避難所の居住環境改善・水回り整備を優先せよ
大震災発生から2ヵ月半の時間が経過しているが、津波で甚大な被害を受けた地域の住民、さらに東電福島原発が引き起こした人類史上最悪レベルの放射能災害による被害者住民は、いまも極めて困難な避難所生活を強いられている。
これから梅雨期に入り、さらにその後には猛暑と台風シーズンが待ち構えている。季節外れの早い時期の大型台風も発生しており、被災地および原発被害地の生活環境、衛生環境が懸念される。
菅直人氏はお盆までに、仮設住宅への転居を希望するすべての被災者および原発事故被害者が仮設住宅に入居できることを確約した。確約した以上、責任をもって、その実現を図らねばならない。
しかし、仮設住宅の利用期間は原則として2年に限られており、その後の住民の生活環境の整備も視野に入れねばならない。
津波の被災地の復興をどのように進めるのかが検討されるが、政府の対応はあまりにも遅い。迅速かつ大胆な政策を早急に打ち出し、被災者や原発事故被害者の負担を可能な限り軽減するように努めるのが政府の責務である。
復興計画を立てる際に、公的に住宅を建設する構想を盛り込むべきである。福島原発事故被害者の生活を補償するための住居整備は東電の責任において実行するべきだ。また、津波の被災地においても、公的住宅整備を復興構想のなかに盛り込み、いずれその住居を被災者住民に譲渡する枠組みを描くべきである。
復興構想のなかに、被災者住民および原発事故被害者住民の中長期の居住環境整備をしっかり盛り込むことが何よりも重要である。
その一方で、いま、万全の対応を取るべきは、仮設住宅への転居までの措置である。避難所によっては、各世帯ごとに大型のテントが設置され、避難所生活ながら、一定水準のプライベート空間が確保されている箇所があるが、他方では、依然として体育館のなかに低い段ボールが間仕切りに用いられているだけの箇所がある。
また、水道、洗面、風呂、トイレ、汚水処理などの水回りの環境整備が不十分で衛生面の重大な問題が生じている箇所も少なくない。
仮設住宅への転居が完全に終了するまでには、まだ3ヵ月もある。この3ヵ月に梅雨や猛暑、台風などが予想されており、政府と東電はこの季節の居住環境整備に責任を持つべきである。
避難所の一部で大型テントを導入できたのであるから、すべての避難所で同様の対応が可能であるはずだ。同時に避難所の水回りの環境整備に全力を尽くすべきだ。
サミットに参加するだけで膨大な税金が使われている。このような費用を節約してでも被災者住民や原発事故被害者住民の生活環境改善に心と力を尽くすのが本来の為政者の姿である。
社民党は内閣不信任案に同調しない方針を示しているが、もっと真摯に主権者国民の声に耳を傾けるべきである。
菅政権は原発事故が発生した際、何よりも重要な放射能汚染関連情報を隠蔽して、その結果、極めて多数の住民が高水準の被曝を受けたと思われる。とりわけ、3月15日から16日にかけて、原発の北西地域で雨に打たれた住民は、極めて深刻な被曝被害を受け、さらに内部被曝している可能性が高い。
また、幼稚園や保育園を含む子供たちに、高線量の放射能被曝を容認することも、国際的な医療の常識から外れる対応である。つまり、何よりも大切な国民の生命や健康を、財政支出を節約する目的で犠牲にしているのが菅政権なのである。この政権を排除し、国民本位の政権を樹立することは主権者国民の共通した希望である。
社民党には、しっかり主権者国民の意思を尊重するスタンスを取ってもらいたい。
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