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2011年8月11日 (木)

民主代表選は主権者国民派対利権複合体派の闘い

菅直人氏がついに総理の椅子にしがみつくことを断念した。総理の椅子は公器であり、私的な欲得だけによって占有することは許されない。
 
 6月2日に菅内閣に対する不信任決議案が可決される情勢に至ったのは、菅内閣がそれだけの評価を受けるに値する行動を取ったからである。この段階で鳩山由紀夫前首相は、衆議院の解散を招かずに菅首相の退場を実現するために調整の労を取った。
 
 菅直人氏は復興基本法が成立し、第二次補正予算編成のめどが立った時点で辞任することを口頭で了解しながら、契約書を交わしていないことを盾に、その後態度を一変させ、総理の椅子に居座る姿勢を示した。
 
 内閣総理大臣の地位にある者が、ペテン師まがいの行動を取ったことは、日本政治史に大きな汚点を残したと言える。
 
 なおも総理の椅子にしがみつく姿勢を示し続けた菅直人氏であったが、ついに投降する決断を下したようである。これで、ようやく日本政治が正常化する第一歩を踏み出すことになる。問題は民主党が次の代表に誰を選出し、そして、次の内閣総理大臣に誰を選出するのかに移る。

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現在の政権を生み出した淵源は2009年8月総選挙である。鳩山-小沢指導体制下にあった民主党は「国民の生活が第一」の方針を掲げ、政権交代の実現を主権者国民に要請した。主権者国民は小沢-鳩山体制下の民主党を支持し、政権交代の大業が実現した。
 
「国民の生活が第一」の基本方針は、極めて重大な基本方針の転換を示すものだった。
 
 1955年以来、55年にわたって継続した自民党支配の政治状況の下では、日本政治の主役は主権者国民ではなかった。米国、官僚、大資本の「米官業のトライアングル」が日本政治を支配し続けてきた。
 
 この基本構造を刷新しようとしたのが小沢-鳩山指導体制下の民主党だった。
①対米隷属からの脱却
②官僚主権構造の打破
③政治と大資本の癒着排除
の三つの大きな目標が掲げられたのである。
 
 しかし、このことは、旧来の日本支配勢力にとっての危機を意味した。米官業とその手先集団である利権政治屋と御用メディアから形成される「米官業政電の利権複合体=悪徳ペンタゴン」は、文字通り死に物狂いの抵抗を示した。そのターゲットにされたのが小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏だった。
 
 検察・メディアが一体となって小沢氏と鳩山氏を攻撃し続けた。両者に対する攻撃は、民主党の外からだけでなく民主党の内部からも展開された。
 
 民主党内部には米官業による日本支配の持続を望む勢力が存在している。これを私は「悪徳民主党」と呼んでいるが、この「悪徳民主党」は小沢-鳩山体制を攻撃し、鳩山首相の辞任の機会を捉えて、クーデターを引き起こした。このクーデターによって成立したのが菅直人政権である。
 
 菅直人政権が主権者国民から見放されたのは当然である。主権者国民は旧来の米官業支配構造を主導する政権に終止符を打ち、主権者国民のための政権を樹立するために政権交代を実現させたのである。それにもかかわらず、旧来の米官業支配構造に逆戻りさせられたのだから、この菅直人政権を支持するわけがなかったのだ。

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今回の民主党代表選および国会における首班指名は、結局、主権者国民勢力対利権複合体勢力の闘いになる。闘いは二段階で繰り広げられることになる。
 
 第一段階は民主党代表選である。民主党内の「正統民主党」と「悪徳民主党」との決戦が繰り広げられることになる。焦点は小沢一郎元代表のグループと鳩山由紀夫前首相のグループが強固な結束を固めることができるかどうかである。この両グループこそ、正統民主党の中核をなす。
 
 この両グループが結束して、民主党国会議員の過半数をまとめることができれば大勢が判明する。この両グループは、
「政権交代の原点への回帰」
を明確に掲げることになるだろう。菅政権が推進した、①米国の言いなりになる政治、②官僚利権を完全に擁護する政治、③政治と大資本が癒着し続ける政治、を刷新することを目指す。
 
 菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部の民主党悪徳8人衆を中心とする勢力=悪徳民主党は、菅政権が推進した基本政策方針を堅持することを掲げるだろう。

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具体的には、震災復興政策を実行するに際して、その財源をどのように調達するのかが、ひとつの主要争点に浮かび上がる。増税による資金調達か、それとも増税以外の資金調達かという問題である。
 
 このとき、同時に問題になるのは、増税の前に天下りを切るのかどうかという点だ。菅直人政権は天下りの根絶という政策目標を完全に放棄した。官僚利権の全面擁護者に変質した。
 
 鳩山前首相が2009年8月総選挙に際して示した方針は、
「増税の前に官僚利権を切る」
というものだった。この基本スタンスに回帰するのかどうかが争点の中に含まれる。
 
 第二の具体的な争点は「政権交代の原点への回帰」である。民主党内の悪徳民主党は意図的に、2009年8月の民主党政権公約を破壊し尽くそうとしてきた。民主党勢力というよりも、民主党内自民勢力と表現した方が適切である。
 
 子ども手当、高校授業料無償化、高速道路料金無料化、農家個別所得補償など、まさに「国民の生活が第一」の基本方針を具体的に肉付けする基本政策が岡田克也氏などによって破壊され尽くされてきた。
 
 自民党と岡田克也氏は一緒になって、これらの政策を「ばらまき4K」などとして攻撃してきたが、政府の外貨準備の為替損失は、2007年から2011年の4年間だけで45兆円にも達している。この45兆円の損失を徹底追及することもせずに、どこが「ばらまき4K」なのだ。おへそでお茶が沸いてしまう。
 
 外貨準備の損失垂れ流しを阻止するだけで、「ばらまき4K」の何十倍もの財源が確保できるのだ。
 
 国民の生活を第一にするということは、これまでの政治が第一に位置付けてきた、①米国、②官僚、③大資本の政治における優先順位が下がることを意味する。
 
「米国、官僚、大資本のための政治」か、「主権者国民のための政治」か、という基本方針の全面的な対立をめぐって、民主党代表選が争われることになると考えられる。
 
 民主党内小沢一郎氏グループと鳩山由紀夫氏グループを中核とする「正統民主党」が結束を固めれば、民主党国会議員の過半数を制することは十分に可能である。党員資格停止という、姑息な手が打たれているが、これを撥ね退けて、正統民主党が民主党代表ポストを奪還しなければならない。

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第二段階の闘いは、国会における首班指名選挙である。
 
 民主党内の「悪徳民主党」は、「第二自民党」と呼んで差し支えない勢力である。「悪徳民主党」が民主党代表選に敗れた場合、衆議院の首班指名選挙で悪徳民主党が自民党と結託して「大造反」に動く可能性がある。
 
 この場合は、民主党の分裂になる。「悪徳民主党」は「第二自民党」か「悪徳民主党」とでも、新党の名前を付ければ良いだろう。
 
「正統民主党」は、国会内各会派と折衝して、「米官業のための政治」ではなく、「主権者国民のための政治」を目指す勢力を糾合して、提携することになる。
 
 各議員にとっては、次の総選挙で勝利するためには、どの基本方針を採ることが望ましいのかを考察しなければならない機会になる。
 
「米国、官僚、大資本のための政治」ではなく「主権者国民のための政治」を目指す勢力が、中期的に有望であることは間違いない。最終的には、「主権者国民のための政治」を追求する勢力が、多数を確保することになるだろう。
 
 自民党とまったく変わらない「悪徳民主党」の面々は、一刻も早く民主党を離脱して、自民党と合流するべきなのだ。自民党との連携を公言してはばからない岡田克也氏など速やかに民主党を離党して自民党に復党するべきだ。

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この図式を描いて事態を進行させるためには、小沢一郎氏グループと鳩山由紀夫氏グループが結束を強固に固めて、代表選候補者を一人に絞り込むことが極めて重要である。代表に就任できるのは1人である。この代表ポストを正統民主党が奪還することが何よりも優先されなければならない。
 
「出たい人が出る」のではなく、あくまで結果を重視して、志を同じくする者が連携して、戦略的に対応しなければならない。
 
 代表戦では小沢-鳩山両グループの投票を分断するための謀略候補が必ず名乗りを上げる。この謀略候補は悪徳民主党の手先であるから、1票たりとも投票するべきでない。
 
 2001年4月および2003年9月の自民党総裁選では、反小泉陣営が結束を固めれば総裁選に勝利していたはずである。ところが、反小泉陣営が結束できなかったため、小泉氏の当選を許し、日本社会、日本経済が破壊され尽くす原因を生み出した。
 
 民主党内利権複合体勢力による悪質な政治クーデターによって、政権交代そのものの価値が破壊されてきたわけだが、この流れを封じ、日本の政治新時代を切り開くには、この代表戦で正統民主党が勝利することが絶対に必要である。
 
 正統民主党の戦力的対応とその結果としての代表選勝利、首班指名勝利を必ず実現しなければならない。

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