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2011年6月24日 (金)

火事場泥棒的手法に走る復興会議は解散すべし

菅直人氏が総理の椅子にしがみついて、国民を困らせている。

 6月2日の菅-鳩会談・合意、代議士会の経緯を踏まえれば、菅氏の早期辞任は当然である。詐欺師・ペテン師を国家のトップに置いていたのでは、日本の国際的信用が著しく損なわれる。
 
 しかし、こうした手続き論を離れて考えてみることも必要だ。手続き的に総理を辞任しなければならない人物でも、国民の利益の立場から、本当に余人をもって代えがたいのであれば、そのまま総理の地位に残留してもらう方が、国民にとってはプラスが大きいからである。
 
 そこで、手続き論を離れて菅直人氏を再評価すると、驚くことに、単なる手続き論以上に、総理の座に居座られては困る人物であることが判明する。そうである以上、一秒でも早く菅直人氏が退場するように、計画を練らなければならないということになる。
 
 国民の利益の視点から見た菅直人氏が、総理失格である理由はすでに本ブログでも何度も記述したから、箇条書きで、ごく簡単に再整理だけしておく。
 
①国民の生命、健康を守ろうとしない
 ベント遅延、SPEEDI隠ぺい、子どもへの高濃度放射能被曝強制などがその実例
 
②東電の経営者、株主、債権者を救済して負担を一般国民に転嫁する方策を政府決定とした
 
③経済復興政策を策定しないこと
 
 これ以外にも、昨年参院選での大敗、あらゆる選挙での大敗、政治資金規正法違反など、枚挙に暇がない。

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最大の問題は、総合経済対策策定の遅れだ。
 
 菅直人氏は第二次補正と言っているが、総合経済対策はさらに先送りするつもりだ。
 
 それでは、復興会議では何をしているか。
 
 欲得にまみれた、腐臭に満ちた論議ばかりしている。
 
 漁業に民間企業を参入させることが示されている。早速、テレビ朝日「報道ステーション」が絶賛している。
 
 このような「火事場泥棒」のようなことを、なぜ平気で出来るのか。
 
 漁業に企業を参入させることなど、漁村のあり方を根底から覆すかもしれない最重要事項だ。賛否両論あるのはもちろん知っている。しかし、安易に結論を出すような類の話ではない。
 
 がれきと生鮮食品の腐敗でハエが大量発生し、その衛生対策を行う、といったことなら、政府が全力をあげて直ちに対応するべきだ。
 
 しかし、これと企業の漁業への参入とは話がまったく異なる。これに、軽薄な知事がすぐに飛び乗る。
 
 農業に株式会社を参入させる話も、TPPとの関連で大きな論議の対象になっている。アメリカ流の市場原理主義者は、すべてを「効率」だけで測る。共同体のあり方、分配の不平等、国土の疲弊、食料の安定供給など、一切関知しない。
 
 市場原理主義者は基本的に狩猟民族である。収奪的な生産を特徴とする。
 
 これに対して、共生主義者は基本的に農耕民族である。大地の再生産能力を重視して、決して収奪的な生産手法を取らない。
 
 漁業に企業を参入させるかどうかは、こうした哲学論争をも必要にするものなのだ。

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震災で疲弊し、瀕死の状態であることに乗じて、他人の台所に勝手に上り込んで、勝手に飲み食いし、暴れ回るようなことをどうしてするのか。
 
 漁業に民間企業を参入させるかどうかは、平時の論議でも多大の時間を費やす必要のあるテーマだ。どさくさに紛れて、既成事実を作り出そうとする、その手法が詐欺的、ペテン師的なのだ。
 
 これ以外に、復興会議が行っているのは増税論議だ。被災者の生活の困難を無視して増税ばかり論議する会議なら、解散するべきだ。
 
 いま、全力を注がねばならないことは、総合経済対策の策定と迅速な実施。これに尽きる。
 
 日本における増税論議が進まない最大の理由は明白だ。それは、官僚利権を切らないことにある。社会保障で費用がかかるなら、国民はその負担に応じる考えを持っている。しかし、その前に官僚利権を切って、無駄な政府支出をなくすことが先決だと思っている。
 
 これを官僚機構がまったくやろうとしないから、増税論議に入ることができないのだ。
 
 財務省は日本政策投資銀行の財務省OB副社長を留任させる人事案を固めた。社長は民間人を登用しているがお飾りに過ぎない。財務省が官僚利権を切るというなら、まず、政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫への天下りを全廃するべきだ。横浜銀行、西日本シティ銀行への天下りもいい加減、やめるべきだ。
 
 いま、全力をそそぐべきことは、経済復興対策の策定とその実施だ。これをやり終えたら、次に官僚利権の根絶に進む。それを完遂したら、増税論議をしっかりやればよい。

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