実施されたが、主権者国民との契約を順守すべきだと主張した候補者が破れ、主権者国民の意思を踏みにじる政策方針を示した野田佳彦氏が当選してしまった。
 
 この野田佳彦氏が首相に就任して、主権者国民の意思を踏みにじる政策を強行実施しようとしている。これが現状である。
 
 裏で糸を操っているのは財務省である。財務省は復興政策の財源を巨大増税で賄う方針を示している。この巨大増税の対象は一般庶民だけである。一般庶民に11兆円以上の巨大な負担を負わせ、一般庶民から搾り取った金を大企業にばらまく、法人税減税を同時に実施しようとしている。
 
 さらに、財務省に操られる野田佳彦氏は、2010年代なかばに消費税率を10%に引き上げる、超巨大増税を実施する法改正を2012年に実行しようとしている。超巨大増税は1年間で10兆円の大増税だ。5年間で50兆円の巨大増税になる。
 
 米国は日本政府からの上納金を渇望しているから、日本政府が一般庶民から搾り取る酷税に大賛成である。大企業は一般庶民から巨大増税をむしり取り、その金で大減税をしてくれる野田佳彦政権を全面支援している。
 
 米国・官僚・大資本のトライアングル=利権複合体の手先である野田佳彦氏を筆頭とする利権政治屋と、NHKを筆頭とするマスゴミは、巨大増税推進の情報操作に全力を注いでいる。
 
 肥大化NHKをそのまま容認してもらい、一般庶民に課す酷税であるNHK放送受信料を強制徴収できるように、NHK=日本偏向協会=犬HKは、財務省の巨大増税政策を全面的に支援し、ジャーナリズムの視点から批判的検討を加えようとしない。

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このような不正を放置して良いわけがない。
 
 唯一正しいのは、民主党内の正統派議員勢力だけである。主権者国民との契約=マニフェストを守る責務を政党が負っていると考えるのは、民主党内正統派議員だけである。
 
 米官業利権複合体は、2013年7月まで国政選挙を実施しない考えである。2013年7月以前に総選挙が行われることがあるとすれば、大増税に明確に反対する勢力が、今後、台頭してこない場合に限られる。
 
 この場合には、総選挙後も大増税勢力が政権を維持することが確実になり、逆に、民主党内正統派をせん滅するために総選挙が実施されるのである。
 
 したがって、時機を見て、主権者国民の意思を代表する政治勢力を結集して、次の総選挙に備えなければならない。
 
 その際の最大のポイントは、
「官僚利権根絶無き大増税」
を絶対に認めないことである。
 
 最低限の条件がある。増税を検討する前に、
財務省から日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを根絶することだ。
 
 本当に、巨大氷山の一角の片隅に過ぎない。しかし、これが官僚利権根絶の第一歩になることは間違いない。
 
 この氷山の一角の根絶さえ財務省が拒否するならば、主権者国民は増税を1円たりとも認めてはならぬ。当たり前だ。
 
 マスゴミが増税実現に向けて、いかなる手段を用いて世論操作を図ろうとも、絶対に引いてはならぬ。

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次に大きなテーマは「脱原発」だ。まず、「脱原発」の方針を決定すること。これが何よりも大事だ。これを決めたら、次に時期を決めればよい。
 
 第三のテーマは、普天間基地を国外に移設することだ。辺野古を絶対に認めてはならない。
 
 第四のテーマは、TPPを拒絶することだ。TPPは日本を売る政策である。TPPを歓迎するのは、経団連企業のごく一部だけだ。製造業は日本のGDPの17.6%しか占めていない。17.6%のために、82.4%を犠牲にすることは、大いなる誤りだ。
 
 第五のテーマは、政治献金を全面禁止することだ。カネの力で政治を動かすことを禁じるには、政治献金の全面禁止が必要だ。カネではなくハートと頭脳で取り組むのが政治の課題である。
 
①「官僚利権根絶無き増税」を許さない
②脱原発
③普天間国外移設
④TPP拒絶
⑤政治献金全面禁止
 
を明確に掲げる、真の国民政党勢力の結集が不可欠だ。
 
 この勢力を結集し、早期に次期総選挙に備えることが求められている。

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2011年9月19日 (月)

脱原発が第二の福島を生み出さない唯一の方策

本日、9月19日、東京の明治公園で「さようなら原発」5万人集会が開かれる。
 
さよなら原発1000万人アクション
 
さようなら原発 5万人集会
 
日 時:9月19日(月・敬老の日)
    13:00~ライブ  
    13:30~集会
    14:15~パレード
会 場:明治公園
交 通:JR「千駄ヶ谷」下車5分
    /地下鉄大江戸線「国立競技場」(E25)下車2分
    /地下鉄銀座線「外苑前」下車15分
内 容:オープニングライブ  寿
発 言:落合恵子さん/大江健三郎さん
    /内橋克人さん/鎌田慧さん
    /山本太郎さん/武藤類子さん
   (ハイロアクション福島原発40年実行委員会)
ライブ:ランキン・タクシー、ナラカズヲ

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米国スリーマイル島原発事故、ソ連チェルノブイリ原発事故、東電福島第一原発事故は、原子力が人類には制御不能であることを証明している。
 
 原発事故の特徴は、ひとたび大事故を引き起こせば、このかけがえのない地球の生命体としての活動を、未来永劫にわたって麻痺させてしまうことにある。
 
 二酸化炭素が地球の温度上昇をもたらすとの根拠の不明確な命題を信じて、二酸化炭素排出を抑制しようという敏感さを持つ人々は、その不確かな活動に力を注ぐ前に、脱原発運動に精力を注ぐべきである。
 
 原子力事故がいかに制御不能であり、人類、生命体、地球の論理、倫理に反しているかは、誰の目にも明白であるからだ。
 
 福島第一原発の事故を目撃して、なおかつ原発推進の旗を振る人間は、感性を失っているか、原発マネーに毒されているかのいずれかである。
 
 本来であれば、日本全体の原子力発電所の稼働をすべて停止し、想定されるすべての自然災害に原発が耐え得るかどうか、厳格なテストを経たうえでなければ、再稼働は認められないとするのが正しい対応である。
 
 そして、想定されるすべての自然災害を踏まえ、なおかつ、必然的に発生する人為的過失の発生確率を踏まえたときに、それでもなおかつ、重大事故発生の確率をゼロにまで引き下げることは不可能であることを認識し、脱原発を確定するしか、本来進むべき道はない。

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原発を推進する者がいるとして、その可能性を、感性を失っているか、原発マネーに毒されているかのいずれかと記述したが、可能性としてはもう一つある。核武装を目論む人々が、そのために原発を推進しようとしていることだ。
 
 この代表者が石破茂氏である。石破氏はやはり、単なる軍事マニアではなかった。核武装論者だったのだ。
 
 暴力団を廃絶するために、暴力団関係者と親密な接触を持つ者を、暴力団構成員に準じる取り扱いをしようと警察が躍起になっている。
 
 これとの比較で言うなら、核兵器推進の立場を示す人間を危険人物として取り扱うことを検討するべきだろう。
 
 日本は世界で唯一の核爆弾の被爆国として、核廃絶運動の先頭に立つべきである。核を拡散させ、原発ビジネスを拡散することは、人類にとっての脅威である。
 
 原子力ビジネスは年間3兆円を超すビッグビジネスであるから、原発マネーに目がくらむ人々は、原発ビジネスを温存しようと、血眼になっている。
 
 言論人のなかでも、ひたすら原発ビジネスの温存を主張する輩が存在するが、カネの亡者か、さもなくば、ものごとの軽重を理解できない未熟な人々である。
 
 短期の利害得失ではなく、長期の地球生命を考慮して考察するべき事項であるからだ。

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「さようなら原発」一千万人署名市民の会は、3月11日の東日本大震災により引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、脱原発のために1000万人の署名を集めることを目標に展開されている運動である。
 
 この運動の一環として、本日9月19日(月)に上記要領で、東京の明治公園で5万人規模の集会を開くことが呼びかけられている。
 
 集会は内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔の各氏によって呼びかけられた。
 
 これに呼応する形で「さようなら原発1000万人アクション」が署名活動とともに日本全国にひろがり、大きな動きとなりつつあるとのことだ。

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この地球上にはカネよりも大切なものがある。カネでは手に入れることのできない、かけがえのないものがある。
 
 東電福島第一原発の事故で、どれほどのものが失われたのかを考えてみたことがあるか。
 
 福島に生まれて
 福島で育って、
 福島で働いて、
 
 福島で結婚して、
 福島で子どもを産んで
 福島で子どもを育てて、
 
 福島で孫を見て
 福島でひ孫を見て
 福島で最期を過ごす。
 
 それが私の夢なのです。
 
の言葉を総理大臣が絶叫したところで、第二、第三の福島を生み出す道をせん滅しない限り、国会演説もただの言葉の羅列、人気取りのパフォーマンスに過ぎないことになる。
 
 野田佳彦氏が、福島の女子学生のこの言葉を重く受け止め、こうした郷土に対する市民の熱い思いを大切にするなら、二度と、福島と同じ過ちを、絶対に日本で引き起こさないための、万全の方策を示し、実行することだ。
 
 それは脱原発を決定し、実行することである
 
 その方策を示すこともなく、この言葉を引用したところで、何の意味もない。巧言令色鮮し仁だ。
 
 野田佳彦氏の行動は、経団連の要求丸呑みのものだ。経団連の要求は、原発、法人税、TPPだ。脱原発経産大臣を辞任させ、法人税減税を強行し、11月のAPEC会合に向けて、TPP参加表明を行うとするなら、この首相は悪の代理人である。
 
 脱原発、反法人税減税、反TPPこそ、正しい対応である。

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2011年9月18日 (日)

不況に庶民巨大増税強行どじょう首相の前後不覚

震災復興事業の中核は、大震災、原発放射能放出事故で生じたインフラ資産の復旧、復興である。新たに実行される政府支出は、政府消費ではなく政府投資が中心になる。
 
 政府投資によって作られるインフラ資産は、今後、長期にわたって効用を発揮する。建設国債の原則とは、政府投資によって形成されるインフラ資産の効用発揮期間を平均60年との前提を置き、その資金返済を60年で実施するというものである。
 
 建設国債は財政法4条で認められている正規の資金調達方法である。政府投資は政府消費とは異なり、支出に伴う効用の発揮期間が現在だけでなく将来にもわたるものである。したがって、その費用負担を現在の一時点に集中させず、効用を発揮する長期間にわたって分散させる建設国債は、経済的合理性を持つ資金調達の方法である。
 
 2008年以降のサブプライム危機に伴う日本経済の急激な悪化は、いまも尾を引いている。そこに本年3月11日に大震災が発生した。大震災に伴い、インフラは破壊され、生活は破壊され、サプライチェーンも破壊された。
 
 被災地では、半年の時間がたって、ようやくがれきが撤去されつつあるが、荒れ果てた大地はそのままに放置されている。被災者の多くが仕事を失い、日々の生活も大いなる不安に包まれたままである。
 
 日本経済の実質経済成長率は、昨年の10-12月期以来、
-2.4%(2010年10-12月)
-3.7%(2011年1-3月)
-2.1%(2011年4-6月)
(いずれも季節調整済み前期比年率換算比)
と、3四半期連続の大幅マイナス成長を記録している。
 
 米国の景気後退の定義は、2四半期連続のマイナス成長である。日本の現状は3四半期連続のマイナス成長である。つまり、日本経済はいま、極めて深刻な不況の只中にあるのだ。昨年10-12月期からマイナス成長が続いていることが端的に示すように、不況は震災によって新たに生じたものではない。震災以前に日本経済は不況に突入していたのだ。

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日本経済が大不況のなかにあり、そこに大震災・原発放射能放出事故が重なり、日本経済は存亡の危機に瀕している。これは、日本の国民が深刻な不況のなかで苦しみにあえいでいることを示している。
 
 この状況下で、一般庶民に標的を定めて11.2兆円もの巨大増税を実行するなどは、血の通った人間の行うことではない。そもそも、震災復興事業はその支出の性格に鑑みて、建設国債発行で実行するべきものである。
 
 建設国債で政府債務残高が増大することを回避したいのであれば、政府資産を売却すればよい。震災復興政策は、基本的に一回限りの支出である。継続的に今後支出が続くものではない。したがって、政府資産売却による財源調達に合理性がある。
 
 国内経済への中立性を重んじるのであれば、政府の対外資産を取り崩して支出に充てるのが、経済学的にはもっとも適正な資金調達方法になる。この点は、大蔵官僚出身の経済学者である野口悠紀雄氏も強く主張していることだ。

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下記チャートを参照いただきたい。1975年度以降の主要税目の税収推移チャートである。1990年度頃のピークから主要税目の税収がどのような推移を辿っているのかが一目瞭然だ。
 
Photo
 
 所得税はピークの91年度26.7兆円が2010年度当初ベースの12.6兆円に減少した。半減である。
 
 これに対して法人税はピークの89年度19.0兆円が2009年度5.2兆円に減少した。約4分の1に激減している。
 
 他方、消費税は1988年度の2.2兆円が2000年度の当初ベースの9.6兆円へと激増した。4倍以上の増加を示した。
 
 この現状のなかで、野田佳彦政権は、法人税を減税し、所得税・住民税を増税し、さらに、2010年代半ばに消費税率を5%引き上げる方針を示しているのだ。
 
 所得税・住民税の増税規模は11.2兆円を超える。法人税は政府発表の「増税」ではなく、真実は「減税」であるから、増税の総額よりも、所得税・住民税の増税規模は大きいのである。
 
 この政策のどこが震災復興の費用負担を広く国民で分かち合うことになるのか。法人税減税の恩恵を受けるのは、大企業の一部だけである。大企業の減税を広く国民全体に負担させる政策のどこに、「広く国民で負担を分かち合う」という現実があるのか。

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そもそも、現在の経済情勢の下で、この巨大増税政策を強行実施すれば何が起こるのかは明白である。増税規模は、今回の復興増税だけで、一般庶民直撃で11兆円を突破する。他方、野田政権が強行決定しようとしている消費税大増税は、1年間だけで増税規模は10兆円を超える。5年間で50兆円を超えるのだ。つまり、今後の10年間で、一般庶民だけを直撃する60兆円巨大増税が計画されているのだ。
 
 メディア各社(マスゴミ)は、今回の政府方針決定について、野田首相の指揮で消費税増税は排除されたとの説明をしているが、野田氏が2010年代半ばに消費税率を10%に引き上げる方針を撤回したのなら、これを説明に加えるべきだろう。
 
 しかし、野田佳彦氏は消費税大増税方針を撤回していないではないか。
 
 1996年に橋本政権が巨大増税を提案したとき、この政策方針が日本経済の崩壊と金融危機を招くことを、もっとも強く警告したのは私である。現実にその後、日本経済は崩壊し、金融危機が表面化した。
 
 2000年の日銀によるゼロ金利政策解除、2001年の小泉政権の超緊縮財政政策を、もっとも強く警告したのも私である。経済崩壊と金融危機を招くと警告した。実際、その後、経済崩壊と金融危機が現実のものになった。
 
 今回、野田政権が超大増税を強行実施してゆけば、三度目の崩壊になることは確実である。今回は、超緊縮財政による経済縮小に世界が足並みを揃えているから、その影響は、さらに深刻なものになる可能性が高い。
 
 震災復興事業に限って、日銀資金で事業を実施すべきだ。日本の外貨準備を50兆円減額し、この資金を震災復興に充当するのが、もっとも適正な措置である。
 
 財務省路線にそのまま乗る野田佳彦氏は、経済政策についての勉強が圧倒的に不足している。歴史に学ばぬ者は歴史を繰り返すのだ。過去二度の大失敗が、わずか15年の時間内にあるのに、まったく同じ過ちを繰り返すなら、野田佳彦氏は前後不覚に陥っているのか、さもなければ「大うつけもの」と言わざるを得ない。

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2011年9月17日 (土)

法人減税を法人増税と報道する悪徳大本営NHK

偏向NHKは財務省の犬でもある。米国の犬であり、財務省・法務省の犬であり、そして大資本の犬である。だから、日本偏向協会の略称は犬HKとするべきだ。
 
 米国と財務省は民主主義の根本原則に反する庶民大増税を強行しようとしている。この手先として活動する犬HKの解体的見直しが不可欠だ。
 
 国民から強制的に受信料を徴収して運営をするなら、視聴者がNHKの支配権を持つのが当然である。視聴者を代表する委員を選出して、この委員によって構成される「放送委員会」を設置し、NHKの人事、予算、番組編成のすべてについての最高意思決定機関とするべきだ。
 
 視聴者はNHKの肥大化を希望していない。NHKは必要最小限の放送を行えばよいのであり、その場合には、NHKの予算規模は大幅に縮小され、受信料は大幅に引き下げられることになる。
 
 ところが、現状は、視聴者の意向と無関係に、政府がNHKを支配している。政府のなかで最大の力を保持しているのが財務省であり、NHKは財務省に全面協力することで、NHKのメタボ膨張予算を温存し、受信料の強制徴収を実現しようとしている。
 
 このNHKを解体し、放送委員会を最高意思決定機関とする新生NHKを創設する必要がある。

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偏向NHKは野田佳彦財務省大増税政権の大増税政策を、事実を歪めて放送している。
 
「ニュースウオッチ9」9月16日放送の内容から、三つの重大な問題を摘示する。
 
 第一は、復興増税の規模について、虚偽の放送をした。
 
 一次、二次補正予算で6兆円の支出追加があったが、財源手当てを終えているのは3.5兆円である。復興政策として19兆円を想定しているから、残額は13兆円である。NHKは、このうち4兆円を税外収入等で賄うので、復興増税の規模は9兆円だと説明し、これに国民年金の国庫負担引上げ分を加えて臨時増税規模が11.5兆円だと説明した。
 
 これは違う。2.5兆円は二次までの補正予算で財源が確定していない分であり、9兆円と2.5兆円を合計した11.5兆円が復興増税の規模そのものなのだ。
 
 2011年度当初予算で国民年金の国庫負担引上げはすでに決定済みであり、この分を別計算にして、復興増税の規模を小さく見せかけようとするような財務省の小細工をNHKが採用する理由はない。

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第二は、増税の具体的プランとして、法人税増税を実施する以外の施策として、①所得税だけを上げる、②所得税とたばこ税を上げる、の2案があり、さらに、住民税も増税する、との説明がなされたことについて。
 
 これも、大うそである。
 
 日本経団連が要求してきた法人税減税は2011年度税制改正大綱に盛り込まれたが、2011年3月11日に大震災が発生し、実施されていない。法人税減税は凍結され、実施されていない。
 
 政府がいま提案しているのは、2012年度から法人実効税率5%引き下げを実施したうえで、そこから復興費用負担として、税額を10%上乗せするというものだ。
 
 少し入り組んでいるので、ややこしく、一般国民がすぐに理解しにくいものになっているが、単純に2011年度と2012年度とを比較すると、法人税は「減税」になる。
 
 3年間だけ、減税幅が少し縮小するが、減税なのか増税なのかと言えば、「増税」ではなく、「減税」なのだ。
 
 財務省は、実効税率を5%引き下げたところを出発点に、増税か減税かと表現し、これをもって「増税」だと表現しているが、こんな計算などあり得るわけがない。
 
 粉飾もはなはだしい。完全な「詐欺」である。
 
 繰り返すが、法人税減税は実施されていない。税制改正大綱に掲げられたのかも知れないが、実施されていないのだから、現行の法人税負担が現行制度であり、それ以外には何も存在しない。釣り大会で取り逃がした魚の数を含めて釣果を報告するようなものだ。

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復興費用負担を広く分かち合うなどと言って、大企業にだけは、「増税」でなく「減税」しようというのが、政府案である。
 
 しかも、この「減税」は、2012年度から2014年度までの第一段階を経た後、2015年度から、さらに大幅な減税になる。
 
 NHKニュースウオッチ9の説明は、法人税増税は確定しており、確定していないのが、所得税増税だけの実施とするか、たばこ増税も組み合わせるのか、の点であると説明した。
 
 人々の関心を法人税に向けさせず、たばこ増税の是非に向けさせるための仕掛けである。姑息な財務省とNHKの共同作業だ。
 
 NHKが
「法人税は増税」
と報道したのは明らかな虚偽報道である。

「法人税は減税」

の表現だけが正しい。
「減税幅は2012年度から2014年度までが小さく、2015年度からより大きな減税が実施される」
というのが、事実と真実に基づく報道である。

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第三は、日本の法人税負担が国際的にみて高いという説明についての虚偽である。これは、今回の放送についてのものではないが、NHKは円高で日本企業が苦境に追い込まれていること、高い法人税負担で企業の海外移転が促進される懸念を常に強調して放送している。これも極めて偏向した解説であり、事実にも反している。
 
 政府税制調査会は2007年11月に、
 
「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」
 

と題する公式文書を発表している。
 
 このなかの、17ページから19ページにかけて、法人課税についての記述がある。以下に転載する。
 
「法人実効税率とは、国・地方合わせた法人課税の表面税率のことである。我が国の法人実効税率は、国際的に見て高い水準にあり、引き下げるべきという議論がある。
 
 この問題を検討するに当たり、当調査会は、平成19 年度の税制改正に関する答申を踏まえ、課税ベースも合わせた実質的な企業の税負担、さらに社会保険料を含む企業の負担の国際比較を行った。また、企業減税による企業部門の活性化が雇用や個人の所得環境に及ぼす影響等についての調査・分析を行った。
 
 課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た。」
 
 どのような見解が示されているかを、すべての国民に、目を皿にして読んでいただきたい。
 
「課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはない」
 
というのが、政府税制調査会が2007年9月の報告書で示した結論なのである。
 
 税金は、

課税ベース X 税率
 
で計算される。
 
 税率が高くても、課税ベースが小さく計算される税制を採用すると、実際の企業負担は低くなる。課税ベースというのは、税金の対象になる「所得」のことだ。収入金額からさまざまな費用が差し引かれて「所得」が計算される。差し引くことのできる費用が多い制度と、少ない制度があり、多い制度では「所得」が小さくなって、税率が高くても税金負担は少なくて済むのだ。
 
 つまり、日本の法人税負担は国際比較しても高くないのだ。

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にもかかわらず、野田佳彦政権は、大企業には「減税」を実施し、庶民には「所得税」、「住民税」、「消費税」のトリプルパンチを浴びせると言うのだ。
 
 これでもあなたは野田佳彦政権を支持しますか。
 
 普通の国なら暴動が起きておかしくないだろう。主権者の意思を無視する悪代官政治は、人民の力で打倒しなければならない。
 
 NHK解体運動も直ちに始めなければならない。こんな大本営放送局に国民は1円たりともお金を支払う必要はない。

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2011年9月16日 (金)

TPPに前のめり大企業減税推進の野田佳彦氏

野田佳彦氏がTPP参加に前のめりの姿勢を示し始めた。

 野田政権の基本政策方針は、
 
①対米隷属
 
②官僚利権擁護
 
③大資本との癒着
 
である。これを、具体策に置き換えると、
 
①普天間基地の辺野古への移設
 
②官僚天下りの温存
 
③企業献金の維持、TPPへの参加、庶民大増税で大企業減税
 
ということになる。
 
 民主党の基本方針
「国民の生活が第一」
は消滅した。
 
 野田佳彦氏の基本方針は
「大企業の利益が第一」
である。

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野田佳彦氏は9月16日午前の参院本会議で、円高と新興国の追い上げにより日本経済が
 
「空前の空洞化の危機にある」
 
とし、
「日銀と連携し、あらゆる施策が必要」
と指摘した。
 
 為替市場で投機的な動きがあれば
 
「必要な場合は断固として行動する」
 
と強調した。
 
 発言は、直接的には為替介入の方針を示したものだが、野田氏の基本姿勢が日本の輸出産業にだけしか配慮していないことを端的に示すものでもある。
 
 日本経団連と結託し始めた野田佳彦氏は、TPPにも前のめりの姿勢を示すものと予想される。
 
 円高が進行しているが、現在のファンダメンタルズを踏まえれば、円高は順当な方向である。
 
 2000年以降の為替市場の動きを分析すれば、こんなことは誰にでも分かる。2000年から2008年にかけて、為替市場の基本方向は「ユーロ高」であった。ユーロ独歩高が進行した。
 
 日本円はインフレ率格差からすれば米ドルに対して上昇するべき局面であったが、日本円は米ドルに対して横ばいで推移した。
 
 2008年以降、その修正が表面化した。日本円は、ユーロおよび、米ドルに対して大幅に上昇しているのである。
 
 現在、日本の消費者物価上昇率は前年比ゼロである。これに対して、米国の消費者物価上昇率は前年比3.6%である。他方、日米の短期金利はゼロ金利政策により、日米ともにほぼゼロの水準にある。
 
 つまり、日米実質短期金利差は3.6%もあり、日本の金利が高いのである。したがって、円が買われるのは順当である。
 
 円高は輸出の価格競争条件を悪化させるが、逆に輸入の支払金額を減少させることを通じて、国内実質所得を増大させる効果を持つ。政府が円高のマイナスの側面だけを強調するのは適正でない。
 
 ファンダメンタルズを反映する円高を抑止するために、外為介入を繰り返し、巨額財テク損失総本山の外為巨額損失を生む行為を、国会は力づくでもやめさせるべきだ。歴代為替介入責任者の責任を追及する必要もある。

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GDPに占める製造業の比率は17.6%に過ぎない。円高が進行すると、日本全体にマイナスであると言わんばかりの報道が広がるが、製造業の比率は日本経済の5分の1にも満たないのである。
 
 円高は日本の国力の増大という側面も併せ持つ。強い円は、海外資産をより少ない資金で購入できる力を付与するものでもあるのだ。
 
 日本の関税率はすでに国際比較上も十分に低く、これ以上関税率を引き下げる理由は存在しない。TPPに参加して完全自由貿易の原則を採用すれば、日本の農業が破壊されることは火を見るよりも明らかである。
 
 政治は日本経団連のために存在するのでない。そもそも、参政権は自然人である国民にのみ付与されているもので、法人が政治を支配すること自体が間違っているのだ。
 
 米国、官僚、大資本の利益だけを追求して、主権者国民を虐げる、主権者国民を踏み台にする野田佳彦氏の政治基本姿勢を糾弾しなければならない。

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2011年9月15日 (木)

庶民大増税・大企業には減税どじょうの腹はまっ黒

美辞麗句を並べるだけで、心を正すことも誠の意(こころ)もない行動様式を
「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」
と呼ぶ。
 
「無礼」は粗雑だが誠がある。無礼を隠さないからだ。
しかし、「慇懃無礼」には「誠」がない。
 
「慇懃無礼」ほど醜いものはない。
 
 復旧、復興、経済成長、福島、福島と政治家が連呼しても何の意味もない。
 
 空虚な言葉を一言も発せずとも、中身のある政策を提示すれば、それで良い。
 
 復旧、復興、原発収束と叫んでも、具体的に出てくるのは増税話ばかりではないか。
 
 政府の震災復旧・復興政策の費用見積もりは19兆円だ。このうち、6兆円は第一次補正、第二次補正で予算計上済みだ。
 
 残るは13兆円。すでに予算計上した6兆円のうち、1.5兆円は2011年度予算の流用、2兆円は2010年度決算剰余金で賄った。残る2.5兆円の財源がまだ確定していない。

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政府は今後計上される13兆円の支出と財源未確定の2.5兆円の合計15.5兆円の財源を確保しなければならず、このなかの12兆円を復興増税で賄う案が浮上している。
 
 15.5兆円と12兆円の差額は3.5兆円だが、政府は政府資産売却で調達する資金を3.5兆円しか見込んでいないことになる。
 
 増税の方法として浮かび上がっているのは、所得税を10%5年、あるいは5%10年引上げて、法人税について、税率5%引き下げを3年間先送りするとの案だ。
 
 吐き気をもよおすプランだ。正真正銘、野田佳彦氏は財務省のロボットであると言わざるを得ない。この政策のどこが政治主導なのだ。ここまで財務省の言いなりになるなら、いっそのこと財務省事務次官勝栄二郎氏を内閣総理大臣にして、野田佳彦氏が財務省事務次官に就任するべきだ。
 
 所得税と法人税の増税と言うが、中身をよく見てからものを言ってもらいたい。
 
 法人税は、5%税率を引き下げるのを3年間先送りするだけの話だ。増税ではない、3年後に減税を実施するという政策である。
 
 所得税を10年間5%、あるいは5年間10%引き上げるのだと?
誰が所得税を払うのか?消費者ではないか。
 
 そして、2010年代半ばに消費税率を10%に引き上げる?
誰が消費税を払うのか?消費者ではないか。
 
「庶民と胡麻は絞れるだけ絞れ」をそのまま進む政策だ。野田氏は泥だらけの沼で黒く濁った砂を食べ過ぎて、腹のなかが真っ黒であると、国民は用心しなければならない。こんなどじょうはとても喰えたものではない。

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菅直人前首相は何度も繰り返した。「大きな税制改正を行うときには、必ず、その実施の前に国民に信を問う」と。
 
 財務省に操られる野田佳彦氏の暴走を国民は絶対に許してはならない。暴走を続けるなら、一揆を起こさねばならぬ。国民一揆である。
 
 15.5兆円の復興財源は、100%政府資産の売却で賄える。日本たばこ、日本郵政、NTT、東京メトロなど、政府保有株式の売却だけで、すべてを賄える。まずは、郵政改革法案を通すべきだ。
 
 1.2兆ドルの外貨準備資産は、いずれ紙くずになるぼろ資産だ。一刻も早く、円に換金して、これを復興財源に当てればよい。
 
 日本の外貨準備は2007年から2011年までの4年間だけで、なんと45兆円もの損失を生み出しているのだ。財テク巨額損失不祥事の総本山である。政府が何も騒がないのは、巨大な責任問題を避けられないことと、この資金を米国への上納金だと考えていることによると思われる。
 
 米国のバイデン副大統領が民主党代表選のタイミングで日本に来たが、代表選工作資金について伝達した可能性が高いと思われる。野田氏は8月以降の介入で4.5兆円もの資金を米国に上納した。その一部が日本に還流して、代表選工作資金に充てられたと考えるのが読み筋の平均値だろう。
 
 法人税減税を喜ぶのは大資本だ。野田佳彦氏は経団連と手を結び、減税は大資本に、増税は一般庶民にとの大原則を確約した。だから、経団連との蜜月が始まった。
 
 復興資金を増税で賄う必要は皆無である。百歩譲って政府資産売却で賄わないなら、建設国債を出せばよい。復興政策の支出は大半がインフラ整備である。インフラは平均60年間価値を発揮するのだから、60年間の均等返済が最も合理的だ。

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米国、官僚、大資本。この三者が、戦後日本の支配者だ。
 
 2009年8月総選挙を通じて実現した政権交代は、この米官業トライアングルによる日本支配を打破するためのものだった。
 
 ところが、鳩山政権が倒されて菅政権が樹立された。この菅政権は日本の政治権力を米官業トライアングル支配勢力が奪還したクーデター政権だった。
 
 これをそのまま引き継ぎ、さらに、米国、財務省、経団連の意向をそのまま反映する体制が、野田佳彦政権である。
 
 しかし、復興増税は一円も必要がない。やめるべきだ。ところが、自民党も復興増税推進派である。谷垣禎一氏に至っては、財源を建設国債で賄うことは絶対にしないと約束できるかと質し、復興増税を積極的に推進する姿勢を示している。
 
 米官業トライアングル=利権複合体勢力の代理人である民主党現執行部と自民党は、まったく同種同源なのだ。
 
 大連立を組もうが組むまいが、米官業利権複合体勢力が巨大化していることは間違いないのだが、この利権複合体勢力にただひとつ、致命的な欠陥がある。

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それは、今の民主党執行部も、自民党も、どちらも主権者国民から政権を委ねられていないということだ。
 
 2009年8月総選挙で勝利したのは、民主党の旧執行部である。この旧執行部は、日本政治の基本構造を、「米官業による支配」から「国民による支配」に変えることを主権者との契約に盛り込んで、総選挙で大勝利したのだ。
 
 2010年7月参院選は、菅直人氏が掲げた消費税率10%への引き上げを巡る国民投票でもあった。結果は、明白にNOであった。
 
 この菅直人マニフェストをそのまま継承する野田佳彦民主党が、主権者国民の意思を反映していないことは明白である。
 
 民主主義の根幹を踏みにじる暴挙が続いているのは、堕落した御用メディアが、非正統、悪徳の野田佳彦政権を懸命に絶賛しているからだ。何も考えない国民は、この情報操作に流されるかも知れない。
 
 だから、どじょう料理屋が流行ったりする珍現象が生じたりしているのだ。どじょう料理屋は、出来るだけ早くに売上を伸ばしておくべきだ。どじょうのどの字も見たくないという庶民が激増する時が来るのは、時間の問題と考えられるからだ。
 
 米国、官僚、大資本が、自分たちだけが栄え続けるために、国民をどじょうの蒲焼きにして食い尽くす計画が推進されているだけなのだ。

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野田佳彦氏は、増税と騒ぐ前に、財務省の天下りを切れ
 
 日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを、まず全面禁止してみるがよい。
 
 財務省は、天下り天国の氷山の一角のこの措置を直ちに断行して初めて、増税についてものを言う資格ができる。
 
 これらの機関や企業には、長年勤め上げてきた優秀な職員がいくらでもいる。そこに上から舞い降りて、甘い蜜を吸い尽くす構造を、まず断ち切るべきなのだ。
 
 過去20年間、日本の悲劇は、財務省が政権を直接支配する時に発生していることを忘れてならない。時の首相が財務官僚を崇めてしまうとき、政治は国民主導をはずれて、官僚主導=財務主導に陥り、日本国が悲劇に陥れられるのだ。

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2011年9月14日 (水)

予算委拒絶説明責任放棄を「正心誠意」と言わない

野田佳彦氏が9月13日に所信表明演説を行った。
「正心誠意」の四文字が大切だとするなら、臨時国会を4日間で閉会せず、予算委員会質疑を行うべきである。
 
 メディアが鉢呂経産相の辞任問題に陳謝と報道したが、野田氏は陳謝していない。
「誠に残念でなりません」
と傍観者としての感想を示しただけである。
 
 陳謝というのは、
「任命権者として国民の皆様に深くお詫びを申し上げます」
と発言したときに用いる表現である。
 
 代表質問で政府の姿勢を正しても、意味不明な答弁で幕が引かれるだけである。2009年8月総選挙での主権者国民との契約、2010年7月参院選での主権者国民の意思を踏みにじる政策方針を示して政権を発足し、国民の信を問うことを行っていない以上、少なくとも予算委員会を開いて質疑を行うべきである。
 
 野党が予算委員会開催を求めるなかで、これを無視し、国民に対しても説明責任を果たさない、その姿勢のどこが「正心誠意」であるのか。激しいヤジが飛ぶのは自業自得である。

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「美辞麗句を官僚の短冊でつないだもの」
との批評があったが、正鵠を射るものである。
 
 いくら美辞麗句を並べても、基本姿勢が伴わないなら
「巧言令色鮮し仁」
が正しい形容だ。
 
 いま、何よりも求められるのは、被災地の復旧、復興、そして日本経済の立て直し、原発問題の解決である。そのためには政府支出の追加が必要不可欠である。
 
 ところが、野田佳彦氏は最優先課題を車の両輪として、もう一つの柱を財政再建だと位置付けた。
 
 財政再建が重要でないとは言わない。中長期で重要な課題である。しかし、この問題の取り扱いには極めて慎重な対応が求められる。その最大の理由は、一般的に財政再建策が経済悪化策としての側面を保持していることにある。
 
 被災地の復旧・復興のための財政支出、経済を立て直すための財政支出の持つ経済効果は、基本的に、財政再建を実現するための増税などの政策が持つ経済効果と正反対の方向性を持つ。
 
 経済を立て直すために景気対策を講じても、その財源を増税で賄うと経済を立て直す経済効果は打ち消されてしまう。
 
 財政再建は重要な課題だが、どのような手順で実行するのかについて、十分な検討が不可欠なのである。
 
 野田佳彦氏の発言を裏で操っているのは財務省である。野田佳彦財務省大増税政権というのが野田政権の基本性格を端的に表している。
 
 復興財源を復興増税で賄い、2010年代半ばに消費税率を10%に引き上げる法律を成立させるというのが、野田佳彦氏が所信表明で述べた具体的内容である。
 
 復興政策で創出されるインフラは平均で60年間程度、効用を発揮する。したがって、その財源調達は建設国債で行うのが正しい。政府資産売却で調達できるのなら、まずそれを優先するべきだ。外貨準備の取り崩しが最も適正である。資産売却をしないなら、建設国債を発行すればよいわけで、増税で賄うというのは最悪の選択である。

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2010年代半ばに消費税率を10%に引き上げる政策については、これを具体的に法定化する前に、国民の判断を仰ぐことが不可欠だ。
 
 2009年8月総選挙で鳩山由紀夫民主党は消費税増税を封印して政権樹立の議席を確保した。2010年7月参院選で主権者国民は消費税率の10%への引上げについて、明確にNOの意思を表明した。
 
 したがって、野田政権が主権者国民の意思を踏みにじり、消費税率を10%に引き上げることを法定化することは絶対に許されないことである。
 
 国会審議は行わない。主権者国民がNOの意思を明示した消費税増税を国民の判断を仰がずに法定化する。自分が任命した大臣が暴言を吐いて大臣辞任に追い込まれたのに、国民に謝罪もせず、傍観者のように振る舞う。
 
 これが所信表明で明らかにされた野田佳彦氏の基本的な姿勢だ。
 
 美辞麗句を並べても、具体策が逆の方向を向いていれば、美辞麗句など何の意味も持たない。美辞麗句を並べれば、民主主義の根本ルールに反する大増税を強行しても構わないと野田佳彦氏が考えているとすれば、大間違いである。
 
 野田政権は2012年半ばまでに行き詰まり、また次の首相交代につながることになるだろう。このような大胆予想を浮かび上がらせる所信表明演説であった。

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2011年9月13日 (火)

対米隷属の新聞・テレビが日本を亡ぼす

『月刊日本』2011年9月号の巻頭特集は
「新聞・テレビの大罪」
である。
 

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 巻頭特集冒頭での同誌主幹南丘喜八郎氏の記述を以下に転載する。
 
「ジャーナリズム変質の背景には、新聞・テレビが行政権力の支配下に置かれているという厳然たる事実があるのだ。新聞の再販価格維持制度、テレビ局の放送事業認可、電波の割当等はいまや行政権力によって完全に掌握され、真の「言論の自由」など、無きに等しいと言わざるを得ない状況だ。
 
 加えて戦後の国家権力は、官僚だけでなく、大資本、加えて占領軍の延長である米国によって形成されていることは、歴とした事実である。新聞・テレビという大マスコミは、米国、官僚、大資本のトライアングルによって、巧みに支配されていることは、本誌特集で植草一秀氏が剔抉(てっけつ)している通りである。
 
 また本特集で石川知裕氏が「新聞・テレビという報道機関の役割は複眼的・多層的に政治家の功罪を分析し、判断材料を提供し、国民に思考を促すことにある。ところが、今のマスコミはその能力を失っている。これこそが現代日本の本質的危機だと思う」と、的確に指摘している。」

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さらに、南丘氏は続ける。
 
「かつて自由民権を主張した新聞は、「在野」「反骨」を誇りとし、権力に対して敢然と、しかも矜持をもって正論を吐き続けた。時の権力は、新聞紙条例や讒謗律(ざんぼうりつ)などを駆使し、権力に歯向かう記者を逮捕拘束、新聞を発行停止に追い込んだ。だが、彼らは決して怯(ひる)むことはなかった。ここにわが国ジャーナリズムの原点があり、核心がある。
 
 しかし、こうした正統ジャーナリズムは、いまや完全に変質し、権力の擁護者に堕してしまったようだ。この結果、権力への的確かつ厳しい批判は姿を消し、読者や視聴者の低級な要求に迎合して、犯罪者や被害者のプライバシーにまで踏み込むというポピュリズムに堕してしまった。
 
 新聞は「社会の木鐸」として、権力とは一定の距離を保つだけでなく、時に敢然と厳しい権力批判を続けた。しかし、健全なジャーナリズムは、米国、官僚、大資本のトライアングルの力によって、何処かへ消えてしまったのだ。
 
 こうした新聞・テレビを中心とする現在のジャーナリズムの在り方に、国民は極めて強い不信感を抱いている。
 
 いま敢えて、本誌がこの時期に新聞・テレビ批判を特集したのは、このままでは健全なジャーナリズムが死滅してしまうとの危惧を深めたからである。
 
 民主主義は健全なジャーナリズムがあってこそ、その機能を発揮すると信じるからだ。」

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『月刊日本』2011年9月号の巻頭特集に収録されている論考は以下の五点である。
 
対米隷属の新聞・テレビが日本を亡ぼす 植草一秀
 
マスコミよ、死ぬな、生きろ! 石川知裕

官報複合体=記者クラブを解体せよ! 上杉 隆
 
電通のメディア支配から脱却せよ!
 
新聞は正義を失いポピュリズムに堕した 中村慶一郎
 
 特集の巻頭言を南丘主幹は次の言葉で締めくくっている。
 
「明治22年、陸羯南(くがかつなん)は新聞『日本』を創刊した。陸羯南は創刊の辞に「わが『日本』は固(もと)より現今の政党に関係するに非ず、然れども亦た商品を以て甘ずるものにもあらず」と述べている。これは権力に阿(おもね)らず、金銭に淫せずというジャーナリズムの矜持を表明したものだ。我々は陸羯南の顰(ひそ)みに倣(なら)って本誌を『月刊日本』と名付けた。
 
 羯南の心意気を貫いているのは「富貴も淫する能わず、貧賤も移す能わず、威武も屈する能わず、此れをこれ大丈夫と謂ふ」(『孟子』籐文公下篇)との「大丈夫」の精神である。
 
 現在の巨大マスコミ経営者は勿論、編集者、現場の記者も、孟子の言う、富貴にも貧賤にも、そして威武にも対しても、決して屈することのない「大丈夫」の心意気が必要なのではないか。」
 
 南丘氏が指摘する「大丈夫」の精神を携えることこそ、言論人の言論人たる条件であると強く確信する。

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『月刊日本』は決して財政的基盤に恵まれたジャーナルではない。ジャーナリズムの精神を貫徹するためには、やむを得ないところである。だからこそ、各執筆者も『月刊日本』のジャーナリズム精神を支えるために精力的に原稿を提供している。
 
 この日本国の自立と再生を目指すオピニオン誌である『月刊日本』が、悪戦苦闘の経営を続けながらも、創刊15年を迎えられた。
 
 この機にちなみ、
「創刊十五年『月刊日本』を叱咤激励する会」
が、来る9月15日(木)午後6時半から、東京都千代田区隼町所在の
グランドアーク半蔵門 富士東の間 
にて開催されることになった。
 
 参加会費は1万円であるが、一人でも多くの方のご臨席を賜りたく思う。
 出席を希望される方は、「叱咤激励する会」事務局03-5211-0096にお問い合わせをお願い申し上げたい。

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2011年9月12日 (月)

賢明な岩手県民偏向NHK無視し達増知事再選実現

岩手県知事選で現職の達増拓也氏が圧勝した。岩手県民の賢明な判断力は健在であった。
 
 ネットでは、自民党の片山さつき議員が公職選挙法に抵触するのではないかとも思われるようなネット上での呼びかけを懸命に行っていたが、まったく通用しなかった。
 
 日本偏向協会=NHKは、震災復興会議でもただ一人正論を述べ続けた達増知事をまったく報道しなかった。震災復旧対応、復興政策立案でも、岩手県は宮城県などよりもはるかに優れた対応を示し続けたと考えられるが、NHKはまったく報道しなかった。
 
 民主党代表選に向けては、被災地からの発言として、村井嘉浩宮城県知事だけを登場させ、野田佳彦財務省大増税路線の提灯持ちの役割を演じさせていたりした。

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宮城県は、震災の復旧・復興政策にかこつけて、漁業に企業を参入させる活動を強行に推し進めているが、火事場泥棒的行動以外の何者でもない。
 
 漁業に企業の参入を認めるかどうかは、日本の漁村の共同体性格を根本から変化させかねない、極めて重大な意味を持つ施策である。その影響は計り知れず、長期的な自然環境との調和を重視してきた、日本の沿岸漁業を、収益至上主義の収奪的な産業に変質させてしまう恐れを多分に伴うものである。
 
 宮城県の村井嘉浩知事は、政府部内の対米隷属グループ、市場原理主義グループに後ろから操られているとの印象が極めて強い。まさに、日本政治を支配する米・官・業のトライアングル=利権複合体勢力の手先であるとしか、私の目には映らないのだが、NHKは達増拓也知事を登場させずに、常に木村嘉浩氏だけを登場させてきたのである。
 
 岩手県知事選を先送りしたのも、達増拓也知事を何とかして落選させようとする勢力が画策したことであると考えられる。達増拓也知事は、よく知られているように、小沢一郎民主党元代表と近い関係を有しており、本来の民主党の主張、正統民主党の基本方針を重視する姿勢を示し続けてきた現代日本政界における稀有の存在である。
 
 いずれ活動の本拠地を国政に移し、日本を牽引する役割を担うことになると予想されるが、利権複合体勢力からずれば、小沢一郎元代表と同様に、人物破壊工作の対象に据えたい人物の一人であることは間違いない。

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今回の選挙で重要なことは、岩手の主権者が、メディアの徹底した反小沢キャンペーンにまったく影響されずに、人物の人格、見識、力量を冷静に見定めて、堂々とした独自の判断を示したことである。
 
 政治のレベルは突き詰めれば、国民のレベルに帰着する。国民の意識が低く、簡単にマスメディアに誘導されてしまう段階では、本当の政治革命は成就しがたい。2009年8月総選挙で政権交代の偉業を成し遂げたとはいえ、日本の主権者国民はマスメディアの情報操作を見破り、情報操作を撥ね退けて正しい判断を示し抜く成熟さを、まだ備えるに至っていない。
 
 この点で、岩手県民の冷静な判断力、情報操作を撥ね退ける、透徹した洞察力は特記に値するものであると思われる。
 
 日本全体の有権者、主権者国民が岩手県民の冷静な姿勢、真実を見抜く洞察力を備えるようになるとき、日本政治は刷新の時機を迎えることになるだろう。
 
 達増拓也知事の再選を心から祝福するとともに、日本の全主権者が岩手に学ぶことを提唱したい。

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2011年9月11日 (日)

鉢呂氏暴言よりもはるかに罪深い野田氏増税方針

野田佳彦政権発足わずか9日目で第一号の閣僚辞任が生じた。

 野田政権の前途を暗示する船出である。
 
 鉢呂経産相の「死の町」発言、「放射能をつけちゃう」発言は、閣僚としての資質を欠くことを鮮明に示す証左であり、このような人物を新政権の最重要閣僚とも言える経産相に抜擢した野田佳彦氏の人物鑑識眼に大いなる疑念を抱かせるものだ。
 
 だが、一方で鉢呂氏は原発の新設を認めず、最終的に脱原発を実現する方向を明言したから、原発推進勢力にとっては消さねばならない存在であったことも確かである。
 
 野田氏が次にどのような方針を示す経産相を起用するのかで、鉢呂氏辞任の背景の一端が判明することになる。原発推進派を後任経産相に起用するなら、野田氏は原発推進勢力に裏側で操られているということになる。
 
 安倍晋三政権が閣僚の相次ぐ辞任を契機に一気に失速していったが、野田氏が同じ経路を辿る可能性も高いと思われる。
 
 9月13日に召集される臨時国会で、野田政権は予算委員会を開催せずに閉会にしようと画策しているが、敵前逃亡そのものである。正々堂々と新政権を発足させるなら、野党が要求する予算委員会開催要求から逃げるべきでない。

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そもそも、野田佳彦政権の最大の問題は、この政権が民意に支えられていない政権であるということだ。新聞社や電波会社が実施する世論調査で高い支持率が出たとしても何の意味もない。世論調査が国民世論を反映しているとは考えられないからだ。
 
 主権者の意思が表明されるのは国政選挙のときだけである。直近の国政選挙は、衆議院では2009年8月、参議院では2010年7月である。この二つの国政選挙で、主権者がどのような意思を表示したのかが何よりも重要である。
 
 2009年8月総選挙で主権者国民は民主党を大勝させた。この選挙結果を受けて政権交代が実現した。
 
 このときの民主党執行部は鳩山-小沢グループである。この旧執行部は、日本政治の基本構造刷新を主権者に訴えて支持を得た。基本構造刷新とは、
 
①対米隷属から自主独立へ
②官僚利権温存から官僚利権根絶へ
③政治と大企業の癒着から政治と大企業の癒着排除へ
 
の三つの方針を指す。
 
 この基本政策方針の下で、消費税増税問題については、2013年の衆議院任期満了までは消費税増税を封印し、官僚利権の根絶に全力を注ぐことが示された。
 
 また、民主党は「国民生活が第一」のスローガンを掲げ、
①子ども手当
②高校授業料無償化
③農家個別所得補償
④高速道路料金無料化
をマニフェストに明記した。
 
 主権者国民は、この政権公約を掲げた民主党を大勝させ、政権交代を導いたのである。

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ところが、2010年6月に樹立された菅直人政権は、この基本政策方針を全面的に変更した。
 
①対米隷属への回帰
②官僚利権の全面擁護
③企業と大資本の癒着強化
の方針を明示したのだ。
 
 これに対して、主権者国民はどう対応したか。
 
 菅直人民主党を2010年7月参院選で惨敗させたのである。この瞬間に菅直人政権は存立の正統性を完全に失った。菅直人氏が民主主義の根本ルールを守る人物であったなら、この時点で首相を100%辞任していたはずだ。
 
 ところが、菅直人氏は民主主義の根本ルールを踏みにじり、ただ自己の欲望を満たすためだけに、首相に座に不当に座り続けた。ようやく、2011年8月末に総理の椅子を明け渡すことに同意したのだ。
 
 ところが、民主党国会議員は、菅直人氏後継代表に野田佳彦氏を選出してしまった。2009年8月総選挙、2010年7月参院選を経て国会議員になった人々は、選挙の際に主権者国民から託された責務を果たし、主権者国民と交わした契約を守る責任を負っている。これを基準に代表選に臨む必要があったが、民主党国会議員の多数が、主権者国民との契約を破棄する選択を示したのだ。
 
 これは由々しき事態である。民主主義の基本は民意の反映であるが、多数の民主党国会議員がこの根本原則に反する行動を示したのだ。

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野田佳彦政権の基本政策は菅直人政権と同一であり、これは、主権者国民が民主党に政権を委ねることを決定した際の基本方針の真逆のものである。したがって、野田佳彦政権の政策基本方針については、民意の裏付けがない状態にある。
 
 民主党代表選で、2009年8月総選挙、2010年7月参院選で示された民意と整合的な主張を示す人物が新代表に選出され、新政権を樹立したのなら、新政権は国民の信を新たに問う必要はない。主権者国民が国政選挙に際して民主党と締結した契約が守られるからである。
 
 ところが、野田政権の政策基本方針は、菅政権と同一であり、したがって、国政選挙で示された主権者国民の意思とは真逆のものである。したがって、野田佳彦政権は一刻も早く、総選挙で国民の審判を仰ぐ必要があるのだ。
 
 とりわけ、増税問題は2008年総選挙でも、2010年参院選でも最大の争点であった。鳩山元代表は、「増税論議の前にやることがある」ことを明示して、まず、官僚天下りの根絶に進もうとしたのだ。
 
 ところが、野田佳彦氏は天下りを完全擁護したうえで、消費税大増税を法定化しようとしている。これほど、民主主義の根本原則が踏みにじられたことがかつてあったのか。
 
 中曽根元首相は、国会における、「投網を掛けるような税は導入しない」と答弁したにも関わらず、選挙後に「売上税」導入を図り、公約違反だと追及されて「売上税」を断念した。日本が民主主義国家である以上、首相の主権者国民に対する言葉の責任は何よりも重いのである。
 
 次の総選挙までは消費税問題を封印することを総選挙の際の契約に盛り込んだのが鳩山民主党であり、この契約は現在も有効期限内である。
 
 野田氏が勝手にこの契約を破棄することは許されない。菅前首相ですら、抜本的な税制改革を実施する場合には、必ずその前に民意を問うと確約した。それにも拘らず、野田氏が消費税大増税を法定化しようとするなら、主権者国民からリコールが突き付けられることは間違いない。

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つまり、鉢呂氏の暴言よりも、野田氏が示している方針の方が、はるかに罪は重いのだ。鉢呂氏が辞任なら、野田氏は国会議員資格はく奪でおかしくない。
 
 警察汚職表面化の品川美容外科からの巨額献金の事実も明らかになっている。暴力団フロント企業からの献金疑惑も渦巻いている。さらに、外国人籍の人物からの献金事実も明らかにされている。
 
 メディアは鉢呂氏の批判をする前に、野田氏周辺の暗闇にメスを入れるべきではないのか。国政に大きな空白を作って新政権への移行が強行されたのである。臨時国会で予算委員会審議を行うことは、真摯な政治姿勢を示す第一歩である。その第一歩から逃げるようでは、早くも野田政権には政権落第の判定が下されてしまうだろ。
 
 主権者国民は、野田氏の政策方針発言が鉢呂氏暴言よりも、はるかに罪が重いことを正しく認識する必要がある。

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2011年9月10日 (土)

金融危機を招く日米欧の緊縮財政政策協調

世界的な連鎖株安にはまだ歯止めがかかっていない。日本では大震災と原発事故で経済活動が大幅に落ち込み、とりあえずの大底をつけた。このタイミングで速やかに震災復旧・復興対策を迅速に進めれば経済の順調な回復が実現する。1995年も1996年にかけて、本格的な景気回復が実現した。
 
 ところが、日本の政権が財務省に支配されるようになったから、正しい政策対応がまったく示されなくなった。
 
 菅直人氏が提唱した経済政策は、すべて財務省の発案によるものである。震災復興対策を半年もの間、サボタージュしたのも財務省の差し金による。
 
 新たに樹立された野田佳彦政権は財務省直系の政権であり、消費税大増税以外に、真剣に考えていることはない。
 
 緊縮財政の嵐は日本だけでなく、世界に吹き荒れている。この運動を促進しているのが格付機関だ。格付機関が超緊縮財政を主張するのと連動して、猫も杓子も緊縮財政とお題目のように唱えるようになっている。
 
 格付機関が世界の経済政策の決定権を持っているわけではない。まともな経済政策論議が求められている。
 
 今後の経済政策のあり方を検討する際に、必ず念頭に入れておくべきことは、現在の金融市場の不安定性が、サブプライム金融危機の延長上に存在しているという事実だ。
 
 サブプライム金融危機は、通常の金融危機とは異なり、金融派生商品=デリバティブ金融商品のバブル崩壊を主因に発生した点に最大の特徴がある。デリバティブ金融商品の想定元本は700兆ドルにも達し、わずか1%の損失でも600兆円程度の規模に達すること、また、バランスシートに計上されない取引が多く、全貌をつかみにくい点に特徴がある。
  
 これまで否定されてきたケインズ政策が急きょ脚光を浴び、世界でケインズ政策が採用され、金融市場は落ち着きを取り戻した。ところが、のど元過ぎて熱さ忘れるのたとえ通り、いきなり、財政再建原理主義が世界中に蔓延し始めた。
 
 米国では10年間で2.4兆ドルの財政赤字削減方針を決めながら、今度は4500億ドル規模の景気対策を発表するなど、支離滅裂な対応が見られているが、その背景には2012年大統領選に向けての政局上の駆け引きが存在している。

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『金利・為替・株価特報』第140号=2011年9月9日号を発行した。
 
 タイトルは、
 
「金融危機を招く日米欧の緊縮財政政策協調」
 
目次は以下の通り。
 
<目次>
1.  【概説】世界連鎖株安の引き金を引いたオバマ緊縮財政

2.  【政治】遠のいた日本政治刷新と野田政権の行く末
 
3.  【政策】2012年度の超緊縮財政が経済崩壊をもたらす
 
4.  【米国】財政金融政策発動も効果は限定的か
 
5.  【株価】震災復興景気が誘導されない日本
 
6.  【為替】収束していない欧州財政危機と円実質金利高
 
7.  【金・原油・中国】世界経済減速を映す中国と原油
 
8.  【金利】財政デフレを織り込み始めた債券市場
 
9.  【投資】投資戦略

 野田政権が誕生したが、その本質は財務省増税政権である。財務省に取り込まれているマスメディアは懸命に野田政権を支援しているが、現実経済の崩落が野田政権を徐々に追い詰めてゆく可能性が高い。
 
 日本経済、世界経済の動向を慎重に見極めなければならない。

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2011年9月 9日 (金)

旧日債銀粉飾決算事件逆転無罪判決の闇

1998年に経営破綻した日本債券信用銀行の粉飾決算事件で、差し戻し後の控訴審判決が8月30日に東京高裁であった。飯田喜信裁判長は旧証券取引法違反の罪に問われた窪田弘元会長ら旧経営陣の3被告を無罪とする逆転判決を言い渡した。
 
 検察側が最高裁に上告する可能性があるため、現段階ではまだ確定していないが、最高裁が有罪判決を下した高裁に差し戻した事案であり、仮に検察が最高裁に上告しても、無罪判決は変わらないと考えられる。
 
 私はこの事件について、2008年7月に以下の二つの記事を掲載した。
 
長銀事件逆転無罪判決の闇」
 
「長銀事件逆転無罪判決の闇(2)
 
である。
 
 
前者の記述を以下に転載する。

「旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件で、最高裁判所は7月18日、執行猶予付き有罪とした1、2審判決を破棄、元頭取ら3人に逆転無罪を言い渡した。
 
 刑事事件で最高裁が逆転無罪判決を出すのは極めて異例である。
 
 日本の三権分立はおとぎ話である。内閣総理大臣が三権を掌握し得るのが実態である。政治権力は司法、警察、検察に対しても支配力を及ぼすことが可能である。
 
 今回の最高裁判決の真のターゲットはこの事件にはないはずだ。旧長銀と類似した事案で裁判が行われている「日債銀事件」が謎を解く鍵である。
 
「日債銀事件」では大蔵省OBで国税庁長官を務めた窪田弘氏が起訴され、1審、2審で執行猶予付き有罪判決が出されている。
 
 大蔵省、財務省は、同省最高幹部を経て日債銀に天下りした窪田氏の有罪確定を回避することを最重要視してきた。
 
 長銀事件が最高裁で逆転したことが、日債銀事件に影響する。
 
 日債銀事件で同様の逆転無罪判決が出されるなら、ここに示した仮説が間違いでないことが判明すると考える。
 
 日本の権力構造の闇は限りなく深い。」

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最高裁は、2008年7月に、旧長銀粉飾決算事件の被告に対して、異例とも言える事実認定を変更しての無罪判決を示した。
 
 最高裁では憲法違反および最高裁判例違反を審理するのが通常で、事実認定を変えて逆転判決を示すことがほとんどない。
 
 そのなかで、異例の事実認定を覆しての逆転無罪が示された。
 
 その理由は、ただひとつ。
 
 旧大蔵省幹部職員を救済することだった。
 
「長銀事件逆転無罪判決の闇(2)」
に記述したが、旧長銀事件で逆転無罪判決を示した最高裁担当裁判官の一人は、津和野修氏であり、完全な大蔵省出身判事だった。
 
 つまり、津和野氏が画策して、旧長銀事件の異例とも言える逆転無罪が強引に提示されたのだと推察される。
 
 その目的は、同種事件で高裁有罪判決を受けた元国税庁長官窪田弘氏を救済することだったと考えられる。
 
 窪田氏は1992年に日債銀に天下った。1997年に日銀から東郷氏が頭取で天下るまで5年間、日債銀トップに君臨した。東郷氏の場合、日債銀に移ってすぐに経営破たんだから、責任を負わせるのは酷であるが、窪田氏の場合はまったく違う。まさに不良債権問題のただなかにいた人物である。
 
 1992年には住宅金融専門会社、いわゆる住専が経営危機に直面した局面である。この時点で住専を破綻処理し、損失を確定していれば、日本の不良債権問題は泥沼に嵌らずに済んだはずだ。
 
 ところが、住専は大蔵省の重要天下り先でもあったため、大蔵省は住専を破綻処理せず延命させ、その結果、不良債権が雪だるま式に膨張していった。
 
 日債銀の経営も極めて類似している。すでに破たん状態にあるノンバンクに対して、担保も確実に取らずに、損失を表面化させないために追加融資を繰り返し、その結果、銀行の損失を膨張させたことで窪田氏などの責任が問われたのである。

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日本の場合、裁判も、警察も検察も、法の支配ではない、裁量が支配する。構造的に、日本の警察、検察、裁判所制度は致命的欠陥を抱えているのだ。
 
 大蔵省元職員の高橋洋一氏は金品窃盗の現行犯で逮捕されながら、無罪放免にされた。元大蔵省のキャリア職員だからである。
 
 まったく同じことをして、人によっては逮捕、勾留、起訴されて、実刑判決まで受ける者がいる。
 
 かたや、同じ罪を犯しながら、無罪放免にされる。
 
 官僚であるから無罪、国の政策を批判している在野の人間だから有罪などの裁量的な運用が野放しにされている。
 
 さらに問題であるのは、何の罪も犯していない無実潔白の人間を、公権力を不正に行使して犯罪者に仕立て上げ、逮捕、勾留、起訴し、有罪、実刑などの境遇に落とし込むことが平然と実行されていることだ。
 
 私はその被害者である。

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警察、検察の驚くべき裁量権は、警察職員、検察職員の天下り問題と不可分に結びついている。
 
 まったく、腐りきっているとしか言いようがない。それが、日本の警察、検察、裁判所の実態である。
 
 小沢一郎元民主党代表の周辺だけが、不正で不当な検察権力行使によって、激しい攻撃を受けた。これをオランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン教授は
Character Assassinationと表現した。人物破壊工作である。欧米では政敵を攻撃するために、物理的な生命ではなく、社会的名声を失わせるための謀略工作がよく用いられることをウォルフレン氏は私たちに教えてくれた。
 
 電車内の痴漢冤罪事件でも、防衛医大教授は最高裁の事実認定変更により、逆転無罪判決で救済された。国立大学の職員だからである。私も場合も、事件の構図は極めて似ており、さらに私の無実を証明する決定的な目撃証人まで出廷してくれたが地裁は言語道断の不正判決を示し、高裁と最高裁は裁判を行う姿勢さえ示さなかった。

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警察、検察、裁判所の近代化、浄化は日本が近代国家に生まれ変わるための必須条件である。それなのに、検察はいまだに全面可視化に反対している。取調べに際しての弁護士同席も先進国の常識である。
 
 これらを認めるには、他の主要国で認めている捜査手法を日本にも導入するべきだと主張するなら、それらを認めてやればよい。
 
 取調べの可視化は、被疑者だけでなく、被害者、目撃者をはじめとするすべての関係者に一律に適用する必要がある。警察が被害者とされる人物や関係者と密室で謀議して、架空の犯罪をねつ造するからである。
 
 日本の警察、検察、裁判所の実態は江戸時代よりもはるかに遅れたものであると思われる。

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2011年9月 8日 (木)

東北の野菜や肉についての正しい考え方

中部大学の武田邦彦教授が大阪読売テレビのローカル番組「たかじんのそこまで言って委員会」に出演して東北地方の農産物について発言した内容が問題視されている。
 
 武田氏は「一関には放射性物質が落ちている。子どもは東北の野菜や牛肉を食べたら健康を壊す」と発言したと報道されている。
 
 武田氏の発言に、事実と異なる部分があるなら、武田氏は訂正するべきだが、この種の発言に対して、言葉狩りのような対応を示すことは正しくないと思う。
 
 これは、原発事故発生当初から生じている問題で、私も本ブログで何度も取り上げてきた。事実無根の不安心理を煽る発言は当然のことながら示すべきではないが、低線量被曝と内部被曝のリスクの有無については、学術的にもまだ完全な回答は得られていない。大丈夫だとする説もあれば、低線量の被曝でも影響を受ける人が存在するとの説もある。
 
 しかも、ヨウ素131やセシウム137、あるいはストロンチウム90、プルトニウム239などの子どもの健康への影響は10年ないし20年経たないとはっきりしないとの学術的な報告もある。住民への影響を考慮するに際して、これらの影響を慎重に吟味しようとする姿勢は称賛されこそすれ、非難の対象とするべきものでない。また、多くの放射性物質の半減期は長く、飛散した放射性物質の影響は長期に残存する。
 
 消費者が絶対安全なものだけを摂取したいと考えるのは当然のことである。この消費者の姿勢を誰も非難することはできない。
 
 他方、農林水産物の生産者が、原発事故による放射能放出によって、生産物が販売不能に陥ったり、販売が振るわずに価格が下落して、売上金額が減少することについて、心配したり、怒ったりすることも当然の反応である。
 
 この農林水産物生産者に、出荷許可を出しているのだから頑張って売れと言い放って、何らの救済措置を取らないことは不当である。

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武田教授の発言の基軸は、放射能汚染に対して、慎重のうえにも慎重を期すべきであるとの基本姿勢を示したものであり、個別事案について事実と異なる部分については、もしそのような部分があるなら訂正と謝罪が必要だが、基本姿勢そのものは間違ったものではない。
 
 このような発言に伴い、安全を重視する消費者の行動が間違っているとの空気が醸成されることは不当である。このことは、原発放射能放出事故を発生させた責任が電力事業者にあるにもかかわらず、放射能汚染による被害の責任が安全を重視する消費者に転嫁されてしまうとの、根本的な誤りを生み出しかねない。
 
 実際に、これまでの事実経過を振り返ってみても、政府の発言をそのまま信用するわけにはいかないのだ。「市場に流通する農林水産物は、絶対的安全を確保したものだけである」と政府は繰り返し発言してきたが、実際には、流通して、消費者がすでに摂取してしまった後で、牛肉にしても野菜にしても、規制基準値を超えるものが流通していたことが何度も判明している。
 
 この点を踏まえれば、政府の示す「安全」は原発そのものの安全と同様に、「絶対安全」ではないのだ。

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『週刊ダイヤモンド』2011年9月11号タイトルは
「汚れるコメ 食卓に迫る危機の正体」

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である。28ページから63ページまで、巨大特集が組まれている。その冒頭には、
「放射能汚染への懸念から、安全性に疑念の目が向けられている」
との記述がある。
 
 武田氏を糾弾するのなら、このような冷静な分析に基づく、リスクへの警告書も糾弾しなければならないことになる。放射能汚染の危険性を指摘する一切の発言、言論を封殺し、「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」を実行するのが、正しい姿勢とでも言うのだろうか。
 
 週刊ダイヤモンドが指摘するのは、コメの安全性検査の手法に疑問があり、その手法が恣意的であるということだ。特集では、「穴だらけの検査手法」とのタイトルの下に、問題点を図示している。
 
 当然のことながら全粒検査ではなく、サンプルとしてピックアップした地点でのみ検査が実施される。いわゆるホットスポットなどの重点調査区域では15ヘクタールに1点だが、その他の調査区域では、1市町村当たり7地点でしか検査は行われない。しかし、ホットスポットのすべてが掌握されていないのだから、本当は検査しなければならないのに、検査されない箇所は無数に存在するだろう。
 
 また、同特集は他県産のコメ袋が福島県に続々と集められている現実も伝えている。コメ袋の空き袋は産地・銘柄偽装の道具としてよく知られているとの記述もある。

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私たちが目を皿のようにして警戒しなければならない最大の理由は、政府に、農林水産物をできるだけ安全なものとして取り扱いたいという、強い誘因が存在していることにある。農林水産物が安全基準を下回り、流通不能になることは、そのまま、政府と東電の原子力損害賠償の対象になる。
 
 原発事故発生直後から、政府の避難勧告措置は後手に回り、小出しに終始した。本当に安全を第一に考えれば、まず避難エリアを過大に設定し、現実が明かになるに連れて、避難エリアを段階的に縮小する手法が取られるはずだ。
 
 ところが、現実には、その時点の情報での最小限度に避難エリアを抑制したから、何度も避難エリアを拡大してゆかねばならなくなったのである。
 
 その理由は、ただひとつ。政府の財政支出を抑制したいことだけにあった。つまり、政府は国民の生命、健康を犠牲にしてでも、財政支出を抑制する行動を、現実に採用してきたのである。
 
 その行動原理が突然変わるわけがない。だから、政府の言葉としての「安全」は信用できないのだ。専門家の間でも意見が分かれているが、これまでの研究実績などを勘案して、信用の置けそうな人物を見定めて、各個人が独自に判断をしているのが現状である。
 
 そのなかで、武田邦彦氏の精力的な情報発信を高く評価する国民が多数存在するのは事実である。武田教授の発言内容は政府の説明と食い違う部分が多いが、それでも、各種情報のなかから取捨選択して、武田教授の発言内容に一定の信頼を置いている人は多いと思われる。
 
 なかには、武田教授の指摘は、過剰な警戒論だと判断する人もいるだろう。専門家のなかでも、低線量被曝のリスクは小さいとか、むしろ健康にプラスだとさえ主張する研究者もいるのだから、それは当然のことだ。
 
 ただ、学術的に統一した解が明確に示されていない以上、各個人が誰の主張に依存して判断し、行動するのかは、結局、各個人に委ねる以外に道はない。

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ミクロ経済学ではリスクに対する意識に個人差があることを前提に理論を構築する。安全を好むものをリスク回避者、危険を好むものをリスク選好者と呼んで区別するのだ。もちろん、すべての個人がマイナス1とプラス1のどちらかに分類されるのではなく、プラス1からマイナス1まで、まんべんなく人のリスク選好度は散らばっている。
 
 安全を重視する人=リスクを回避したい人が存在して当然なのだ。もちろん、事実を正確に把握して、合理的な理由に基づいてリスクを指摘する必要はあるが、リスクが存在するかもしれないものを、絶対安全だと断言し、リスク重視の発言を封じることは正しくない。
 
 放射能汚染で生産物を出荷できないために生じる損害が、東電と政府によって完全に補償されることが何よりも大事なことなのだ。消費者がリスク回避を強めると、生産者が迷惑を蒙るから、リスクを回避する行動を取るなとする姿勢は、政府と東電の責任を消費者に転嫁する結果につながる。
 
 リスクを回避する消費者が加害者で生産者が被害者だとする図式は絶対の間違いであることを正しく認識しなければならない。リスクを回避する消費者と、生産物が売れなくて困る生産者は、どちらも原発事故の被害者なのだ。
 
 本稿を書き終えてから発見したが、「カナダde日本語」の美爾依さんが、「武田邦彦氏の「汚染された農産物を流通させるべきではない」との主張を支持する」とのタイトルで記事を掲載されていた。ぜひ、ご一読賜りたい。

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2011年9月 7日 (水)

増税・原発・基地・献金・天下りが次期総選挙の争点

「格闘する21世紀アポリア」を主宰される不破利晴氏が、
「国民のレベル、政治家のレベル」

と題する記事で、S・スマイルズの「自助論」の一節を引用され、論評を示されている。引用された一節を転載させていただく。
 
「政治とは、国民の考えや行動の反映に過ぎない。どんなに高い理想を掲げても国民がそれについていけなければ、政治は国民のレベルにまで引き下げられる。逆に、国民が優秀であれば、いくらひどい政治でもいつしか国民のレベルまで引き上げられる。つまり、国民全体の質がその国の質を決定するのだ。」
 
 日本政治の現状は、国民の水準を示しているということになる。
 
 2009年8月総選挙を通じる政権交代によって、日本政治は根底から大きく変革するとの期待が沸騰した。現実に日本政治を根底から変革するための政策課題=アジェンダが提示されたのは事実である。
 
 しかし、明治以来の140年、敗戦以来の65年の長期にわたって維持された日本の政治構造における既得権益者=日本の支配者が易々とその地位を明け渡すとはもとより考えられなかった。
 
 米国・官僚・大資本のトライアングルが日本支配の実権を握り続けてきた。そして、その手先として活動する利権政治屋と御用電波事業者=マスゴミもその利権のおこぼれの頂戴にあずかってきた。
 
 この利権複合体=悪徳ペンタゴンが、米官業による日本政治支配の構造を堅持しようと、死に物狂いの抵抗を演じることは明白だった。

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重要なことは、これらの利権複合体による巻き返しを主権者である国民が認識し、それを許さないことである。
 
 主権者国民は、その後の国政選挙である2010年7月参院選でも、利権複合体による巻き返しを許さないとの意思を表示した。利権複合体によるクーデター政権である菅政権に不信任を突きつけ、菅直人氏が突然持ち出した消費税大増税提案にも明確にNOの意思を示した。
 
 しかし、民主党が利権複合体勢力に牛耳られている現状では、次の総選挙で、主権者国民による政治確立を訴える政治勢力が存在しない状況になる。与党も野党も利権複合体勢力が仕切る政党では、主権者国民が主権者国民によって支配する政治の実現を目指しても、その意思を受け入れる受け皿政党が存在しないことになる。
 
 利権複合体が支配する政治から脱却するための具体策は、先の総選挙でも明示された。
 
①普天間基地の県外・国外移設
②官僚天下りの根絶
③企業団体献金の全面禁止
 
の三つだ。

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野田佳彦政権が発足したいま、この三つの課題をよく見つめ直してもらいたい。脚下照顧である。
 
 野田佳彦氏は普天間を辺野古以外の場所に移設することを、米国に明確に伝えることができるか。辺野古への移設を決めた日米合意をそのまま踏襲すると発言するのではないか。
 
 官僚天下りの根絶は、「天下りあっせん」の禁止ではない。どれほど天下りが横行しても、「あっせん」ではないと強弁すれば、それが通るなら、そんな規定は「ざる規制」でしかない。
 
 国土交通省の天下りも「あっせん」が明白でありながら、「あっせんではない」の強弁がそのまま押し通されているではないか。
 
 野田氏は財務相を経験したのだから、まず、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りをまず全面禁止するべきだ
 
 国民に増税などを口にする前に、まず、これを実行することだ。国民全体が一枚岩になって、この主張を野田氏に突き付けるべきだ。野田氏がこれを受け入れないなら、国民は絶対に増税を受け入れるべきでない。

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政治が大資本によって支配される構造は、現行制度が企業献金を認めていることから生じている。岡田克也氏などは個人献金は良いのだなどと述べるが、全国電力会社の経営陣による個人献金実績を見るがよい。個人献金の装いを凝らした企業献金が大規模に実施されているではないか。
 
 政治献金そのものを全面禁止しなければ弊害を除去することはできない。したがって、政治献金の全面禁止を実現しなければならないのだ。
 
 カネの力で政治を左右できる状況を打破しなければならない。政治に必要なお金は国費から拠出すべきだ。すべての政治活動家が金銭面で、同じ状況で活動できる状況を作り出すことが必要なのだ。
 
 金持ちが自分の金を使って政治活動を行えると、金持ちだけが政治家になれることになってしまう。したがって、自分の金の拠出についても制限し、金の面では、すべての政治活動家の条件を等しくするための規制が必要である。
 
 野田氏は企業団体献金の全面禁止の法案を次期通常国会に提出すると言明したか。消費税大増税の提案よりも、企業団体献金全面禁止の法案の方が、はるかに前の課題であり、こちらを優先するべきだ。

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上記三つの課題に加えて、新たに「脱原発」の方針の是非が政治のテーマになる。
 
 次期総選挙では、
①普天間基地の国外移設
②官僚天下りの根絶
③企業団体献金の全面禁止および偽装個人献金の禁止
④脱原発
 
を明確に掲げる政党が登場しなければならない。この方針を掲げる政党が登場して、なおかつ主権者国民がその政党に日本政治を委ねる選択を示さないなら、それは国民の選択であり、それが日本国民のレベルである。
 
 この方針を提示する政党は同時に、
⑤官僚天下りの根絶無き増税を封印
を明確に掲げるべきだ。
 
 増税論議の前に天下り根絶を実現しなければ、天下り根絶は永遠に実現しないことになる。
 
 この方針を明示する政党は、来年秋の代表選で主権者国民勢力が権力を奪還する民主党か、もしそれが実現しない場合に、民主党から分裂し、同志を糾合する「減税日本」などの新政党かのいずれかになる。
 
 日本国民の意識のレベルが問われることになるのだ。

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2011年9月 6日 (火)

野田佳彦氏と小泉元首相・与謝野馨氏は同じ穴の貉

東日本大震災発生から間もなく半年の時間が経過する。震災復旧・復興対策は何よりも優先して立案され、予算化されて実施されてこなければならなかったが、まだ、その立案さえ実現していない。
 
 政府の対応の遅れは万死に値する。
 
 野田政権が発足してようやく第三次補正予算が編成されることになる。本格的な復興政策は第一次、第二次補正予算には盛り込まれなかったから、第三次補正予算で初めて具体的政策が講じられることになる。
 
 政府は震災復旧・復興政策の規模を19兆円と算出しているが、まったく不十分である。40兆円から50兆円規模の政府支出を集中して実施し、被災地の復旧・復興と日本経済の立て直しを一挙に実現するべきである。
 
 政府は財源問題にばかり関心を向けているが、これから実施する政策は実物資産を形成するもので、消費に充てる支出ではない。支出に見合う資産が形成されるのであるから、その財源を短期で調達することは、現代世代から将来世代への所得移転をもたらすことになる。被災者はこの負担が新たに生じなくても厳しい生活を余儀なく迫られているのであるから、さらに追い打ちをかける負担の増加は避ける必要がある。
 
 復興事業の財源は政府資産を売却して調達するべきである。過剰に保有している米国国債残高を減少させることを検討するべきだ。外為特会の剰余金を使うとの提案があるが、外貨準備では、元本部分で巨額の為替損失を生んでおり、金利収入を剰余金として利用できると考えるのは大間違いだ。
 
 外国為替資金の巨額損失のその責任を国会は厳しく追及しなければならない。財務省は外為特会の剰余金を利用して、豪税な海外旅行を繰り返し行っているが、これにもメスを入れる必要がある。
 
 外為特会の剰余金は全額、為替損失の穴埋めに使うべきものである。これを穴埋めに使っても、なお数十兆円単位の為替損失が残るのである。これ以上、損失を拡大させないために、米国国債を売却すべきなのだ。
 
 これ以外に、日本たばこ産業の株式を政府が保有している。政府は日本たばこの株式をすべて売却し、財務省からの天下りを今後禁止するべきである。また、NTT株式も売却可能である。

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これらの資産売却で賄えない部分は建設国債を発行すればよい。復興政策で創設されるインフラ資産は平均で60年間効用が発揮されるものである。したがって、建設国債で調達した資金は60年間かけて返済するのが、経済学的に見ても合理的である。
 
 政府は2010年代半ばに、1年あたり12.5兆円という、とてつもない規模の大増税を実施しようと企んでいる。主権者である国民は2009年8月総選挙、2010年7月参院選で、明確にNOの意思を表示しているから、この増税はまったく正統性を持っていない。
 
 今後、政府が提案をまとめ、総選挙で国民の判断を仰ぎ、国民がYESの意思を示したら、初めて具体化できる政策なのだ。主権者国民は簡単にはYESを言わないと思われる。なぜなら、政府が切るべきものを切っていないからだ。

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まず財務省だ。日本たばこもその一つだが、国民に負担を求める前に、官僚利権の中心である天下りを根絶しなければならない。
 
 日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りをまず根絶する必要がある。
 
 これが氷山の一角であることは自明だ。ここから始めるのだ。他省庁の天下りをピックアップして、順次禁止する。大所から始めて、小さな天下りにまでその範囲を広げてゆくのである。
 
 財政赤字が深刻だと言われて久しいが、増税を含む本格的な財政再建策が実行されてこなかった最大の理由がどこにあるか。
 
 財務省は「政治も国民も易きに流れすぎる」と発言するが、とんでもない事実誤認だ。財務省が本当に未来を憂い、増税を主張するなら、まず、財務省の利権を切ればよいのだ。われわれがここまで我が身を削った。もうこれ以上削れるものはない。だから、国民も負担を分かち合ってほしい。
 
 この姿勢が示されるなら、日本国民は積極的に増税政策に賛成するようになるだろう。ところが、財務省は、自分たちの利権には指一本触れようとしないではないか。

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日本政策投資銀行から西日本シティ銀行までの、わずか8機関への天下り根絶を、私は何年間主張し続けてきているか分かっているのか。少なくとも15年間は主張し続けてきた。
 
 しかし、この15年間、この問題に、財務省は何ひとつ誠意を示してこなかったではないか。日本政策投資銀行や国際協力銀行の表向きのトップには民間人を入れるようになったが、実質的な権限は財務省OBが握ったままではないか。ふざけるな、と言われて、財務省は何ひとつ反論できないだろう。
 
 私はこの問題を小泉純一郎氏にも投げかけた。本当に財政再建を実施したいと思うなら、まず、財務省利権に切り込むべきだと。政府系金融機関の整理がテーマにされたから、財務省からの天下りを切れと小泉氏に突き付けた。
 
 しかし、小泉氏は財務省の天下りをそのまま温存した。結局、財務省には厳しい姿勢を示せなかったのである。

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野田佳彦氏が財務省の言いなりになって財政再建を主張しているのではなく、国の将来のために財政再建を主張しているのなら、まず、財務省の天下りを切る点で、リーダーシップを示してもらいたい。
 
 国家議員定数の削減だの、公務員給与削減などの問題は枝葉末節だ。重要なのは、キャリア官僚の利権、天下り大御所ポストを一掃することなのだ。これが出来なければ、増税は絶対に簡単には通らない。
 
 小泉純一郎氏も与謝野馨氏も野田佳彦氏も、結局は同じ穴のむじなだ。財政再建を前進させるために、何よりも重要な財務省の天下り利権を切るとは、絶対に口にできないのだ。財務省に指示をして財政再建を進めるのでなく、財務省に指示されて財政再建を叫んでいるだけなのだ。
 
 野田氏に期待できる点はないが、野田氏が本気で財政再建を目指すなら、まずは、財務省の天下り禁止を実行してもらいたい。これを実行したら、すべては大転換を始めるだろう。

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2011年9月 5日 (月)

自民党と第二自民党の二大政党制は日本の終わり

2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任して以来、日本の支配者は小沢一郎氏を警戒し続けた。その理由は極めて単純である。小沢一郎氏が日本の既存秩序、すなわち、利権複合体による日本支配の構造を破壊する可能性を認識していたからである。
 
 日本を支配する利権複合体を構成する勢力とは、米国、官僚、大資本を軸とし、その手先として活動する利権政治屋と電波産業である。この米・官・業・政・電の利権複合体を私は悪徳ペンタゴンと称しているが、戦後日本の政治はこの悪徳ペンタゴンによって支配され続けてきた。
 
 この構造を打破し、新たに主権者国民が支配権を持つ政治構造を確立することが、日本における政治革命である。小沢一郎氏が掲げた「国民の生活が第一」のスローガンに、この意識が示されていた。
 
 財務省と米国と結託した竹下登氏が「三宝会」なる秘密組織を立ち上げて、メディアによる小沢一郎氏攻撃を組織的に展開して現在に至っていることも、米官業の利権複合体が小沢一郎氏を最大級に危険視してきたことの表れである。
 
 小沢一郎氏が民主党代表に就任して、初めて日本の政治革命実現の可能性が広がった。岡田克也氏、前原誠司氏が指揮した民主党が壊滅寸前の状況に追い込まれたときに、小沢一郎氏が民主党代表に就任した。これを契機に民主党は大躍進を遂げ、2007年の参院選に勝利し、政権交代実現に迫った。
 
 しかし、この間も、2007年秋には大連立騒動、2008年春には日銀幹部人事、2008年秋には民主党代表選での複数候補擁立要請などのできごとのなかで、小沢一郎氏を失脚させようとする活動が活発に展開された。

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これらの工作活動がすべて失敗に終わり、遂に悪徳ペンタゴンは禁断の領域に手を染めた。検察権力を不正に利用して、小沢一郎氏の政治生命を脅かす行動に踏み出したのである。この第一弾が2009年3月3日の大久保隆規氏の不当逮捕である。この逮捕を原因として小沢一郎氏は同年5月11日に民主党代表職を辞任する意向を表明した。
 
 しかし、のちになって、この3月3日の大久保氏逮捕が世紀の大誤認逮捕だったことが判明する。マスメディアがこの重大事実を報道していないから、いまだにその事実すら国民には知らされていない。
 
 つまり、本来は2009年8月総選挙を通じて小沢一郎政権が誕生していたのである。しかし、この小沢一郎政権は、悪徳ペンタゴンによる西松建設事件ねつ造冤罪大久保氏不当逮捕によって阻止されたのである。
 
 2009年9月に発足した鳩山政権は、米官業による日本支配を主権者国民支配の構造に変革しようとした政権であった。この鳩山政権が実績をあげて2010年7月参院選を勝利したら、日本の政治革命はとりあえず完成の域に達するところであった。
 
 悪徳ペンタゴンは2010年7月参院選で民主党を敗北させることに全力を注いだ。マスメディアに民主党小沢・鳩山攻撃に全力を注がせた。さらに、検察は2010年1月に民主党石川知裕衆議院議員の逮捕にまで進んだ。しかし、検挙の事由は文字通り重箱の隅を突くほどのものでしかなかった。
 
 鳩山政権は普天間問題の処理で失敗し、内閣総辞職に追い込まれた。この機に乗じて悪徳ペンタゴンは民主党内の悪徳ペンタゴン勢力を動員して、民主党内でのクーデターを挙行し、権力を主権者国民勢力から強奪させた。
 
 2010年9月の民主党代表選では、小沢一郎氏が立候補し、権力の奪還を試みたが、メスメディアによる激しい小沢氏攻撃と限りなく黒に近い不透明な選挙により、権力奪還が実現しなかった。

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菅直人氏の失政は覆いようがなく、今回の代表交代になったが、今回の代表選では海江田陣営が中間勢力を陣営に引き入れることができずに、権力奪還にまたしても失敗してしまった。
 
 悪徳ペンタゴンが狙うのは、日本の二大政党制を、米官業の支配構造を支持する二つの勢力に担わせることである。米官業の支配体制を構築してきたのは自民党であるが、この自民党とほぼ変わらない、別の勢力を打ち立てて、この勢力と自民党との二大政党体制を構築すれば、今後、何度政権交代が実現しても、米官業による日本政治支配の構造は変わらない。
 
 利権複合体は、民主党内の主権者国民勢力の殲滅(せんめつ)を狙っている。このまま、民主党の実権を利権複合体派が握り続け、民主党内の主権者国民勢力が自然消滅すれば、まさに利権複合体勢力の思うつぼになる。

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この状態を打破するための方策は二つしかないと思われる。
 
 ひとつは、2012年秋の民主党代表選で、主権者国民勢力が民主党代表ポストを奪還し、民主党をもう一度、主権者国民政党に変質させることである。小沢一郎氏が代表選に立候補して、この道を実現するのが最も分かりやすい道である。
 
 もうひとつは、民主党内の主権者国民勢力が民主党から離脱して、新たに主権者国民勢力を糾合して、新政党を樹立することだ。現在の民主党執行部は自民党、公明党と連携して政権を維持するだろう。
 
 主権者国民勢力新政党は次の総選挙での政権奪取を目指すことになる。
 
 いずれの道を進むのが良いのか。今後の状況を見極めつつ進まざるをえない。震災復興対策をこれ以上、先送りすることも許されない。政局の混乱が長期化すれば、政治が本来の役割をまったく果たせない状況が持続してしまう。
 
 米官業による日本政治支配の構造を打破しなければならないことは明確である。悪徳ペンタゴンの巻き返しにより、日本政治刷新の大目標はとりあえず、やや遠のいたことは否めない。しかし、ここでさじを投げてしまえば、すべては終わってしまう。主権者国民勢力による権力奪還を主権者国民があくまでも追求してゆかねばならない。

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2011年9月 4日 (日)

野田佳彦氏はLeaderではなく財務省原稿のReader

民主党代表選が野田佳彦氏の勝利に終わり、野田政権が発足し、小沢一郎元代表に近い輿石東氏が民主党幹事長に就任、また、山岡賢次氏と一川保夫氏が入閣したことで、政局の季節はいったん収束に向かう。
 
 さまざまな問題が積み残しになっているが、現実は待ったなしで動く。野田体制で新しい時間が刻まれてゆくことになる。
 
 野田新政権が適切な政策運営を実行するなら、1年後の民主党代表選では野田氏が再選されることになるだろう。しかし、その保証は皆無だ。
 
 野田政権の政策運営が不適切であれば、1年後には代表交代、首相交代の声がこだまするようになるだろう。これが、過去5年間、繰り返されてきた年中行事の光景である。
 
 2012年民主党代表選に小沢一郎元代表が出馬し、小沢氏が内閣総理大臣に就任するべきである。そのためには、小沢氏のグループが結束力を強化するとともに、民主党内中間派勢力を糾合する必要がある。今回の代表選で海江田氏が敗北した最大の理由は、中間勢力の取り込みに失敗したことにある。
 
 主権者国民にとっては、日本政治刷新の大きな目標が、大幅に遠のいてしまった。2009年8月総選挙を通じて、やっと実現した政権交代であったが、2010年6月にクーデターを挙行され、権力が主権者国民の手から利権複合体の手に渡ってしまった。
 
 2010年9月代表選、2011年8月代表選は、主権者国民が利権複合体から権力を奪還する大きなチャンスであったが、それが成功しなかった。しかし、こんなことであきらめてはならない。
 
 日本政治を利権複合体のためのものである現状を打破し、日本政治を主権者国民のためのものにすることは、永遠の課題である。その課題実現に手が差し掛かったが、利権複合体の激しい抵抗により、再び、権力が利権複合体の側に回ってしまったのだ。

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利権複合体とは、米国、官僚、大資本のトライアングルを軸とし、その手先である利権政治屋と電波産業=マスメディアを総称したものである。野田佳彦氏が民主党新代表、新首相に就任したが、野田氏が利権複合体の側に立っていることは明白である。
 
 米国、官僚、大資本の利益が優先される。このことは、主権者国民の利益が損なわれることを意味する。
 
 野田氏の行動を見るがよい。
 
 まず、米国に恭順の意を表明した。宗主国米国の命令に従うことを誓約したのである。
 
 野田氏の発言内容のほぼすべてを財務省が書いている。野田氏の提案は100%財務省の提案だと考えてよい。したがって、野田氏は財務省の天下りを切らない。
 
「官僚が支配する日本」を変える意思があるかどうか。これを判定するのは容易だ。官僚天下りを根絶するのかどうかですぐに分かる。
 
 より具体的に示せば、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本銀行、東京証券取引所、日本たばこ産業株式会社、横浜銀行、西日本シティ銀行への財務省天下りを根絶するのかどうかだ。
 
 断言しても良い。野田氏は上記8機関への財務省からの天下りを絶対に禁止しない。このことが、野田氏が財務省利権の擁護者であることの証左である。野田氏は財務省の利権を切らずに、国民に重税を強制する方向に政策を進める。

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2010年代なかばに消費税率を10%に引き上げる税制改正法案を2011年3月までに国会に提出することに、根拠は存在しない。野田氏が主張する所得税法附則104条は、この増税とは無関係のものである。所得税法附則104条は、2009年8月総選挙および2010年7月参院選ですでに主権者国民が否定したものだ。
 
 3党合意は、民主党が民主党の政策方針を否定し、野党自民党と公明党の政策方針を採用することを決めたもので、主権者国民に対する背任を示すものだ。この3党合意を野田新首相が守るということは、民主党が2009年8月総選挙マニフェストを一方的に破棄することを意味すると同時に、震災復興対策の財源を復興増税で賄うことを意味するものである。
 
 政府は震災復旧・復興対策にかかる金額を合計19兆円としている。このうち、6兆円がすでに第二次までの補正予算に計上された。しかし、財源ではこのなかの2.5兆円の調達方法が定められていない。
 
 今後の支出規模が13兆円とされているが、このうち、10兆円を復興増税で賄う方針とされる。さらに第一次補正予算の財源未確定分2.5兆円も復興増税の対象にされる可能性が高い。
 
 つまり、野田政権は今後5年間で12.5兆円の復興増税を実施しようというのだ。
 
 増税策はこれだけでない。復興増税は5年間合計で12.5兆円の増税だが、野田氏が実現しようとしている消費税増税は1年間で12.5兆円という規模のものだ。2年で25兆円、4年で50兆円、8年で100兆円という、桁違いの大増税が検討されている。
 
 この方向に野田政権が進むなら、日本経済の沈没はまず間違いないだろう。野田政権の寿命は最長で1年ということになる。

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自民党は首相交代でなく、解散総選挙だと叫ぶだろうが、民主党は解散する必要などない。自民党も小泉政権から、安倍政権、福田政権、麻生政権と3人が同じ衆議院任期中に登場して、衆議院を解散しなかった。だから、民主党が鳩山政権から数えて3人目の首相を仮に選出しても、自民党からクレームを付けられる謂れはない。
 
 新政権が2009年8月総選挙の原点に回帰する以上は、解散総選挙は必要ない。
 
 新しい首相の下で2013年秋に総選挙を行えばよいのだ。
 
 消費税増税の前に国民の審判を仰ぐことは、何度も何度も確認されてきたことだ。したがって、消費税増税を決めるなら、間を置かずに解散総選挙を実施しなければならない。
 
 総選挙を実施しないなら、増税を確定する税制改正を実施してはならない。2011年3月末までに消費税率10%法案を国会に提出する必然性は皆無だ。
 
 2012年度の超緊縮財政、12.5兆円の復興増税、平年度12.5兆円規模の消費税大増税が野田氏主導の下で実行されてゆくとするなら、日本経済の崩落は間違いないことになる。
 
 その場合には、野田氏は1年以内に退場処分を受けることになるだろう。また、外国人からの献金問題や、品川美容外科元理事長からの献金問題についても、今後、国会での追及が始まる。

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正しい経済政策が実行されなければ、野田氏が失脚する可能性は十分に高いのだ。日本の銀行、証券会社を取り巻く環境も極めて厳しいものになっている。再び、金融不安が噴出する可能性が十分にある。
 
 利権複合体の一味であるマスゴミは野田新政権を賞賛しているが、野田政権の前途は極めて暗い。財政再建よりも経済回復を優先し、増税よりも先に天下り根絶を有言実行する、真のリーダーが必要なのだ。
 
 野田佳彦氏は財務省が書いた原稿を読むREADERであって、日本と日本経済を正しい方向にLEADするLEADERではない。

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2011年9月 3日 (土)

野田首相は明年通常国会冒頭解散を断行するのか

「村野瀬玲奈の秘書課広報室」様が
「野田佳彦内閣発足。「選挙公約」は「自公民三党合意」より重いはずなのに」
と題する記事で、
「「選挙公約」よりも「自公民三党合意」が重いジコーミン政治は間違っています」
との意見を提示されている。
 
 これが正論である。
 
 村野瀬様が引用された時事通信社配信の「三党合意」を以下に転載する。
 
3党合意全文 
 
 
民主、自民、公明3党の幹事長が9日に交わした「確認書」の全文は次の通り。
 
1、歳出の見直しについては、以下の通りとする。
 
 高速道路無料化については2012年度予算概算要求において計上しないこととする。
 高校無償化および農業戸別所得補償の12年度以降の制度の在り方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。
 なお、これらを含めた歳出の見直しについて、11年度における歳出の削減を前提に、11年度第3次補正予算ならびに12年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認する。
 
1、上記歳出の見直しと併せ、子ども手当などの見直しによる歳出の削減について、11年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の付則に明記する。
 
1、法人税減税などを含む11年度税制改正法案(その内容を1部切り出して6月22日に成立した法律にあるものを除く)については、復興のための第3次補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議する。
 
1、東日本大震災復興基本法第8条に規定する復興債の償還財源の具体的内容や償還ルールなど、あらかじめ決めることとされているその償還の道筋については、第3次補正予算の編成までに、各党で検討を進める。
 
1、11年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、第3次補正予算の編成の際に、復興債で補填(ほてん)することとし、そのための財源確保策と併せて、各党で検討する。
 
1、以上を踏まえて、特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。
 
(ここまで転載)

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わかりにくい表現が多いが、結論をざっくりと表現すると、
 
①民主党マニフェストに盛り込まれた、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家個別所得補償を「見直す」
 
②復興財源を賄う復興債の償還方法について、第三次補正予算編成までに方針を決める。
 
③年金国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるための財源を第1次補正予算に流用したが、これも復興債で調達する。
 
④いったん取りやめにした法人税減税については、改めて考える。
 
ということになる。
 
 これも、肝心な部分がぼかしてあるので、今後提示されることになる結論まで含めて書き直すと、
 
①民主党マニフェストに盛り込まれた
 高速道路無料化は中止
 子ども手当は従来の児童手当に戻す
 農家個別所得補償制度は中止
 高校授業料無償化は見直し
することとする。全体として、民主党マニフェストをほぼ全滅に追い込む。
 
②復興政策19兆円のうち、第二次補正までの6兆円を差し引いた13兆円を今後策定するが、当面の5年間では10兆円規模になる。この10兆と国民年金国庫負担2.5兆円分の合計12.5兆円を復興債で調達し、この償還財源に復興増税を充てる。増税規模は12.5兆円になる。
 
③一時的に取りやめた法人税減税は実施する。
 
 これが、3党合意の実質的な内容だ。

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すべてを書いているのは財務省だ。財務省の政策に乗っているのは、旧与党の自民党と公明党で、これに菅政権の民主党が加わったわけだ。
 
 大事なことは、民主党は国民とまったく別の約束をしてきたことだ。
 
 子ども手当、高校授業料無償化、農家個別所得補償、高速道路無料化はマニフェストの目玉である。マニフェストの根幹と言っても良い。これを投げ捨てることを菅政権が主権者国民の同意を得ずに、勝手に自民党、公明党と決めてしまった。
 
 民主党代表選でこれをおかしいと述べたのは海江田万里氏だけだった。海江田氏が正しく、他の4名が間違っていたのに、野田氏は、「3党合意を守らずに国会運営を円滑に進められるか」と海江田氏を批判すると、マスゴミが一斉に海江田批判を展開した。
 
 民主党は国民に対して責任ある約束としてマニフェストを提示した。政権を獲得した場合に、何を実行するのかについての国民との契約書である。この契約書を守れと主張した者が叩かれて、契約書を勝手に破棄した者が絶賛されているのだ。

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もうひとつ、国民と交わした重大な約束がある。それは、消費税増税を封印し、まずは官僚利権を切るとしたことだ。官僚利権の中心は天下り利権である。つまり、天下り根絶を実行するまでは消費税増税論議を封じるというのが、総選挙の際の公約だった。
 
 これは3党合意の外だが、野田佳彦氏は麻生政権が定めた所得税法附則104条を根拠に2011年度中の税法改定を主張している。これは、とんでもない間違いである。この点については、
 
8月29日付記事
「マスゴミ誘導四者連合粉砕し海鹿連合で決着せよ」
に詳しく書いた。
 
 附則104条に定めのある税制改正は、すでに消滅している。菅政権が勝手に決めた2010年代なかごろに消費税率を10%にするとの方針と所得税法附則104条とは関係がない。
 
 菅政権が決めた消費税増税方針は、民主党の主権者国民との契約に明らかに反している。野田政権は主権者国民との契約を踏みにじる菅政権の方針をそのまま引き継ぐと言っているのだ。

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復興対策の財源をどのように調達するのかについては、代表選で意見対立があった。海江田氏、鹿野氏、馬淵氏は建設国債での調達を主張した。償還は建設国債のルール通り、60年間とすることを明示した。
 
 これに対して、野田氏と前原氏が復興債での調達を主張し、その償還財源をできるだけ早期に実施する復興増税で賄うとの主張を示した。
 
 この点については、総選挙の際の公約がないが、過去の事例を踏まえる限り、超緊縮財政政策に突き進めば、経済を破壊する。野田氏が主張するような大型増税政策が実施されるなら、日本経済はもう一度深刻な大不況に舞い戻ることになるだろう。

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野田氏は2011年度中に消費税増税のための税制改正を実現すると明言しているが、大きな税制改正を行う場合には、必ず国民の信を問うとした民主党の公約はどうなるのか。
 
 野田政権が消費税引き上げを提案するなら、それは次期総選挙までに税制改正の法案を準備し、税制を改正する前に国民に判断を仰がねばならない。2011年度中に税制改正を実現するということは、2012年1月に召集される通常国会の冒頭で衆議院を解散しなければならなくなる。
 
 野田氏は来年1月の通常国会冒頭での衆議院解散を決断しているのか。
 
 そうでないなら、消費税増税の方針を定める法改正を実行するのは、国民に対する最大の背信行為だ。
 
 民主主義にはルールがある。総理大臣になったら、やりたい放題に何でもできるなどと考えるのは大間違いだ。菅直人氏がこの大間違いをやり続けた。野田氏もこの菅流をまねようとでもいうのか。

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すべてを財務省の言いなりになって行動するなら、野田氏が財務省とともに主権者国民を地獄に送り込むことは間違いない。
 
 主権者国民は怒らねばならなない。そしてその怒りを蓄えて、次の総選挙で、その怒りを反映させる投票行動を示さねばならぬ。
 
 主権者国民に背を向けて、自己の権力欲を満たすためだけに、言葉だけ巧みにのし上がっても、あとが続かない。財務省とともに野垂れ死ぬだけだ。主権者国民は財務省と財務省言いなり内閣により、地獄に連れてゆかれたのではたまったものではない。
 
 日本の諸悪の根源は、財務省、法務省、そして裁判所である。経済政策を誤り、官僚利権を手放さないのは、財務省である。その財務省に完全に支配されている野田佳彦氏が大きな実績をあげることは考えられない。

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2011年9月 2日 (金)

野田佳彦政権は直ちに財務天下りを全面禁止せよ

野田佳彦内閣が発足する。幹事長に小沢氏に近い輿石東氏を起用、内閣にも小沢氏に一川保夫氏が防衛相、山岡賢次氏が国家公安委員長に起用された。菅政権と比べれば、「ノーサイド」に一歩近づく形にはなった。
 
 とりわけ、党幹事長ポストに輿石氏が就任した意味は小さくなく、融和の姿勢が示されたとは言えるだろう。
 
 問題は今後の経済政策である。
 
 財務相には安住淳氏が起用された。言わずと知れた緊縮財政派である。また、経済財政担当相には国家戦略相の古川元久氏が兼務することになった。
 
 古川氏は大蔵官僚出身で、やはり緊縮財政派である。
 
 また、増税を検討するのであれば、その前にまず、財務省の天下りを根絶することが優先されるべきだ。事業仕分けなどを巨額の国費を投入して実施したが効果はなく、単なる費用のかかるパフォーマンスであったことが判明している。
 
 事業仕分けをやる前に、財務省の天下りをまず禁止するべきだ。
 
 日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日本たばこ産業株式会社、日本銀行、東京証券取引所、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを直ちに全面禁止とするべきだ。
 
 財務省がまず範を示し、次いで各省庁が同様に実行する。
 
 このうえで、独立行政法人、各種公益法人等の天下り機関への天下りを全面禁止する。さらに、退職直前20年間に関与した業界、企業、団体への再就職を退職後10年間は禁止する。この程度の天下り規制を実行して初めて国民に増税検討をお願いすることができる。
 
 蓮舫氏が行政刷新相に就任したが、偉そうなことを言う前に、まず、上記の天下り禁止を実現するべきだ。偉そうなことを言うのはそのあとにしてもらいたい。

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2011年度については、2次にわたる補正予算編成で、超緊縮財政が中立に近い財政運営に変化した。2011年度の財政デフレの心配は低下した。
 
 問題は2012年度予算である。震災復興対策を2012年度にかけて大規模に実施し、当面は増税政策を一切実施しないということになれば、日本経済が浮上するチャンスが生まれる。
 
 しかし、野田佳彦氏は次期通常国会に消費税増税の法案を提出すると明言しており、2012年通常国会が大増税国会になると、経済主体の警戒感が一気に強まってしまうだろう。
 
 震災復旧・復興への対応、日本経済の立て直しが急務だが、財務省路線に乗る人物が財務相、経済財政担当相に就任し、さらに首相自身が増税政策に前のめりであれば、ひずみは経済金融に表れてくるだろう。
 
 野田新政権の最大の課題は経済運営である。与野党協議ではない。参院対策を考えるなら、三党協議よりは公明党との連携の方が話は早い。
 
 2001年の小泉政権は小泉首相が所信表明演説を行った2001年5月7日を起点に株価暴落、経済崩壊が始まった。野田佳彦新首相は近く国会で所信表明演説を行うことになるが、どのような政策方針を示すかが最重要になる。景気を無視して増税に突き進めば、経済崩壊が最大の政権リスクになるだろう。

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2011年9月 1日 (木)

野ダメ菅クタービレタ政権の経済政策方針の誤り

民主党代表選で焦点が当てられた経済政策の争点とは以下の五点である。
 
①景気回復と財政再建のいずれを最優先改題とするか。
 
②震災復興政策の財源調達の方法に復興増税を実施するか。
 
③消費税増税の法律整備を今年度中に実施するか。
 
④日銀の追加的な政策対応を求めるか。
 
⑤TPPを推進するか。
 
 野田氏の基本方針は以下の通り。
 
①財政再建を優先する。
 
②復興増税を実施する。
 
③消費税増税の具体的法整備を今年度中に成し遂げる。
 
④不明
 
⑤不明
 
 野田氏の経済政策の基本は、緊縮財政である。増税を次から次に実施しようとする姿勢が鮮明である。

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しかし、主権者国民と民主党との間で増税は禁じられている。2009年8月総選挙で、鳩山前首相は2013年秋の衆議院任期満了までは消費税増税を行わないことを明言。当初は論議もしないと明言した。
 
 この鳩山民主党が主権者国民の信を得た。増税をしない、決めないというのが民主党と主権者国民の契約内容である。
 
 それにもかかわらず、野田氏は消費税大増税を具体的に決定する法改正を2011年度中に実現する方針を示している。消費税は早晩、10%にまで引き上げられる。
 
 震災復興政策の財源として、財務省は復興債を発行し、この復興債を復興増税によって償還する方針を示している。
 
 しかし、復興対策による支出で作られるインフラ資産は長期にわたって効用を発揮するものである。このようなインフラ資産を整備するための財源調達手段である建設国債について、日本では60年で償還するルールを設けてきた。
 
 震災復興政策によって作られるインフラ資産も当然のことながら、60年間効用を発揮し続けるものだ。そうであれば、短期間に増税で穴埋めすることは合理的でない。将来世代が負うべき負担を現代世代が負うことは、受益と負担の適正な関係を歪めてしまう。

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消費税について、マスメディアは野田氏が、「日本は法治国家だから、2011年度中に法案を成立させることが当然である」との見解を示したことを支援してきたが、野田氏が取り上げている増税強行決定の根拠である所得税法附則104条とは以下のものである。
 
附則
 
(税制の抜本的な改革に係る措置)
 

104条 政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。
 
 この条文をよく読めば、条文が示している内容を理解できる。2008年度から2011年度まで景気対策を集中して実施し、そのうえで、2011年度までに増税を実現する税制改正を正式に決定し、2012年度から増税を実行することを目指したものだ。
 
 この条文は、消費税増税を封印した鳩山前首相への対抗策として、当時の麻生政権が準備したもので、自民党の増税公約の根拠になったものだ。
 
 しかし、2009年8月総選挙、2010年7月参院選で、この増税提案は完全に主権者国民によって否定された。2008年度から2010年度の景気対策で景気が回復し、2012年度から増税を実施するなどという話がすでに完全消滅していることは、誰にでも分かる。
 
 鳩山政権の時代に、この条文を廃棄しておく必要があった。
 
 野田佳彦氏は、国政選挙によって主権者国民によって実質的な廃棄が決まった条文が、廃棄されずに残っていることをよいことに、条文が生きていると主張し、法治国家だからこの法律の定めに沿って対応するべきことは当然だなどとほざいている。
 
 このような詭弁を弄する者が日本の内閣総理大臣に就任してしまった。最悪である。

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野田氏は調子に乗って浮かれているが、財務省が用意した詭弁を弄して超緊縮財政に突き進んで行くだろう。過去の経済政策と経済変動についての勉強も足りない。私は以前に、野田佳彦氏の後援会が主催する講演会で講演したことがあり、この点を詳しく説明したときには野田氏もうなずいていた。しかし、まったく理解はしていなかったのだと思われる。
 
 正しい情報と間違った情報を見分けられないのだと思う。菅直人氏と同じように、財務省に洗脳され、財務省の指令に従って、大増税路線を突き進もうとしているのだ。
 
 これで、岡田克也氏が財務相に就任したら完璧である。完璧に、日本経済破壊が本格稼働し始めるだろう。ミスター大増税の野田氏とミスター陰気の岡田氏がタッグを組んで超緊縮大増税路線を突き進むのだから結果は自明である。

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正しい経済政策の方針は以下の通りだ。
 
①景気回復を最優先する。
 
②復興政策の財源は建設国債を発行して調達する。
 
③増税を論じる前に、財務省の天下りを禁止する。具体的には、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫、日銀、東証、JT、横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りを、まず、根絶する。財務省が天下り根絶を制度的に決定したら、これを他省庁にまで広げる。
 
④金融政策の追加策発動余地は限定的だが、現在の不況、円高、デフレの現状を踏まえて、震災復興対策の財源となる建設国債を日銀が引き受けるべきだ。
 
⑤TPPへの参加は、日本の賃金引下げ圧力を強めることを通じて、デフレ加速要因になる。したがって、TPPには参加しないのが正しい選択である。
 
 経済を浮上させるには財政政策を活用することが不可欠である。この基本を離れて、緊縮財政に突き進む野田政権が破局に向けて動き始めた。2012年に向けて、再び危機対応が必要になることだろう。
 
 誠に残念ながら日本の内閣総理大臣は7年連続で2012年も交代することになるのではないか。

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