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2011年5月16日 (月)

政治私物化し民主主義根幹踏みにじる岡田克也氏

野党が菅内閣に対する内閣不信任案を提出した場合に、この決議に賛成する議員が民主党内からも生まれる動きがある。岡田克也幹事長は、不信任案に賛成するなら離党覚悟で臨む必要があると牽制するが、説得力を持たない妄言だ。
 
 内閣不信任案への同調の是非は、単なる形式的な判断ではなく、その行為の正統性によって判断されるべきものであるからだ。
 
 菅首相および菅内閣の行動に、不信任案が提出されてやむなき事情があるなら、与党代議士が内閣不信任案に同調することは批判されるべきものでない。政治を単なる権力闘争のゲームとして捉えるなら、岡田氏の主張も成り立つが、政治は権力闘争のゲームではない。
 
 政治は主権者である国民の意思を反映すべきものであり、国民の意思を反映して行動すべき首相が、民意を踏みにじり、主権者を冒涜する行動を示す場合には、与党議員がこの為政者を排除するために行動することは正当化される。
 
 菅直人氏は首相の地位に居座っているが、その地位に在職する正統性をすでに完全に失っている。
 
 菅直人氏は2010年6月8日に首相に就任した。この就任当初から、民主主義の根幹を踏みにじる行動を展開し続けてきた。民主党国会議員は主権者である国民の負託を受けた存在である。とりわけ、現在の衆議院議員は2009年8月の総選挙で当選した議員であり、この総選挙での民主党の主張、公約に対する主権者国民の賛同を背景に当選を果たしてきた人々である。
 
 ところが、菅直人氏は党内政局の視点から、民主党内人事を私物化してきた。主権者国民の意思を踏みにじり、2009年8月総選挙で指示を得た民主党正統派を弾圧し、いわゆる悪徳10人衆による民主党私物化を進めてきたのである。

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民主党が掲げた政権公約は、段階的になし崩しに破壊されてきた。子ども手当、高速道路無料化、農家個別所得補償、高校授業料無償化などの骨太の政策方針がことごとく破壊されてきた。
 
 また、民主党は2009年8月の総選挙で、天下り根絶など、政府支出の無駄排除に全力をあげ、この課題を成し遂げるまでは消費税増税に進まないことを政権公約に掲げた。この方針が主権者から支持されて政権を獲得した経緯を有する。
 
 ところが、菅直人氏は党内の民主的な意思決定手続きを経ぬまま、2010年7月11日の総選挙に向けて、消費税大増税の方針を突如政権公約に掲げた。
 
 この2010年7月の総選挙を菅内閣は、内閣に対する信任投票の選挙だと位置付けた。当時の幹事長であった枝野幸男氏は、時事通信社のインタビューに応じて、何度も「菅内閣に対する信任投票である」ことを明言している。
 
 この参院選で民主党は大敗した。国会は、完全なねじれ状態に移行し、ここから政治の混迷が一段と深まったのである。参院選を「信任投票」と位置付けた以上、菅内閣は国民から「不信任」を正式に示された政権であるということになる。民主主義の根本原則に従い、この時点で菅直人氏は首相の座を退くことが求められている。
 
 ところが、菅直人氏は民主主義の根本原則を無視して首相の座に居座り続けている。その後の国政選挙、統一地方選で民主党はほぼ全敗を続けている。
 
 さらに、菅直人氏が外国籍の人物から違法に政治献金を受け取った事実が明るみに出た。菅直人氏が、同人物が外国籍の人物であることを認知し、かつ政治献金を受けていた事実を認知していたなら、犯罪が立件されなければならない。捜査当局の捜査が必要であるが、法の下の平等を守らない不正な日本の捜査当局は適正な行動を示していない。
 
 小沢一郎元民主党代表に対して、敵意をむき出しにし、自己の欲望のおもむくままに卑劣な行為を繰り返してきた岡田克也氏は、菅直人氏に対しては何もものを言わない。こうした、偏向した人物が民主党幹事長職に居座っていることも不当である。

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選挙の指揮は幹事長の責任領域であり、すべての選挙に惨敗を続けている岡田氏が幹事長に居座っていることも不当なのである。
 
 こうしたなかで、原発の放射能放出重大事故が発生した。5月15日付記事
 
「日本を最大不幸社会に導く菅直人氏に退場宣告を」
 
に記述したように、福島原発事故発生以来の菅内閣の行動に対して、内閣不信任の声が上がるのは当然の状況にある。
 
①パフォーマンス優先の行動が原子炉爆発の惨事を招く重大な原因になった疑いが濃厚である。菅直人氏は原発災害の加害者の一人である疑いが濃厚である。そのなかで、福島県民を中心とする近隣住民の生命と健康を守る適正な行動を採っていない。子どもたちには、将来、がんで苦しめる「殺人政権」的な対応をいまも続けている。
 
②原発事故発生当事者である東電の経営者と株主、さらに金融機関、社債権者および従業員を救済するために、巨大な負担を一般国民に押し付ける、「究極のモラルハザード」策である東電救済策をまとめた。東電の代表者である勝俣恒久会長の続投まで容認する方針だという。
 
③大震災を契機に日本経済の急激な悪化が進行し、福島周辺では原発事故を主因とする企業倒産が多発し始めている。政府は原発事故を引き起こした東電を国民負担で救済し、罪なき民間企業の倒産を野放しにしている。総合的な経済対策が喫緊の課題だが、菅直人氏は自分自身の延命のために、国会を延長して経済対策を決定する道を閉ざそうとしている。
 
 以上、縷々述べてきたが、これだけの罪状を背負う菅直人氏を退場させることは、主権者国民の負託を受けた国会議員の当然の責務である。そこには、与党議員、野党議員の区別はない。
 
 内閣不信任案可決と同時に、菅直人氏と岡田克也氏が離党して、「反民主党」なり、「悪徳民主党」なり、「増税民主党」なりの新党を結成すればよいのだ。
 
 与党議員の内閣不信任案賛成は、これらの国家議員が主権者である国民の意思を反映して行動する以上、正統性を持つものである。民意を踏みにじり、ポストにしがみつくことだけを優先し、国民を不幸に導く内閣総理大臣は不信任を突き付けられて当然である。
 
 岡田克也氏はねぼけた妄言を吐くのをそろそろやめるべきだ。

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