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2011年8月18日 (木)

鳩山前首相・小沢元代表が民主代表戦に重大発言

民主党代表選の争点が煮詰まってきた。

 代表選日程について岡田克也氏は、8月17日の党役員会で、今国会会期末の31日までに新首相の選出を目指す考えを示した
 
 結局、党役員会で党執行部は首相と岡田氏に代表選などの日程を一任することにした。
 
 岡田氏は民主党幹事長の要職にあるのだから、私利私欲で代表選および国会での首班指名日程を歪めるような姑息なことをするべきでない。日本はいま国難に直面している。菅直人政権が貴重な時間を5ヵ月も空費してしまったその損失を埋め合わせることは不可能だが、これ以上、国政を停滞させ、主権者国民に迷惑をかけることは許されない。
 
 速やかに次期代表を選出し、今次通常国会会期中に新政権を発足させることに責任を持たねばならない。

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民主代表選について鳩山由紀夫前首相が次の発言を示した
 
「大きな国難の時に国が輸血を必要としている。その輸血を自分の血から採るようでは元気になるわけがない」
 
 私は本ブログで
8月1日付記事
「復興資金を増税で賄うべきかどうかが代表戦争点」
に、
「大量出血の瀕死の大事故に直面した日本経済を集中治療室に入れて治療しようというときに、大手術を行うための輸血用の血液を、なんと患者から血を抜き取って行うというのだ。手術のための輸血用血液を患者から血を抜き取って実行しようという医者がどこにいるというのだ。」
と記述した。
 
8月14日付記事
「早速始まった偏向NHKの代表選情報操作番組編成」
には、
「瀕死の重傷を負った患者がいるときに医師が取るべき第一の対応は、万全の応急手術を実行することである。そのためには輸血用の血液も必要である。経済復興策を増税で賄うというのは、その手術用の血液を患者の血を抜いて賄うというものである。これでは、患者が回復することなどあり得ない。」
と記述した。
 
 鳩山前首相が示した認識は基本的に同一のものである。
 
 代表選の第一の争点は、経済復興政策の財源を増税で賄うのか、それとも、まずは経済復興に軸足を置き、増税を回避するのかという点である。
 
 日本経済の過去の歴史を詳細に検証すれば、復興財源を増税で賄う政策が間違いであることは明白である。同じ過ちを何度も繰り返してはならない。

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第二の争点は、民主党が菅路線のまま進むのか、政権交代の原点に回帰するのかという問題だ。
 
 2010年6月の菅政権発足で、政権交代後の政権は基本性格を全面的に変質させた。
 
 2009年8月総選挙を通じて樹立された鳩山政権は、
①対米隷属からの脱却
②官僚利権の根絶
③大資本ではない国民主導
を政策の基本方針に据えた。
 
 この基本方針の下にマニフェストの具体策が決定された。
 
「国民の生活が第一」の政治を実現するために官僚の天下りを根絶し、節約した財源で、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家個別所得補償などの施策を実行することを主権者と約束した。
 
 ところが、菅直人氏はこの基本政策を全面的に破壊した。ちゃぶ台返しをしたのは菅直人氏と菅氏と連携する仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部などの面々である。
 
 菅政権は
①対米隷属
②官僚利権全面擁護
③国民主導ではない大資本主導
を基本方針に据えたのだ。
 
 この基本方針は自民党の基本方針と同一である。
 
 だから、野田佳彦氏などは自民党との連立などと発言しているのである。
 
 主権者国民は自民党と同じ政策を実行してもらうために民主党に政権を委ねたのではない。だから、自民党と同じ政策を進めてきた菅政権をまったく支持しなくなったのだ。
 
 主権者国民の意思を尊重する行動は、民主党が政権交代の原点に回帰することである。

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この点について、小沢一郎元民主党代表が、8月17日に発言した。
 
「国民との約束は大事だ。2年前の原点に返ってやらなくてはならない」
 
 つまり、政権交代の原点に回帰することが何よりも重要であることを明確に示したのである。
 
 筆者の表現を用いれば、今回の民主党代表選は、
「正統民主党」と「悪徳民主党」との全面対決
なのだ。

「BLOGOS」が本記事をまた転載しないことのないように、改めて定義を示しておくと、「正統民主党」とは、2009年8月総選挙に際して民主党が主権者国民と交わした約束の原点を重んじる民主党議員勢力である。これに対して、「悪徳民主党」とは、2010年6月の菅政権発足と同時に示された、上記三方針を推進する民主党内の「反正統派」議員勢力のことを指す。
 
「正統民主党」の中核を成しているのは小沢一郎民主党元代表のグループと鳩山由紀夫前首相のグループに属する議員である。
 
 そもそも、今回、菅直人氏を辞任に追い込むことになった原動力は、内閣不信任決議案について、小沢元代表のグループ議員と鳩山前首相のグループ議員が結束したことにある。この結束によって、内閣不信任決議案可決の環境が整備された。
 
 その後、鳩山前首相が衆議院の解散を回避するために調整に乗り出し、菅直人氏が口頭で了解したために、内閣不信任決議案を否決することになり、その後に混乱が生じたが、小沢-鳩山両グループの結束によって
「山が大きく動いた」
事実を見落としてはならない。

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民主党はいずれ分裂せざるを得ない宿命を背負っている。なぜなら、民主党内の二つの勢力の基本政策方針が真逆だからだ。
 
 内閣不信任決議案採決に際しては、分裂の危機が大いに高まったが、今後の日本政治の展開を睨むならば、いずれの勢力が新たに分派政党を結成し、いずれの勢力が民主党として存続し続けるのかは、軽い問題ではない。
 
「正統民主党」が現在の民主党から分裂するよりは、「悪徳民主党」が現在の民主党から分裂する方が、はるかに論理的整合性のある事態進展なのである。
 
「悪徳民主党」と自民党はほとんど同一の存在である。この二つの勢力が競合する部分があるとすれば、それはどちらが主導権を握るのかという点程度しかない。
 
 このことは、自民党の石原伸晃幹事長が、自民党の谷垣禎一総裁が首相となる前提での大連立について「大歓迎だ。待っている」と発言したことに鮮明に示されている。自民党と悪徳民主党に差はないのだ。どちらがポストを確保するのかでもめているだけだ。
 
 日本政治が自民党と悪徳民主党の二大政党体制になる。あるいは、両者が大連立を組んで、日本政治を支配するようになったら、日本は間違いなく暗黒社会になる。米国、官僚、大資本による日本政治支配の構造が半永久的に固定化されてしまうだろう。
 
 したがって、自民党および悪徳民主党に対抗する勢力として「正統民主党」が確固たる位置を占めることがどうしても必要なのだ。

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そのためには、今回の民主党代表選において、小沢元代表のグループと鳩山前首相のグループが強固な連携を固めて、その上で、民主党の多数議員を賛同者にしてゆくことが絶対に必要なのである。
 
 小沢一郎元代表は8月17日の発言のなかで、新代表に就任する人物について、
「経験や知識があって命懸けでやる人でなければいけない」
と述べた。 
 
 徐々に候補者は絞られる過程に入ったのではないかと思われる。
 
「悪徳民主党」勢力は、「正統民主党」の投票が少しでも割れるように、「正統民主党」もどきの候補者を擁立する工作を進めると見られるが、民主党国会議員は主権者国民が主導する政治を実現するために、個利個略を排除して、大義ある行動を示さねばならない。このような姑息な謀略を見抜き、投票を一人の候補者に集中させねばならない。
 
 小沢氏グループと鳩山氏グループは、十分に連携して、代表選候補者をただ一人に絞り込むことが必要である。
 
 今回の代表選に正統民主党は負けてはならない。必ず、民主党の主導権を奪還しなければならない。

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