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2011年7月

2011年7月31日 (日)

品川美容外科機密漏えい事件は警察天下り問題だ

品川美容外科に対する警視庁現職警官および警官OBによる捜査情報漏えい事件は、この国の警察・検察・裁判所制度の前近代性の重要な一端を垣間見せる事案である。同時に警察捜査情報を不正に入手した品川美容外科が政治家に対する献金を行っていた事実も明るみに出ており、こうした政治家への献金と警察捜査情報の漏えいとの関係も明らかにされる必要がある。
 
 この事件では、警視庁の職員が品川美容外科の医療過誤事件捜査とのっ絡みから品川美容外科に警察官OBの再就職を要請し、この要請を受け入れて警察から天下りを受け入れた品川美容外科が不正に警察捜査情報を入手したというものである。不正に警察捜査情報を漏えいした現職警官と警官OBが国家公務員法の守秘義務違反で逮捕された。

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日本の警察・検察・裁判所制度の前近代性を是正することが急務である。現状は前近代に取り残されたものだ。とりわけ重大な問題が三つある。
 
 第一は、刑事事件の取り扱いにおいて、警察・検察の裁量権が法外に認められていることである。警察・検察には、犯罪がたしかに存在していても、摘発しない裁量権と、犯罪が存在しないのに無実潔白の市民を刑事事件犯人に仕立て上げる裁量権が付与されている。
 
 法の下の平等、罪刑法定主義が守られていない。「起訴便宜主義」の名の下に、恣意的な法の運用がまかり通っている。警察捜査段階でも、犯罪が明白に存在しているにもかかわらず、警察の判断で犯罪が摘発されることなく無罪放免される事例が無数に存在する。
 
 裁量的な刑事事件捜査の運用が行われる最大の問題は、このことが政治的な目的で行われることと、このことと警察・検察の天下りが密接に関係していることである。
 
 日本政治の支配者である米官業政電の利権複合体の敵=政敵に対しては、無実の人間であっても犯罪者に仕立て上げることが横行する。逆に利権複合体の一員に対しては、法律を乗り越えて甘い運用が適用される。利権複合体の一員とは、警察・検察天下りを受け入れた企業という意味でもある。
 
 これが歴然たる現実であることは、多くの関係者が証言するところである。
 
 今回の品川美容外科の問題は、警察天下りと警察捜査の関係を端的に示す事例である。官僚天下りの最大の問題のひとつが、警察・検察の天下り問題であることを、主権者国民はしっかりと認識しなければならない。

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第二の問題は、日本の刑事事件捜査において、DUE PROCESS OF LAWが完全に無視されていることである。基本的人権を擁護するには、適正手続きが厳格に守られねばならないが、日本の現実は、適正手続き=DUE PROCESS OF LAWは無きが如しである。
 
 捜査段階における人権侵害の程度も極めて深刻である。
 
 この問題をクリアするには、取調べ過程の全面可視化が不可欠である。警察は、全面可視化を認めると治安水準が維持できないと主張するが、これは言い方を変えれば、
「犯人を検挙するには多少の冤罪の発生はやむを得ない」
ということにつながるのだ。
 
 人権を守る視点からの刑事事件捜査の鉄則は、
「10人の真犯人を取り逃がしても一人の無辜を処罰するなかれ」
である。
 
 冤罪を生み出すことの罪深さを警察・検察は認識していないのだ。
 
 不当逮捕、不当勾留、不当起訴、不当有罪判決を根絶するには、最低限、取調べ過程の全面可視化が不可欠である。そして、全面可視化は被疑者だけでなく、被害者、目撃者および関係者全員に適用することが求められる。

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第三の問題は、裁判所が権力に従属しているという現実だ。日本国憲法第76条は、
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」
との規定を置いているが、空文化している。
 
 新藤宗幸氏が著書『司法官僚』で明らかにしたように、裁判官の人事上の処遇のすべてが最高裁事務総局に握られているため、裁判官は両親や法律ではなく、最高裁事務総局の方針に従って裁判を行うことになるからである。
 
 このとき、最高裁事務総局が時の権力の側を向くスタンスを取るなら、裁判全体が国家権力の支配下に置かれることになる。現実にこの傾向が著しく強まっている。

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警察・検察・裁判所の近代化は日本の構造改革の最重要テーマのひとつである。フランス人権宣言にこれらの事項が明記されたのは1789年のことだ。日本は220年も遅れた近代化をいまだに実現できていないのだ。
 
 野田佳彦財務相の政治資金管理団体が品川美容外科から多額の献金を受けてきた事実が明るみに出された。当然のことであるが、今回の事件との関係についても実態が明らかにされる必要がある。
 
 品川美容外科事件を単なる一事件として捉えるのではなく、警察天下りと警察捜査の一般的な関係のひとつに事例が、この事件に表出されたものと捉える必要がある。そのうえで、警察の天下り問題を徹底的に論議することが求められる。

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2011年7月30日 (土)

欧州財政・米国債務上限・日本増税の三つのリスク

『金利・為替・株価特報』第137号=2011年7月21日号を同日発行した。諸般の事情により、本来の発行日よりも1日前倒しの発行になった。
 
 タイトルは、
 
「南欧財政・米国債務上限・日本増税が焦点」
 
目次は以下の通り。
 
<目次>

1.  【概説】三つのリスクファクター残存し不透明な状況持続
 
2.  【政局】財確法成立との交換が菅首相辞任への道筋
 
3.  【政策】消費税大増税入口になる10兆円復興増税
 
4.  【欧州・為替】欧州リスクは問題の破裂まで続くか
 
5.  【米国・為替】共和党が主導権握る議会下院にリスク
 
6.  【金・原油・中国】米国金融緩和持続を見込む商品市況
 
7.  【経済】不況下の業績回復セクター
 
8.  【金利】円高・景気低迷下の超低金利持続
 
9.  【投資】投資戦略 

 金融市場は三つの暗雲に包まれている。欧州の財政危機暗雲、米国の債務上限引上げ暗雲、そして、日本の増税暗雲である。

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ギリシャ財政危機に対するEUによる支援策は決定されたが、民間銀行に対しても負担を求めたことから、ギリシャ国債が債務不履行債券の格付けを受けることになった。
 
 米国では、2012年の大統領選を控えて、民主党と共和党が激しい駆け引きを展開している。どのみち債務上限は引き上げなければならないことは明確なのだが、この法律をめぐって、民主党と共和党による得点稼ぎ争いが繰り広げられている。これをチキンゲームと呼ぶ。
 
 日本では、赤字国債発行根拠法となる財確法が成立しないと、赤字国債を発行できず、政府機能がマヒすることになる。こちらもどのみち法律を成立させねばならないことは明白なのだが、やはり関係者が利害得失で動き、政局に利用する行動が活発化している。
 
 危機が拡大すれば、危機は増幅される。2008年から2009年にかけて発生したサブプライム金融危機は、応急対策で対応されたが、その後遺症が表面化し始めている。
 
 広い意味で現在はその延長上にある。
 
 世界の金融市場が不安定な基盤の上に存在することを常に忘れてはならない。
 
 とはいえ、金融市場は変動するものである。金融の変動には大波動、中波動、小波動がある。金融市場予測においては、この三つを区分して考えることが求められるのだが、超短期の波動は基本的に予測不能である。
 
 経済分析、市場分析によって、小波動、中波動、大波動を考察してゆくのがアナリストの役割である。
 
 日本でも株価はサブプライム危機によって急落した。2007年に18300円まで上昇した日経平均株価が2008年には瞬間的に7000円を割り込んだのだから、暴落と言って過言でない。
 
 経済も2008-2010年にかけて急落した。2008年年末に日比谷公園に年越し派遣村が作られたのも記憶に新しい。その不況から立ち上がりかけたときに菅政権は超緊縮財政を組んだ。そのタイミングで大震災も発生した。再び経済は落下したのである。
 
 しかし、企業収益はすでに底を打ち、着実に浮上し始めている。この現実をどのように評価するか。極めて難しい局面に立ち至っているのだ。
 
 日本経済、日本の金融市場に三つの暗雲が垂れ込めているということは、逆に言えば、陰の極にあるとの見方も成り立ち得る。
 
 もう一つ、金融市場は常に循環変動を繰り返すから、リズム、タイミングが重要になる。
 
 政治経済金融は不可分に結びついている。これらを解きほぐして将来を洞察することは容易なことではないが、的確な見通しがなければ、この乱世を生き延びてゆけないことも事実である。

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2011年7月29日 (金)

「原点への回帰」を強調した小沢一郎民主党元代表

民主党の小沢一郎元代表が7月27日、自由報道協会主催の記者会見に出席した。記者会見に先立って、オランダの政治学者であるカレル・ヴァン・ウォルフレン氏との対談も公開中継された。
 
 ウォルフレン氏は本ブログでも何度も取り上げている政治学者で、日本政治の深層を鋭く抉り出してきた気鋭の学者である。
 
Character Assassinationと表現される「人物破壊工作」が、欧米では政敵を攻撃するために用いられることを指摘し、日本では小沢一郎元代表に対して、異常に激しい人物破壊工作が徹底して長期間継続して実行されてきたことを著書で明らかにされている。
 
 菅直人氏が内閣不信任決議案可決の瀬戸際に追い込まれたのが6月2日である。間もなく2ヵ月の時間が過ぎ去ろうとしている。菅直人氏はこの決議案上程に際して、民主党代議士会で辞意を表明したが、不信任決議案が否決されると態度を一変させ、いまも総理の椅子にしがみついている。
 
 菅直人氏は手を変え品を変え、総理の椅子にしがみつくための小手先の策を弄しているが、主権者国民は菅直人氏の言動を冷ややかな視線で見つめている。

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主権者国民の多数は「脱原発」に賛成の考えを有しているが、菅直人氏に対する支持は皆無に近い状態になっている。本当に「脱原発」を推進しようとするなら、少なくとも電力会社には、原子力損害賠償法の規定に沿って、応分の責任を求めなくてはならない。
 
 東京電力が法律の規定に沿って応分の責任を負うことになると、東電は100%破たんする。東電を法的整理しなければならなくなる。菅政権は法律の規定だからこれを遵守するのではなく、東電を守らねばならないから法律を変えてしまい、過去の事案に改正した法律で対応するという、法治国家の根幹を揺るがす行動を平然と取り続けている。
 
 電力会社は、今回のような事故を引き起こせば会社が破たんする現実を突き付けられれば、原発事業に対して、少しはまともな対応を示すことになる。事故を発生した際の責任が重ければ、巨大リスクを伴う原発事業から撤退するとの判断も生まれて来るのである。
 
 このような当然の施策も取らずに、「脱原発」を叫んでみたところで、誰も信用しないのだ。

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菅直人氏は退陣の3条件を掲げた。この条件が整えば、首相を辞任する以外に道はない。憲法に保障された権利だとして解散権を主張しているが、この期に及んでの解散は政治の私物化以外の何者でもない。
 
 小沢元代表は、菅内閣に対する内閣不信任決議案の再提出はあり得るとの見解を示したが、これは西岡武夫参議院議長の見解とも一致する。菅直人氏がこれ以上、総理の椅子にしがみつく場合には、内閣主信任決議案を再提出することが強く求められる。
 
 主権者国民はポスト菅体制を真剣に考察しなければならない。
 
 岡田克也氏はこの政局を党内政局に利用する姑息な姿勢を示している。天下の大道、正道を踏み外し、ひたすら自己の政治的な利害だけを優先して行動するこの人物が民主党幹事長職に留まっていることが、日本政治を腐らせているひとつの原因になっている。
 
 菅直人氏の退陣問題と民主党マニフェストを絡ませるべきでない。野党との交渉においては、赤字国債法案と首相辞任を交換条件にすればよいわけで、赤字国債法案と民主党マニフェストの放棄とは交換条件にならない。
 
 なぜなら、民主党マニフェストは、主権者である国民が2009年8月総選挙において、今後の日本政治の基本方針として採用したという、極めて重大な意味を有しているからである。2009年8月の主権者国民の選択はいまも効力を有しており、それを一介の幹事長が葬り去ることは明らかな越権行為である。
 
 与党が首相辞任を確約し、それでも野党がマニフェストを放棄しないなら赤字国債法案を通さないと主張するなら、そのまま放置すればよいのだ。赤字国債法案が可決されなければ政府機能はマヒする。そのとき、マヒの原因が国民から政権を委ねられていない野党が、与党がマニフェストを放棄しないから赤字国債法案を通さないことにあると主権者国民が知れば、非難の矛先は必ず野党である自民党と公明党に向かう。
 
 与野党協議では、筋の通った正統性のある対応を示すべきであるのに、岡田克也氏は正道を踏み外し、個利個略で動く。幹事長職にもっともふさわしくない人物である。

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小沢元代表は民主党代表選について、「原点回帰」を強く主張した。6月16日に開かれた「小沢一郎議員を支援する会」と「日本一新の会」が主催するシンポジウム「小沢一郎と新しい日本の政治」に講演者の一人として出席させていただいた際、私は「日本の新しい政治の考え方」と題して「原点回帰」の重要性を強く訴えた。
 
 その内容は、本ブログ6月18日付記事
「シンポジウム「小沢一郎と新しい日本の政治」開催」
に記述しているので、ぜひご高覧賜りたい。
 
 その際、私は三つの原点回帰を提示した。民主主義の原点への回帰、政権公約の原点への回帰、そして、日本政治構造刷新の重要課題への原点回帰である。
 
 民主主義の原点への回帰とは、主権者国民からの信託のない政権に正統性はないということだ。この点は菅直人氏も認識はしているはずだ。だからこそ、2010年7月参院選を政権への信託を問う選挙と位置付けたのだ。結果は、「不信任」だった。したがって、この時点で菅直人氏は辞任しなければならなかったのだ。このことは本人が一番よく知っていることだろう。
 
 政権公約の原点への回帰も重要である。民主党政権は、天下りなどの政府支出の無駄を排除して国民の生活を第一とする政策を公約として掲げた。子ども手当、高校授業料無償化、高速道路料金無料化、農家個別所得補償などだ。これらの政策方針を主権者国民は支持している。
 
 十分でなかったのは天下り根絶などの政府支出の無駄排除である。
 
 この公約の原点に立ち帰ることが重要である。
 
 日本政治構造刷新の重要課題への原点回帰とは、米官業政電の利権複合体=悪徳ペンタゴンが支配する日本政治構造を刷新することだ。
 
①米国の言いなりになる政治
②官僚が支配する政治
③大資本と政治屋が癒着する政治
 
を根絶し、
 
主権者国民が支配する政治=国民の生活が第一の政治
 
を確立することこそ、政権交代の実現によって達成すべき目標である。
 
 政権交代は手段であって目標ではない。政権交代の実現によって、日本政治の構造を変革することが目標なのだ。

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こうした視点に立って、ポスト菅体制を考察しなければならない。

 ネット上の世論調査では、次期首相候補ナンバーワンは小沢一郎氏である。主権者国民は小沢一郎政権の実現を待望している。だが、直ちに小沢一郎氏が前面に登場するのかどうかは、小沢元代表の戦術、戦力に依るものであるから、慎重に状況を見守る必要がある。
 
 何よりも重要なことは、民主党の実権を「正統民主党」が「悪徳民主党」から奪還することである。そのためには、民主党内の小沢一郎氏グループと鳩山由紀夫氏グループが結束し、「正統民主党」が民主党の過半数を掌握することである。
 
 不正な代表選が行われないように、代表選前に民主党執行部を交代することが強く求められる。両院議員総会を開催して、代表選の前に党執行部を交代させ、公正な代表選を行うことが求められている。

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2011年7月28日 (木)

組織ぐるみ悪徳九電のガン松尾新吾会長の居直り

原発の稼働再開をめぐって開かれた公開放送の住民説明会で、会社ぐるみで偽装メール送信を指揮し、企業体質が問われている九州電力が、経産相の意向に対して反旗を翻し、居直る姿勢を示している。
 
 このような常識はずれの企業や企業経営者を通常は攻撃するマスゴミも、その多くが明確な批判を展開していない。
 
 客観的に評価して、九州電力の責任は甚大である。東電が福島原発で重大な原発爆発事故を引き起こし、日本全体、さらには全世界に甚大な被害を与えている。
 
 この事故を踏まえれば、新たな原発の稼働に際して、慎重の上にも慎重な検討を積み重ねるべきことは当然である。とりわけ、地域住民の理解と協力なしに原発の再稼働などあり得ない。
 
 その住民との交渉の場である住民説明会の場で、やらせメールを企業ぐるみで指揮し、公開番組を人為的に歪めた責任は計り知れない。
 
 九電の最高責任者および関連した幹部職員の引責辞任は免れないというのが、常識の判断である。
 
 海江田経産相が提示した社長辞任の必要性は、単なる大臣所見ではなく、国民世論を代表する見解である。しかし、九州電力の実際の権力者は真部利應社長ではなく松尾新吾会長である。したがって、真部社長と松尾会長の引責辞任が求められるのが当然だ。
 
 ところが、7月27日に開かれた取締役会では、社長辞任も会長辞任も決定されなかった。取締役会後に開かれた記者会見では、松尾会長が、
 
「九州電力はとりわけ信頼できる会社だと思われている」
 
と言ってのけて、開き直り、居直りの傍若無人の行動を繰り広げた

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真部社長が7月19日に辞任届を松尾会長に提出したことを明らかにされたが、この事実でさえ、記者会見開始から1時間半後までの長期間、隠蔽され続けてきた。
 
 世の中を甘く見て、自ら襟を正す姿勢を失った企業。日本の企業風土は地に堕ちたと言って差し支えないだろう。九州電力のがんは松尾新吾会長の姿勢に存在することが誰の目にも明白になった。
 
 正しい道が行われるには、この会長を必ず引責辞任に追い込むことが必要だ。こうしたせめぎ合いにおいて、正義が破れ、悪徳が栄える実績が積み上げられれば、この世は闇になる。
 
 一方で、電力会社のぬるま湯体質を生み出す原因が政府の側にあることを見落とせない。
 
 日本には原子力事故が発生した際の損害賠償について定めた法律が存在する。東電の福島原発事故に伴う損害賠償問題に対して適用できる法律はこの法律以外に存在しない。
 
 したがって、損害賠償のあり方を具体的に定めるに際して、この法律を適用すべきことは言うまでもない。
 
 ところが、この法律に沿って処理を進めると東電は破たんし、東電の法的整理が必要になる。そこで、菅政権は事後的に法律を改正し、法律改正前に発生した事案を、事後に改正した法律で処理することを進めている。
 
 法治国家の大原則を無視した言語道断の対応であり、議会はこのような政府の横暴を正すべき役割を担っている。ところが、驚くべきことに、議会野党である自民党や公明党も、この反法治国家の施策を積極推進しているのだ。

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原発マネーにまみれた悪徳民主党と自民・公明の連合体が、電力会社の責任を排除し、不正に電力会社を救済し、原発ビジネスを擁護しようとしている。
 
 菅直人氏は「脱原発」を掲げながら、法治国家の根幹を踏みにじる東電救済策を積極推進しているのだから、その言葉のすべてを信用するわけにはいかない。
 
 海江田経産相は九州電力に襟を正すことを求める前に、自らの襟を正すべきである。相手が巨大な政治力を持つ電力会社であろうとも、法治国家である以上、法の支配を貫かなければ、この世のすべてが、情実に流れ、社会の力関係で決定されることになる。
 
 福島原発事故の直後に発生した焼き肉チェーン会社は、食中毒事故発生の影響で会社解散に追い込まれている。焼肉屋は解散で当然だが、電力会社は救済の理屈は、正当な考察からは導かれない。
 
 このような天下の正道に反する行動が政府、そして民間企業で横行することが、日本中枢だけでなくにほんそのものの崩壊をもたらしているのだ。本を質せば、菅直人氏のペテン居座りが、日本社会から矜持を失わせる原因になっているのだ。
 
 このまま進めば、日本社会は世界で最弱の社会に変質することになるだろう。

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2011年7月27日 (水)

財務省は天下りを根絶するまで増税を口にするな

大震災に対応した復旧・復興政策の規模がようやく明らかにされ、その財源調達方法についての政府案が示された。政府案と言っても菅政権の提案ではない。財務省の提案である。この間、菅政権が財務省に明確な方針を示した形跡はない。財務省への丸投げで、財務省はいつもの通り、財政再建原理主義に基づいて政府提案を創作した。
 
 震災発生から4ヵ月半の時間が経過して、ようやく事業規模が示され、驚くことに、復旧・復興事業を行うのに、これから5年間の時間を費やすというのである。復興債という名の資金調達を行うのだから、事業実施は速やかに進めるべきだろう。5年の時間をかけようという神経が理解できない。
 
 菅直人氏は、お盆までには、仮設住宅に入りたいというすべての被災者が仮設住宅に入れるようにすると確約した。実際に事業を担当する国交省などから、無理だとの反論があったが、首相の責任において、必ず、お盆までに仮設住宅への入居を希望するすべての被災者が間違いなく入居できるようにすると確約した。
 
 この約束を守れなければ、首相としての責任が問われるのは当然である。
 
 仮設住宅に入居できる資格について、疑問が存在した。避難所から各地の旅館などの避難施設、あるいは、他の都道府県の公営住宅などにいったん避難した被災者でも仮設住宅への入居を希望する人には、全員、仮設住宅への入居を認めることも国会質疑で確認された。
 
 全国に散在している全被災者にこの情報が確実に行き渡っているのかどうか。そして、仮設住宅への入居を希望するすべての被災者がお盆までに仮設住宅に入居できるのかどうか、国会は確実に確認を行わねばならない。

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菅政権の対応はあまりにも遅く、かつ、政策を財務省に丸投げしており、財務省の病癖である財政再建原理主義が日本経済の復旧・復興を妨げることは間違いない。
 
 政府は復旧・復興事業規模を23兆円とし、このうち、19兆円を5年以内に実施する方針を提示した。6年以上先の事業など、復旧・復興政策とは呼べないから、事業規模は19兆円と考えればよい。
 
 このうち、6.1兆円がすでに第一次、第二次補正予算に組み込まれたから、残額は12.9兆円である。
 
 政府はこの12.9兆円のうち、子ども手当の見直しと高速道路無料化の中止で2.4兆円を調達し、10.5兆円を復興債で賄い、その償還金のうち、10.3兆円を復興増税で賄う方針を示した。
 
 財務省が目論んでいる増税はこれだけではない。2015年度ころまでに、消費税率を5%から10%に引き上げることを企んでいる。消費税増税の規模は、1年間で12.5兆円の増税だ。復興増税は5年間で10.3兆円とすると、そのマグニチュードは比べものにならない。
 
 震度4の地震が5年続く中で、震度7から震度8クラスの人工地震が計画されていることになる。
 
 財務省に政策立案を任せるから、このような提案しか出てこないのだ。

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問題の第一は、経済が危機にあるなかで、復旧・復興政策を実行しようとするなかで、増税を強行しようという神経が異常としか言いようがないことだ。
 
 重大な交通事故に遭遇して大手術が必要なときに、大量の輸血をするのは当然である。財務省のやり方は、大量の輸血が必要だからと、その必要な輸血用の血液を確保するために、事故に遭った患者から血液を抜き出そうとするものである。狂っているとしか言いようがない。
 
 この患者は、当初から血液を抜き取られ、病状も回復しないまま、2、3年後には、さらに大量の血液を抜き取られることになっている。患者の死亡は確定したと同然だ。
 
 問題の第二は、政府資産取り崩しによる財源調達の検討だ。復旧・復興政策の財源に政府資産を取り崩して資金を充当するべきであるのは当然だ。私は、外貨準備資金の取り崩しを主張している。
 
 その後、この提案が各所で取り上げられるようになった。週刊エコノミストは、私には何の断りもなく特集を組んだ。週刊ダイヤモンドでは、財務省出身の経済学者である野口悠紀雄氏が、外貨準備を取り崩しての復旧・復興政策の正当性を主張している。
 
 日本政府は1.1兆ドルもの外貨準備を放置したままにしているから、それだけで為替損失がどんどん膨らんでいる。1.1兆ドルの外貨準備資金だから、1ドル=125円時点と1ドル=78円時点での時価で比較しただけで、なんと、51.7兆円もの為替損失が生まれているのだ。
 
 こんなふざけた話がどこにあるのか。この外貨準備を米ドル資産ではなく、金地金にしておけば、逆に巨大な利益を計上できていたのだ。
 
 外貨準備資金の圧縮を図るためにも、外貨準備資金を取り崩して復旧・復興政策にこの資金を活用するべきだ。

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第三の問題は、政府保有株式と天下りの関係だ。政府はNTT株式とJT(日本たばこ)株式を保有している。 財務省の国有財産リポートによると、2009年度末の国有財産台帳ベースの純資産額で政府は、NTT株を2兆897億円、JT株を1兆7400億円保有している。
 
 この二つを売却するだけで3.8兆円の財源を調達できる。
 
 財務省はなぜこの株式を売却しないのか。それは、JTなどが財務省の最重要天下り先のひとつだからだ。現在もJT会長職には財務省OBが居座っている。
 
 財務省は国民に増税を持ちかける前に、すべての天下りを根絶するべきだ。JT株式もNTT株式もすべて売却し、天下りも一掃するべきである。
 
 法律の制約で株式の政府保有が義務付けられているなら法律を改正すればよい。
 
 原発事故が発生したのちに、政府は経産省から電力会社および電力会社関連、原子力事業関連団体および企業への天下り根絶を決定して発表したか。何もやっていないではないか。
 
 財政再建を叫ぶなら「官より始めよ」だ。
 
 まずは、財務省が率先垂範して、財務省の天下り根絶を決定するべきだ。同時に、原発事故を踏まえて経産省の天下りも全廃するべきだ。
 
 国民に負担を求めるのは、そのあとの話だ。
 
 復旧・復興政策財源を増税で賄うなど、狂気の行動である。民主党次期代表選の最大の争点が浮上したと言える。

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2011年7月26日 (火)

究極のモラルハザードを創出する原倍法改正案

天下の悪法が制定されようとしている。

 原子力損害賠償法を改正して、電力会社に課してきた事故発生の際の無限責任を有限責任に書き換える法律改正案が自公だけでなく民主の同意を得て成立させられようとしている。
 
 中日新聞(=東京新聞)の「こちら特報部」がこの問題を取り上げたのは適正である。腐りきったマスゴミのなかで、唯一の異彩を放つのが、中日新聞の「こちら特報部」である。
 
 ドイツでは、過去に「有限責任」を「無限責任」に書き換える法改正を行った。原発事故に対する責任を重く課すことによって、原発事故発生を回避するインセンティブを高める取り組みである。
 
 今回、日本では絶対に起こしてはならない原発事故が発生した。この教訓を生かさなければ、原発周辺地域の犠牲は無に帰す。二度とこのような事故を引き起こさない万全の体制が整えられて、初めて失敗の教訓は生かされることになる。
 
 それでも、発生してしまった事故の傷は、半永久的に消えることがない。
 
 日本の原子力損害賠償法は、原発事故を発生させてしまったときに、事故を発生させた事業者である電力会社に、無限責任を負わせている。
 
 今回の福島原発事故に伴う損害はとてつもなく巨大である。原発周辺地域から避難を強制されている世帯では、膨大な損失が生まれている。これらの損害に対して、これまで、ほとんど補償が行われていない。
 
 農林水産物への影響も深刻である。消費者は自らの判断で購入する商品を選択する自由を持つ。より安全な商品を求めて、原発周辺地域産出の農林水産物を忌避することを誰も責めることはできない。
 
 このような消費者の自然な行動が広がれば、原発周辺地域の農林水産事業者は甚大な影響を受ける。これらの影響に伴うすべての損害を補償することが事故発生当事者に求められるのは当然である。

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事故が発生したのは、日本で定期的に発生する地震や津波に対して、東京電力が十分な備えをしていなかったからである。国の基準をクリアしていたと東電は反論するが、国の基準がどうであれ、事業を行う主体は東電であり、東電は国の基準と離れて、絶対に事故を引き起こさない万全の対応を取る責任を負っていたはずだ。
 
 今回の事故が発生する前に、例えば独立行政法人産業技術総合研究所が日本の過去の歴史に鑑みて、津波対策が不十分であるとの警告を発していた事実も明らかにされている。東電の対応がおろそかにされていたことは明白である。
 
 東電の過失により今回の事故が発生した。東電が責任を負うことは当然である。
 
 ところが、東電の資金力は損害賠償規模にまったく及ばない。このことは東電の代表取締役会長勝俣恒久氏が明確に述べている。
 
 このことは、東電が破たんを免れないことを意味している。厳しいけれども、法治国家の行政として、東電を法的に整理し、利害関係者に応分の負担を求めることは当然である。
 
 この処理によっても賄えない損害については、国が責任をもって補償することが法律に定めてある。東電の損害賠償債権が担保付社債よりも劣後するから、東電を法的整理すべきでないなどの理屈は、東電を救済するための屁理屈でしかない。
 
 東電を法的整理した上で、国の責任で損害賠償を行うことが法律には定められているのだ。
 
 また、東電を法的整理することが電力の安定供給を阻害するとの意見も誤りである。事業を継続させながら法的整理を行うのが会社更生法を適用する場合の通常の姿であるからだ。
 
 それでもこの場合、東電が負うことのできない損害賠償責任は国が負うことになる。国が負うと言うと、国民に負担が発生しないように感じる人がいるかも知れないが、国の負担と言うのは、すなわち国民の負担である。納税者の負担によって原発事故の損失が処理されるのだ。

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こうした、現行の原子力損害賠償法の規定を踏まえれば、電力会社は原発事業に対して、極めて厳しく、慎重な姿勢で臨まなければならなくなる。一歩誤れば、会社を破綻させてしまうのが原発事業なのである。
 
 絶対の安全性を確立できなければ、良識ある電力会社経営者は、原発事業に自らブレーキを掛けることになるだろう。
 
 つまり、価格メカニズムが働くことによって、脱原発が誘導されることになるのだ。
 
 現在の技術水準では、こうした価格メカニズムに人為的な手を加えない限り、原発事業は推進されないのだ。原発事業が推進されているのは、いざ大事故が発生しても、その損害賠償責任を誰も負わず、国民に転嫁してしまう構造があるからなのだ。
 
 これを「究極のモラルハザード」と呼ぶ。
 
 もし、原発事故の損害賠償責任を当事者が完全に負うことを覚悟して事業が行われてきたと言うなら、事故発生後に、電力会社経営者も、財界幹部も、揃って電力会社による無限責任を主張するはずである。そして、資金が不足することが判明したなら、自ら率先して会社更生法の適用を申請したはずである。
 
 ところが、事故が発生すると、資金が足りないと言いながら、まったく会社更生法の適用を申請しようとした形跡は見られない。国民に負担を転嫁することを画策し続けてきたのではないか。

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今回の事故発生後の損害賠償問題処理が原子力損害賠償法に則って行われるべきことは当然だ。ところが、菅政権はこの法律を無視する東電救済スキームを提示し、これをごり押ししようとしている。
 
 日本は法治国家ではないとの前提に基づく行為が取られている。この重大な事実を主権者国民は明確に認識しなければならない。
 
 東電の経営者、株主、債権者、従業員を救済して、これらの関係者が負うべき負担が一般国民に転嫁される。このような不正が白昼堂々と進められているのだ。
 
 これを推進しているのは自民党、公明党、そして現在の民主党だ。
 
 民主党の現在の執行部は、米官業政電の利権複合体による日本支配維持を目指す勢力である。これまで日本政治を支配してきた自公勢力と同じ穴の貉(むじな)である。
 
 東電を救済し、さらに、今後、原発事故が発生した場合には、電力会社に有限責任しか求めないことを法律改正に盛り込もうとしているのだ。
 
 このような言語道断の暴挙を許して良いはずがない。自民党で、いつも偉そうにものを話す石破茂氏も、子が東電に勤務していると伝えられている。悪徳の東電救済策に賛成し、原発事故を誘発する原賠法改正に賛成なのだろう。
 
 日本が今後も利権にまみれ、利権複合体による政治支配構造下に置かれたままで進むのか、今回の原発事故を契機に、新生日本の活路を見出してゆくのか。その岐路にある現在。東電と原賠法の取り扱いは、日本の方向を定める重要性を帯びている。

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2011年7月25日 (月)

主権者国民の声は脱原発に賛成だが菅直人に反対

政治的な背景で情報が歪められることが多いマスゴミの世論調査だが、情報が操作されない場合には、ひとつの参考値を提供することもあるだろう。
 
 共同通信が直近で実施した世論調査では次の結果が示された。共同通信配信ニュースを転載する。
 
共同通信が23、24両日に実施した全国電話世論調査によると、菅直人首相が表明した「脱原発」方針に対し、「賛成」は31・6%、「どちらかといえば賛成」が38・7%で計70・3%を占めた。
 
 内閣支持率は17・1%と6月末の前回調査23・2%より下落し、発足以来最低となった。社会保障と税の一体改革で2010年代半ばまでに消費税率を10%に上げると決めたことに関しては、反対派が52・2%、賛成派は45・0%だった。
 
 
所得制限を導入する子ども手当見直し案については「賛成」が61・0%、「どちらかといえば賛成」は15・9%で、計76・9%を占めた。」
 
 子ども手当について、高額所得者に対する支給を制限することは、国家による所得再分配政策の一環として、主権者国民に理解されることである。
 
 しかし、政府支出の無駄は現時点でほとんど排除されていない。民主党は官僚天下りを根絶するなど、政府支出の無駄を根絶して、そこから得られる財源を子ども手当などに充てることを政権公約に盛り込んだ。
 
 民主党内の利権複合体勢力一員である岡田克也氏などは、民主党の本来の主張を示さずに、自公両党の側に立って正統の民主党政策を否定するが、これは幹事長としてあるまじき行為である。
 
 これまでの民主党の行動に不足していたのは、官僚天下り根絶など、無駄な政府支出を排除することに向けての実行力だったのであり、政府支出の無駄を排除して国民生活を支援する政策方針が間違っていたのではない。
 
 岡田克也氏は民主党内の正統派の主張をつぶし、民主党を自公両党と同じ利権複合体政党に変質させてしまうための工作を、幹事長の立場を利用して実行しているだけだ。
 
 民主党は国政選挙、地方選挙で連戦連敗を繰り返してきているのだから、まずは、幹事長更迭人事を決めるべきだ。このままでは、菅直人氏と岡田克也氏に民主党を破壊されてしまう。

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世論調査で特筆されるべきことは、「脱原発」には賛成だが、「菅直人」には反対との主権者国民の声が鮮明に示されたことだ。
 
 民主党の川内博史衆議院議員は、7月11日に開催された民主党の森ゆう子議員を支援する会西郷南洲翁遺訓の次の言葉を用いた。
 
「何程制度方法を論ずる共、其人に非ざれば行はれ難し。人有て後方法の行はるゝものなれば、人は第一の寶にして、己れ其人に成るの心懸け肝要なり。」
 
現代語に訳すと次のようになる。
 
どんなに制度や方法を論議しても、それを行なう人が立派な人でなければ、うまく行われないだろう。立派な人あって始めて色々な方法は行われるものだから、人こそ第一の宝であって、自分がそういう立派な人物になるよう心掛けるのが何より大事な事である。」
 
 まさに、この言葉が菅直人氏と脱原発の関係を的確に示している。
 
 米官業政電+学の利権複合体は、原子力ビジネスの巨大利権を死守するために、脱原発論議を排除しようと懸命だが、福島の実情を見るならば、原発ビジネスが生命体としての地球の根本原理に反していることは明白である。

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脱原発は正しい方向であり、明確に時間目標を定めて実現するべきものである。
 
 しかし、これを菅直人氏に委ねることを主権者国民は望んでいない。主権者国民が不信任を表明している菅直人氏は、すでに内閣総理大臣の地位に居座る正統性を欠いている。
 
 菅直人氏は憲法で保障された内閣総理大臣の権限を有すると強弁するが、菅直人氏の2010年7月参院選に際しての発言は、菅直人氏の内閣総理大臣としての地位が不正なものであることを明白に物語るものである。
 
 憲法上の規定ではなくとも、内閣総理大臣たる者、自分自身の言葉に責任を持つことは当然のことである。
 
 菅直人氏は2010年7月参院選を、菅内閣に対する信任投票であると位置付けたのである。この参院選で惨敗した以上、この時点で、菅直人氏は内閣総理大臣の資格を失っているのである。
 
「信なくば立たず」である。正統性のない内閣総理大臣を排除することが日本政治正常化への第一歩だ。
 
 赤字国債発行を可能にする財確法成立は、菅直人氏の辞任との引き換えにすることに、民主党執行部は全力をあげるべきだ。
 
 財確法成立と民主党マニフェスト放棄との交換は、明白な反党行為であり、この方向に岡田克也氏が動くのなら、民主党は岡田克也氏を除名処分すべきである。民主党正統の毅然とした行動が強く求められる。

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2011年7月24日 (日)

東電不正救済に突き進む悪徳民主と自公の連合体

原発事故を発生させてしまった場合に、事業者にどのような責任を求めるのか。今回の東電福島第一原発事故が発生した時点で、このことについて定めがある唯一の法律は原子力損害賠償法(原賠法)である。
 
 日本が法治国家であるなら、この法律に則って問題を処理するのが当然である。
 
 この法律は、原子力事故が発生した際、事業者に無限の責任を求めている。ただし、第三条に、例外規定が設けられている。事故が「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱」によって生じた場合には、「この限りでない」との条文が存在する。
 
 しかし、今回の地震津波は、日本において、定期的に繰り返されている天災地変のひとつであることが、各種データから明らかにされている。「異常な」現象でないことは明白である。
 
 そうであるなら、東電に対して無限の責任を求めるのが、法治国家としての当然の対応である。
 
 ところが、菅直人政権は法治国家としての行動を逸脱して、東電救済の問題処理スキームを提示した。自公両党は、これが法治国家の基本枠組みを超える脱法行為だとして政府提案を糾弾するのではなく、東電を救済することの正当性を振りかざし、より確実に東電が救済されるための、法案修正を求め、民主党がこれを受け入れて合意してしまった。
 
 政府や自公両党と同様に、広い意味での東電マネーに汚染されているマスゴミも問題をまったく指摘しない。唯一、東京新聞だけが正論を吐いているだけだ。

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主権者国民はこの現実に慣れてしまってはいけない。日本では、これほどに「法の支配」は弱いのである。これが、日本の警察、検察、裁判所制度の根幹に流れる基本精神だと考えなければならない。
 
「法の支配」は人民の権利を国家の権力から守る「砦」の役割を果たす。国家がその権力の名の下に、暴政を振るわぬよう、恣意的な運用で、人民の権利を侵害しないよう、法を定め、すべての行政措置をこの法の支配の下に置くというのが「法の支配」の考え方である。
 
 ところが、日本では、「法」よりも政府の恣意的な判断が上位に位置付けられるのだ。しかも、今回の場合、東電マネーという形で巨大な資金を政界、学界、マスゴミ、産業界にばらまいてきた東京電力の事案である。
 
 この事案で、政府は、法律の規定を乗り越えて、東電救済策を提示し、本来、恣意的な法の運用を糾弾しなければならない存在である野党の自民党、公明党が、悪徳民主党と共謀して、不法行為を推進しているのである。

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この問題について、日本経済新聞が7月12日、13日に「経済教室」欄で、二つの論考を掲載した。
 
 7月12日は同志社大学教授の森田章氏による「事業者責任限定を前提に」と題するもの、
 
 7月13日は政策研究大学院大学教授の福井秀夫氏による「無限責任には更生法が筋」と題するものである。
 
 ぜひ、この論文を確認いただきたいが、論文の優劣は明確である。福井氏が現行法を踏まえて緻密な考察を積み上げているのに対し、森田氏は現行法を精密に踏まえることをせずに、東電救済を正当化することを所与の結論としたうえで、そのための理屈を無理に構築しようとするものである。
 
 現行法の規定に沿って、東電に無限の賠償責任を求める場合、東電の損害賠償責任規模は東電の純資産を大幅に上回ることは明白である。したがって、法律の規定に従えば、東電を法的整理して、そのうえで、不足する損害賠償について、国が負担するしかない。
 
 ところが、自公民が提案しているスキームは、東電の利害関係者である株主、経営者、債権者、従業員を救済し、これらの利害関係者が本来負担しなければならない賠償負担を一般国民に転嫁するものとなっている。
 
 法律を逸脱したこうした措置が強行される理由は、東電マネーである。東電を取り巻く利権が官僚機構や政治屋に流れ込んでいるために、こうした脱法行為が強行されているのだ。これこそまさに、「政治とカネ」の典型的な問題である。

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日経新聞に掲載された福井論文は、実に精密に問題を論じている。そのなかから、特記すべき三事項を抜き出しておこう。
 
 第一は、問題処理に際して使われる「東電」や「国」という人格が負担をするわけではないということだ。東電の負担とは、株主、債権者、経営者、電気料金負担者など、ステークホルダー(利害関係者)による負担であり、国の負担とは納税者による負担であるということだ。
 
 国が負担すべきとの言葉が多用されるが、これが、納税者による負担であることを正しく認識しなければ、論議が歪むことになる。
 
 第二は、原賠法をそのまま適用することに対する反論のひとつを成している、「会社更生手続きでは、担保付社債より損害賠償債権が劣後するから、被害者救済ができなくなる」との主張に対する見解だ。
 
 福井氏は、会社更生法の実務における「相対優先説」を示すとともに、原賠法第16条によって不足分に対する国の援助が定められているため、被害者救済に支障は生じない。
 
 会社更生手続きで被害者救済が達成されない場合には、国の支援で被害者救済は実行されることが原賠法に定められているのである。
 
 第三は、東電を破綻させると電力の安定供給に支障が生じるとの主張に対する反論だ。福井氏は「事業者の破綻は事業の停止を意味しない。政府が債務保証などを通じて電力安定供給に責任を持つ限り、事業価値の維持は容易であり、混乱はむしろ小さいと予測できる。」と指摘する。
 
 いずれも正鵠を射た指摘だ。
 
 自公両党は菅政権の行き詰まりの機に乗じて、我が物顔の振る舞いを繰り広げているが、自公両党の主張も「政治とカネ」に汚染された、法治国家の責任政党としての主張とはかけ離れたものである。
 
 主権者国民は、日本の「法の支配」が、このように大政党によって踏みにじられている現実を正しく認識しなければならない。

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2011年7月23日 (土)

民主党党首は空き缶、ガンは岡田氏、正論は鳩山氏

赤字国債の発行根拠法である財確法の成立をめぐって、民自公の協議が行われているが、その本質を洞察しなければ取り返しのつかないことになる。
 
 本質を理解するには、民主党が水と油の混合物であることを的確に認識しなければならない。
 
 米国、官僚、大資本が支配するこの国の政治の基本構造を、根本から刷新し、「国民の生活が第一」の政治を実現しようとする勢力と、米国、官僚、大資本が支配するこれまでの日本政治の基本構造を維持しようとする勢力が同居しているのである。
 
 私は、前者を「民主党正統」=「正統民主党」、後者を「民主党悪党」=「悪徳民主党」と表現している。
 
 米国、官僚、大資本による政治支配、その手先となって活動するのが政治屋と電波・新聞産業(=マスゴミ)である。私はこの五者、すなわち米官業政電の五者による利権複合体を「悪徳ペンタゴン」と称している。
 
 2006年に小沢一郎氏が民主党代表に就任した時から、利権複合体は小沢氏が日本の政治構造を根幹から変革してしまうことに対して、激しい警戒を示してきた。この警戒心の表れが、小沢氏に対する、極めて執拗な攻撃の持続となって表れたのである。
 
 大連立構想、日銀幹部人事、2008年の民主党代表選などの局面で、小沢氏の影響力を排除する、あるいは、小沢氏を失脚させる激しい工作活動が展開された。
 
 しかし、小沢氏がこれらの攻撃をかわして、いよいよ総選挙に突き進む状況が生まれたため、利権複合体は、ついに禁断の領域にまで謀略の手を進めたのである。
 
 これが、2009年3月の小沢氏秘書逮捕であり、これが失敗したことに伴う、2010年1月の石川知裕衆議院議員などの無理筋逮捕なのだ。

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利権複合体の猛烈な抵抗にもかかわらず、2009年8月総選挙を通じて政権交代の偉業が成就した。鳩山政権は、日本政治構造の刷新に向けて船出したのである。
 
 当時から私は利権複合体による死に物狂いの抵抗について、警告を発し続けた。現実に、利権複合体は、その一味であるマスゴミを総動員して、鳩山首相、小沢幹事長という、改革勢力の棟梁を激しく攻撃し続けたのである。
 
 利権複合体=悪徳ペンタゴンは3Kを突破口に改革勢力を総攻撃すると宣言したが、その宣言通り、基地と(政治と)カネを軸に、鳩山政権を激しく攻撃し続けたのである。
 
 この攻撃によって、鳩山首相が退いたが、この間隙を縫って、民主党内の利権複合体勢力が民主党の実権、政権の実権を強奪したのが2009年6月のクーデターである。
 
 利権複合体にとって、最重要の課題は、日本政治刷新の芽を完全に消滅させることである。言い方を変えれば、民主党内改革勢力=正統民主党を殲滅(せんめつ)することである。
 
 この点で、過去の政権政党である自公と、現在の民主党執行部は、利害を共有しているのである。
 
 民主党が改革政党ではなく、利権複合体政党に完全に変質するなら、悪徳ペンタゴンにとっての心配の種はなくなるのである。自公と民主の間で、定期的に政権交代が生じようとも、政権の基本性格は変わらないということになる。
 
 いずれの勢力も、米国、官僚、大資本が支配する日本政治の構造を、確実に維持してゆくことになるからである。

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この悪徳民主党を率いているのが、民主党内の悪徳8人衆である。菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部の面々である。
 
 現在の民主党は、これらの悪徳民主党に要所をすべて押さえられている。
 
 このなかで、財確法を成立させるための与野党協議と称して、民主党内の「正統民主党」が掲げてきた政権公約を、岡田克也氏が廃棄しようとしているのである。
 
 この行動に対して、鳩山由紀夫前首相が猛然と抗議するのは当然のことである。鳩山前首相と行動を共にする、鳩山グループのメンバーが、ものごとの本質を正確に見抜いているのである。
 
 民主党は財確法の成立について、野党と協議する際、この成立をもって菅直人氏の辞任の確約を野党に提示すればよいのである。そのために、菅直人氏と会談し、財確法成立の暁には、必ず首相職を辞することについて、今度はペテンが不可能な書面での契約を結ぶのだ。
 
 自公両党は、民主党マニフェストの撤回を条件にするなどと主張しているが、立場をわきまえない主張である。
 
 自公両党は衆議院で多数議席を確保していない。衆議院で多数を確保しているのは民主党なのだ。そして、この議席配分を決定したのは、主権者国民であることを忘れてはならない。
 
 つまり、民主党が掲げてきた政権公約は、主権者である国民が国の基本方針として採用することを決定した、極めて重い存在なのである。
 
 たかが、参議院で与党が過半数を確保していないということだけで、自公両党が偉そうな態度を取れる状況を、主権者国民は生み出していないのである。
 
 自公両党は分をわきまえるべきだ。

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岡田克也氏は、民主党の政権公約を私物化するべきでない。主権者国民は岡田克也氏に、主権者が採用した国の基本方針を勝手に葬り去ることをまったく認めていない。
 
 前々回の総選挙である、岡田氏が指揮した2005年の総選挙では、民主党はものの見事に惨敗した。主権者国民は岡田克也氏に日本政治を委ねることを明確に拒絶したのだ。岡田氏は、この国の主権者は国民であるという、民主主義の根本原理を、もう一度学び直すべきである。自分を何様だと思っているのか。思い上がるのもいい加減にするべきだ。
 
 民主党執行部は菅直人氏と会談して、財確法の成立は、菅直人氏の辞任と引き換えであることについて、ペテンの利かない段取りを整えて、その結果を野党に提示すればよい。
 
 そのうえで、野党が、「政権公約を撤回しないなら財確法を通さない」と、なお主張するなら、野党の好きなようにさせればよい。
 
 衆議院の弱小勢力である自公両党が、主権者国民が採用した基本方針を民主党が廃棄処分にしないからと言って財確法を成立させず、主権者国民に多大な迷惑をかけることをためらわないとするなら、主権者国民の怒りは、必ず自公両党に向かうはずだからだ。

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現時点で、主権者国民は民主党を中心とする勢力に国政を委ねているという、厳然たる事実がすべての判断の基準に置かれなければならない。
 
 現在の民主党政権公約は、主権者国民と民主党との基本契約であり、次の総選挙までは、この契約が効力を失わない。
 
 岡田克也氏が自分自身の利害得失、利権複合体の党利党略から、政権公約を廃棄するなどというのは言語道断である。
 
 岡田克也という人物は、ものごとの基本をまったく理解できない人物だと思われる。民主党は、一秒でも早く、この幹事長を更迭するべきだ。
 
 しかし、冒頭に述べたように、岡田氏の政治私物化の暴挙の裏側に存在するものは、利権複合体=悪徳ペンタゴンの強烈な意志である。民主党内の利権複合体勢力である悪徳民主党は、自公両党と同じ穴の貉(ムジナ)である。
 
 このムジナが、主権者国民の負託を受けて野党とせめぎ合うのではなく、与野党協議の場を利用して、野党と手を握って、正統民主党に対して弓を引いていることを、主権者国民は、賢明に見抜かねばならないのだ。
 
 本当の敵は民主党のなかに存在しているのだ。民主党のなかの「正統」と「悪党」の闘い。この闘いに勝利しなくては、日本政治構造の刷新は実現しない。
 
 民主党正統は一致結束して、必ず、次期民主党代表選を勝利し、主権者国民との契約を守らねばならない。民主党悪党を排除し、利権複合体による日本政治支配構造を打破しなければ、政権交代を成就した意味は消滅してしまうのだ。

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2011年7月22日 (金)

首相辞任政局を党内政局に利用する姑息な幹事長

チキンゲームというのは、別々の車に乗った2人のプレイヤーが互いの車に向かって一直線に走行するゲームのことをいう。激突を避けるために先にハンドルを切ったプレイヤーはチキン(臆病者)と称され、屈辱を味わうことになる。
 
 日米で、このチキンゲームが繰り広げられている。
 
 日本では菅直人氏が首相退陣条件に、財確法を掲げた。財源確保のための特例法のことである。この特例法が成立しないと特例国債=赤字国債を発行することができない。国家財政の約半分を国債発行による収入で賄っている。赤字国債を発行できなければ、予算執行のための財源は枯渇し、公務員給与が払えなくなるなど、政府機能はマヒする。
 
 必ず、どこかの時点でこの法律を成立させなければならないことははっきりしている。法律が成立せずに、政府機能マヒの状況に陥れば、大混乱に至ることは明白である。それを知りながら、菅直人氏と与野党がチキンゲームを展開している。
 
 米国では政府債務上限を定めた法律がある。政府債務の増加に歯止めをかけるために、債務上限を法律で定めている。8月2日までに政府債務上限を引き上げなければ、新規の国債発行ができなくなり、やはり、政府機能がマヒすることになる。
 
 現在、米国では民主党が上院過半数を握っているが、下院では共和党が過半数を占めている。下院共和党はオバマ政権に対して強硬な姿勢を示しており、増税をせずに財政赤字を大幅に削減するとの共和党の主張を大統領が呑まない限り、債務上限引き上げに応じないとの姿勢を示している。
 
 債務上限引上げ法案が成立しなければ、格付け機関は米国国債の格付けを大幅に引き下げることを示唆しており、米国発で世界の金融市場に激震が走ることは明らかだ。米国でもこの問題の破裂に向けて、チキンゲームが展開されている。

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日本では、菅直人氏が辞任三条件を提示した。①第2次補正予算、②財確法、③再生可能エネルギー特措法、の三つが成立したら、「一定のめど」がついたことになると発言した。常識で考えれば、この三条件が整えば首相を辞めるということになる。
 
 しかし、この菅直人氏はウソつきで、ペテン師であるから、慎重に交渉を進めなければならない。ペテン師でウソつきの首相が存在することは日本の恥であり、国民の最大不幸だが、愚かな民主党議員が菅直人氏を代表に選出してしまった以上、これが現実である。
 
 過去2回の代表選で菅直人氏に投票し、いま、菅直人氏退陣を求める民主党議員はおのれの不明を恥じるべきである。
 
 三つの条件のうち、補正予算はすでに衆議院を通過した。予算には衆議院の優越があるから、これで一段落である。
 
 エネルギー法案については、問題が多くある。それでも、これを盾に菅直人氏がごねるようであるなら、とりあえず、どのような形でも法律を成立させてしまえばよい。菅氏が辞任した後で、しかるべく法律を修正すればよいと思われる。
 
 鍵を握るのは財確法である。これが通らなければ、大混乱が生じることは明白である。菅直人氏が辞めることを確約しないために、この法律が成立しないということになれば、批判は確実に菅直人氏に向かう。菅直人氏が日本全体を大混乱に陥れて、その批判の矛先をすべて自分が引き受けながら、なおかつ総理の椅子にしがみつくというのであれば別だが、さすがにその選択は菅直人氏にもできないはずだ。
 
 そのようなことをすれば、菅直人氏が暗殺されるなど、菅直人氏の生命の危険も浮上しかねない。

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つまり、この財確法成立と菅直人氏辞任を確実に取引すべきなのだ。菅直人氏の居座りが日本の国政全体の停滞、遅滞、混迷の原因になっている。国政は事実上の機能マヒの状況に陥っている。
 
 菅直人氏の早期辞任の必要性については、与野党が一致するところとなっているわけで、そうであるなら、この財確法の成立と引き換えに首相を辞任する確約を取るべきである。
 
 ただし、口約束では不十分である。公正証書を作成し、公証人にその証書を提出しておく必要がある。菅直人氏の書名、捺印をした契約書を交わすべきである。
 
 ところが、この政局を政局に利用しようとしている勢力がいる。民主党が昨年9月の総選挙で提示したマニフェストを撤回しない限り、財確法の成立に同意しないと発言する勢力である。
 
 自公両党がこの主張を示すのは、自公両党の党利党略としては理解できる。こうした危機に乗じて、自己の政党の利益増進を図ることは、感心できることではないが、日本の政党の常だからだ。
 
 問題は、民主党執行部がこの政局を党内政局に利用していることだ。自公両党の主張をてこに、党内政局にこれを利用しようとの思惑が透けて見える。
 
 民主党内部には、本来の民主党公約を重視する勢力とこれを否定しようとする二つの勢力がせめぎ合っている。現在の執行部は本来の民主党公約を否定しようとしている勢力である。私は前者を「民主党正統」、後者を「民主党悪党」と呼んでいるが、岡田克也氏などを中心とする民主党悪党は、この政局を利用して、民主党の本来の公約をせん滅しようと画策しているのだ。
 
 これは、許されない行為である。民主党が2009年8月総選挙での政権公約を根本から変更するには、大がかりな党内論議が必要である。いま、この危急の局面で、そのような作業を実行する余裕はない。
 
 自公両党が、菅直人氏が財確法が成立すれば辞任することを明確にしながら、なおかつ、民主党マニフェストを変更しない限り、財確法成立に協力しないと主張するなら、その主張を放置すればよいだけである。
 
 この場合に、財確法が成立せずに大混乱が生じる場合、批判の矛先は自公両党に向かうことになる。民主党は財確法が成立しない理由を明確に国民に説明する必要がある。

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私たちが目を凝らして真実を見極めなければならないのは、この政局混乱を、岡田克也氏を中心とする民主党の現執行部が党内政局に利用しようとしていることである。このような自己中心主義行動、民主党を支持してきた主権者国民に対する背信行為を許してはならない。
 
 民主党執行部は菅直人氏と交渉し、財確法成立は菅直人氏の辞任確約との交換条件になることを明確にするべきである。このことを明確にしたうえで、自公両党に対して、財確法成立を交渉するべきである。
 
 菅直人氏辞任の確約を得ながら、なおかつ自公両党がマニフェスト変更などとごねるなら、そのような自公両党は放置すればよい。財確法が成立しない責任は自公両党の過剰な自己主張によることが明白になるからだ。
 
 私たちが監視しなければならない対象は、政局を党内政局に利用しようとしている岡田克也氏を中心とする民主党現執行部である。この点を間違えないようにしなければならない。

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2011年7月21日 (木)

「極めて執拗な偽装工作」を実行したのは東京地検

権威も信用も失墜している東京地検が、陸山会事件の論告求刑で
「極めて執拗な偽装工作を行った」
と述べて、石川知裕衆議院議員に禁錮2年、大久保隆規氏に禁錮3年6月、池田光智氏に禁錮1年を求刑した。
 
 しかし、「極めて執拗な偽装工作を行った」のは、石川氏や大久保氏ではない。東京地検特捜部である。
 
 国家権力が検察権力、警察権力、裁判所権力、そしてメディア権力を恣意的に利用することの恐ろしさを、私たち主権者国民は、徹底的に糾弾しなければならない。
 
 この権力を活用すれば、政敵をすべて抹殺することができる。
 
 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏がいうところの人物破壊工作
Character Assassination
である。
 
 検察が偽の証人を仕立て上げることは容易である。偽の証人だから偽証なのだが、偽証罪を問わないことを確約して証言してもらう限り、いかなる捏造も可能である。
 
 実際に偽の証人を立てて、偽の証言を実行させ、偽の犯罪を成立させた事例は、数多く存在すると考えられる。私もそのような工作に伴う冤罪被害者の一人である。
 

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 陸山会事件は、2004年10月に代金を支払い、2005年1月に登記をした不動産について、会計責任者が2005年の不動産取得として届けた収支報告について、2004年の取得として届け出るべきだったとすること、
 
そして、
 
 この不動産取得のための銀行融資がおりるまでの立て替え資金を小沢氏が拠出し、その返還を受けたことについて、会計責任者が立て替え払いであるから記載しなかったことについて、記載すべきだったとすること、
 
により、検察がこれを「虚偽記載」だとして刑事責任を問うことにしたものである。
 
 しかし、常識に照らして、これが刑事責任を問うものとは到底考えられない。
 
 不動産取得の資金を2004年10月に支払ったとしても、所有権移転の登記が2005年1月にならなければ実現しなかったのであるから、2005年1月の取得として届け出ても大差はない。犯罪と呼べる内容はそこに存在しない。
 
 一時的な立て替え払いについては、政治資金収支報告書では通常、記載しないと言われている。その記載がなかったことが大きな問題とは考えられない。
 
 検察自身もこの点を十分に了解しているのだろう。
 
 検察は、その記載されなかった4億円のなかに、水谷建設からの裏金1億円が含まれていて、表に出したくない金だったから、隠蔽するために記載しなかったとのストーリーを構築した。裁判では、その部分を印象付けようと懸命な立証活動を行った。
 
 まさに、「極めて執拗な偽装工作」だった。
 

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 逆に言えば、このような裏金の存在がない限り、とても刑事事件として公判請求できるような代物ではないことを検察自身が、その行動によって示したのである。
 
 そうなると、問題は、その裏金疑惑というものにどれほどの信ぴょう性を置けるのかということに絞られる。
 
 そもそも、この事件の当初から、本命は東北のダム工事を巡る裏金、あるいは収賄容疑だと指摘されていた。そのような疑惑が濃厚だったという意味ではない。政治的に極めて重要な局面で、本来は内閣総理大臣に就任していたはずの野党元党首の周辺での刑事捜査である。
 
 裏金や収賄などの実体のある犯罪立証の見通しがない限り、単なる形式的な法律違反で、現職国会議員を逮捕するなどということはあり得ないし、また、あってはならないとの意見が示されていたからだ。
 
 東京地検はこの問題にどう対処したか。
 
 膨大な人員を投入し、鹿島建設をはじめ、小沢一郎民主党元代表の事務所など、多数の箇所を何度にもわたって強制捜査した。1年以上の時間を投入して、徹底的に犯罪捜査が実行された。
 
 その結果、東京地検はどのような結論を導いたのか。
 
 裏金疑惑、あるいは収賄といった実体のある犯罪については立件できないとの結論に到達したのではないか。
 
 1年以上の時間と膨大な人員を投入して、無罪放免と結論した事案を、同じ検察が、なぜ、この裁判で立証できるのか。
 
 本当に立証できる確証があるなら、そのこと自体を摘発していなければおかしいではないか。
 

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 検察は裁判で水谷建設元社長を証人として、裏金を渡したとの証言をさせた。
 
 しかし、現場に社長と現金を運搬したはずの運転手の運転日誌に、その裏付けがない。裏付けがないということは、この社長が架空の話をしていることに他ならないと考えるのが常識だろう。
 
 また、水谷建設元会長は、金は用意したが、それが社長から小沢氏サイドに渡ったかどうかは分からないと証言した。この種のカネの受け渡しには、社内で厳格なルールが設けられているらしいが、社長の証言内容は、そのルールに合致していないというのだ。
 
 つまり、これらの証言を総合すれば、検察が裁判で演じたストーリーは、単なる創作であるとしか考えられない。最大のポイントは、検察自身がその立証をできるなら、そのことについて、公判請求していなければ辻褄が合わないという点だ。
 
 検察の行動は誰が見ても明らかな自己矛盾を来しているのである。
 

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 それでも、警戒を怠れないのは、このような誰が見ても明白なことがらについて、真逆の判断を示す御用裁判官が腐るほど存在することだ。
 
 客観的な証拠で、完全に無罪が立証されているにもかかわらず、現実を無視し、曲解に曲解を重ねて、無罪を有罪とする、無能で卑劣な裁判官が無数に存在するのである。これが、紛れもない、日本の裁判所の実体である。
 
 稀に優れた、良心と法律に従って判断を下す裁判官が存在する。しかし、そのような裁判官に巡り合うことは、極めて稀にしか生じない。

 石川氏、大久保氏、池田氏が小沢氏に報告して了承を得たとの証言のある供述調書は、任意性が認められないとして裁判所によって棄却された。
 
 この時点で、小沢一郎氏を起訴した検察審査会の起訴事由は崩壊している。起訴した指定弁護士は直ちに起訴を取り下げるべきであるし、また、民主党は前近代体質の小沢氏に対する党員資格停止処分を直ちに解除するべきだ。
 
 日本で、本当の民主主義が成立することを、絶対に阻止しようとする、巨大な力が働いているのだ。その最重要事項を認識しない限り、一連の謀略、政治工作を読み抜くことができない。
 
 主権者国民の主権者国民による主権者国民のための政府を樹立するまで、闘いは続く。主権者国民対利権複合体の闘いである。この闘いに負けるわけにはいかない。
 

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2011年7月20日 (水)

日本の財務省が演出するIMF対日消費税増税要請

菅直人氏は首相の椅子にしがみつくだけで、肝心の政策を前に進めていいない。

 3月11日の震災発生から4ヵ月以上の時間が経過したが、被災地のインフラを復旧し、被災者の生活を再建するための、総合的な経済政策がいまだに策定もされていない。
 
 菅政権が実行したのは、4兆円の第一次補正予算、2兆円の第二次補正予算の編成だけである。
 
 第一次補正予算の1.5兆円は、本予算の支出を取りやめて、補正予算に振り替えたものである。2.5兆円については、財源を増税で賄うことも検討されている。
 
 第二次補正予算の規模は、2010年度決算剰余金の2兆円が充当された。被災者のために必要な財政支出を補正予算に計上したのではなく、剰余金の範囲内で、被災地への支出を決定したものである。
 
 ここに貫かれているのは、財務当局の財政再建原理主義の考え方である。震災復興のための総合的な経済政策がまったく立案もされないのも、財務省が強烈なブレーキをかけているからである。財務省は国民の生活ではなく、自分たちの利権だけを考えている。
 
 財務省は震災の不幸に乗じて、大増税を画策している。この増税が国民の生活のためであるなら、国民も理解を示すだろう。ところが、事実は異なる。財務省は、自分たちの官僚利権を守るために大規模増税を求めているのである。

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増税を検討するに際しては、必ず必要なことがらが二つある。ひとつは、増税を実施する際の前提条件である、官僚利権が根絶されているのかどうかだ。鳩山由紀夫前首相が2013年までは消費税増税を封印したのは、消費税増税の前提として、官僚利権の根絶を位置付けたからである。
 
 福島原発放射能事故により原発利権がクローズアップされたが、原発利権に関連する天下りがどれだけ存在するのか。週刊誌「アエラ」が特集を組んだが、100人以上もの役人が、原発利権村に天下りしている現実が明らかにされた。
 
 財務省が本当に国民の生活を考えて消費税増税論議を前に進めたいと考えるなら、まず、率先して財務省天下り利権を自ら切る行動を示すべきである。
 
 財務省天下り御三家と呼ばれているのは、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫である。この三つの機関への天下りは今も、完全に温存されている。
 
 国際極力銀行は政府機関の整理統合で消滅したはずなのに、財務省は重要天下り機関としてその復活再生に取り組んできた。財務省の天下り先確保に積極協力したのは仙谷由人氏である。
 
 もともと財務省の天下り東西両横綱は、日本銀行と東京証券取引所であった。民主党の努力により、財務省から日銀への天下りは遮断されたが、財務省は日銀への天下り再拡大を画策している。東京証券取引所への天下りもいったんは遮断されたものが、なし崩し的に再開された。
 
 損保協会への天下りも国会でしばしば問題として取り上げられている。また、民間金融機関傘下の総合研究所、シンクタンクへの天下り増加も顕著である。シンクタンクに天下りして、増税論議を推進しようとの深謀遠慮も明白だ。
 
 さらに、旧政府公社である民間企業への天下りも握って離さない。JT(日本タバコ)重要ポストを財務省は離さない。NTTなども同様である。
 
 また、横浜銀行、西日本シティ銀行など、財務省の植民地と化して、トップが常に財務省からの天下り官僚に独占されている。

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公的機関への天下りは広範に温存されているが、こうした公的機関に膨大な政府予算が注ぎこまれている。これらの政府予算は天下りを温存するための政府支出であり、天下りを根絶することにより、政府支出を大幅に削減できるのである。
 
 これまで事業仕分けなどが行われ、公的機関への無駄な支出を切るジェスチャーだけが示されたが、逆に「一位でなければだめなんですか、二位ではだめですか」などのフレーズにより、財務省は公的機関を温存するパフォーマンスも演じたのである。
 
 平成の迂回献金王と呼ばれる与謝野馨氏は、ポストを求めて自民党を離党して菅政権に潜り込んだが、与謝野氏などは、天下りを排除する前に消費税増税を実施せよと主張している。まさに、官僚利権の守護神である。
 
 もうひとつの必須検討事項が経済情勢である。増税は経済に下方圧力を与える。1997年度に橋本政権は消費税率2%引き上げを強行した。私は、経済金融情勢の分析を踏まえて、性急な大増税政策を強く批判した。
 
 残念ながら私の警告は現実化した。日本経済は崩落、株価は急落し、97-98年の金融危機が発生したのである。増税政策は経済情勢を慎重に見極めて考察することが不可欠である。

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IMFが対日審査を終えて、対日代表団長が「2012年に消費税を7%に引き上げるべき」との提言を示した。対日代表団長のマムード・プラダン氏は、「消費税をいま引き上げることは勧めないが、2012年は景気回復の見込みが高いから増税を始める好機」だと述べた。
 
 これは、財務省の意見である。IMFにはジャパンデスクと呼ばれる、日本の財政事情を分析するセクションがあるが、このセクションの担当者は、財務省から派遣された出向職員である。つまり、財務省は財務省の政策方針をIMFから発信させるために、職員を派遣しているのである。
 
 日本では、IMFが増税を提言すると、国際機関が日本の増税を提案したと勘違いしてしまう。ところが、現実は、財務省がIMFを利用して日本の増税政策を提言させているのだ。
 
 景気回復初期に超緊縮財政を実行することの弊害は、過去の経験から明らかである。1997年度の大増税がその一つであり、2001年度の小泉政権の超緊縮財政がその一つである。いずれのケースでも、この超緊縮財政政策が、日本に重大な金融危機を引き起こす原因になった。危うく日本は、金融恐慌に陥るところだった。

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これから、政策論議は第三次補正予算の編成と、その財源調達方法に移行する。民主党の次期代表選では、経済復興政策の内容と財源論が大きな争点になる。
 
 私は政府の外貨準備を売却して、その資金を復興政策の財源に充当するべきだと主張してきた。
 
『月刊日本』2011年7月号には、巻頭に
「国難に対処し得る本格政権樹立を」
と題する論文を寄稿した。
 

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 このなかに「外貨準備を売却し50兆円震災復興対策を策定せよ」との小見出しの下に、具体的内容を記述した。ぜひご高覧賜りたい。
 
 小論のなかでも触れたが、現在の経済状況のなかでの大増税政策は自爆テロ行為である。くれぐれも歴史を繰り返す愚を演じるべきでない。
 
 中期的に日本の財政状況を改善する対応は不可欠である。この論議を前にするためには、官僚部門が自らの利権を切ることが不可欠である。官僚機構が自らの利権については、不可侵の権益として手を付けさせないようにすることが、増税論議の最大の障害になっている。官が利権を切らない限り、増税論議は前に進まない。官と菅はこの点を肝に銘ずるべきだ。


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2011年7月19日 (火)

明治三陸地震津波とほぼ同規模の今回地震津波

東日本大震災について、津波工学や地球物理学の研究者でつくる津波合同調査グループが、7月16日、大阪府高槻市の関西大学で報告会を開き、調査結果を発表した。
 
 この発表によると、高さ20メートル以上の津波が、岩手・宮城両県沿岸部の約300キロにわたって記録されたという。調査では北海道から沖縄県までの太平洋岸5000地点以上で津波の痕跡を調査した結果だということだ。
 
 調査をまとめた森信人京都大学准教授は、青森県から茨城県までの約430キロで10メートル以上の津波を記録したと報告した。
 
 また、津波が地上をはい上がった高さである「津波遡上高」については、岩手県宮古市の姉吉地区で、40.4メートルの国内最高値を記録したことが明らかにされた。
 
 津波遡上高が過去最高を記録したことについて、日本経済新聞は、
「明治・昭和の三陸地震津波を大幅に上回った」
と報道したが、これは事実に反する。
 
 1896年に発生した明治三陸地震津波では、岩手県綾里湾奥で、遡上高38.2メートルが記録されている。したがって、今回の遡上高40.4メートルは過去の最高値38.2メートルを上回ってはいるが、大幅に上回ったわけではない。

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今回の地震では、明治三陸地震津波とほぼ同規模、あるいは、明治三陸地震津波をやや上回る津波が発生したというのが正確な表現である。
 
 また、西暦869年にも貞観地震と呼ばれる巨大地震が発生し、やはり巨大津波が発生したことが判明している。
 
 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター等の研究で、仙台平野に過去3000年間に3回の津波が溯上した証拠が堆積物の年代調査から得られており、その発生間隔は800年から1100年と推測されている。
 
 何を言いたいのかと言えば、今回の地震および津波は「巨大な」規模であったが、決して「異常に巨大な」規模ではなかったということだ。
 
 原子力損害賠償法第三条は、原発事故を発生させてしまった際の損害賠償責任を電力事業者に負わせることを明確に定めている。
 
 ただ、この条文のただし書きに、「異常に巨大な天災地変および社会的動乱におる場合はこの限りでない」との表現があるため、東電の損害賠償責任が免責になるのではないかとの主張が存在している。

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しかし、歴史的な経過を踏まえる限り、今回の地震および津波は、日本列島の上では十分に発生し得る、言い方を変えれば、発生することが想定された規模のものであることは明らかである。
 
 地震と津波が名物である日本列島の、海岸沿いに原子力発電所を設置するなら、そこで歴史的に繰り返し発生してきた地震や津波に対して、万全の備えを設けることは当然のことである。
 
 その備えを怠ったために今回の重大事故が発生した。その場合に、電力事業者が法律の定めに従って、損害賠償の責任を負うことは当然のことである。
 
 東電サイドから、繰り返し、「異常に巨大な天災地変」だとして、免責を求める声が聞こえてくるが、上述の事実を踏まえれば、正当な主張でないことは明らかである。
 
 日本経済新聞が、今回の津波が過去の津波を「大幅に上回る規模」だと報道することは、あまりにも歪んだ報道姿勢である。日本経済新聞は原発利権複合体の一角に組み込まれ、また、東電から巨大な広告収入を得てきたことが背景にあるのだろう。
 
 しかし、明治三陸地震津波とほぼ同規模の今回の津波を、事実をねじまげて、今回の津波が明治三陸地震津波を大幅に上回ったと表現し、しかも、明治三陸地震津波の規模を記述しないのは、あまりにも幼稚な偏向報道である。
 
 福島の牛肉の問題ひとつを見ても、原発事故を発生させたことに伴う損害賠償規模は、本来、とてつもないものである。それを法律の定めに従って、厳しく事業者に求めなければ、必ず同じ過ちが繰り返されることになると思う。
 
 適正な損害賠償と事業者に対する適正な責任追及が必須である。

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2011年7月18日 (月)

火事場泥棒『水産特区構想』は白紙に戻すべきだ

松本龍前復興相が宮城県を訪問した際、村井嘉浩知事を叱責し、その後辞任した。松本氏の言動に問題があったのは事実だが、遠方からの客人の訪問に際して、5分でも前もって時間を確保して客人を出迎えることは常識に含まれることではあった。また、松本氏が「地元のコンセンサスを得ろよ」と発言した、その中身には重大な意味が含まれていた点を見落とすことはできない。
 
 6月25日に復興構想会議が提言を発表したが、そのなかに、企業の漁業への参入を認める特区の創設を盛り込んだ。
 
 このことについて、私は6月24日に、
「火事場泥棒的手法に走る復興会議は解散すべし」
と題する記事を掲載した。
 
 漁協の管理下にある漁業に対して、新たに企業の参入を認めることは、漁村全体のあり方を根底から変えかねない重大な意味を持つ。
 
 はっきりしていることは、やがて、大資本が漁業を支配することになることだ。そんなことは火を見るよりも明らかだ。
 
 そして、外資の参入を認めれば、日本の漁業は最終的に外国資本に支配されることになる。
 
 こうした施策が、小泉竹中政治の「市場原理主義」の延長上にあることは明白なのだ。
 
 村井嘉浩氏は、地元住民の意思を無視して、この流れに乗っている。震災で大きな不幸に直面した地元住民の苦しみを横に置いて、かねてより存在した経済のグローバル化を推進する資本の論理の主張に安易に乗っているのである。
 
 この点が、地方の本当の声に真摯に耳を傾ける岩手県の達増拓也知事と歴然たる差が存在する部分である。

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TPPを推進する勢力は誰の意思を代弁しているか。それは、資本の論理の主張でしかなく、資本の利害と本質的に対立する「国民」の論理には反する主張が提示される傾向は否めない。
 
 TPP推進者は、日本の農業の自由化を主張する。農業にも企業形態での参入を認め、これまでの農業のあり方を変革するのだという。
 
 確かに企業が参入し、農業を大規模化し、農業を資本集約的な産業に変化させれば、一時的に生産性が上昇するかもしれない。
 
 しかし、外資の参入を認めれば、農業のノウハウを有する外資が日本農業を支配することになる蓋然性は高い。外資は外資の事情をもとに行動する。外資が長期の安定的な農業を追求するのか、短期の利益獲得を目指すのかは分からない。
 
 また、外資を取り巻く環境がいつ急変するのかも分からない。リーマンショックのような変化が生じれば、外資はいつ資本を撤退してしまうかも分からない。
 
 農業、漁業には、太古の昔からの歴史がある。産業革命後に発展した工業などとは歴史のスケールが違う。日本の農村、漁村の原風景を形成してきたのが、農業や漁業であり、その形態のあり方の変革は、よほど念入りな論議が必要なのだ。
 
 資本の論理、市場原理主義しか頭にない、偏った人々の単なる利潤追求の発想だけで、結論を得るべき対象ではないのだ。
 
 何よりも地域住民を愚弄しているのは、このような論議を、復興構想会議のなかに盛り込み、各種の利害代表者だけが送り込まれる、全体の主張を盛り込むとは到底言えないような、ちんけな会議で、ろくに時間もかけないで、このような結論を提示し、その一味である知事が無責任に、その片棒を担ぐ、その図式である。

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地元の漁協はこのような構想に同意しているのか。住民自治の基本は、意思決定の主役を地域住民にすることではないのか。地域住民が反発することを、中央のどこの馬の骨とも分からぬ会議が決めたことだからと言って、上からそれを強制することが許されることなのか。
 
 復興構想会議は、まず、復旧、復興に全精力を注ぎこむことだ。漁業への企業参入など、米国の差し金か、市場原理主義者の利潤追求の行動か、のいずれかでしかないようなことを、震災のどさくさに紛れて、強行するべきでないことは言うまでもない。
 
 こんなことでは、復興構想会議は火事場泥棒会議と名称を変える必要が出てくる。この会議は、復興そのものよりも復興税などの増税政策に熱心でもある。復興費用を最終的にどのように賄うのかは、復興構想会議の次の問題だ。
 
 結局、この会議は、地域住民のためのものではないことがよく分かる。ハイエナのような利益追求の亡者たちの、火事場泥棒構想会議なのだ。
 
 漁業への企業形態での参入は、この会議で論じるのではなく、別の機会に、もっと時間をかけ、かつ、地元住民の声を十分に反映する形で論議する必要がある。

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2011年7月17日 (日)

九電に出現の第二の居座り菅直人の名は松尾新吾

原発再開の是非について論じる公開放送の住民説明会で、企業ぐるみでやらせメールを実行し、地域住民に対する背信行為を演じた九州電力が居直りを示している。
 
 東電福島原発が重大事故を引き起こした。福島では重大な放射能汚染がいまも広がっている。原子力損害賠償法は原子力事故を引き起こした場合、事業者が無限で責任を負うことを定めている。
 
 東電が今回の事故に対する損害賠償責任をすべて負うことになれば、東電は破たんする。東電が破たんして、可能な限りの損害賠償原資を提供する。しかし、これでは、原資が足りないので、主権者国民がその尻拭いをして、原子力損害賠償を行う。
 
 とはいえ、これまで示されている損害賠償の実情は、原子力災害被害者の損失を補償するものにはなっていない。損害賠償を行うハードルを非常に高く設定しているため、大多数の国民が原子力事故で損害を受けながら、泣き寝入りすることが強制されるような状況である。
 
 原発事故が発生すれば、電力会社など吹き飛ぶ存在である。電力会社がこのリスクに真摯に向き合い、適切な判断をしているとは到底思えない。
 
 これまでの原発設置の費用を考え、また、単純な運転コストを考えると、原発稼働が経済的に有利だから、ただ、その一点で原発再稼働に突進しているに過ぎない。
 
 電力会社だけでなく、機械設備メーカー、土木・建設、設備メンテナンス、使用済み燃料処理事業者など、原発を取り巻く産業のすそ野は広い。
  
 官僚機構は、原発ビジネスを通じて巨大な天下り利権を手中に収めてきた。
 
 政治家にも、原発関連マネーが大量に注がれてきた。
 
 原発推進の原子力関連学界には、巨額の研究費が注がれてきた。
 
 メディアにとっても、電力業界は最重要の巨大顧客であり続けてきた。
 
 こうした、政官業学電の利権複合体が形成されているから、今回のような重大事故が発生しているにも関わらず、脱原発がまともに論議されようともしない。

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私がブログ記事転載許可を再開した、ネット上の論壇誌と言われる「BLOGOS」も、脱原発関連の記事はできるだけ掲載しない方針が取られているのではないかとも感じられる。
 
 原発推進の御用学者が腐るほど存在するが、「BLOGOS」もそうした腐った御用学者の影響を受けているのではないかと感じられる。本記事まで掲載されない場合、読者は、ぜひ、BLOGOSの偏向編集姿勢について、抗議をしていただきたく思う。私も、事務局に問い合わせをしている。
 
(追補)問い合わせの結果かどうかは分からないが、7月16日付記事が転載された。「BLOGOS」事務局には、ぜひ、偏向のない記事紹介を強くお願いしたい。
 
 九州電力は企業ぐるみで、原発再開の是非について論じる公開番組の住民説明会で、論議を人為的に誘導する卑劣な手段を講じたのである。その人道的、社会的責任は計り知れない。
 
 海江田経産相が社長辞任を求めたのは当然のことである。
 
 その後、マスゴミ各社が真鍋社長辞任の報道を行った。ようやく、社長が辞任することになったと思われたが、ここに、九州電力の実質支配者である松尾新吾会長が登場し、再び、社長、会長居座りの方針を示したと報道されている。
 
 九州電力は、世間も政府もなめきっている。
 
 九州電力の実質支配者は松尾新吾会長であることは明白であり、真鍋社長辞任の前に、松尾会長辞任を実行するべきだ。
 
 海江田経産相は松尾会長、真鍋社長の引責辞任がない限り、玄海原発再稼働は認めないことを明言するべきである。
 
 そもそもは、日本では定期的に発生する地震や津波が発生して、重大事故を引き起こすような原発は、その稼働を認めるべきでない。

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原子力損害賠償法は、原発事故を引き起こした場合には、事業者である電力会社が全責任を負うことを明確に定めている。したがって、東電にもこの法律を適正に適用すればよいのだ。
 
 東電は法的整理下に置かれるが、会社更生法を適用すれば、電力の安定供給に支障を来すことは避けられる。
 
 原賠法第三条に規定のある「異常に巨大な天災地変」とは、地震で言えば震度9とか震度10、津波で言えば高さが100メートルに及ぶものなど、これまでの歴史で経験したことのないようなものを指すと考えるのが、常識的な日本語解釈から得られるものである。
 
 これまでに何度も経験している天災地変を「異常に巨大」とは表現しないからである。
 
 東電に対して、不正な救済策を示すから、九州電力がつけあがるのである。マスゴミは九州電力の松尾会長発言を大きく取り扱っていない。
 
 唯一、ヤフーニュースが伝えているが、グーグルニューストップページには片鱗もうかがえない。
 
 3.11の原発事故を踏まえて、もう、利権で動くことはやめるべき時が来ている。利権とカネだけで動けば、必ず、もっと大きな災厄が日本を襲うことになるだろう。
 
 九州電力の不遜な姿勢を許してはならない。玄海原発の地元住民も、利権だけでものを考えるべきでない。原発再稼働の是非以前に、九州電力の基本姿勢そのものに重大な問題があることを、住民は適切に指摘しなければならない。

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2011年7月16日 (土)

しっぽの社長が切られ会長が居座る日本電力業界

九州電力経営者は自分たちの犯した行為の責任を認識していないとしか言いようがない。
 
 原発再稼働について、住民の同意を得るための説明会を開き、これを公開のテレビ放送とした。この放送が視聴者からの意見を募集したところに、九電が指揮した組織的な「やらせメール」が大量に流入し、説明番組の方向に重大な影響を与えた。
 
 地域住民の意思を確認するための番組に、原発推進の当事者であり、原発利権複合体の中核に位置する電力会社が、組織ぐるみで、説明企画の人為的な誘導を実行したのである。
 
 破廉恥極まりない行為である。
 
 東電が引き起こした福島第一原発の放射能暴走事故は、原発の潜在的なリスクを鮮明に示すものになった。このような事故を二度と引き起こすことは、地球に対する責任として絶対に許されない。
 
 原発再稼働にあたっては、本当に事故発生のリスクが皆無であるのかどうか、慎重な吟味が求められることは当然である。
 
 京都大学の小出裕章助教が指摘するように、原発は機械である。機械である限り、故障を皆無にすることは不可能である。そして、原発の稼働には、必ず人為の手が加えられる。人為が加えられる以上、人為のミスは必ず発生するのだ。
 
 このようなことがらが確率的に発生したときに、大事故が発生するリスクを本当に皆無にすることができるのかどうか。問われなければならないのは、その発生確率である。
 
 これまで、政府も東電も、絶対に事故は発生しないと断言してきた。ところが、現実に事故は発生した。しかも、その事故は、危うく日本列島を滅亡させるほどの事故であった。

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これだけの事故を経験しながら、その意味を重大に捉えないことは、狂気のなせる業である。しかし、原子力利権の欲に目がくらみ、狂ってしまっている人間が、どれほど多数発生しているのだろうか。
 
 原子力産業は巨大ビジネスである。価格が多くの側面で独占価格であるために、超過利潤が生まれる、濡れ手に粟の利権尽くしのビジネスなのである。関連する業界も多岐に広がっている。
 
 これらの事業関係者が、原発推進に懸命になることはよく分かる。
 
 しかし、問題の本質は、まったく異なる次元にある。原発ビジネスのリスクが潜在的にどこまで大きいのか。そのリスクが表面化する確率はどの程度のものであるのか。この点を、慎重に見極めない限り、単に利権尽くしだということだけで突進して良いビジネスではないのだ。
 
 そのような問題が背後にあるなかで、原発再稼働の是非を考える番組が放送された。その放送に際して、九電は会社ぐるみで、情報を意図的に操作するための工作活動を実行したのだ。
 
 万死に値する罪だ。
 
 当初、社長が辞意をほのめかした。
 
 ところが、この会社は、東電と同様に、会長が実権を握っているのだという。会長はテレビマイクを向けられると、電力の安定供給が大事だから、社長の責務は辞めることではなく、電力の安定供給に取り組むことなどと、反省の色も皆無にコメントを発していた。

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会社ぐるみで不正な情報操作を実行したことについて、反省の色など微塵もない。この会長が会長、社長の居座りを画策したのである。
 
 これに対して、海江田経産相が猛烈に反発した。社長辞任は必至だと発言したのだ。
 
 九電は、社長、会長がともに居座りを画策していたものの、社長の真鍋利応氏は月内に辞任する方針を固めた模様だ。しかし、海江田経産相は、経産省が画策した東電救済策が電力会社のぬるま湯対応をもたらしている現実を直視すべきだ。倒産すべき企業を救済するから、電力会社があぐらをかいて殿様気分を続けるのだ。
 
 また、九電の場合、会社の実権を松尾新吾会長が握っているのなら、この会長を退任させなければ企業の体質は変わらない。これは、東電の場合もまったく同様だ。
 
 電力会社では、一般的に会長が実権を握っているケースが多い。関電の美浜原発の事故の際にも、会社を仕切り、実体上の最終責任を負っていた秋山喜久会長は会長に居座り、社長の藤洋作氏だけが切り捨てられた。事故に際して、真摯な謝罪の行動に奔走したのは藤洋作氏だけで、秋山会長が謝罪の行動を示した形跡は残されていない。この会長は、いまも相談役として居座っているのではないか。
 
 東電の場合も、清水社長が切り捨てられる一方で、勝俣恒久会長は会長職に居座り、東電を事実上支配し続けている。
 
 重大問題が発生した際に、社長だけでなく会長も退陣させなくては、企業体質は変わらない。電力業界は政府も世間もなめきっているのではないか。

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福島で飼育された肉牛から、高濃度の放射性物質が検出されて、深刻な問題を引き起こしている。スーパーマーケットは、国から強制されて、福島産の農産物などを販売しているが、スーパーマーケットの店頭をよく調べてみるがよい。福島産の野菜売り場だけ、売れ残り商品で山積みになっている。福島から遠く離れた産地の生産物は完売であるのにである。
 
 これを、安く買えるから食べようと思う人が食べるのは自由だが、消費者の選択権は消費者主権の一部である。消費者が子供たちの内部被ばくを警戒して、警戒的な行動を取ることを批判することはできない。
 
 健康を重視して警戒的な行動を取ると、その消費者が加害者で生産者が被害者であるかのような図式が提示されることが多いが、これも、はなはだ筋違いだ。
 
 生産者も消費者も、どちらも被害者なのだ。肉の事例でも、安全だとして販売されたあとで、実は規制値を上回っていたと発表されるのだから、販売されている商品を、消費者は無条件に安心して買うことができないのだ。
 
 生産者に罪はない。生産者は被害者である。重要なことは、この「被害者」である生産者に対する経済的な補償を完全に行うことである。そうすれば、この生産者が無理に生産物を販売する必要はなくなる。消費者も、健康を心配しながら、買い物をしなくて済む。せっかく作った作物を販売できない辛さも、原発事故の被害の一部を構成する。
 
 しかし、このような被害をパーフェクトにすべて補償するとなれば、膨大な費用がかかる。とても東電の資金だけでは補償できなくなる。その場合には、政府が補償しなければならないが、政府の補償というのは、すなわち一般国民の負担による補償ということだ。

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原発を再稼働するかどうかという問題は、実はここまで厳密に考慮して初めて結論を示すことのできる問題なのだ。事故を発生させた場合に、本当に損害賠償を成し遂げられるのか。この点を真剣に考えさせるには、やはり、東電を倒産させた方が良いのだ。東電を安易に救済するから、他の電力会社もぬるま湯体質からまったく抜け出そうとしなくなるのだ。
 
 真剣に議論もせず、いつものお役所体質で、やらせ公開説明会を開いて、儀式だけ済ませて、再稼働に突進することが許されるわけがない。
 
 原発が重大事故を引き起こせば、その影響は決して軽微ではない。福島は、今後、半永久的に今回の事故の負債を負うことになる。望ましいことではないが、原発が重大事故を引き起こすとは、それほどまでに深刻な事態なのだ。
 
 放射性物質が土壌、そして、水質を汚染している。その影響を軽視することは許されない。
 
 九電の松尾新吾会長に、真摯な姿勢はまったく感じられない。真鍋社長とともに直ちに辞任させ、九電の企業体質を根本から改める必要がある。

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2011年7月15日 (金)

無罪明白の小沢一郎氏が次期代表首相最有力候補

今日の政治の混乱の出発点は、2009年3月3日の大久保隆規氏逮捕にある。
 
 この逮捕に対して、民主党は党を挙げて、検察の不当な行動に対して、その正当性を適正に問うべきであった。
 
 ところが、小沢一郎民主党代表を擁護すべき民主党議員の一部が、このことを材料に小沢一郎氏攻撃を激化させた。
 
 検察の不正で不当な行動、これを助長するマスゴミの偏向した小沢氏攻撃、これに便乗した民主党内での小沢代表攻撃の結果、5月11日、小沢一郎代表は辞意を表明したのである。
 
 この間の経緯は、本ブログの2009年3月から5月までの記述を辿っていただければ、よく理解できるはずである。
 
 私は大久保氏逮捕を「三三事変」と呼んできた。この三三事変とは一体何であったか。

 この点についても、本ブログは繰り返し記述してきたから、詳述は避けるが、西松建設と関係の深い「新政治問題研究会」および「未来産業研究会」という二つの政治団体からの献金を、小沢一郎氏の政治資金管理団体の会計責任者であった大久保氏が、事実に即して収支報告書に記載して報告したことに対して、検察が寄付行為者を「西松建設」としなかったのは虚偽記載にあたるとして、大久保氏を逮捕、起訴したものである。

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ところが、同じ事務処理をした政治家の資金管理団体が20近くもあった。これらの資金管理団体がまったく同じ事務処理をしていたにもかかわらず、小沢氏の資金管理団体だけが摘発されたのである。それも、事情聴取もないままに、いきなり、逮捕という荒っぽい手法が取られた。
 
 麻生首相が官房副長官に起用した警察庁長官出身の閏間巖氏は、この刑事捜査について、「自民党には波及しない」と発言した。
 
 これが、収賄や、裏献金などの問題であるなら、検察捜査を見守るというのも一つの行動のとり方であろう。
 

しかし、逮捕事由は上述のもので、小沢氏自身が不当な逮捕だとの見解を表明しているときに、民主党議員が小沢氏を攻撃するのは不見識甚だしい。検察の暴走の機に乗じて、党内政局を仕掛けるだけの行動である。
 
 この局面で、激しく小沢氏攻撃を行ったのが、岡田克也氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、渡部恒三氏などの面々である。すべて、「悪徳8人衆」に属する。
 
 そもそも、民主党は2006年に解党の危機に直面していた。2005年郵政選挙で岡田克也氏はその無能ぶりを天下にさらけ出した。順当に総選挙で惨敗した。後継代表に就任した前原誠司氏も力量のなさを思い切り国民にアピールした。偽メール事件で自民党を追い込むはずの通常国会で逆に追い込まれてしまったのだ。
 
 この危機に火中の栗を拾ったのが小沢一郎氏である。代表就任直後の千葉七区衆院補選で奇跡の大逆転勝利を収めた。翌2007年7月参院選では、参議院第一党の地位を確保し、参院での与野党逆転を実現した。
 
 こうして、いよいよ総選挙での政権交代を目指すところまで地歩を固めた小沢一郎民主党代表に、悪徳ペンタゴンは激しい攻撃を浴びせかけた。
 
 私がこのブログを開始したのは2008年4月だが、2008年5月29日に
「自民党が恐れる最大の存在は小沢一郎氏である」
と題する論考を掲載した。
 
 悪徳ペンタゴンによる小沢氏攻撃を予知し、この攻撃を跳ね返して、政権交代の偉業を実現させねばならないというのが、本ブログ創設の重要な狙いのひとつだった。
 
 2007年秋の大連立構想、2008年春の日銀幹部人事混迷、2008年秋の民主党代表選のすべての機会に、小沢氏失脚工作が仕掛けられた。

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ところが、これらのすべてを小沢氏がクリアした。私は権力が禁じ手に手を染めることを警戒した。
2009年1月16日に
「手段を選ばぬ「悪徳ペンタゴン」次の一手」
2009年1月21日に
「西松建設事件に立ち込める政治謀略の匂い」
と題する記事を掲載した。
 
 そして、三三事変が発生したのである。
 
 しかし、5月11日に代表辞任を表明した小沢氏は、辞任の理由について「総選挙への悪影響を避けるため」と述べた。引責辞任ではなく、「悪徳ペンタゴン」との戦いの戦術として辞任することを明確に示したのだ。
 
 三三事変はその後、どのような経過をたどったか。ほとんど国民がこの重要事実を知らない。
 
 2010年1月13日の大久保氏第2回公判で、検察側証人である岡崎彰文西松建設元総務部長が、二つの政治団体には実体があり、そのことを大久保氏にも伝えていたことを証言したのだ。つまり、この瞬間、大久保氏逮捕が誤認逮捕、不当逮捕であることが明らかになったのだ。
 
 このことが持つ意味は重大である。大久保氏逮捕が不当逮捕であったのなら、小沢氏代表辞任も不必要だった。そうであるなら、小沢氏は2009年9月に内閣総理大臣に就任していたのである。震災発生後のいまも、精力的に日本復興に力を尽くしていたはずだ。
 
 史上最大の失態を演じた検察は、この巨大不祥事を隠蔽するために、新たな暴走を演じた。これが、一一五事変である。
 
 2010年1月15日、検察は衆議院議員の石川知裕氏、大久保隆規氏、池田光智氏を突然逮捕した。
 
 起訴事実は、不動産取得の期ずれと、小沢氏が立て替えた資金の出入りの不記載だ。
 
 不動産の登記は2005年1月7日に行われた。事務所はこの期日をもって不動産取得日として報告した。検察は仮払いをした2004年10月の期日で報告すべきだったと主張する。また、一時的な立て替え払いは、通常、収支報告書に記載されないことが多いと言われている。検察は、水谷建設からの裏金の存在を隠すために、小沢氏の立て替え払いを記載しなかったと主張する。
 
 その検察は、水谷建設から裏金が渡ったことを裏付けるために水谷建設元社長を証人として出廷させ、裏金を渡したことを証言させた。
 
 これに対して、弁護側は元会長と運転手を証人申請して証言させた。運転記録には社長が証言する日付の運転記録が存在しないことが明らかにされた。会長は社長にカネが渡ったことは事実だが、その先が不明であることを証言した。検察自身は1年以上にも及ぶ総力を挙げての捜査にもかかわらず、裏金疑惑を立証できなかったのだ。

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この公判では、さらに重要な裁判所の判断が示された。石川氏などが小沢氏に報告して了承を得たという石川氏の供述調書に対する証拠申請を却下したのだ。検察による威圧と脅しと誘導によって、被告の意に反して作成された調書であると認定されたのである。
 
 東京第五検察審査会が小沢一郎氏に対して二度の起訴相当議決を示した根拠は、この調書にあった。共謀による共同正犯として小沢氏を起訴したのだ。
 
 ところが、報告・了承についての調書が証拠不採用となれば、小沢氏立件の根拠が消滅する。
 
 菅直人氏は何と言ったのか。「しばらくは静かにしていただくことが、本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないか」との暴言を吐いた。
 
 小沢氏は、このような激しい攻撃にさらされながら、昨年9月の代表選で国会議員票200票を獲得した。代表選当日に無理やり決定された二度目の起訴相当議決は、手続きに瑕疵があり、議決は無効であることを森ゆう子参院議員が明らかにしている。
 
 民主党内で小沢氏攻撃に加担した者たちは、すべて悪徳ペンタゴンの手先である。
 
 小沢氏の無実は近い将来、白日の下に明らかにされる。
 
 次期民主党代表には小沢一郎氏を選出するべきである。そして、小沢一郎政権を樹立して、国難に立ち向かうべきである。これこそが、憲政の常道である。

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2011年7月14日 (木)

原発利権複合体が嫌悪する脱原発世論の拡大

7月11日、午後6時から、東京平河町の都市センターホテルで、
「森裕子を応援する有志の会」主催
森裕子「講演会・懇親パーティー」
が開催された。
 
 私も、懇親パーティーでスピーチをさせていただいた。会の模様については、ジャーナリストの山崎淑子氏がブログで紹介くださっているので、ぜひご高覧賜りたい。
 
 政権交代実現からまだ2年も経過していない。しかし、政権交代実現時に沸騰した民主党への熱い期待はしぼみ、国民の大多数が菅首相の一刻も早い辞任を求める情勢に転じている。
 
 民主党が国民の支持を失った理由は、民主党の政策が国民の期待を裏切ったからではない。昨年6月に権力を不当に強奪した菅政権が、民主党本来の政策を根本から踏みにじる行動を取り続けてきたことによっている。
 
 自民党は、この機に乗じて、菅内閣に民主党が2009年総選挙マニフェストで示した政策を全面放棄することを求め、それを条件に、赤字国債発行根拠法を成立させるなどとうそぶいている。
 
 2009年9月の政権交代には、単なる政権交代以上の意味と意義があった。普通の国の普通の政権交代という意味だけではなく、日本政治の基本構造を刷新するとの意味が込められていたのである。

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それは、米国、官僚、大資本による日本政治支配の構造を根本から刷新しようとするものだった。この政治刷新を実現するうえで、大きな課題が具体的に提示もされた。
 
 普天間基地の県外移設、官僚天下りの根絶、企業献金の全面禁止などである。官僚利権に使われていた予算を根本的に見直し、国民生活を第一に位置付けることが具体的に示された。この具体策こそ、子ども手当、高校授業料無償化、高速道路料金無料化、農家個別所得補償などの施策である。これらの政策方針は決して間違っていない。「国民の生活が第一」の基本方針こそ、主権者国民が支持した政策方針である。
 
 ところが、菅内閣は、米国の言いなりに普天間基地を辺野古に移設しようとし、官僚の天下りを温存し、大資本による政治支配の構造をまったく変えようとしていない。天下り利権を切らないから、政府支出の無駄は温存され、「国民の生活が第一」の政策を実行できない状況に追い込まれている。
 
 菅内閣同様に、対米隷属、官僚利権温存、大資本による政治支配維持を旗印に掲げる自民党に、民主党本来の「国民の生活が第一」の基本方針を捨て去ることを強要されつつあるのだ。
 
 昨年6月のクーデターにより、民主党の実権は、民主党内対米隷属勢力、菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部の悪徳8人衆を中心とする「民主党悪党」に乗っ取られた。この「民主党悪党」が民主党の基本政策を踏みにじり、民主党への主権者国民の支持を散逸させ、民主党を破壊し、事実上の民主党の自民党化を推進しているのだ。
 
 これが、民主党の党勢急落の理由である。国政選挙、地方選挙で、民主党は連戦連敗を続けており、このまま進めば、民主党のメルトダウンを確実な情勢だ。

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事態を打開するには、まず、菅直人氏を退場させ、「民主党悪党」に乗っ取られた民主党を、「民主党正統」が掌握する状況に転換しなければならない。
 
 菅直人氏が発表した「脱原発宣言」は基本的に正しいものだと私は考える。「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕まえる猫は良い猫だ」との考え方はある。
 
 しかし、「森裕子議員講演会・懇親会」で話をされた民主党の川内博史議員は、
西郷南洲翁遺訓から、
「何程(なにほど)制度方法を論ずる共、其人(きじん)に非ざれば行はれ難し。」
を引用し、どんなに制度や方法を論議してもそれを説く人がりっぱな人でなければ、うまく行われないことを説かれた。
 
 マスゴミが菅直人氏の「脱原発宣言」に対して、批判的な伝え方を示しているのは、マスゴミ自身が原子力利権複合体の一角を占めているからである。
 
 利権複合体は、福島原発事故を踏み越えて、なし崩し的に原発推進に、世の中の駒を進めようとしているから、ストレステストも「脱原発宣言」も邪魔者でしかない。
 
 しかし、3.11以降、世界は変わったのである。新たな時代に新たな考え方を取り入れてゆかなければ、生きてゆくことができない。
 
「変わらず生きてゆくには変わらねばならない」
 
のだ。

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ただ、うそつき総理、ペテン師総理では、誰も人がついてゆかない。いまからわずか3週間前、6月19日には原発安全宣言、原発再稼働要請を海江田経産相とともに唱えていた人物が、突然、脱原発を叫んでも、説得力がない。
 
「カナダde日本語」の美爾依さんが、
「原発推進派による菅直人バッシングが始まった」
と題する記事を掲載された。
①菅直人氏が人間として信頼できないこと
②原発推進勢力である利権複合体は脱原発攻撃を続けていること
③しかし、「脱原発」の方針は正しいこと
の三つが入り組んでいるから、この三つを頭の中で、しっかりと区別して考える、「考える力」が大切だと思う。
 
 川内博史氏が指摘するように、「脱原発」は新たな指導者が誘導するべきことがらであるが、菅直人氏への評価と、「脱原発」への評価とは、明確に区別することが必要である。

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2011年7月13日 (水)

菅直人氏の「政治とカネ」事件捜査が始動し立件か

「政治とカネ」の問題で、新たな事態の進展が見られている。

「政治とカネ」と一言で言うが、その内容は千差万別である。
本来の問題は、カネの力で政治が歪められることが問題なのだ。その象徴的な事例が原発問題である。
 
 原子力発電事業は巨大な利権を生み出している。この巨大利権が存在するからこそ、利権の分配にあずかる大資本は「カネ」を政治屋、マスゴミ、官僚、御用学者に流し込み、この巨大利権ビジネスを維持しようとする。
 
 人類を滅亡に追い込みかねないような大事故を引き起こしても、なお、その根本的な見直しを行おうともせず、ただひたすらに原発事業の継続を求めて行動を繰り返す。
 
 政治が本来の機能を回復してこのような重大問題について、国民の視点から問題を考察するためには、この正当な考察を阻害している要因である「政治とカネ」の問題に手を入れるしかない。
 
 その究極の手段が、企業団体献金の全面禁止である。
 
 菅直人氏は「政治とカネ」の問題を絶叫しながら、こうした本質的な問題解決に向けての行動を何ひとつ取ってこなかった。
 
 菅直人氏は政権交代を実現させた最大の功労者である小沢一郎氏に対して、人間として許されない暴言を浴びせて、権力を強奪した。
 
 小沢一郎氏の問題が不明確で、完全な冤罪の疑いが濃厚に存在するにもかかわらず、推定無罪の原則をも無視して、小沢元代表に対して、
「しばらく静かにしていただいた方が、本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいのではないか」
と言い放ったのだ。
 
 ところが、本ブログで繰り返し記述してきたように、小沢一郎氏およびその周辺で問題とされている「政治とカネ」の問題は、重箱の隅を突くような、まさに「チンピラの言いがかり」としか呼ぶことのできないようなものである。

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逮捕、起訴に至った問題は二つある。

 ひとつは、西松建設関連の政治団体からの献金の記載にかかる問題だ。未来産業研究会、新政治問題研究会という政治団体からの献金を小沢氏の資金管理団体の会計責任者である大久保隆規氏が、その事実に則して収支報告書に記載して提出した。
 
 検察は、これを「西松建設からの献金」として報告しないと虚偽記載だとして、2009年3月3日に大久保氏を逮捕し、その後起訴した。
 
 二つ目の問題は、小沢氏の資金管理団体が、2004年10月から2005年1月にかけて世田谷にある不動産を取得した。その際、銀行融資が実行されるまでのつなぎ資金として、小沢氏が一時的に資金を立て替えた。
 
 小沢氏の事務所は、不動産取得の時期を不動産登記が行われた2005年1月として報告書に記載した。他方、一時的な立て替え払いについてはこれを記載しなかった。これまでの収支報告書の慣例では、一時的な立て替え払いは記載されないことが多かったからである。
 
 検察は、2005年の取得を2004年の取得として報告すべきだと主張、また、立て替え払いについても記載すべきだと主張し、このことを理由に小沢氏の元秘書であった石川知裕衆議院議員、大久保氏、池田光智氏を逮捕、起訴した。
 
 この問題に関連して、捜査段階で、石川知裕氏が小沢氏にも報告し了承を得たとの調書が存在するとのことから、東京第五検察審査会が、小沢一郎氏を共犯者として起訴相当議決を行った。

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一つ目の問題については、そもそも、同じ事務処理を行った資金管理団体が多数存在するのに、小沢氏の新管理団体だけが摘発されたこと自体が「法の下の平等」に反している。
 
 そして、2010年1月13日の大久保氏第2回公判で、西松建設元総務部長の岡崎彰文氏が、二つの政治団体に実体が存在し、そのことを大久保氏にも伝えていたことを証言した。この結果、大久保氏の無罪は確定的になった。
 
 つまり、2009年3月3日の大久保氏逮捕は不当逮捕であり、したがって、このことを事由とした2009年5月11日の小沢氏の辞意表明も不要だったということになるのだ。検察の暴走が日本の総理大臣の系譜を変質させてしまったのだ。
 
 2010年3月15日の三名の逮捕は、これが収賄などの実質的な犯罪摘発の入口になると理解された。ところが、検察の懸命の捜査にも拘わらず、そのような実質的な犯罪は立件されなかった。
 
「期ずれ」の問題も、「立て替え払いの不記載」の問題も、実質的な犯罪行為であるはずがなく、報告書の修正で済まされる問題である。
 
 検察は、水谷建設から裏金が小沢氏サイドに渡り、このカネの存在を隠蔽するために不記載になったとのストーリーを構築し、水谷建設元社長などに証言させたが、肝心の運転手の運転日誌に、資金受け渡し日の運転記録がなく、まったく信ぴょう性のない証言になった。
 
 水谷建設元会長から元社長に渡された資金が、小沢氏サイドに渡らずに、水谷建設社長の手元で消えてしまったとの見方が有力である。
 また、収支報告書の記載内容について、石川氏などが小沢氏に報告し、了承を得たとの内容が含まれる石川氏などの供述調書が存在し、これが小沢氏に対する起訴相当議決の根拠とされたが、この調書は検察官の恫喝による誘導によって作成された調書で、任意性に疑義があるとして、東京地裁が証拠としての採用請求を棄却した。任意性がなく、証拠として認められないとの判断を下したのである。
 
 したがって、小沢氏の検察審査会による起訴相当議決は根拠を失うこととなり、現段階で、小沢氏の無罪は確実という情勢になっている。
 
 石川議員をはじめとする3名の元秘書に対する嫌疑も、上述したように、常識的な判断が示されるならば、完全無罪となるはずのものだ。

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これに対して、新たに浮上しているのが菅直人氏の「政治とカネ」問題である。
 
 菅直人氏は日本国籍を持たない外国籍の人物から違法に政治献金を受けてきた。菅直人氏がこの人物が外国籍の人物であることを認識していれば、政治資金規正法違反となり、処罰されることになる。この場合には、公民権が停止され、当然、菅直人氏は首相を辞任せざるを得なくなるばかりでなく、議員資格もはく奪される。
 
 菅直人氏はこの人物と極めて親しく、会食だけでなく、一緒に釣りに出かけたりする関係を有していた。
 
 この人物の職業、名前などを確認すれば、外国籍の人物であることは容易に推察される状況にあり、菅直人氏がこの人物の国籍を知らなかったというのは虚偽である可能性が高い。
 
 菅直人氏は刑事告発されており、警察当局がようやく捜査に乗り出した模様である。
 
 小沢氏に対して、疑惑が浮上しただけで「しばらく静かにしていた方がいい」と言い放った菅直人氏であるから、今度は、菅直人氏が首相を辞任してしばらくは静かにしていた方がいいことは明白だ。
 
 菅直人氏はなべ底にこびりつく焦げのように、首相の椅子にへばりついているが、真っ黒の焦げは有害物質、発がん物質に過ぎない。
 
 釜めしのおこげ程度であれば香ばしくもあり、美味だが、なべ底の黒炭では、有害でしかない。早期の退陣が改めて求められる。

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2011年7月12日 (火)

夏場の電力需給逼迫期高校野球中継を見直すべし

原発再稼働の条件として「ストレステストをクリアすること」が設定され、原発推進勢力が猛反発している。
 
 原発推進勢力=原発利権勢力は、なし崩し的に原発再稼働を実現し、福島原発事故を過去のものにしてしまおうとしている。
 
 しかし、よく考えてみれば、原発の稼働再開に際して、慎重の上にも慎重を期すことは当然のことである。
 
 菅直人氏が6月18日、6月19日に原発再稼働にゴーサインを出しておきながら、7月6日の国会答弁では、政府による原発再稼働要請の行動すら把握していないかのような発言を示し、そのうえで、原発再稼働に待ったをかけて、新たなハードルとしてストレステストを提示した。
 
 菅直人氏の行動は糾弾されるべきである。しかし、国民の生命と健康、地球の生命を重視する立場からは、こうした政治の迷走と、原発問題とは切り離して考えることが求められている
 
 利権のことしか頭にない、カネ亡者である財界からは、さっそく抗議の声が聞こえてくる。財界首脳は経済界を代表する立場にあるのだから、カネの亡者としての立場以外に、社会における発言者としての立場を自覚すべきだが、現在の経団連会長などには、その自覚がないようだ。カネカネカネと騒ぎたてる姿はあまりにも醜悪である。
 
 さらに、九州電力は原発再稼働に関するテレビ中継を伴う説明会で、あろうことか、やらせメール事件を引き起こした。会社ぐるみでやらせメールを指揮し、実行し、発覚後はこれを隠蔽するという、驚くべき犯罪的行為に及んだのである。
 
 九電の社長、会長の辞任は免れないが、九電会長が開き直って、社長も会長も辞任する必要がないことを示唆すると、マスゴミは突然、沈黙に転じている。このような体質を放置して原発再稼働が認められるわけがないことは明白である。

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原発利権勢力の広報部隊であるマスゴミも、原発再稼働に向けてのストレステストについて、批判的な論調を意図的に形成している。これから夏場の電力需要拡大期に向けて、原発再稼働が遅れることによる電力不足の懸念を強調しているのである。
 
 本当に夏場の電力使用ピーク時における需給ひっ迫を懸念するなら、ピーク時の電力使用量を引き下げるための、あらゆる工夫をすることを、まず優先するべきである。
 
 一般的に夏場の電力使用量ピークは、夏休み半ばの午後の時間帯に発生することが多かった。夏の高校野球大会のテレビ中継を多くの国民が視聴し、他方、クーラー使用がピークに差しかかるタイミングで電力利用量がピークになるというものだ。
 
 そうであるなら、まずは、高校野球の試合、あるいはテレビ中継について、午前11時から午後5時までの時間帯は、試合を行わないか、あるいは、テレビ中継を行わないことを決定すればよい。
 
 また、電力需給ひっ迫期には電力供給を中断することがある旨の特約が付いた、大口電力の供給を絞れば良い。
 
 高校野球のテレビ中継あるいは試合のピーク時回避などは、やろうと思えばすぐにできることである。
 
 原発再稼働について、安全性チェックを高めるために、こうしたピーク時電力利用量を引き下げる努力の注ぐべきことは当然ではないか。
 
 高校野球のテレビ中継の利権を守るために、原発の安全性チェックをおろそかにするとの発想が不当である。
 
 まずは、夏の高校野球の運営およびテレビ中継について、何らかの対応策を取るべきである。

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2011年7月11日 (月)

菅直人氏なきあとの民主党代表選出に際しての肝

菅直人氏が総理の椅子にしがみついて離れないが、これを「打たれ強い」と評価するわけにはいかない。
 
 菅降ろしをしている側が不正で、筋が通らぬことをごり押ししようとしているなら、その風圧に耐える行為は称賛されるべきである。
 
 しかし、菅氏の場合、菅氏に対する辞任要求は筋が通っており、菅氏が総理の座にしがみつく正当な理由は存在しない。
 
 菅直人氏は2010年参院選を菅内閣に対する信任投票であると明確に位置付け、この選挙で信任されて初めて政権の正統性が確保できるとした。
 
 その参院選で惨敗したのだから、この時点で菅氏は退陣するほかに道はなかった。
 
 6月2日に内閣不信任決議案が可決される状況にまで菅氏が追い込まれたのは、震災発生後の菅内閣の行動に重大な問題があったからだ。
 
 最大の罪は、政府の情報隠ぺいにより、多数の住民が放射能を大量被曝してしまったことだ。子供に対する放射能被曝の強制も間違った政策対応である。
 
 東電に対しては、原子力損害賠償法の規定に反して、東電関係者を救済して、そのつけを一般国民に転嫁する歪んだスキームを菅内閣が提示した。
 
 さらに、震災発生後、被災者の生存権を守り、被災地を復旧、復興させるために、総合経済対策を策定し、実行することが急務であるにもかかわらず、今日まで延々とサボタージュを続けてきた。
 
 これらの罪により、菅内閣には内閣不信任決議案が突き付けられた。
 
 この窮地に鳩山前首相が調停に入り、菅首相辞任の言質を取り付けた。解散総選挙を回避し、菅首相を退陣させる調停工作だった。
 
 菅直人氏はこの調停に乗りながら、ペテン師的手法で、国会議員を欺き、総理の椅子にしがみついている。

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塩野七生氏が小泉純一郎氏に贈ったという、
「刀折れ矢尽き、満身創痍になるまで責務を果たし続け、その後で初めて,今はまだ若造でしかない次の次の世代にバトンタッチして、政治家としての命を終えてくださる」
や、
玄侑宗久氏がテレビで語った
「なりゆきを決然と生きる」
などの言葉を利用して、菅伸子氏が菅直人氏の行動を正当化しようとしているらしいが、噴飯者と言うしかない。
 
 菅直人氏の責務は、主権者国民の審判に従い退場することであり、主権者国民の意思を踏みにじって、総理官邸に立てこもることではない。
 
「なりゆきを決然と生きる」なら、昨年7月参院選後に決然と辞任しているだろうし、先の6月2日には内閣不信任決議を受けて決然と辞任しているだろう。
 
 財政運営上、赤字国債の発行根拠法がどうしても不可欠になる時期が近付いている。この法律が成立しなければ、政府は財源不足に陥り、政府機能がマヒする。
 
 この法律成立と菅氏の辞任を取引するべきである。公明党が不自然な動きを示し始めているが、菅氏の辞任を求める声は主権者国民の総意であり、党利党略で菅首相辞任を妨げるような動きを取るべきではない。

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民主党の最大の問題は、後継代表に誰を選ぶかである。
 
 今日までの経緯を踏まえて考えるべきだ。
 
 2009年3月の大久保隆規氏逮捕がなければ、2009年9月に小沢一郎政権が誕生していた。小沢氏は2009年5月に代表職を辞したが、3月の大久保氏逮捕は不当逮捕であったことが明らかになった。
 
 2010年1月15日の石川知裕衆議院議員などの逮捕も、不当逮捕であったことが、間もなく明らかにされるだろう。収支報告書の重箱の隅をつくような記載ミスで逮捕されるなら、国会議員関係者全員が逮捕されないと辻褄が合わなくなる。
 
 政権交代実現の最大の功労者が小沢一郎元代表だった。
 
 菅政権が発足して以来、民主党に対する国民の支持が消滅したが、これは、民主党本来の政策主張に対する国民の評価によるものではない。
 
 菅直人民主党が民主党本来の政策主張をことごとく踏みにじり続けてきたために、本来の民主党支持者が現政権をまったく支持しなくなったのである。
 
 菅直人氏が退場するとして、民主党がやらねばならない第一の課題は、政権交代原点への回帰である。政権交代は、単に政権が変わるという意味だけをもったものではなかった。
 
 日本政治の構造を刷新するという、大きな課題を負ったものだったのである。
 
 具体的には、米国、官僚、大資本が支配する日本政治構造を、主権者国民が支配する政治構造に転換することが最大の課題だった。
 
 そのために、具体策として、普天間基地の国外移設、官僚天下りの根絶、企業献金の全面禁止などの方策が掲げられた。
 
 鳩山政権は、政権内部に利権複合体勢力が多数入り込んで、普天間問題を辺野古移設案に回帰させてしまった。菅政権発足後は、利権複合体勢力が民主党と政権を完全に支配するようになり、国民の支持が完全に消滅したのだ。
 
 民主党は次期代表選で原点に回帰し、本来の民主党の主張を提示する「民主党正統」が党と政権の実権を奪還しなければならない。
 
 したがって、次期代表選の図式は、「民主党正統」対「民主党悪党」によるものになる必要がある。そして、「民主党正統」は必ず勝利しなければならない。

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ところが、悪党は悪党だから悪党なのである。次期代表選に向けて、すでに、謀略が仕掛けられているのだ。
 
 ひとつは、一部議員に対する党員資格停止である。すべてが、「民主党正統」に属する議員である。
 
 いまひとつは、代表選を党員・サポーターを動員する不正選挙に持ち込む動きが存在することだ。
 
「民主党正統」は最終的に民主党分立を覚悟の上で、この決戦に臨むべきだ。基本戦略は小沢氏グループと鳩山氏グループが結束して、統一候補者をただ一人に絞り込んで擁立することである。旧社会党グループの大半を陣営に引き入れることも必要だ。
 
 旧民社党グループは、民社党そのものがCIAをバックに創設されたものだから、基本的に対米隷属政党である。米国に言うべきことを言う「民主党正統」の主張に足並みを合わせることは難しいだろう。
 
 日本の独立を重視する議員が、グループを離れて「民主党正統」陣営に合流するべきだ。
 
 いずれにしても、主権者国民勢力と悪徳ペンタゴン勢力の総力戦になる。主権者国民勢力は、この闘いに絶対に勝利を収めなければならない。

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2011年7月10日 (日)

日経平均株価1万円回復の背景と今後の展望

日経平均株価が1万円を回復した。日経平均株価は3月11日の大震災までは、1万円の大台を維持していた。震災発生を契機に急落、3月15日には、瞬間的に8227円まで下落した。
 
 その後、9500円から9800円のレンジ内での動きを中心に推移したが、7月6日に、終値ベースで1万円を回復し、震災後の高値を更新した。この間、終値が1万円を上回ったのは5月2日、1日だけだった。
 
 株価は経済の先行指標でもある。経済の先行きを織り込んで株価が変動するからだ。菅内閣がどっかりと居座り、政策対応がマヒするなかで、株価の1万円回復は奇異な感もするが、その背景には何があるのだろうか。
 
 結論から言うと、鍵を握るのは増税論議だ。菅内閣は経済復興策には取り組まずに、増税を前面に掲げてきた。消費税増税、復興税としての所得税、法人税などだ。
 
 狂気の経済政策運営と言わざるを得ない。
 
 震災の影響で日本経済に強烈な下方圧力がかかるなかで、増税を実行すれば経済は破壊されてしまう。被災地や被災者に対して必要な政策対応を示さなければ、被災地の復興は進みようがなく、被災者は悲惨な状況下に放置されることになる。
 
 自分の地位や利益だけを考えて、被災者に思いが及ばないような人物を総理大臣の地位に上らせたのは誰か。民主党内の菅直人支持者の責任は極めて重大である。
 
 しかし、菅直人政権の唯一の救いは、党内を統率する力、掲げた政策を強力に推進する力、国会運営を打開する力をまったく持たない点にある。
 
 政策実行力と、被災者への思い=心がないことが、復旧・復興政策の著しい遅れを招いているが、同時に、狂気の政策である大増税政策についても、順調な進展を見ていないのである。菅内閣に強い政策実現力があれば、増税が強硬実施されてしまうだろう。

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社会保障と税の一体改革案に、2010年代中ごろまでに消費税を10%に引き上げることが盛り込まれたが、閣議決定されなかったため、拘束力がない。民主党内で大増税反対論が多数を占め、政府・与党の政策として大増税を推進できる状況にない。
 
 つまり、増税案の策定が大幅に遅れることが確実な情勢になったのである。
 
 他方、復旧・復興政策については、これは、必ず実施されると見ておいてよいだろう。
 
 経済政策の経済への影響は、財政政策のスタンスによって決まる。金融政策は超緩和政策が維持されているため、変化を生じさせるのが財政政策だけになっているからだ。
 
 2011年度は当初、超緊縮財政が日本経済を大幅に悪化させる姿になっていた。私は、この点から、日本経済の悪化と株価の下落を昨年後半から予測し続けた。
 
 日経平均株価は三尊天井を形成すると予測してきた。
 
 実際に、株価は三尊天井を形成したのだ。
 
 Nikkei0706113ところが、菅政権の政策遂行能力の欠如から、2011年度の財政政策が大変化する可能性が急激に高まっている。増税が行われず、補正予算が第3次まで編成され、本格的な経済復興政策が提示されると、2011年度の「超緊縮」が「積極」財政に転換するのである。
 
 そうなると、経済は浮上し、株価は上昇する。株価上昇は経済変動の結果の先取りでもあるが、逆に株価変動それ自体が景気に影響を与える場合もある。株価上昇が経済心理を好転させて、経済を活発化させるというものだ。
 
 詳しくは『金利・為替・株価特報』をご高覧賜りたい。

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『金利・為替・株価特報』第136号=2011年7月7日号を同日発行した。本ブログで告知した通り、本来の発行日よりも1日に前倒しの発行である。
 
 タイトルは、
 
「瓢箪から駒で増税論停滞が景気回復誘導か」
 
目次は以下の通り。
 
<目次>
1.  【概説】株価は経済変動の「水準」ではなく「変化」に従う
 
2.  【政局】政局焦点は小沢一郎氏復権の可否にあり
 
3.  【政策】「増税なき三次補正予算」が持つ意味
 
4.  【株価】三尊天井から底入れに移行する株式市場のリスク
 
5.  【米国】米国株価と金利・為替の強い連動関係
 
6.  【為替】欧州政府債務危機のゆくえとユーロレート
 
7.  【世界経済】中国経済はソフトランディングできるか
 
8.  【金利】株価と債券価格のトレードオフ
 
9.  【投資】投資戦略
 
 日本の株価は割安な状況に置かれている。外部環境が変化し、株価が上昇波動に移行すると、大幅な水準修正が行われる可能性が生まれる。
 
 個別企業の株価を見ても、リーマンショック以来、大暴落した金融関連企業の株価は、リーマンショック前高値から10分の1以下に下落している。株式市場の局面が転換する場合、もっとも大幅に上昇するセクターは、もっとも下落したセクターになる場合が多い。『金利・為替・株価特報』では、株式投資の参考企業についても記述している。
 
 とはいえ、菅政権が退場して、新しい政権がしっかりと経済復興政策に取り組むことが前提条件である。
 
 まずは、菅氏退場の道筋をつけなければならない。

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2011年7月 9日 (土)

菅首相言動とストレステストの是非を分けて考えよう

原発再稼働の条件として「ストレステストをクリアすること」が設定されたことに対する風圧が強い。
 
 菅内閣は6月18日に原発再稼働要請を発表した。安全性について政府が保証するから再稼働してくれというものだった。事実上の原発安全宣言だ。
 
 この安全宣言を発したのは海江田万里経産相だが、翌日の6月19日、菅直人氏は、
「私もまったく同じだ。すべての原発を停止するとは言ってない。浜岡は例外的で特別な事情があるが、他の安全性が確認されたものは稼働していく」
と発言した。
 
 つまり、海江田経産相が発表した原発安全宣言は菅直人氏も了解する政府公式見解だった。
 
 状況が一変したのは7月6日である。衆議院予算員会質疑で、菅直人氏が、6月18日の海江田経産相による原発安全宣言について、自分は無関係であることを装い、玄海原発の再稼働を容認しない姿勢を示し、再稼働にはストレステストをクリアすることが必要であるとの「新見解」を示したのだ。
 
 自分の了解のもとに6月18日の海江田経産相の原発安全宣言への不関与を装い、玄海原発再稼働に待ったをかけた菅直人氏の行動が大きな批判を招くのは当然のことだ。
 
 梯子を外され、地元に迷惑をかけたから辞任せよと迫られた海江田経産相は菅直人氏の傍若無人の振る舞いの被害者でしかない。
 
 マスゴミ論調は、「唐突にストレステストを持ち出されても混乱するだけ」との関係者の言葉を盛んに引用し、ストレステストそのものを撤回させようと懸命だ。

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ここで、日本国民は冷静に考えなければならない。論議が二つの問題を混同して論じているからだ。
 
 二つの問題とは、
①菅直人氏の言動の是非
と、
②ストレステストを再稼働の条件とすることの是非
だ。
 
 マスゴミの論調は、菅直人氏は6月18日には原発再稼働にゴーサインを出したのに、それを後から撤回して、新たにストレステストを持ち出したからけしからんというものだ。
 
 地元自治体関係者の批判も、この一点に集中する。
 
 よく見ると、この批判の主は、基本的に原発推進派であることがわかる。つまり、福島原発の事故により、日本における原発運転に対して強い逆風が吹くことに過剰な警戒感を示す人々である。
 
 これらの人々の共通点は、「人間の命、健康よりも自分の利益、カネを優先する」ことにある。原発ビジネスは巨大利権ビジネスである。この巨大利権を手放したくないから、彼らは何が起ころうと、地球が滅亡しようとも原発推進なのだ。
 
 菅直人氏の行動には重大な問題がある。6月18日に原発再稼働にゴーサインを出しておきながら、自分は関与しなかった風を装い、いきなり原発再稼働に待ったをかけた手口は最低である。
 
 7月6日の国会質疑では、
「6月18日にはいったんゴーサインを出したけれども、その後、もう一度よく考えて、ここは、慎重に対処するべきものと考えを変えた」
と発言するべきだった。

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しかし、主権者国民は、菅直人氏の行動の是非ではなく、ストレステストの是非を考えなければならない。
 
 ストレステストとは、巨大地震や巨大津波に対して原発がどこまで耐えられるかを評価する手法である。3月11日に発生した地震と津波により、福島原発は重大事故を引き起こし、日本を滅亡させかねない影響を発生させた。このようなことを再度引き起こすことは絶対に許されない。
 
 そうであるなら、日本全国に54基あるすべての原発原子炉について、このストレステストを実施して、その安全性を確認することは、当然の作業である。
 
 多数の原発原子炉が老朽化している。この老朽化の現状を踏まえてストレステストを実施しなければ、いざ、巨大地震、巨大津波が発生したときに、今回同様の巨大事故を引き起こす可能性を否定できないのだ。
 
 巨大地震も巨大津波もけっして「異常な現象」ではない。日本の歴史では、定期的に繰り返されてきた「通常の現象」である。
 
 3.11原発事故で、日本は滅亡の危機に直面したのである。このような事故は、金輪際、決して引き起こしてはならないのである。
 
 であるなら、全国のすべての原子炉について、ストレステストを実施することは当然の責務である。このような当たり前のことについて、強烈な反発が生じるほど、日本における原子力利権複合体のエゴイズムは強烈なのだ。
 
 ストレステストを再稼働の条件に設定すると、来年春にかけて、全国の原発が停止される状況が発生し得る。その時には電力需給がいまよりはひっ迫するだろう。再稼働推進勢力は、電力需給がひっ迫する場合の生産活動への影響が大きいと脅しをかける。
 
 しかし、日本の滅亡がかかる問題である。ある程度の犠牲を確保してでも安全性確保を優先すべきだとの主張も当然に生まれる。
 
 大口電力契約には、電力不足の場合に電力供給を制約するとの特約が付いているはずだから、この特約を活用すればよいのだ。病院や基幹交通網など、生命や国民生活に重大な影響を生じる部門を除外して電力使用量を削減する工夫は十分に可能なはずである。

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最終的には日本国民が、
①日本滅亡の危険を冒してでも原発再稼働を進めるべきと考える
か、
②最悪リスクを回避するためには、ある程度の我慢を容認すると考える
かに依存する問題だ。
 
 結論を得るのが難しいようなら、最後は国民投票を行えばよい。
 私は、大多数の賢明な国民が安全策を選択すると確信する。

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2011年7月 8日 (金)

原発政策朝令暮改破廉恥菅氏に再度不信任決議を

菅直人内閣の迷走が続いている。民主主義の根本原則を踏みにじる管直人氏の即時退場が求められる。菅直人氏は日本の首相の職責を任ずるに値する人格、見識を有していない。
 
 菅直人氏は国会答弁で、「憲法上、与えられた権限の中で全力を挙げて仕事をしている」と述べた。
 
 都合のよい時だけ憲法を持ち出すな。ペテン師特有の行動様式だ。
 
 日本国憲法は国民主権を定めている。その主権者国民の意思を踏みにじり、民主主義を踏みにじっているのは一体誰なのか。
 
 菅直人氏は2010年7月参院選を「菅内閣に対する信任投票」だと位置付けた。この参院選で菅内閣は惨敗した。主権者国民は菅直人氏に不信任の結論を明示した。
 
 菅直人氏の政治資金規正法違反も明らかにされている。今後の捜査によっては、菅直人氏は逮捕、起訴され、公民権を失う可能性がある。
 
 3月11日の震災発生後、国民の生命と健康を守る上で何よりも重要な原発事故に伴う放射能汚染情報を菅内閣は隠ぺいした。メルトダウン、メルトスルーという重大事故が発生していながら、大きな問題は生じていないとの嘘の発表を繰り返し、多くの日本国民が大量被曝する原因を作りだした。
 
 被災地、被災者にとっては、政府が財政資金を投下して総合的な震災復興策を決定し、迅速に実行することが何よりも重要であるが、菅内閣はサボタージュを続けたまま、4ヵ月の時間を空費した。
 
 原発事故を引き起こした東京電力には、原子力損害賠償法により、無限の賠償責任を求めねばならない。その場合、東電が債務超過になることは明白であるから、東電の法的整理が必要になる。ところが、菅内閣は責任ある事業者である東電を救済し、賠償責任を国民に転嫁する賠償支援法を提示している。
 
 菅直人氏は6月2日の衆議院本会議で内閣不信任決議案を可決される状況に陥った。解散総選挙を回避しようとした鳩山由紀夫氏が調整役となり、民主党代議士会で菅直人氏が辞意を表明することで問題収拾が図られた。ところが、菅直人氏は衆議院本会議で内閣不信任決議案が否決されると態度を一変させ、首相続投を公言し始めた。

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そして、今般、菅直人氏はまた新たな重大政治混乱を引き起こした。菅内閣は6月18日に原発再稼働要請を発表したにもかかわらず、菅直人氏が突如、これを撤回したのだ。
 
 もとより、現時点で原発再稼働を認めることが狂気の行動だ。福島原発が収束せず、事故原因も明らかにされていない局面で、他の原発再稼働などありえぬ選択である。
 
 政府が原発再稼働を認めるべきでないことは当然だ。
 
 問題は、菅内閣が6月18日に原発安全宣言を行い、原発再稼働を公式に要請したことだ。これを発表したのは海江田経産相である。
 
 このことについて、菅直人氏は7月6日の国会質疑で、自分がこの再稼働要請に関知していないかのような発言を示した。あたかも、海江田経産相が勝手に安全宣言を行ったかのような言動を示した。
  
 ところが、菅直人氏は海江田経産相が安全宣言をした翌日の6月19日、インターネットを通じた国民との自然エネルギーに関する「オープン対話」の際に、海江田経産相による原発再稼働要請表明について、次の発言を行っている。
 
「私もまったく同じだ。すべての原発を停止するとは言ってない。浜岡は例外的で特別な事情があるが、他の安全性が確認されたものは稼働していく」
これが菅直人氏の発言だ。海江田経産相とまったく同じ立場を表明しているではないか。
 
 菅直人氏というのは、本当に卑劣で破廉恥でうそつきの、最低の人間である。このような人物が日本のトップに居座ることは日本の恥である。

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6月19日に、このように発言しながら、その後、自分の延命のための策略を練るなかで、菅直人氏は方針を変えたのだ。原発再稼働を認めず、「脱原発」で総選挙を実施する可能性を確保するために、玄海原発再稼働に突然待ったをかけたのだ。はしごを外されたのは海江田経産相である。菅直人氏の行動は、欲望のおもむくままに人を欺く、きわめて自己中心的で悪質なものだ。
 
 もはや、このようなうそつき、卑劣な人間に日本の国政を1秒でも委ねることはできない。
 
 国会における「一時不再議」は慣例であって、法定事項でない。決議を行った後で状況が変化した場合の再審議の可能性を確保していると考えられる。
 
 西岡参院議長も内閣不信任案の再提出は認められるとの見解を公表した。
 
 菅内閣に対する不信任決議案を衆議院に再提出し、これを一刻も早く可決することが求められる。それが、この国を守る最善の方策である。

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2011年7月 7日 (木)

偽装工作の九電・朝令暮改菅氏・自己中渡辺喜美氏

小沢一郎民主党元代表は、かつて民主党代表選演説で次の言葉を用いた。
 
「変らずに生きてゆくためには、自分が変らねばならない」

 映画「山猫」に登場する言葉だ。
 
 3.11によって、世の中は変わった。世の中が変わった以上、自分も変わらねばならないのだ。
 
 日本における核ビジネスは、日本に残された数少ない巨大利権の宝庫である。どれほど多くの利権亡者が、この巨大利権に群がってきたことか。
 
 ところが、核ビジネス村は、決して起こしてはならない巨大事故を引き起こしてしまった。
 
 いまだに「免責」などとほざく者がいるが、今回の地震も津波も、巨大ではあるが、決して「異常に巨大な」ものではなかった。
 
 偏向日経新聞にも、まともな記事を書ける人材も残されていたようで、7月3日付日経新聞政治面「風見鶏」中沢克二氏執筆のコラムは正論を示している。
 
 400年前の慶長津波、869年の貞観津波などは、今回の東日本大震災津波の到達地点をはるかに超える大津波だった。その教訓や伝承が歌にも詠まれてきた。これらの教訓を生かした地域では、被害が皆無だったところも少なくない。これらの事実を紹介している。
 
 備えておかねばならない備えが、備えられていなかった。このことによって巨大事故が発生した。明らかな人災なのである。
 
 東電の皷紀男代表取締役副社長がはっきりと「人災だ」と述べている。

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日本列島は、地震の活動期に入ったのだと考えられる。詳しくは、
 
石橋克彦氏著『大地動乱の時代-地震学者は警告する-』
 

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を、ご熟読いただきたい。
 
 福島原発の電源喪失の原因は、一部は津波だが、一部は地震だと見られている。福島第一原発を襲った地震は震度5強か震度6弱である。日本ではしばしば観測される震度である。
 
 原発への物理的な力は、震度や津波規模で見るべきで、地震そのもののマグニチュードとは関係ない。
 
 そして、福島第一原発の核暴走事故は、いま、ようやく原因究明が始まったところである。
 
 現在稼働している原発の運転をすべて中止して、安全性の総点検を行うのが常識の判断である。だが、電力供給量が不足するなどの理由で、なし崩し的に、現在稼働中の原発は浜岡を除いて、稼働が継続されてしまっている。
 
 しかし、再稼働については、これを止めるのが正当であり、当たり前であり、常識である。
 
 生肉ユッケを提供して死亡事故が起こったら、とりあえず、生肉提供を中止するのが常識の判断だろう。
 
 また、死亡事故原因を究明し、事故発生メカニズムを解明し、完全なる事故防止策を取ったうえで再開するのが最低限の常識だろう。
 
 ところが、菅内閣では、海江田経産相が6月18日に、全国の原発に再稼働を要請する政府発表を行った。
 
 生肉ユッケを提供して死亡事故が生じ、まだ、多くの被害者が死線をさまよい、苦しんでいるさなか、他方、事故原因が究明もされていないなかで、全国の焼き肉チェーン店に生肉ユッケの提供再開を死亡事故発生企業の専務が要請するようなものだ。
 
 狂気の行動としか言いようがないと、本ブログでも繰り返し述べてきた。
 
 そのなかで、玄海町長が再稼働に賛成の意見を表明し、佐賀県知事までゴーサインを出すという狂気の連鎖だった。
 
 利権まみれの「命より金」の人々が、核ビジネスを強硬に推進しようというものだった。

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ところが、7月6日、驚くべきことが発生した。
 
 国会質疑で、菅直人氏が海江田経産相の原発再稼働要請を知らなかったと述べたのだ。
 
 そのうえで、原発再稼働を認める前に、ストレステストを行うことを表明した。
 
 これだけで、菅直人氏は罷免に十分値する。
 
 経産大臣が国の決定だとして、原発安全宣言を発したのだ。事故原因すら究明していないのに安全宣言などできるわけがないから、菅政権十八番の「安全宣言詐欺」であることは間違いないのだが、それを総理大臣が「知らなかった」と言い放ったのだ。
 
 焼き肉チェーン店が事故原因を調べている最中に、専務取締役がテレビカメラに向かって、当チェーンの生肉ユッケは安全であることを宣言して顧客に提供することを宣言しますと放送した後で、社長が登場して、そんな話は知らなかったというようなものだ。
 
 組織の体を成していない。

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そして、もうひとつ。
 
 九州電力が公開生放送で、悪質な「やらせ」行為を大規模に行っていたことが暴露されたことだ。悪事千里を走るで、このような悪事を、このように大規模に実施して、発覚しないわけがない。
 
 2006年の小泉政権下での偽装タウンミーティング大不祥事を忘れたのか。
 
 日本の存亡、人類の存亡にかかわる重大問題についての、厳正さが何よりも求められる説明会で、このような卑劣な手段が用いられたことの意味は限りなく重い。
 
 海江田経産相は「言語道断」と言いながら、「厳重注意」という処分は一体何なのか。
 
 何十人もの罪なき市民を無差別殺人した犯人に、「言語道断」と言いながら「厳重注意」で済ますのに等しい。
 
 九州電力社長は直ちに辞任するべきだ。
 
 結局、海江田経産大臣の原発安全宣言=原発再稼働要請は何だったのか。菅政権の閣僚の行為である以上、その責任は菅直人氏が負わねばならない。
 
 菅直人氏は直ちに引責辞任するべきだ。
 
 引責辞任しないならどうするべきか。

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国会における「一時不再議」の原則は法定事項ではなく、慣例に過ぎない。慣例に過ぎない理由は、国会で自民党の石破茂議員が述べたように、当初の議決の際に前提とされた事情が変更された場合に、再度審議することを認める余地を残すためであると解釈されている。
 
 内閣不信任決議案を再度衆議院に提出することが望ましい。このような無法行為をこれ以上、容認することはできない。
 
 もうひとつ、言語道断なのが、「みんなの党」の渡辺喜美代表の行動だ。
 
「私があなたに求めることはただ一つ、刀折れ矢尽き、満身創痍になるまで責務を果たしつづけ、その後で初めて、今はまだ若造でしかない次の次の世代にバトンタッチして、政治家としての命を終えてくださることなのです」
という、作家の塩野七生氏が小泉首相に宛てた手紙風の文章をもとに、菅首相に対して、
 
「菅総理の刀はまだ折れていない。伝家の宝刀があるじゃないか。このまま民主党内に足ひっぱられてのたれ死にするのか。辞めないのなら、国民に信を問え」
と述べて、解散・総選挙を要請したのだ。
 
 渡辺喜美氏は、民主主義とはと述べながら、民主主義を正しく理解していない。
 
 主権者国民は菅直人氏に不信任を突きつけ、辞任を求めているのだ。
 
 解散・総選挙は、ただ単に、いま解散すれば「みんなの党」が議席を増やせそうだから、「みんなの党」が求めている対応でしかない。党利党略の行動でしかないのだ。
 
 本当に主権者国民の声に軸足を置くなら、菅直人退陣に向けて、与野党がスクラムを組むべきなのだ。
 
 首相も自己中心主義だが、渡辺喜美氏も自己中心主義の塊である。

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2011年7月 6日 (水)

菅首相辞任三条件法案を国会で直ちに成立させよ

震災発生から間もなく4ヵ月が過ぎ去ろうとしている。

 1分でも、1秒でも早く、生活支援、復旧、復興を進めて、被災地の国民が生存権を確保できる状況を作り出すことが政府の責務だ。
 
 
ところが、肝心要の政府は泥舟で、その泥舟のなかに水が入り込み、船長が暴れ続けている。
 
 若頭は東北地方を訪問し、乱暴狼藉を働き、お役御免となった。
 
 船長が若頭を呼んで叱責し、若頭を罷免したのならまだ順当だが、若頭が個人的理由で職を辞したというのでは、責任問題があまりにも曖昧すぎる。
 
 巨大な大地震が発生したことは、日本列島の火山活動、地震活動が「活発期」に入っていることの典型的な表れである。和歌山県で震度5強の地震が発生したが、今年に入ってから震度5以上の地震が何度発生したかを数えてみるがよい。
 
 いつ大地震が、どこで起こるか分からない。政府は地震予知に巨大な国費を投入しているが、地震学の大家が地震予知は不可能であることを明言している。無駄な地震予知をやめて、地震が発生した場合への備えを万全にする方が、はるかに税金の使い方として賢い。
 
 このようなときに、原発を再稼働するなどという話は、利権屋からしか出てくるはずがない。玄海町長が原発ゴーサインを出したのも、利権だけを考えてのことだろう。地元住民も同じ考えなのか。
 
 原発リスクと目の前の現ナマ。この二つを比較しようという発想が間違っている。原発リスクは、目の前に現ナマがあろうが、なかろうが、そのような些末なことがらによって左右されるべき問題であるわけがない。
 
 ところが、日本全国、どこもかしこも、原発リスクか目の前の現ナマかとの尺度だけで判断が下されようとしている。しかも、その答えは、原発リスクよりは目の前の現ナマというものなのだ。
 
 こんな国民が支配する日本に明日などあるわけがない。

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話は元に戻って、肝心のトップは、妻に鞭を入れられているのか、総理の椅子にしがみつくことしか考えていない。この妻は「男の美学」を軽蔑しているそうだが、「美学」の名にふさわしい行動をとれないから、負け惜しみで言っているに過ぎない。
 
 美学のないこの夫婦のために、日本の尊厳が地に堕ちてゆくことが、この夫婦には分からないらしい。
 
 すべてが行き詰まる、すべてが停滞するこの時期に必要なことは、人心一新である。歴史的には遷都が行われた。奈良時代以前は、頻繁に遷都が行われ、空気の一新が図られたが、いま、遷都を行うような余裕はない。
 
 だから、人心一新なのだ。
 
 最優先課題は菅直人氏の退陣だ。①財確法の成立、②2次補正予算の成立、③新エネルギー特措法の成立、の三条件が整ったら辞任すると言っているのだから、この法案を可決してしまえばよい。
 
 新エネルギー特措法は、自然エネルギー発電による電力を高水準固定価格で政府や電力会社が買い取る義務を定めるものだが、価格メカニズムを活用しない制度は、必ず大きな歪みをもたらす。原案のままでは問題が多すぎる。
 
 修正を経て可決とのシナリオもあるようだが、大事なことは、いかなる内容のものであれ、成立させてしまうことだ。
 
 問題があるなら、あとから改正すればよい。いまは、菅直人氏に退いてもらうことが、何よりも優先されるべきだ。
 
 この三条件が整えば、菅直人氏は退かざるをえない。それでも総理の椅子にしがみつくなら、与野党が一致結束して、すべての国会審議を拒否すればよい。国民の大半も菅直人氏の早期辞任を強く求めている。主権者国民の声を背に受ければ、与野党協調による国会での全面審議拒否に対する批判の矛先は、間違いなく菅直人氏に向かうことになる。

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ここで、次の民主党代表を誰にするか。次期首相に誰を据えるかが問題になる。民主党は政権交代の原点に立ち帰る必要があるだろう。「民主党正統」が民主党の実権を奪還するべきである。
 
「民主党正統」を批判し、自民党と結託しようとする勢力=「民主党悪党」は、民主党を離党して、自民党の一部と新党を作ればよいだろう。「民自党」とでもすればよい。
 
 政界大再編に向かう可能性も生じるだろう。しかし、いまの混迷、停滞よりは、はるかに望ましいダイナミックな展開が期待できる。
 
 そして、何より、本格的な復興対策が決定され、直ちに実行されてゆかねばならない。これが、現実の最大の急務なのだ。
 
 日本の外貨準備を売却して50兆円規模の復興総合経済対策を実施するべきだ。財務省出身の経済学者のなかでは、例外的に正論を主張することが多い野口悠紀雄氏も、政府の対外金融資産売却による復興財源捻出が適正だと主張している。
 
 新政府は同時に、脱原発の方針も明確に示し、少なくとも、原発再稼働を認めないことを明確に提示するべきだ。
 
 いま、何よりも急がねばならないことは、菅直人氏を退場させること。
 
 そのために、もっとも有効な方法は、菅直人氏が掲げた三つの法案等を国会で可決してしまうことだ。民主党の国対委員長も首相早期辞任論を公言しているのだから、与野党協議で菅直人氏早期辞任に向けて共闘すればよい。
 
 菅直人夫婦がお遍路の旅に出るのが、いまの日本にとって最善の行動である。

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2011年7月 5日 (火)

松本復興相言動から透けて見える日本衰退の理由

松本龍復興担当相の岩手や宮城での振る舞いが話題を呼んでいる。

 政治家の器の小ささが際立つ今日この頃だが、日本が衰退する理由を端的に表す事例に思える。
 
日本が衰退している理由が三つあると思う。
 
 第一は、日本の進路を示すべき立場にある者が、「公」ではなく「私」に基軸を置くようになったことである。
 
 明治維新が成立して、新しい時代が開かれた。しかし、維新の志士の心の基軸が「公」から「私」に転じていった。
 
 西郷南洲翁遺訓に
「命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るものなり。この始末に困る者ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」
とある。
 
 維新が成立し、維新の志士が要職に就くようになると、志士が志士ではなくなり、私士に変節していった。
 
 司馬遼太郎は『翔ぶが如く』に次のように記述する。
 
「官というのはすなわち盗賊であるということが、この当時天下一般の士族や農民の心象に、濃淡の差こそあれ、広がりつつある印象であった。
 
 たれよりも西郷がこのことには敏感であったし、とくに、革命を幸いとして成りあがった下級士族が、官にあって、「家屋を飾り、衣服を文(かざ)り、美妾を抱へ、蓄財を謀」っているという現実に対して、「そのようでは維新の功業がとげられぬばかりか、戊辰の善戦も私利を営んだことになる」(『南洲遺訓』)と、心を暗くしているのである。」
 
 明治維新が実現したのちの「清と濁」の戦い、「公と私」の戦いが、明治六年政変であった。「清」は「濁」の前に敗れ去った。
 
 大久保は薩摩に属しながら、長州の「濁」を守る存在として行動し、「清」の巨星であった江藤新平や西郷隆盛を抹殺したのである。
 
 この明治六年政変以来、官による私利の追求が、日本の支配者の底流を流れ続けてきた。それが、、いまや日本を覆い尽くすように蔓延している。

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人類を滅亡させかねない深刻な核事故が発生したにもかかわらず、原発推進に一斉に足並みを揃える利権複合体の存在は、この国の中枢が、私利だけを追求する悪徳集団と化していることを象徴的に示している。
 
 公務員は本来、国民に対する奉仕者である。自分のためではなく、国民のために行動する存在、国民のために全力を尽くすのが、一般公務員および特別職公務員である国会議員の役割だ。
 
 ところが、多くの政治家の頭に、この発想は存在しない。司馬遼太郎が「革命を幸いとして成りあがった下級士族」と表現した存在は、松下政経塾出身の政治家のイメージに重なる。菅直人政権の執行部を見る限り、政権交代が本来目指した方向など、完全に忘れ去られたかのようである。
 
 第二は、官や政治家が、自分たちを「お上」だと勘違いしていることだ。戦後憲法においては、日本の主権者は官僚でも政治家でもない。一般国民こそ主権者なのだ。
 
 官僚も政治家も、国民のために尽くす存在、国民に対する奉仕者である。
 
 震災、原発事故で、多くの同胞が巨大な苦しみを受けている。このようなときに、政府が迅速に行動し、被災地や被災者のために全力をあげて行動することは、主権者国民の意思に基づいて決定されたことであり、その決定に基づいて、国民に対する奉仕者である官僚や政治家は、まさにこまねずみのように働かねばならぬ存在なのだ。
 
 ソファにふんぞり返って、上から、「やってやる」などと語る姿勢は、それだけで行政官失格の行動だ。

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第三の問題は、このような事態を主権者である国民が放置、あるいは容認してしまっていることだ。本来は、主権者は国民であり、官僚も政治家も、主権者国民の御用聞きに過ぎないことを、名実ともに、体現してゆかねばならない。
 
 政治家や官僚が黒塗りの公用車を使い回し、国民の税金である官房機密費を高級外食費に充当するなど、言語道断の振る舞いなのだ。彼らの公務には燃費の優れた軽自動車を使うべきだし、税金を高級飲食に充当するなど、公金横領行為である。
 
 主権者国民が、自ら「下々」に成り下がってはならない。政治家や官僚を、決して崇めたりしてはならないのだ。さすがに、本音で崇める者はいないだろうが、振る舞いにおいても、そのような筋違いの行動を取ることが政治家の勘違いを増長させる。
 
 清廉潔白で民のために尽くす、本来の政治家が存在するなら、放っておいても民の側が尊敬するようになる。
 
 私は日本に顕著な「お上意識」および「下々意識」を、「お上と民の精神構造」と表現した。同時に、この構造が定着したのが江戸時代であると考え、これを「1600年体制」と表現している。
 
 主権者である国民の側が意識を変革し、決定権を持つ。国家の主は自分たち国民であるということについて、強い自覚を持つ必要がある。
 
 だからと言って、政治家や官僚に命令口調で話をするのでは、松本龍氏と同レベルに成り下がってしまうから、相互に尊重し合う関係を構築することが大切だ。しかし、意識のなかでは、常に、大衆である国民が、すべての決定権を持つことを正しく認識していなければならない。

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宮城県の村井知事は、復興会議などで提案が示された、漁業への企業の参入などを、主権者国民に対して、上から押し付ける姿勢でこれを推進しようとしているが、主権者が地元の漁業関係者であるという基本を忘れるべきでない。
 
 知事こそ、草の根主権者の声を尊重しなければならないのに、村井知事の言動は、主権者国民の声よりも、利権を求めて中央の官僚機構が提示する火事場泥棒的施策に、あまりにも従順でありすぎるように見える。
 
 この意味では、松本復興相だけではなく、村井知事も批判にさらされる必要がある。
 
 日本の衰退は、
 
①社会のリーダーの地位を担わねばならぬ人々の大半が公を忘れ私的利益の追求だけに疾走していること、
 
②主権者国民のために奉仕しなければならない公務員が、自らを「お上」と勘違いして、国民に奉仕する姿勢を失っていること、
 
③主権者国民が社会契約によって国家の中核を担わせている人々の勘違いと怠慢を、主権者国民が放置、あるいは容認してしまっていること、
 
によってもたらされていると考える。
 
 松本龍復興相の行動は、こうした日本衰退の原因を図らずもくっきりと浮かび上がらせている。
 
 このような復興相を直ちに罷免し、国民全体の意識改革を実現しなければならない。

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2011年7月 4日 (月)

玄海原発再稼働にゴーサインを出す町長の横顔

佐賀県にある玄海原発の再稼働が強行されようとしている。

 6月30日付記事「原発再稼働に向けての茶番を演じる利権亡者たち」
に、
 
「地元の利権関係者が原発を受け入れようとするのは、電源三法による巨大な資金流入があるからでしかない。カネで頬を叩いて、誰もが忌み嫌う原発を押し付けているだけではないか。」
と記述した。
 
 しかし、玄海原発がある玄海町の場合、さらに根深い癒着の構造が存在するようだ。
 
「HUNTER」という名の情報サイトが、原発関連の問題を深く掘り下げて情報を提供くださっている。
 
 興味深い記事が連日のように公開されているが、6月17日付記事タイトルは、ズバリ
「玄海町政「癒着の構造」」
である。
 
 その冒頭部分を転載させていただくが、この記述のすべてが事実であるかどうかを確認できていないことにはご留意いただきたい。

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「玄海町政「癒着の構造」
 九電軸にうごめく政・業
~玄海原発運転再開への疑問~
 
 昨年7月の町長選挙で、現職町長の陣営が複数の町議らに運動員報酬として現金を渡したことが明らかとなった佐賀県玄海町。(16日記事参照)
 
 九州電力玄海原子力発電所を抱える同町は、定期検査のため休止中の同原発2号機、3号機の運転再開の鍵を握る自治体だ。
 
 町政をあずかる政治家たちに、原発行政の方向を決定付ける資格があるのか。現状を検証した。
 
玄海町
 
 佐賀県東松浦郡玄海町は人口約6,500人。西側は玄界灘に臨み、北東側が唐津市に接する風光明媚な町である。町制に移行したのは昭和31年で、旧値賀村・旧有浦村の合併によって現在の町が形成された。
 
 この町が大きく変貌を遂げるのは、昭和40年代初頭に原子力発電所の建設計画が現実のものとなってからで、同50年には九州電力玄海原子力発電所の1号機が、平成9年には4号機が営業運転を開始した。平成21年からは3号機でMOX燃料を使用した「プルサーマル」が実施されている。
 
 原発立地自治体は、国や電力会社にとって特別な存在で、優遇措置によってさまざまな恩恵をうけてきた。玄海町も同様で、電源3法(電源開発促進税法、特別会計法〔旧・電源開発促進対策特別会計法〕、発電用施設周辺地域整備法)による交付金(迷惑料とも言われる)で潤い、原発関連の雇用がもたらされてきた。
 
 上・下水道整備をはじめ「玄海町産業会館」、「玄海町総合運動場」、「玄海町町民会館」、「玄海海上温泉パレア」など、一般会計予算80億円程度の町としては考えられない公共事業が次々と実現した。昭和58年に完成した玄海町役場新庁舎はまさにその象徴だろう。

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岸本英雄町長
 
 その玄海町のトップを務めているのが岸本英雄町長である。岸本町長は現在2期目。昭和28年玄海町に生まれ、久留米大を卒業後、会社役員を経て平成74月に佐賀県議会議員に当選。3期目の任期途中だった平成18年に玄海町長に転身し初当選、昨年7月には無投票で2期目の当選を果たしている。
 
 岸本町長がかつて役員を務めていたのは、町長の親族が明治44年に創業した佐賀県唐津市に本社を置く地場ゼネコン「株式会社岸本組」。資産公開の資料を確認したところ、町長は現在も同社の株式7,520株を保有しており第三位の大株主である。町長の自宅および事務所があった場所の斜め前には同社の玄海本店がある。
 
「岸本組」
 
 岸本町長と岸本組の密接な関係は、岸本町長の自宅および事務所が存在する土地や建物の権利関係に端的に現れている。
 
 岸本町長の自宅住所地の土地は岸本組の創業者の名義のままで、敷地内にある自宅を除いた2棟の事務所建物の所有権者は、登記簿上どちらも「岸本組」なのだ(登記簿参照)。岸本町長の政治活動は、岸本組に支えられてきたと言っても過言ではあるまい。
 
癒着の構造
 
 その岸本組は、佐賀県、唐津市、玄海町といった自治体発注の工事を受注する一方、九電や西日本プラント工業を得意先としている。
 
 西日本プラント工業は九電の子会社で、火力発電所・原子力発電所の設備設計や製作、関連工事を行なうプラント企業だ。
 
 岸本組のホームページには「主な取引先」として国土交通省や自治体が並ぶが、民間企業は九電と西日本プラント工業だけ。玄海原発の事業者である九電と密接な関係にあることがうかがえる。事実、岸本組が受注した玄海原発関連の工事は少なくない。
 
 こうして見てくると、岸本町長と九電は、単に原発立地自治体の首長と原発事業者というだけではなく、関連工事を受注する業者側と発注者の関係にもあるのだ。
 
 町政トップと表裏一体の建設業者、そしてその業者に仕事を回す電力会社・・・。
 
 癒着の構造が見えてくる。軸となっているのは原発事業者の九電である。」
 
(ここまで「HUNTER」様からの転載)

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玄海町長が玄海原発再稼働にゴーサインを出し、佐賀県知事がゴーサインを出せば、これで玄海原発は再稼働に一直線に進む。
 
 佐賀が再稼働となれば、全国で一斉に、原発再稼働が既成事実化されることになる。
 
 これが、菅直人政権の実相なのだ。どこが、エネルギー政策の白紙からの論議なのだ。
 
 福島原発事故は未だに収束しておらず、事故原因すら明らかになっていない。日本は地震国であり、津波国である。
 
 東電の株主総会では、この期に及んで原子力損害賠償法第三条のただし書きにある、「異常に巨大な天災地変」問題が蒸し返され、驚くべきことに、勝俣恒久会長が「免責されるとの解釈も十分可能だ」と述べたと伝えられている。
 
 原賠法第三条の条文にある「異常に巨大な天災地変」については、過去の国会答弁で、「人類が経験したことのないような規模の天災地変」との解釈が示されている。
 
 今回の津波と同規模の津波は115年前に記録が残されている。地震の震度で言えば、福島原発の所在する地点での震度は、決して珍しいものではなかった。また、福島県地方を襲った津波としては、西暦869年の貞観地震津波が同規模であったことが明らかになっており、独立行政法人産業技術総合研究所は2009年に福島原発の津波対策が不十分であるとの警告を発していた。
 
 今回の地震・津波規模の天災地変は400年ないし800年程度の周期で繰り返し生じていることが明らかになっている。人間の寿命を基準にすれば400年や800年は長い時間だが、地球や宇宙の基準に照らして考えれば、400年も800年も、つい最近の出来事ということになる。
 
 万が一にも事故を発生させてはならない原発の安全管理に際しては、当然、このような周期的に発生する地震や津波に備えておくべきことは当然である。
 
 今回の原発事故の最大の教訓は、今後は、いかなることが生じようとも、絶対に原発事故を発生させてはならないということだ。なぜなら、この種の原発事故は、一歩、いや半歩誤れば、もはや取り返しのつかない事態を招くことが、今回の事故によって、改めて明らかにされたからである。
 
 福島第一原発の事故も、現状よりはるかに深刻な事態が生じていた可能性は十分にあるのだ。日本全体が死の列島と化していた可能性を否定できない。
 
 つまり、今後においては、いかなるアクシデントがあろうとも、絶対に重大事故を引き起こしてはならない。これが、厳格な基準にならなければならないのだ。

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ところが、原発事故が発生して、国や電力会社が何をどうしたというのか。何もしていないではないか。敦賀原発では、ベントを実施できない構造が放置されていたことが発覚した。
 
 原発を再開するよりも、原発を停止させることが先ではないのか。
 
 佐賀県知事も癒着の構造のなかに、身も心もとっぷりと漬かっているのだろう。経産大臣には自分の意思、思想、哲学がないのか。陰の力に操られるロボットに成り下がって、恥ずかしいと感じないのか。
 
 玄海原発の再稼働にゴーサインを出す地元自治体の首長が、上述したような、まさに原発利権の核心に存在することを、どれだけの日本国民が知っているだろうか。
 
 カネのためにかけがえのない地球を売ることに対して、地球市民である国民は怒らねばならない。地球は、一部の利権関係者の私有物ではないのだ。
 
 原発再稼働を強引に強行しているのは菅直人政権である。この政権が「脱原発」を掲げて解散総選挙というのでは、ちゃんちゃらおかしいのだ。おへそで茶が沸いてしまう。
 
 本来はすべての原発の停止が一番だ。そのうえで、福島原発事故の総括を行わなければならない。原発が、もし再稼働できるとしたら、これらのプロセスを経て、絶対に重大事故が発生しないことが、100%保証される時に限られる。しかし、おそらく100%の保証は得られないだろう。
 
 少なくとも、福島原発事故の真相解明までは、原発再稼働はあり得ない選択だ。しかも、玄海原発はプルトニウムを使用する原発である。福島原発事故のプルトニウム関連情報が隠ぺいされている。3号機から大量にMOX燃料関係の放射性物質が飛散した可能性は否定されていない。
 
 原発再稼働は、玄海町だけの問題ではない。日本全体の問題であり、地球全体の問題でもあるのだ。利権と癒着のずぶずぶの関係の中核に位置する町長の判定で、世界が危機に陥れられるのは、不合理甚だしい。
 
 玄海町長に関する情報を、直ちに日本国中に拡散する必要がある。
 
 原発再稼働、脱原発を決定するのは主権者国民であって、利権まみれの自治体首長ではない。

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2011年7月 3日 (日)

電力不足集団ヒステリーを脱原発原動力に転換

原発の安全性に根本的な不安が高まったために、原発の稼働が低水準で推移する。その結果として電力会社の発電能力が狭隘になり、国民が電力利用圧縮を要請されている。夏場の電力使用ピークに向けての「節電」の動きである。
 
 電力会社の発電能力だけを考えれば、本来、原発を停止しても電力の安定供給に支障が生じることはないというのが現実である。原発を除く発電設備による電力供給量は、過去の夏場の電力使用量ピークを大幅に上回っているとの数値が明らかにされているからだ。
 
 それにもかかわらず、電力不足が喧伝(けんでん)されている理由として、次の三つが考えられる。
 
 第一は、原発を推進するために、原発の稼働を停止すると、私たちの暮らしは大混乱するという、事実に反する意図的な演出が行われているというものである。
 
 民主党の川内博史衆議院議員は、これを「ないない詐欺」と表現する。本当は大きな心配がないのに、原発を推進するために、国民に対していたずらに危機を煽っているというものである。
 
 実際にテレビなどの電波業界は、この流れに沿う、国民の不安心理を煽る番組プログラムを積極的に編成している。マスゴミも、いわゆる原子力村と呼ばれる原発推進利権複合体の一角を占める存在であるから、原発推進のための世論操作に協力するのは当然のことである。
 
 3月11日の原発事故発生直後に電力会社は無計画な計画停電を実施し、国内の大混乱を引き起こしたが、この計画停電こそ、必要性の乏しい悪質なものであった可能性が高い。

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第二の仮説は、電力会社がこれまで原子力発電に過度に依存してきたため、原子力以外の発電設備のメンテナンスを怠ってきたこと、および、震災の影響で、原子力発電所だけではなく、火力発電所などの設備も損傷を受け、電力供給力が大幅に低下してしまった可能性である。
 
 今回の震災では、多くの発電設備が震災の影響を受けた。しかし、ほとんどの発電所における地震規模、津波規模はそれほど大きなものではなかったはずである。それにもかかわらず、発電設備が重大な損傷を受けたということであれば、電力会社の震災への備えが欠如していたことになる。
 
 また、原発に過度に依存する体質が強まり、火力発電所などの発電所の設備整備がおろそかにされていたことが推察される。
 
 第三の仮説は、発電能力が低下しているにもかかわらず、なお、発電コストの高い電力供給をできるだけ圧縮しようとする行動が、電力会社によって取られている可能性が高いことである。
 
 BSフジの報道番組である「プライムニュース」に出演した元東大総長で東京電力監査役の小宮山宏氏は、コスト面からすべての発電能力を電力会社が稼働しようとしていないことを示唆する発言を示した。
 
 このような現実を踏まえると、いたずらに電力不足危機を煽ることには問題が多く含まれていることが分かる。少なくとも、電力会社は、本来は原発が稼働しなくとも安定的な電力供給を実現することが可能であるはずだから、原発以外のすべての発電能力を活用することを前提に置いた、万全の対応を取ることが求められる。
 
 また、節電を求める場合には、割安な価格が設定されている大口電力契約者に対する特約を十分に踏まえた対応が不可欠である。
 
 大口電力契約者に対しては、大幅に割安な電力料金が設定されているが、電力不足の事態に対しては、事前通告による送電停止措置を行うことができる特約が付けられている。
 
 電力供給不足のしわ寄せを一般国民が受けて、熱中症などによる死亡事故を引き起こすことは許されない。電力利用を制限するなら、まずは、大口電力利用者を優先して、その対象に設定するべきことは当然である。
 
 現在の電力不足キャンペーンは、これこそまさに「集団ヒステリー」と呼ぶべきものであり、電力会社、政府、マスゴミの冷静で現実的な対応が強く求められる。

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とはいえ、今回の原発放射能事故を契機に、社会全体で節電の動きが強まることは好ましいことと言える。
 
 一般の市民には十分に周知されていないが、電力設備と電力需給ひっ迫の関係を正確に把握しておくことが不可欠だ。
 
 電力不足は、真夏の午後などの電力利用が全体として最大を記録する「瞬間的な」問題だということだ。真夏の、「ある瞬間」の電力使用量が発電能力の上限を超えてしまったときに、電力不足の問題が表面化するということだ。
 
 だから、昼も夜も、気温の低い日も、年がら年中、節電と騒ぐ必要は乏しいということだ。一般的には真夏の午後、全国で高校野球中継が視聴されているようなタイミングで夏場の電力使用ピークが発生することが多い。
 
 したがって、このピークをいかに低くするのかが問題になるのだ。その意味では、高校野球の実施時期をずらすとか、午後のピーク時間に重なる時間帯は試合を行わないなどの対応が重要なのだ。また、製造業などによる土日への操業シフトなども有効な対応になる。
 
 電力会社は単位発電量当たりの燃料コストが最も低い原子力をフル稼働し、この原子力で賄えない電力需要を、順次、発電コストの低い方式から適用してきた。
 
 ところが、原発を停止すると、もっとも利益率の高い発電方式の利用が制限され、コストの高い方式の発電方式を利用することを強制される。電力会社としては、コストの高い発電方式を利用したくないため、いたずらに電力不足が煽られているというのが、上述した小宮山氏の発言の含意である。
 
 電力不足を煽るマスゴミ情報操作には、こうした背景があるということを、国民はよく知る必要がある。そのうえで、現実に対処するべきだ。

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電力不足キャンペーンにはこのような問題点があるとは言え、節電の動きが強まり、夏場の電力使用ピークを引き下げることが実現すれば、それはそれで、新しい大きな効果を生み出すことになる。
 
 原発を稼働させずに夏場の電力使用ピークを乗り切ることになれば、「脱原発」に向けて、大きな一歩を印すことになるからだ。
 
 今後、原発以外の発電設備の整備を強化し、場合によっては発電能力そのものを設備投資により強化する。そうすれば、現在稼働している原発の稼働を順次停止しても、電力不足の事態を引き起こさずに済む
 
 節電の動きのなかから、必要性のない電力使用が見直され、社会全体の省エネルギー体質が強化されることになる。
 
 また、電力供給量引き上げの主因である夏場のピーク時電力の水準を引き下げるための、製造業などにおける製造時間シフトなどが進めば、発電能力の引き上げそのものが不要になる。
 
 燃料コストとの関係で電力料金が上がるとしても、これを「脱原発」という、大きな収穫を得るためのコストと考えれば、十分に納得できる。
 
 もっとも、コストについては、原子力の場合、燃料コスト以外のコストが膨大であり、総コストでの比較では、安価な発電方式ではない。政府の補助金、地方自治体への現金給付は、すべて税金などのかたちで国民負担になっているのであるから、発電方式の選択に際しては、この「総コスト」を基準にすべきことは当然である。
 
 大きな歪みを内包する節電運動であるが、この節電運動を逆手に取って、「脱原発」実現への大きなステップとして活用することが重要である。

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2011年7月 2日 (土)

ストロスカーン氏事件と国策捜査・国策裁判問題

性的暴行容疑で逮捕、拘留され、NYで軟禁状態に置かれているIMF前専務理事で次期フランス大統領の有力候補であったストロスカーン氏に対する軟禁が解かれたことが報道されている。訴追自体が取り下げられる可能性が高まっている。
 
 被害を訴えた女性の供述に不自然なことがあり、事件全体が謀略であったとの疑いが浮上している。
 
 事件発生当初から、仕組まれた謀略ではないかとの憶測が存在したが、真実は当事者でなければ分からない。第三者は事件捜査およびその後の公判、そして当事者の説明を聞いて判断するしかない。
 
 日本でも痴漢事件で、まれに被疑者が無罪を獲得できることがある。しかし、それは、基本的に奇跡に近く、いかに被疑者が無実を訴えても、警察、検察、裁判所は、被害者とされる人物の供述だけを信用して、確実な証拠が存在しない中で、流れ作業のように有罪判決を示してゆく。
 
 ストロスカーン氏が無実であり、同氏の名誉が回復されるなら、極めて喜ばしいことだが、この種のニュースに接したときに、私たちが考えなければならないことがある。
 
 それは、ストロスカーン氏が仮に冤罪であるとして、その冤罪の事実が、今回仮に明らかにされるとしたとき、それは被害者とされる女性の通信等を捜査当局が傍受するなどして、「被害者」女性の疑わしい行動がたまたま浮かび上がったからにすぎないからだ。
 
 逆に言えば、被害者側がより注意深く行動し、謀略のしっぽをつかまれるようなことをしなければ、このままストロスカーン氏は犯罪者として、記録に刻まれてしまう可能性が高かったということだ。

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国内の痴漢事件で冤罪を公式に認められたケースでも、それは、奇跡に近い偶然の産物であることが多いのが現実だ。
 
 犯人として捕らえられ、刑罰も執行された後で、たまたま真犯人が別の人物であったことが判明したケースもある。
 
 痴漢として逮捕、拘留されたが、その後、被害者とされる側の人物が、狂言を演じていたことが判明して、疑いが解かれたこともある。
 
 被疑者が無実を主張し、再現実験を行ったところ、物理的に犯行を実行することが不可能であるとの立証が実現した場合に、裁判所がこの立証を認めるケースがまれにある。
 
 それでも、ほとんどの裁判官は検察の僕(しもべ)であり、検察官の主張を覆そうとはしない。ごくまれに、正義感のある裁判官が事件を担当することになったときに、このような奇跡が生じるだけなのだ。
 
 つまり、とりわけ日本では、有罪だとされ、制度上はその有罪が確定している場合でも、本当は冤罪である事件が多数存在しているのである。
 
 逆に言えば、ケースは少ないかもしれないが、本当は罪を犯しているのに無罪とされるケースがある。また、これよりははるかに多く存在するのは、犯罪が成立しているにもかかわらず、警察や検察が罪を問わないことだ。被疑者の所属する機関や会社と警察、検察当局が癒着しているケースでは、犯罪が不問に付されることが少なからず存在する。
 
 刑事司法では、
「10人の真犯人を逃しても、1人の無辜(むこ)を処罰するなかれ」
という、「無辜の不処罰」が重視されるのが、そもそもの大原則だ。基本的人権根の尊重の視点から、無実の人間が犯罪者に仕立て上げられることは、絶対にあってはならないことなのだ。
 
 このことを、明文の規定としてはっきり示しているのが、1789年の「フランス人権宣言」である。罪刑法定主義、無罪推定原則、法の下の平等、Due Process of Law(適法手続き)の厳格な適用、基本的人権の尊重、などが明確に規定されている。

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明治維新後、日本の新しい法体系と行政制度が構築された。このなかで、巨大な影響力を発揮したのが大久保利通と江藤新平である。詳述はできないが、「国権」を重視した大久保に対して、江藤は「人権」を重視した。「国権」の巨大な力から人民を守るための制度の重要性を、的確に理解したのが江藤だった。江藤は、行政権から独立した司法権の確立を目指した。
 
 大久保にとって江藤は最大のライバルであり、明治六年政変に伴う江藤新平の下野の機会に乗じて、大久保は江藤惨殺の暴挙に進んだのである。このときに大久保が用いたのが、秘密警察的手法、行政権力による、警察、司法権力の独占である。
 
 結局、明治を支配したのは大久保利通になった。大久保が構築した人権軽視=国権重視の思想は脈々と現代日本に引き継がれている。現代日本の警察、検察、裁判所制度は、大久保利通による権力独裁の流れを汲んでいる。人民の権利擁護、人権尊重の概念は極めて希薄である。
 
 その発想は、
「10人の無辜を処罰しても、1人の真犯人も取り逃がすなかれ」
というものだ。
 
 警察、検察がこの姿勢で活動する限り、冤罪は今後も発生し続ける。

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さらに重大な問題は、警察や検察に、犯罪が成立しているのに、その犯罪を処罰しない裁量権が付与されていることだ。このことは既述した。警察、検察の権力の源泉がここにある。
 
 刑事事件が発生したときに、犯罪が存在するのに、これを不問に付す権限が警察、検察に付与されているのだ。これを「起訴便宜主義」と呼んでいる。
 
 この巨大裁量権が警察、検察の権力の源泉であり、これが警察、検察の天下り等の巨大利権と直結している。
 
 さらに、警察と検察には、犯罪が存在しないのに、犯罪をねつ造する裁量権も付与されている。警察、検察、裁判所が連携すれば、よほど決定的な反証が示されない限りは、無実の人間を犯罪者に仕立て上げることができる。
 
 検察と裁判所がくるになって、防犯カメラ映像の隠滅容認や、法廷証人の決定的証言無視を、平然と実行する。
 
 政治的な目的の下で、こうした警察、検察、裁判所権力が活用されることを、「国策捜査」「国策裁判」と呼んでいる。
 
 だから、私たちは、警察、検察、裁判所を、絶対に絶対視してはならないのだ。最近の多くの事例により、ようやく、この重大な真実が、一般大衆に少しずつ知られるようになってきたが、まだまだ十分に浸透しているとは言い難い。
 
 政治に絡む人物の刑事事件問題は、常に、こうした醒めた視点からの再吟味が不可欠である。
 
 日本が近代国家になるためには、どうしても、この警察、検察、裁判所制度を、根底から刷新しなければならない。警察、検察、裁判所制度の近代化なしに国家の近代化はあり得ない。

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2011年7月 1日 (金)

邪悪な消費税増税謀略1Rダウンの財務省をKOせよ

菅政権が強引に進めてきた「社会保障と税の一体改革」の政府与党案が6月30日に決定された。
 
 焦点の消費税について、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」ことが盛り込まれた。
 
 しかしながら、決定は政府・与党の社会保障改革検討本部におけるもので、閣議決定はされない。
 
 経済環境との関連では、「経済状況の好転」を増税実施の「条件」とすることも盛り込まれた。
 
 財務省は、「2015年度までに消費税率を10%まで引き上げる」ことを閣議決定することを目論んでいた。しかし、民主党および国民新党から強い反対意見が噴出し、閣議決定はできず、また、「経済状況の好転」が実現しなければ増税は実施できない内容での決着になった。
 
 菅直人氏自身も、6月28日の両院議員総会で、退陣までの課題に、税制改革を盛り込まなかった。増税案の強行は菅直人氏自身が取り下げた感が強い。
 
 このことは、菅直人氏が総選挙を視野に入れていることの裏返しでもあると考えられる。総選挙を実施するとなれば、現時点での消費税増税提案は、間違いなく選挙に不利に働く。
 
 また、過去の経験を詳細に検討すれば、現局面での増税提案は、まさに自爆テロ行為そのものであり、菅直人氏もようやくこの点に気が付いた可能性がある。
 
 増税に執着しているのは与謝野馨氏だが、誰も与謝野氏の姿勢を高くは評価しない。

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2009年8月の総選挙以来、消費税問題は常に国政の中心テーマであり続けた。主権者である国民は、この問題についての基本的な考え方を明示して、今日まで進んできている。
 
 日本の主権者国民が、現段階での消費税増税方針に強く反対している理由は、大きく二つある。
 
 第一は、未曽有の災害に見舞われて、日本経済が戦後最大の危機に直面している現状では、増税よりも先に経済の立て直し、被災地の復興が優先されるべきであると判断していることだ。
 
 復興に向けての経済対策を検討もせず、増税だけを検討する政府なら、主権者国民はそんな政府に確実に不信任を突きつける。
 
 第二の理由は、消費税増税の前に、官僚利権を切ることを国民は要請していることだ。これが、2009年8月総選挙での鳩山由紀夫民主党と主権者国民との約束だった。
 
 財務省は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫の、いわゆる財務省天下り御三家への天下りを遮断しようとしない。
 
 トップのポストだけ、お飾りの民間人を据えて、副社長の官僚OBがすべての実権を掌握している。
 
 東京証券取引所への天下りも復活させた。横浜銀行、西日本シティ銀行は、財務省の植民地とされ続けている。
 
 最近では、大和総合研究所やみずほ総合研究所トップに財務省官僚OBを送り込み、税制改革の経済効果試算などに圧力をかけようとしていることが見え見えである。
 
 人類を滅亡させかねない原発事故を引き起こしながら、政府はまだ、経産省から電力会社および原子力関連団体への天下り全面禁止を決定していない。
 
 本当にどうにもならないずぶずぶの癒着構造である。
 
 主権者国民は、現下の経済状況を踏まえて、増税よりも経済再生が優先されることを明確に認識し、他方、増税論に入る前に、官僚利権の根絶が絶対に不可欠であるとの認識を明確にしているのだ。

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偏向NHKのノーコン解説者である大越健介氏は、消費税問題の決着がつかない理由を、
 
①菅首相の求心力の低下
②増税を口にしたくない議員心理
 
などと、ふざけたことをほざいていたが、公共の電波を低質な情報で占有することは、懲戒の対象と言っても過言ではない。
 
 NHKの解体的改革が急務である。NHK放送にスクランブルをかけて、放送受信希望者のみが視聴できる方式に変更するべきだ。同時に、NHKの運営を、視聴者代表から組織される「放送委員会」に委ねる制度変更を実施するべきだ。この改革を前進させるためには、主権者国民による放送受信料支払い拒否運動が必要である。
 
 消費税増税論に強烈な反対が存在するのは、繰り返しになるが、
 
①震災後の日本経済の現状を踏まえ、経済再生策が優先されるべきこと
②消費税増税論議に入る前に官僚利権を根絶することが不可欠なこと
 
が最大の理由なのだ。
 
 NHKはふざけた解説で、ゴールデンタイムのニュースの時間を浪費するべきでない。
 
 そして、この消費税に対する基本判断は、総選挙および参院選の際に最重要争点として掲げられ、その上で主権者国民が示した判断に基づくものであり、堅固な正統性に裏打ちされている。
 
 主権者に対する背任行為を平気で実行できる与謝野馨氏のような老害議員が、官僚利権と癒着して、大きな顔をして絶叫しようと、このような鉄面皮議員の声には正統性のかけらも存在しないのだ。
 
 消費税論議を大きく前に進めるため、官僚機構と刺し違えてでも、天下り根絶に突き進むなどの行動を、与謝野氏が示すなら、主権者は与謝野氏の声に耳を傾けるだろう。しかし、与謝野氏はひたすら官僚利権を擁護するだけでしかない。
 
 実効性に乏しい政府与党決定が生まれたが、それでも、俗悪な官僚どもはバンパイアのように、主権者国民に重税を押し付けるために、ありとあらゆる策謀を仕掛けてくる。十分な警戒が不可欠だ。
 
 主権者国民と国民の生活を第一と考える「民主党正統」議員、そして、これと連携する有志の議員が力を合わせて、卑劣な増税案を粉砕し、適正な経済復興政策を実現してゆかねばならない。

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