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2011年5月

2011年5月31日 (火)

管直人内閣不信任案が可決され内閣総辞職へ

菅直人内閣に対する不信任案が衆議院に提出される。与党民主党の81名以上が賛成票を投じれば、不信任案は可決されると見られている。
 
 日経新聞が行った世論調査では、菅首相退陣について、「できるだけ早く」あるいは「震災・原発対応が一段落したら」菅首相が退陣すべきとの回答が70%に達した。
 
 日経新聞の世論調査だから、信ぴょう性は低いが、新聞としては、退陣論を抑制する方向に世論調査を操作しているはずだから、この数値は驚異的に高いと判断できる。 
 
「震災・原発対応が一段落したら」というのは、いまのことである。震災および原発事故直後の対応が終わり、補正予算も成立した。これが、「一段落した局面」である。 
 
 ところが、菅内閣の下では、震災発生から2ヵ月半以上の時間が経過したにもかかわらず、必要な対応がほとんど取られていない。原発がメルトダウンの重大事態に立ち至ったことは、3月15日の段階では確実に把握されていたはずだが、その重大情報が2ヵ月も隠ぺいされ続けた。
 
 被災された多くの同胞に支援の手を差し伸べるため、そして日本経済を大不況から復活させるため、総合経済対策の策定が焦眉の急であるが、菅直人氏は、これを秋以降に先送りしようとしている。
 
 経済対策を策定せずに、消費税大増税の具体案を示し始めた。管政権は狂気の政権としか言いようがない。
 
 原発事故を発生させた東京電力に対して、事故発生が「異常に巨大な天災地変」によるものでない限り、東電に無限責任を求めなければならないはずであるのに、菅内閣は法律の規定を無視して原子力事故損害賠償負担を国民に転嫁する提案を示している。
 
 こうした菅直人氏の実績を踏まえて、大多数の国民が菅直人氏の退陣を求めているのだ。
 
 このなかでの内閣不信任案の提出であるから、野党議員も与党議員も、主権者国民の意思を尊重して、政権刷新に向けて行動するべきである。

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テレビ朝日「報道ステーション」は、「震災で国民が大混乱のなかにあるときに、政局に明け暮れることは許されない」、との菅内閣続投支持のプロパガンダを繰り返す。
 
「菅首相を退陣させて、代わり得るリーダーに誰がいるのか」の常套句も忘れない。
 
「急流で馬を乗り換えるな」
は、
馬が急流をしっかりわたっているときの格言だ。
 
 馬が背中の国民を水の中に投げ出そうとしているなら、一刻も早く馬を代えなければ、国民が助かる見込みはなくなる。
 
 マスゴミが菅直人首相続投を懸命に誘導しているのは、菅直人氏が米国の指令に隷従するイエスマンだからだ。しかし、これは日本支配を続けようとする米国にとって望ましい選択であって、日本国民にとっては悪魔の選択なのだ。
 
 政権交代をもたらした2009年8月の総選挙からの1年半をしっかりと振り返る必要がある。
 
 2009年8月の総選挙で、日本国民は変革の選択を示した。米国を筆頭とする利権複合体=悪徳ペンタゴンは、米国に隷従しない政権の樹立を阻止しようと、あらゆる悪の限りを尽くした。その結果、内閣総理大臣に就任していたはずの小沢一郎氏が民主党代表を退くことになった。
 
 しかし、小沢氏は後継代表に鳩山由紀夫氏を据えることに成功し、自主独立路線が堅持された。
 
 米国の支配、官僚の支配、大資本の支配から、日本を解放することが鳩山新政権の課題だった。
 
 ところが、米国を筆頭とする悪徳ペンタゴンは、検察権力とマスゴミを総動員して鳩山新政権を攻撃し、さらに沖縄普天間基地移設問題で鳩山首相を追い詰めた。
 
 鳩山前首相は決死の覚悟で、初志を貫徹すべきだったが、絹のハンカチの弱さが出てしまい、首相退陣の道を選択してしまった。

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この機に乗じて政権を強奪したのが民主党内の対米隷属主義者連合=悪徳8人衆だった。菅-仙谷-岡田-野田-前原-枝野-玄葉-渡部の面々である。
 
 昨年6月8日に菅政権が発足した。これ以後の1年は、「政治私物化」の1年であったと言って過言でない。
 
 まず、菅内閣は民主党執行部から小沢-鳩山ラインを完全に放逐した。
 
 米国の支配、官僚の支配、大資本の支配から日本を解放するという、新政権の基本方針が根底から排除された。
 
 普天間問題では米国の言いなりになり、さらに、突如としてTPPなる米国の要請を全面的に受け入れる方針まで示された。
 
 菅内閣は官僚の天下りを全面敵に容認する方針を示し、財務省悲願の消費税大増税に突き進む狂気の行動を示し始めた。
 
 2009年8月総選挙で鳩山由紀夫前首相は、官僚の天下り利権などの無駄を排除し尽くさぬ間は消費税増税を封印することを主権者国民に約束した。菅直人氏はこの約束を根底から覆す行動を取っているのだ。
 
 しかし、菅直人氏の増税路線は国民によって完全否定された。昨年7月11日の参院選で、菅直人氏の増税政策は全否定されたのだ。菅直人氏はこの参院選を菅内閣に対する信任投票であると明言した。その参院選に惨敗したのだから、菅氏はこの段階で首相を辞任しなければならなかった。 
 
 ところが、菅氏は首相の座にしがみついた。9月14日の民主代表選では小沢一郎氏が当選する状況だったが、不正選挙によって菅氏が当選したと見られている。
 
 菅-岡田民主党は国政選挙、地方選挙で敗北を重ねてきた。本来の民主党支持者が菅直人氏の政権運営を見て、民主党支持を凍結し、他党に投票しているからだ。

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その後に震災が発生した。しかし、菅内閣はなすべき仕事をまったく行わず、自分の保身だけに走っている。岡田克也氏も、もともと能力の極めて低い自己中心主義者だが、民主党執行部の非を認めず、権力を振り回すだけの、単なる害悪でしかなくなっている。
 
 民主党内の小沢一郎氏支持者、鳩山由紀夫氏に近い議員集団は、菅内閣の現状を踏まえ、正々堂々と内閣不信任案に賛成票を投じることになると思われる。内閣不信任案は賛成多数で可決されることになるだろう。
 
 菅直人氏は辞任するしか道はない。現状で、解散総選挙を選択することは、国賊行為であり、この選択を菅氏が示すなら、菅氏は心神喪失状態に陥ったと判定せざるを得なくなるだろう。
 
 現状は速やかに総合経済対策を策定するべき局面であり、解散総選挙の選択肢は正常な判断のなかには存在しない。
 
 主権者国民の意思に背き、不当に権力を強奪し、非民主的な政党運営を行ってきた民主党現執行部、悪徳8人衆は、内閣不信任案が可決されたなら、速やかに民主党を離れるべきである。「除名」などの威勢の良い言葉が聞かれるが、本来、除名処分を受けるべきは、菅-岡田-枝野ラインであることを忘れるべきでない。
 
 正統性と正当性に鑑みれば、小沢一郎政権を発足させるのがベストである。しかし、まずは、菅内閣を倒すことが先決だ。道は必ずおのずから拓けてくる。

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2011年5月30日 (月)

最優先課題総合経済対策策定が大幅先送りされる

5月25日、NPJ(News for the People in Japanによるインタビュー動画収録に出席させていただいた。NPJ代表の梓澤和幸弁護士とNPJ記者を務められている中川亮弁護士がインタビュアーを務めて下さり、収録が行われた。
 
 NPJサイトにインタビューの模様がアップされたので、ご高覧賜りたい。
 
NPJ動画ニュース-1 エコノミスト植草一秀氏、原発を語る
 
NPJ動画ニュース-2 植草一秀氏、震災と復興経済のあり方について
 
 NPJサイトには、多くの原発事故関連情報が整理して掲載されている。原子力資料情報室とともに、重要情報拠点サイトとしてご活用賜りたい。
 
 また、『金利・為替・株価特報』第133号=2011年5月27日号が発行された。ただし、諸般の事情により、レポート発送が5月28日土曜日にずれ込んだため、レポート到着が1日遅れる地域が出ると予想されます。なにとぞご理解賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 
『金利・為替・株価特報』第133号のタイトルは、
 
「最優先課題の総合経済対策が大幅先送りか」 
 
目次は以下の通り。
 
<目次>
1.  【日本経済】急激に悪化している日本経済
 
2.  【政策】外貨準備活用50兆円経済対策を策定せよ
 
3.  【政局】菅政権の危機管理・政策立案・問題処理能力
 
4.  【世界経済】中国・米国の景気減速と欧州の不安定要因
 
5.  【株価】割安感強まるが依然残る下値不安
 
6.  【為替】為替レート変動の大局観
 
7.  【為替】為替レート変動に連動する日経平均株価
 
8.  【金利】持続する低金利
 
9.  【投資】投資戦略

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フランスで開催されたサミット会議が終了し、帰国した菅直人氏を内閣不信任案提出が出迎える。
 
 日本を支配する本尊の米国は、対米隷属の姿勢を明示する菅内閣を存続させようとしている。そのためのプロパガンダが、
 
「国難のいま、政局混乱を国民が容認しない」
 
である。
 
 しかし、このプロパガンダに対して、小沢一郎民主党元代表は、
 
「国難の時だからこそ、それにふさわしい人を選び、それにふさわしい政権を作るべきだ」
 
と反論する。
 
 いま、この国の政府に求められている最優先の課題は、総合経済対策である。大震災、原発重大事故の惨事に直面し、日本経済は3四半期連続大幅マイナス成長の危機に突入している。
 
 今後、失業、倒産、経済苦自殺が日本を覆うことは間違いない。
 
 政府と国会は不眠不休で、必要な予算の編成、法令の成立に全力を注ぐべき局面にある。
 
 ところが、菅直人氏は国会を早期に閉会し、本格的な総合経済対策の国会提出を秋以降に先送りする方針を示している。しかも、総合経済対策を提出する際には、消費税大型増税をセットで提示しようとしている。
 
 菅内閣が存続するなら、いまの国難が大々国難に転じることは間違いない。この方向が日増しに明確になりつつある。
 
 そうであるなら、ここは、じっくり腰を据えて、この国難にふさわしい人物を選出し、国難にふさわしい新しい政権を樹立することが、正しい選択になる。

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菅-岡田-枝野の体制では、日本人は不幸のどん底に突き落とされるばかりだ。このなかの誰一人として、国民の立場でものを考える者がいない。3人とも、自分の利益しか考えていない。
 
 自分の利益を投げ出し、国民の幸福実現のために、全身全霊を注ぐ人物、しかも、的確な判断力、ふらふらとぶれることのない胆力を持つ人物が、新しいリーダーとして求められている。
 
 菅直人氏が民主主義の根本原則を守り、国民のために全身全霊を注ぐ人物であるなら、国民の誰もが菅首相続投を求めるだろう。
 
 しかし、菅直人氏は主権者国民との約束を平然と反故にし、主権者国民の意思を踏みにじり、主権者国民のためではなく、自分自身の利益のためだけに首相の椅子にしがみついている。福島の国民の生命や健康を犠牲にする行動をとることに、いささかの躊躇もない。もはや有害無益の存在と言うしかない。
 
 このような人物を首相の座に留まらせることは、国民の利益、国の利益に反している。だから、民主党国会議員は正々堂々と、そして粛々と内閣不信任案に賛成票を投じるべきなのだ。

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2011年5月29日 (日)

国難のいま菅政権打倒が日本再生の第一歩になる

小沢一郎民主党元代表がウォールストリートジャーナル紙のインタビューで菅首相退陣論を明確に示した。
 
 大震災後、日本は非常事態を迎えている。この危機に直面するなか、内閣総理大臣の交代を実行するような政局の動きは避けるべきとの主張が流布されている。米国の意向を受けたマスゴミが意図的に流す情報だ。
 
 しかし、小沢氏は、
 
「国難の時期だからこそ、それにふさわしい人物を選び、それにふさわしい内閣を作るべきだ」
 

と述べた。まさに正論である。
 
 この国難に際して、多くの国民が生活の困難に見舞われている。東電福島原発が引き起こした放射能重大事故では、多くの国民が放射能の脅威にさらされている。また、日本経済は急激な悪化に直面し、経済財政運営の手腕が問われている。
 
 このような国難の局面に、国民の信任も受けておらず、国民の意思を無視して、ひたすら自分自身の利益のためだけに行動する内閣総理大臣が存在するなら、この総理を排除し、国難の時期にふさわしい人物を当てるべきことは当然の主張なのである。この主張の方が、はるかに国民の利益、国民の幸福を尊重する考え方である。
 
 本ブログでも
 
2010年12月21日
「人の道踏み外す空き菅政権が日本を地獄に道連れ」
 
2011年4月21日
「内閣不信任案可決後菅直人政権は大政奉還すべし」
 
2011年5月19日
「毎年恒例首相交代機到来・菅直人氏退陣七つの理由」
 
などの記事を掲載してきた。

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小沢一郎元代表が指摘するように、菅直人氏退陣は一刻でも早い方がよい。
 
 なぜ、菅直人氏が退陣するべきであるのか。改めて整理しておく。
 
 第一は、原発事故に際して、国民の生命と健康を守る行動を取らなかったことだ。
 
 NYタイムズ紙が報道した下記グラフを見ていただきたい。
 
 Ny
 
 原発からの放射性物質放出量が最大になったのは3月15-16日と見られる。1・3号機で水素爆発が生じた。2・4号機でも何らかの爆発的事象があった。原発原子炉1~3号機で炉心溶融・燃料棒落下という、いわゆる「メルトダウン」が発生し、原子炉格納容器が破損し、大量の放射性物質が飛散した。
 
 政府は巨大な国費を投じて、SPEEDIと呼ばれる緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムを作っておきながら、それを活用する唯一の機会と言って過言でない今回の事故の局面で、政府はこの情報を隠蔽した。
 
 3月12日に菅直人氏が福島原発をパフォーマンスのために訪問した際にだけ、この情報を活用したとの疑いは消えていない。
 
 3月15日夜から原発周辺地域で雨が降った。震災後、初めて降った雨である。このとき、原発の風は南東だった。大量の放射性物質がこの風に乗って原発北西地域上空に飛散したが、降雨で原発北西地域に大量降下した。これが、原発北西部の放射線量が著しく高まった原因である。
 
 政府がSPEEDI情報を公開していたら、放射能大量被曝被害者を大量に生まずに済んだはずである。
 
 第二は、原発事故、大震災によって国民生活が破壊され、日本経済が危機に突入しているにもかかわらず、総合的な経済対策を打ち出さないことである。財務省は今回の震災対策に消費税大増税を組み込むことを最優先課題に位置付けている。菅直人氏は財務省に完全に取り込まれ、国民生活よりも財務省の求める増税を重視してしまっている。このような首相が居座れば、国民経済が破壊されることは明白である。
 
 第三は、今回の原子力事故に関連して、正当性のない東電救済策を提示したことだ。菅政権は今回の原子力事故原因を「異常に巨大な天災地変」であると認定していない。したがって、原子力損害賠償法では事業者に無限の無過失責任を定めている。
 
 ところが、政府は東電救済策を提示した。また、電力業界および関連団体に対する大量の天下りも温存したままである。政官業癒着の構造をそのまま維持して東電を救済することに、多くの原発事故被害者、および一般国民は強い反発を感じている。

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第四は、菅直人氏が昨年7月11日の参院選で惨敗し、主権者国民から不信任の判定を示されたことである。この選挙を菅内閣に対する信任投票だと位置付けたのは菅直人氏自身である。
 
 第五は、菅直人氏が2009年8月総選挙で示された主権者国民の意思をことごとく踏みにじってきたことである。小沢一郎氏は、
 
正面切って民主党を応援してくれていた人たちが、本当に一生懸命やっただけに、頭にきちゃって、こんな民主党ぶっつぶせ、もう一度やり直しだと言うくらい失望している。」
 
と指摘したが、その通りである。
 
 主権者が支持したのは民主党の小沢-鳩山ラインである。菅-岡田ラインを支持したのではない。ところが、菅-岡田ラインは、小沢-鳩山ラインをことごとく迫害したのである。
 
 第六は、菅直人氏が政治資金規正法に明確に違反したことである。捜査当局は直ちに適正な捜査を実施するべきである。
 
 第七は、この国難の時期に国会を閉会してしまおうとしていることだ。
 
 6月2日は、昨年、菅直人氏が背徳のクーデターを実行した日である。6月8日には、首相の椅子を強奪した。日本にとって、国民にとって悪夢の1年間が経過する。悪夢はもういらない。
 
 2006年以降、総理大臣の交代は年中行事であり、内閣不信任案は、絶対に可決しなければならない。

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2011年5月28日 (土)

小沢一郎氏の重要発言:国難だからこそ刷新が必要

小沢一郎民主党元代表がウォールストリートジャーナル紙のインタビューに応じた。小沢一郎氏は本来、2009年8月の総選挙後に内閣総理大臣に就任していたはずの人物である。
 
 ところが、日本が米国の支配から脱し、独立する国家になることを阻止しようとする米国を中心とする勢力が謀略を仕掛けて、小沢氏を失脚させた。
 
 小沢氏が民主党代表を辞任することになった直接の原因は、2009年3月3日の大久保隆規氏の誤認逮捕である。大久保氏は新政治問題研究会および未来産業研究会から受けた献金を事実通りに収支報告書に記載して報告した。それを東京地検は虚偽記載だとして大久保氏を起訴し、逮捕した。
 
 ところが、2010年1月13日の第2回公判で、西松建設元総務部長の岡崎彰文氏が、二つの政治団体に実体があったことを証言した。岡崎氏は検察側証人でありながら、検察側主張を根底から覆す衝撃証言を示したのだ。つまり、2009年3月3日の大久保氏逮捕は誤認逮捕だったのであり、仮にこの誤認逮捕がなければ2009年8月総選挙を受けて小沢総理が誕生し、いまも小沢政権が続いていたはずなのだ。
 
 この小沢氏がウォールストリートジャーナルのインタビューを受けた。
 
 ネット上に一問一答が掲載されているので、詳細は一問一答をご覧いただきたいが、菅政権の下に置かれている日本の悲惨な現状を、心から憂慮していることが明確に示されている。

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一問一答から、重要発言を以下に取り出した。
 
Q:東日本大震災と福島第1原発事故以降の政府の対応について、全般的にどう評価しているか。
 
A:・・・対応が遅く、放射能汚染に対する認識が甘い、というより、まったくないといってもいいくらいの菅内閣の対応だ。
 
・・・役所の積み上げと、査定に任せきりで、民主党が目指した国民主導・政治主導という政治の在り方とは程遠い実態になっている。・・・民主党が掲げてきた、政治家が自ら決断して政策を実行するということが行われていない。
 
Q:小沢氏が指揮を執っていれば、最初の段階でメルトダウンが起きて危ないということは国民に大きな声で言っていたか。
 
A:言うだろう。隠していたらどうしようもない。それを前提にして、対応策を考えねばならない。当面は福島の人だが、福島だけではない、このままでは。汚染はどんどん広がるだろう。
 
あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる。ウラン燃料が膨大な量あるのだ。チェルノブイリどころではない。あれの何百倍ものウランがあるのだ。みんなノホホンとしているが、大変な事態なのだ。それは、政府が本当のことを言わないから、皆大丈夫だと思っているのだ。私はそう思っている。
 
Q:菅首相はアドバイザーを集めて意見を聞いている。聞き方がまずいのか。
 
A:・・・原発で食っている連中をいくら集めてもだめだ。皆、原発のマフィアだから。あなた方もテレビを見ていただろう。委員だの何だの学者が出てきて、ずっと今まで、大したことありません、健康には何も被害はありません、とかそんなことばかり言っていた。原子力で食っている人々だから、いくら言ったってだめなんだ。日本人もマスコミもそれが分からないのだ。日本のマスコミはどうしようもない。
 
Q:原子力エネルギーをどう考えるか。
 
A:しょせん、過渡的エネルギーとしてはある程度、大口電力供給のためにも仕方がない。だが、高レベルの廃棄物を処理できないからいずれ、新しいエネルギーを見出さなければいけない。そのように私は言ってきた。

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Q:問責決議案や不信任案を提出する、提出しないとの話が出ているが、国難といわれる時期、そのような政治家の動きを国民はどう受け止めているとみるか。
 
A:困難な時だけ仲良く、仲良くというのは日本人の発想で、だからだめなのだと考える。日本のマスコミは全部そうだ。太平の時は誰でもいいのだ。・・・困難、危機の時だから、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権を作るのだ。日本人は発想が逆だ。・・・日本人は平和ぼけしているから。まあまあ争わないで、まあまあ仲良くという話になる。仲良くしたって、何も解決できない。当たり障りのない話をしているだけだ。波風立てずに、丸く丸く。これでは、政治家など要らない。
 
Q:菅首相を降ろせというなか、強いリーダーはいるのか。
 
A:何人でもいる。
 
Q:強いリーダーの代表格というと小沢氏が思い浮かぶ。自分でやろうとの気持ちはあるのか。
 
A:私はもう老兵だから。老兵は消え去るのみ、とのマッカーサー元帥の言葉はご存知だろうか。消え去ろうと思っていたが、もう一仕事やらねばならないとは思っている。
 
Q:話題を変える。政治資金規正法違反の話は今、どういう状態で、今後、どういう方針で戦うのか。
 
A:どういう方針もなにもない。私は何も悪いことをしていない。これは官憲とマスコミによるものだ。旧体制の弾圧だからしようがない。調べてほしいのだが、私は何も不正な金はもらっていない。ただ、報告書の時期がずれていただけだ。こういった例は何百、何千とある。単に報告書を直して再提出するだけで済んでいた話だ、今まではずっと。なぜ、私だけが強制捜査を受けるのか。そこを全然、マスコミは考えない。
 
Q:震災に話を戻す。復興、復旧にこれからお金がかかっていく。もちろん労力も。一つは第2次予算が出るか出ないかで国会でもめている。第2次予算の緊急性と規模はどのようなものと考えるか。もう一つは、財源は増税にするのか、国債発行にするのか。そのへんはどのようにすべきか。
 
A:復旧に必要なことは、お金がどれくらいかかったって、やらなくてはならない。あのままでは住めなくなる。再臨界に達するかもしれない。あそこが爆発したら大変だ。爆発させないために放射能を出しっぱなしにしている。爆発するよりたちが悪い、本当のことを言うとだ。ずっと長年にわたって放射能が出るから。だから私は金の話じゃない。日本がつぶれるか、日本人が生き延びるかどうかという話だと言っている。・・・
 
Q:民主党が政権をとって間もない200910月、インタビューした際、自民党をつぶすことが目的だと言っていた。今回、発言を聞いていると、民主党政権に非常に批判的だが、自民党がむしろリーダーになった方がよいと、日本を救えると見ているのではないか。
 
A:・・・ 私が描いていた図とちょっと違うのは、民主党政権がもう少し愚直に政治に取り組んでくれることを期待していた。・・・どうにも民主党政権自体がおかしくなって、強烈な支持者であった人たちも、ちょっともう見放した格好になっている。
 
正面切って民主党を応援してくれていた人たちが、本当に一生懸命やっただけに、頭にきちゃって、こんな民主党ぶっつぶせ、もう一度やり直しだと言うくらい失望している。・・・だが私の最初の理想は変わらない。日本に議会制民主主義を定着させたいという理想は全然変わっていない。
 
Q:最後に、菅総理はどのぐらい総理の座にとどまるとみているか。
 
A:一日でも早く代わった方がいいと思う。
 
(一問一答の抜粋転載ここまで)

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小沢氏は福島原発事故の重大性を極めて的確に認識している。菅政権はこの重大原子力事故の事実を国民の前に隠蔽した。その結果、極めて多数の国民が深刻な原子力被害を受けている可能性が極めて高い。この罪は万死に値すると言って過言でない。
 
 米国は支配下のマスゴミを総動員して菅政権の擁護に全力をあげている。ジェラルド・カーティス氏を登場させる朝日の行動が典型的だ。
 
 ウォールストリートの質問に明確に示されているように、
「国難の時期に政局を国民が容認しない」
が、菅政権を擁護するためのキーフレーズである。米国は民主党を完全に対米隷属政党に転換させようとしている。米国の目的は、民主党から自主独立派を一掃することにある。その最大の標的が小沢一郎氏である。
 
 小沢氏は、国難に直面している時期だからこそ、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権を作ることを提唱する。間違いなくこれが正論である。「殺人政権」を温存するわけにはいかない。
 
 小沢氏は明確に意欲を示している。エネルギー政策の大転換の方針も明確だ。日本が進むべきは「脱原発」の方向なのだ。
 
 そもそも、菅直人氏の最大の原罪は、2009年8月の総選挙で示された主権者国民の意思を踏みにじっている点にある。しかも、菅直人氏は菅直人氏自身が菅内閣に対する信任投票だと位置付けた昨年7月11日の参院選で主権者国民から不信任の判定を受けている。1年も首相の座に居座ったのだから、もう思い残すこともないはずだ。

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2011年5月27日 (金)

避難所の居住環境改善・水回り整備を優先せよ

大震災発生から2ヵ月半の時間が経過しているが、津波で甚大な被害を受けた地域の住民、さらに東電福島原発が引き起こした人類史上最悪レベルの放射能災害による被害者住民は、いまも極めて困難な避難所生活を強いられている。
 
 これから梅雨期に入り、さらにその後には猛暑と台風シーズンが待ち構えている。季節外れの早い時期の大型台風も発生しており、被災地および原発被害地の生活環境、衛生環境が懸念される。
 
 菅直人氏はお盆までに、仮設住宅への転居を希望するすべての被災者および原発事故被害者が仮設住宅に入居できることを確約した。確約した以上、責任をもって、その実現を図らねばならない。
 
 しかし、仮設住宅の利用期間は原則として2年に限られており、その後の住民の生活環境の整備も視野に入れねばならない。
 
 津波の被災地の復興をどのように進めるのかが検討されるが、政府の対応はあまりにも遅い。迅速かつ大胆な政策を早急に打ち出し、被災者や原発事故被害者の負担を可能な限り軽減するように努めるのが政府の責務である。
 
 復興計画を立てる際に、公的に住宅を建設する構想を盛り込むべきである。福島原発事故被害者の生活を補償するための住居整備は東電の責任において実行するべきだ。また、津波の被災地においても、公的住宅整備を復興構想のなかに盛り込み、いずれその住居を被災者住民に譲渡する枠組みを描くべきである。
 
 復興構想のなかに、被災者住民および原発事故被害者住民の中長期の居住環境整備をしっかり盛り込むことが何よりも重要である。
 
 その一方で、いま、万全の対応を取るべきは、仮設住宅への転居までの措置である。避難所によっては、各世帯ごとに大型のテントが設置され、避難所生活ながら、一定水準のプライベート空間が確保されている箇所があるが、他方では、依然として体育館のなかに低い段ボールが間仕切りに用いられているだけの箇所がある。
 
 また、水道、洗面、風呂、トイレ、汚水処理などの水回りの環境整備が不十分で衛生面の重大な問題が生じている箇所も少なくない。
 
 仮設住宅への転居が完全に終了するまでには、まだ3ヵ月もある。この3ヵ月に梅雨や猛暑、台風などが予想されており、政府と東電はこの季節の居住環境整備に責任を持つべきである。
 
 避難所の一部で大型テントを導入できたのであるから、すべての避難所で同様の対応が可能であるはずだ。同時に避難所の水回りの環境整備に全力を尽くすべきだ。
 
 サミットに参加するだけで膨大な税金が使われている。このような費用を節約してでも被災者住民や原発事故被害者住民の生活環境改善に心と力を尽くすのが本来の為政者の姿である。
 
 社民党は内閣不信任案に同調しない方針を示しているが、もっと真摯に主権者国民の声に耳を傾けるべきである。
 
 菅政権は原発事故が発生した際、何よりも重要な放射能汚染関連情報を隠蔽して、その結果、極めて多数の住民が高水準の被曝を受けたと思われる。とりわけ、3月15日から16日にかけて、原発の北西地域で雨に打たれた住民は、極めて深刻な被曝被害を受け、さらに内部被曝している可能性が高い。
 
 また、幼稚園や保育園を含む子供たちに、高線量の放射能被曝を容認することも、国際的な医療の常識から外れる対応である。つまり、何よりも大切な国民の生命や健康を、財政支出を節約する目的で犠牲にしているのが菅政権なのである。この政権を排除し、国民本位の政権を樹立することは主権者国民の共通した希望である。
 
 社民党には、しっかり主権者国民の意思を尊重するスタンスを取ってもらいたい。

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2011年5月26日 (木)

震災発生から二月半いま何よりも求められること

大震災発生から2ヵ月半の時間が経過した。被災地および原発事故被害地では、いまも十万単位の住民が、極めて困難な生活を強いられている。政府の役割は国民の生命、財産、生活の保証であり、有事の際には何よりも迅速で大胆な行動が求められる。
 
 ところが、菅政権の政策対応はあまりにも遅い。その最大の理由は、菅政権の政策運営が財務省に支配されているからである。
 
 財務省は今回の震災を、増税実現のチャンスとしてしか捉えていない。被災者や原発災害の被害者を全力をあげて救済するなどの考えは毛頭ない。
 
 震災復興策が遅々として論議もされないのは、この震災復興策のなかに、増税論を埋め込むことが最大の狙いになっているからだ。
 
 この非常時に増税論を優先することに対する風圧は強い。国民も、良識ある識者も、そして常識感覚を備えた政治家も、この点で見解は一致する。
 
 この状況下で震災復興策の検討に入れば、増税論は横に置かれ、経済支援政策だけが論議されることになる。むろん、これが正しい道であるのだが、それでは困るというのが財務省のスタンスである。
 
 今後、あらゆる材料を用いて、震災復興の費用を近未来の増税によって賄う案を提示し、その方向の流れができた時点で復興政策を本格論議しようと考えている。
 
 菅直人氏は自分自身の延命しか考えておらず、財務省のこの戦略に乗ることが、自分自身の延命をもたらすものであると考え、震災復興策をまったく検討しないのである。
 
 すでに本ブログに記述してきたように、2011年度本予算は、史上空前のデフレ予算である。その詳細は『金利・為替・株価特報』をご購読賜りたいが、かつての橋本政権、小泉政権以上の緊縮予算が執行されている。
 
 4兆円規模の2011年度第1次補正予算が成立したが、これも、1.5兆円が本予算からの振り替え、2.5兆円が増税で手当てされる見込みのもので、景気浮揚効果は基本的にゼロである。

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私は外貨準備を売却して50兆円規模の震災復興策を決定して実行するべきだと主張しているが、単年度で言えば、最低15兆円規模の財政支出の追加が急務である。
 
 財政再建を重視していても、経済の崩壊を招けば、税収が急減し、財政収支は改善するどころか悪化してしまう。
 
 そして、何よりいま求められていることは、国民の生命、健康、生活を支えることである。大震災によって膨大なインフラが破壊されたのである。経済の復旧、復興にお金がかかるのは当たり前なのだ。
 
 それにもかかわらず、本格的な補正予算を早急に国会に提出しようともせず、ただひたすら消費税大増税を実現するための方策を検討するなど、国民の代表である政府の取る行動ではない、悪魔の取る行動だ。
 
 財務省による財政再建原理主義を排除して、国民本位の、そして真にマクロ経済の変動メカニズムを理解した経済政策運営を実行しなければ、この国の悲劇は拡大するばかりである。
 
 この意味でも菅政権には早期退場が強く求められる。政権を刷新して、国民本位の政策運営を取り戻さなければ、国民の不幸は最大化するばかりである。

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2011年5月25日 (水)

菅直人氏は国民に最も悪質なウソをついている

震災復興策を論じなければならない衆議院東日本大震災復興特別委員会が設置され、審議も始まったが、復興策の論議が行われる前に、震災発生直後の政府部内の混乱が取り沙汰されている。
 
 過去の問題について、事実関係を突き詰めるよりも、現在から未来の問題について論じることを優先するべきだとの正論も聞こえてくる。
 
 しかし、いま国会で論じられている問題のなかに、政府の姿勢として、本質的に重大な問題が潜んでいることを見落とすことができない。
 
 今回の震災の最大の特徴は、地震と津波の発生に伴い、絶対に起こしてはならない原発事故を引き起こしてしまったことだ。放射能の放出量による事故区分では、人類史上最悪レベルのレベル7に区分された。極めて深刻な放射能汚染が発生し、いまなお進行している。
 
 本質的に重大な問題とは、政府が事実を隠蔽し続けてきたことだ。日本政府は原子力を取り扱うに際して、三つの基本原則を定めた。これがすべての基本に置かれるべきことは当然である。
 
 三つの基本原則とは「民主・自主・公開」である。
 
 放射性物質はこの世に存在する物質のなかで、最悪の物質である。死の灰であり、悪魔の物質である。さらに重大なことは、この放射性物質が人類史上最悪の戦争兵器にいつでも転用され得ることである。
 
 だからこそ、核を取り扱う際には、「民主、自主、公開」の基本原則を徹底して遵守することが絶対に必要である。

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震災発生後、スポークスマンの役割を担ったのは枝野幸男氏である。枝野氏はこの基本原則を踏みにじり続けた。
 
 原発では3月11日から16日にかけての6日間に、悪夢の現実が進行した。1号機から3号機のすべての原子炉で原子炉冷却が停止し、燃料棒が溶融し、圧力容器下部に溶け落ちる「炉心溶融=メルトダウン」が発生した。さらに、一部圧力容器では、溶融した核燃料によって圧力容器が破損し、燃料が格納容器底部に溶け落ちたと見られている。
 
 さらに、溶け落ちた核燃料は格納容器にも一部穴を開けた可能性が高いのである。
 
 1号機、3号機では水素爆発が発生し、建屋が吹き飛んだ。2号機、4号機では、圧力抑制室で爆発が生じて、格納容器に損傷が生じたと見られている。
 
 これらの、メルトダウン、圧力容器損傷、格納容器損傷が持つ意味は重大である。すなわち、この事態によって、大量の放射性物質が原発外部に放出されたのである。
 
 3号機はMOX燃料を使用する原子炉である。プルトニウム関連の放射性物質の外部放出は、さらに深刻な事態を招くことが懸念されている。
 
 こうした事情を踏まえれば、福島原発の危険性のレベルをすべての国民、あるいは全世界に開示する意味で、逐次、事実をありのままに公開することが不可欠である。
 
 ところが、枝野幸男氏の振る舞いはまったく逆のものであった。常に「心配はいらない」、「念のための措置」、「ただちに人体に影響を及ぼすレベルではない」などの発言を繰り返し続けた。
 
 3月12日の会見で、原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官は、福島第一原発1号機で、
「炉心溶融が進んでいる可能性がある」
と発表した。
さらに、発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたことも開示したのである。
 
 これが、「民主・自主・公開」の原則の沿う正しい報道である。客観的な状況証拠を照らし合わせれば、この時点でメルトダウンの可能性は明確に認識されていたのである。
 
 ところが、あろうことか、この正義の官僚=中村審議官を菅-枝野執行部は更迭するという暴挙に出たのである。

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菅直人氏は3月23日に大前研一氏と1時間にわたって会談している。本ブログならびに『金利・為替・株価特報』2011年4月8日号では、大前研一氏が日経BPネット上に掲載した見解が、もっとも真実に近いとの見解を示してきた。
 
 大前研一氏が4月4日付日経BPネット上に掲載した論考は、
 
「炉心溶融してしまった福島原発の現状と今後」
 
と題するもので、いまもその内容を確認することができる。
 
 大前氏はすでに3月27日にこの内容をBBTチャンネルで開示されており、その内容をYOU TUBE映像でも確認することができる。
 
 菅直人氏は大前氏から詳細な説明を受けたはずである。原発外部における高濃度放射線数値の観測は、圧力容器および格納容器の破損なしには説明できない事象であり、このことからメルトダウンによる圧力容器の破損および格納容器の破損は、疑いようのない事象であることを菅直人氏は確認したはずである。
 
 Ny
 
 本ブログは5月22日付記事
 
SPEEDI情報隠蔽、そして降雨が重大な意味を持った」
 
に、3月15日夕刻以降の降雨が決定的に重要な意味を持ったとの仮説を提示したが、この記事を後追いするかのごとく、
 
5月23日付中日新聞「こちら特報部」が、
高エネルギー加速器研究機構の調査チームによる、
「3月15日午後の放射性物質大量飛散が雨で土に付着した」
との調査結果を報道した。
 
 話を本筋に戻すが、菅直人氏は福島第一原発の重大放射能事故の概要を完全に把握しながら、国民に対して、この最重要情報を隠蔽し抜いたのである。その罪は万死に値する。
 
 つまり、菅直人氏は国民に対して最も悪質なウソをついているのだ。
 
 事実が正確に開示されていれば、周辺住民の行動は著しく警戒感を伴ったものになったはずである。とりわけ3月15-16日に、降雨により大量被曝した住民が多数存在する可能性が高く、とりわけ、原発北西部居住の住民に対しては、徹底的な被曝量調査が求められる。
 
 最大の問題は、菅-枝野体制が、最重大情報を隠蔽し抜いてきたことである。3号機のメルトダウンが明確にされた以上、プルトニウム燃料関連の放射性物質に関する情報が全面公開される必要がある。
 
 国会の震災復興特別委員会で復興の審議が行われるべきことは言うまでもないが、政府最高首脳の重大情報隠蔽行動は、やはりその前に徹底的に糾弾されなければならない。
 
 分かり易く言えば、本格的な復興論議に入る前に、リーダーとしての適格性を欠く人物を政権中枢から排除することが必要で、この意味で、いま何よりも優先されるべきことは内閣不信任案の可決ということになる。

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2011年5月24日 (火)

『原子力神話からの解放』高木仁三郎著

高木仁三郎氏という原子力学者がいる。2000年10月に逝去されているから、いたとすべきかもしれないが、高木氏が残されたメッセージは、いまなお輝きを失っていない。私たちが最悪の原子力事故に遭遇したいまこそ、そのメッセージを丹念に見つめ直す時であるとも思う。
 
 高木氏が逝去される直前、2000年8月に発表された著書
 
『原子力神話からの解放-日本を滅ぼす九つの呪縛』
 
 

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が、文庫本として復刻された。
 
 人類史上最悪の原子力事故に遭遇した私たちは、原子力とのかかわりについて、根本から見直さねばならない。それが事故を発生させた日本の国際社会の一員としての責務でもある。
 
 ところが、原子力に関する話は単純には進まない。これまで、本ブログでも述べてきたように、日本における原子力事業は、巨大な背景を負い、そして巨大な利権事業として推進されてきた経緯がある。人類社会において巨大利権は一種のモンスターである。正義も公正も、真理も真実も、巨大利権の前には無力であることがしばしば観察される。
 
 これこそ、人類社会の最大のウィークポイントであり、より良い社会、社会を構成するすべての構成員にとって幸福な社会を作り出すためには、この巨大利権というモンスターを排除することがどうしても必要だ。
 
 スリーマイル島、チェルノブイリ、福島の経験を踏まえれば、「脱原発」の方向は、必然の流れであると考えるのが自然だろう。ところが、福島原発事故の直後から見られる言論誘導は、明らかにこの自然の流れとは異なっている。
 
 自然に湧き上がるであろう「脱原発」のムーブメントを、以下に先制して抑制するかに、すべての精力が注がれているように見えるのだ。
 
 その構造を私たちは冷静に見つめなければならない。そのうえで、未来に対して責任を負う立場にある者として、責任ある決断を示してゆかねばならない。

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『原子力神話からの解放』は、1999年9月30日に茨城県東海村JOCウラン加工工場で発生した「臨界事故」をきっかけに執筆されたものである。文庫版前書きには、著者である高木氏の事故に対するコメント

「この事故は原子力産業や政府はもちろんですが、原発反対派の私自身も含めて、根底から今までの原子力問題に対する態度の甘さを認識させられ、痛感させられる、そういう事故だった」

の言葉が紹介されている。
 
 高木氏は東京大学理学部卒業の核化学学者であり、1973年までは東京都立大学で教職にあった。73年に大学を退職され、原子力産業から独立したシンクタンクである『原子力資料情報室』の設立に参加し、代表を務めた。
 
「反原発運動の理論的指導者」として、原発の危険性について専門家の立場から警告を発し続けた人物である。
 
 現代社会のモンスターである「巨大利権」のちょうど対極に身を置き続けて、人類社会への貢献を続けた人物である。こうした良心派の正当な学者が学界では必ずしも正当な地位を得ないことは、学界そのものが「巨大利権」の一翼を担う存在であることを意味してもいる。
 
 今回、福島原発3号炉でもっとも激しい水素爆発が発生した。この爆発に伴い7名の負傷者が発生したことが報じられたが、その後の経過がまったく報告されていない。この3号炉ではMOX燃料と呼ばれるプルトニウム燃料を使用していた。プルトニウム燃料の各種放射性物質が飛散したと考えられ、その影響が強く懸念されている。
 
 高木氏は、このプルトニウム燃料の危険性を強く警告してきた。米国では3月11日の震災以降、高濃度のストロンチウムが米国上空で検出されたことを発表しており、福島原発からプルトニウム燃料関連の放射性物質が外部放出されたことは間違いない。これらの物質は通常の放射性物質と比較してはるかに強い毒性を有している点に特徴がある。
 
 ところが、日本政府はこうした情報を隠蔽し、一切外部公表を行っていない。
 
 また、高木氏は、「地震」の際の原発の危険性を強く警告してきたことでもよく知られている。東京電力や日本政府は、
「放射能を閉じ込める多重防護システム=五重の壁」を宣伝し、「『原子力は安全』という神話」を流布し続けてきた。小中学校の教材にも、巨額の国費が投入され、『五重の壁神話』が
子供たちの頭脳に植え付けられてきた。
 
 これに対して高木氏は、
 
「多重防護と言ったところで、発電所の停電が長期化するとか、原子炉で火災が起こってしまうとか、大地震に襲われるといったような一つの要素が働くと、すべてのシステムが一挙に共倒れしてしまう」
 
ことを的確に指摘してきた。

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本書には、私たちが解き放たれなければならない九つの神話が列挙され、そのすべてについて、極めて平易で分かり易い解説が示されている。列挙された九つの神話とは以下のものだ。
 
「原子力は無限のエネルギー源」という神話
 

「原子力は石油危機を克服する」という神話
 

「原子力の平和利用」という神話
 

「原子力は安全」という神話
 

「原子力は安い電力を供給する」という神話
 

「原発は地域振興に寄与する」という神話
 

「原子力はクリーンなエネルギー」という神話
 

「核燃料はリサイクルできる」という神話
 

「日本の原子力技術は優秀」という神話
 
の九つだ。
 
 それぞれについて、極めて平易に、しかし、専門性を失わずに記述が進められている。
 
 これからの日本の方向を考えるに際して、必読の書と言って過言でない。
 
 そして私たちがはっきりと認識しておかなければならないことは、原子力の平和利用と核兵器の開発との間に、いかなる遮断壁も存在しないことである。原発技術はそのまま核兵器技術に転用され得るのである。
 
 アイゼンハワー大統領が流布した「原子力の平和利用」は、言葉の魔法の一種に過ぎない。「平和」という言葉を用いることによって、「核兵器技術」が「平和」の衣装をまとっただけに過ぎないのだ。
 
 高木氏は本書で、原子力発電の基本的困難さを三つ掲げている。
 
 第一は、原子力発電が、非常に破壊的な性格を持つ放射性物質を膨大に作り出してしまうこと。
 
 第二は、原子力発電におけるエネルギーの電力転換効率が低いこと。このために原子力発電は大量の温排水を発生させてしまい、環境に高負荷をかけてしまう。
 
 第三は、巨大事故の可能性を否定できないこと。
 
 巨大事故の可能性はすでにチェルノブイリで立証済みであることを高木氏は記述しているが、今般、福島で同レベルの事故が発生したことを高木氏が知ったら、どれほど落胆するか、想像もつかない。
 
 人類は原子力利用というパンドラの箱を開けてしまい、原爆の使用、核実験、原発事故などのさまざまな災厄が広がってしまった。しかし、箱のなかには「希望」が残っているのかも知れない。高木氏は後世の人間に希望を託したのだ。
 
 明日の希望につなげてゆくには、人類の叡智、智慧が必要である。私たち日本人はその重大な責務を負っている。

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2011年5月23日 (月)

原発村番頭与謝野氏が理論的でない理論的主張示ス

日本における原子力政策を推進したのは米国である。

 その経緯については、4月4日付記事
原発政策を誘導した米国核政策必見ドキュメント」
に記述した。
 
 ビキニ環礁で日本の延縄マグロ漁船「第五福竜丸」が被曝した。日本国内では反核運動が活発化した。
 
 米国は米ソ冷戦下で核兵器開発競争が世界的に激化するなかで、日本を米国の支配下に置く戦略を採用した。その推進者はアイゼンハワー大統領である。
 
①日本の原子力利用を米国の監視下に置くこと
②日本における反核・反米運動を抑圧すること
③日本の原子力利用を推進して米国企業のビジネスを拡大すること
の三つが目的に置かれただろう。
 
 日本の核武装の可能性については、米国は表面上、これを否定してきているものの、裏の裏では日本にその能力を備えさせることを暗黙のうちに想定してきたものと考えられる。
 
 日本側も表面で否定しながら、核能力の保有に対して積極的な思考が裏の裏の世界で確実に存在し続けてきたことは間違いない。
 
 一歩誤れば、暴発の危険を伴う、まさに微妙な緊張のうえに、日本の原子力政策を推進されてきた。
 
 米国が支配する日本の原子力利用推進プロジェクトの日本サイドエージェントが正力松太郎氏と中曽根康弘氏である。
 
 この中曽根康弘氏にぴったりと寄り添ってきたのが与謝野馨氏である。
 
 与謝野氏は大学卒業後、中曽根康弘氏の紹介で、「日本原子力発電」に入社する。その後、中曽根氏の秘書を経て、国会議員に転身したのである。頭のてっぺんから足の指先まで、とっぷりと日本原子力村に浸かり切った人物なのである。
 
 そして最近では、「民主党が日本経済を破壊する」と絶叫しておきながら、大臣ポストをぶら下げられると、臆面もなく民主党政権にすり寄る、「平成の変節王」でもある。
 
 2009年8月の総選挙では小選挙区選挙で落選した。しかし、自民党の比例代表候補名簿に登載してもらったおかげで、救済され国会議員の座を辛うじて維持した。
 
 その恩義のある自民党を離党して、議員辞職もせずに民主党政権入りした、老害議員の代表でもある。

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この与謝野氏が暴言を吐き続けている。
 
 今回の事故後、原発を推進し続けてきたことに対して、
 
「原発を推進してきたことは決して間違いでない」
 
と述べ、原発を推進し続けてきたことについて謝罪する意思も
 
「ない」
 
と断言した。
 
 日本の原発政策は、米国がすべての図式を描き、官・業・政・電そして学の巨大な利権構造、癒着構造のなかで推進されてきた。その利権構造に身も心も浸かりきっているのが与謝野馨氏であり、その発言からは、激しい利権臭が立ち込めている。
 
 内閣不信任案を可決する前に、与謝野氏の問責決議を可決することが求められる情勢だ。
 
 与謝野氏は、原発事故について、
 
「神様の仕業としか説明できない」
 
と発言し、同原発の津波対策に関しても
 
「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」
 
と述べている。
 
 今回の事故で何よりも問題とされていることは、いまからわずか115年前に今回と同規模の津波があり、また869年の貞観地震でも同規模の地震があったことが事前に知られていたことだ。さらに、独立行政法人産業技術総合研究所が2009年にも、これらの地震の存在を根拠に津波対策の強化が必要であるとの警告を発したにもかかわらず、東電はこの警告を無視して今回の事故を引き起こしたのだ。
 
 これらの経緯を知った上で「最高の知恵」などと述べているのなら、与謝野馨氏は政治家というよりも人間として信用のおける人物でないということになる。
 
 また、電源喪失の直接の原因は地震であったとの見方も強まっているが、発電所の地震震度は「異常に巨大な天災地変」とは程遠い。震度6弱か5強に過ぎなかった。
 
 原子力損害賠償法は原子力事故に伴う損害賠償責任を事業者に課している。但し書きに適用除外の可能性が示されていることが強調されるが、それは、「異常に巨大な天災地変」の場合に限られる。今回の災害は巨大ではあるが、「異常に巨大な天災地変」ではなかったと考えるのが常識的判断である。

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また、与謝野馨氏は、金融機関による東電への債権放棄について、

電力事業のような公益事業に必要なお金を貸すことに、金融機関の貸手責任が発生することは、理論上あり得ない
 
と述べたが、まったく理論的でない主張を「理論的にあり得ない」と述べたのは、笑いを取りに行ったのだろうか。
 
 与謝野氏は公益事業にリスクは存在しないとでも考えているのか。
 
 東電が原子力発電のような途方もない高いリスクを伴う事業には、いかなる圧力に抗してでも参入しないといった、極めて健全な保守性を保持する公益事業体であったのなら、与謝野氏の主張も成り立つかもしれない。
 
 しかし、電力会社が原子力発電に参入する以上、巨大なリスクを切り離すことは絶対にできない。現世のなかで最高のリスクのあるビジネスが原子力ビジネスである。プラントを作るだけであればリスクはまだ限定されるが、核分裂そのものを事業とする以上、ほぼ無限大のリスクを背負うことは紛れもない現実だ。
 
 したがって、公益事業といえども、原子力事業を行う公益事業実施企業に対する与信には、常に最大級のリスクが伴うのは当然である。
 
 これが普通の世のなかにおける理論的思考、あるいは論理的思考である。
 
 与謝野氏は、2008年秋のリーマン・ショックの引き金となったサブプライムローンの例を挙げて
 
「貸手責任が発生するのは相手が返済能力がないと分かっているにもかかわらず、そこに貸し込んだ場合だ」
 
と述べたが、このような人物が経済財政政策担当相を務めているのだから菅政権の行く末は暗闇でしかあり得ない。
 
 金融機関の貸し手責任は、いかなる理由であれ、借り手企業が経営破たんすれば発生し得るものである。
 
 返済能力が非常に高いと思われた急成長を遂げている焼肉チェーン店が、何らかの過失により重大な食中毒事故を引き起こして倒産してしまったとしよう。このとき、金融機関は、この企業には返済能力がないと思ったのに貸し込んだわけではないが、法的整理手続きのなかで、応分の貸し手責任を問われることになるのである。

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与謝野馨氏が5月22日のNHK日曜討論で、
 
金融機関の善意や良識に頼って、賠償スキームを作るというのは、甘いのではないか」
 
と述べたが、この点だけは正しい。
 
 銀行経営者は株主の意向を反映して経営にあたる責務を負っている。正当な根拠がなければ利益の社外流出をもたらす行動を取ることは難しい。
 
 何よりも重要なことは、問題を、自由主義経済、資本主義経済の根本ルールに則って解決することである。利権や癒着で問題処理を歪めてはならないのだ。なぜなら、その癒着の分だけ、事業者の責任が軽くなり、何の罪もない一般国民が負担を押し付けられることになるからだ。
 
 原子力損害賠償法第三条にある、「異常に巨大な天災地変」であるのかどうかの判断がまず必要になる。これに該当しないということになれば、東電が損害賠償責任を負うことになる。損害賠償規模が東電の支払い能力を超えれば、東電は法的整理にかけなければならない。
 
「善意や良識」ではなく、法の定めに従って政府が中立公正な処理を行うべきなのだ。
 
 電力の安定供給の重要性が指摘されるが、法的整理と安定供給は十分に両立し得る。
 
 適正な責任を問わないことによる弊害=モラル・ハザードを回避するための基本的な問題処理の考え方が


too big to close

であり、従来の考え方である
 

too big to fail

を否定するのが、現代の正統派理論である。
 
 菅政権からは対立する意見が提示されているが、実際の行動は、米官業政電+学の利権複合体の癒着構造、巨大利権構造を維持しようとするものになっている。
 
 菅政権がこのまま癒着の道を突き進むのか、国民は厳しく監視しなければならない。

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2011年5月22日 (日)

SPEEDI情報隠蔽、そして降雨が重大な意味を持った

東電福島第一原発の放射能放出事故は国際原子力評価尺度で、人類史上最悪レベルのレベル7に区分された。大量の放射性物質が原発から外部放出された。
 
 大量の放射性物質が外部放出されたのは、原発におけるベント実施と三度の爆発によるところが大きいと考えられる。
 
 各原子炉におけるベント実施と三度の爆発のタイミングは以下の通りだ。
 
3月12日14時30分 1号機でベント実施
     14時29分 1号機付近で1015μSv/
     15時36分 1号機が水素爆発
     15時40分 1号機付近で860μSv/
3月13日 9時20分 3号機でベント実施
3月14日11時1分  3号機が水素爆発
     21時37分 正門付近の放射線量が3130μSv/
3月15日 0時    2号機でベント実施
      6時10分 2号機で爆発音
      6時14分 4号機で爆発音
      8時31分 正門付近の放射線量が8217μSv/
 
 これらのベント実施および原子炉爆発により、大量の放射性物質が原発から外部に放出されたと考えられる。
 
 原発からの放射性物質放出による被曝被害を回避するためには、これらの措置や事故が発生した時点での風向、風力、天候を正確に把握して、被曝回避措置をとることが極めて重要であったと考えられる。
 
 原子力の専門家は、この重要性を事前に完全に把握しており、そのための情報開示システムが用意されてきた。これが「SPEEDI」である。
 
「SPEEDI」は「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」の略称で、緊急事態が発生した際に、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報を入れることにより、六時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量などをシミュレーションすることができるものである。
 
 この情報が直ちに開示されていれば、近隣住民の被曝回避のための的確な行動が誘導されたことは間違いない。
 
 この情報を隠蔽した政府の責任は果てしなく大きい。
 
 放射性物質の飛散は、第一に原発所在地の風向に依存する。
 現在、文部科学省サイトで公開されている
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果」
には、3月12日から3月15日にかけてのSPEEDIによる計算結果が掲載されている。
 
 これを見ると、
3月12日 原発の北北東地域
3月13日 海上地域
3月14日 原発の南西地域
3月15日 原発の北西地域
への飛散が多量であったことがわかる。
 
 この放射能汚染地域、および時間帯を把握していれば、被曝を回避する的確な行動が取られたであろうことは間違いない。
 
 原発の放出した放射性物質の量は、これらのベント実施、および原子炉爆発時が著しく多かったと考えられる。

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その後の各地点での放射線量の数値において、一貫して高い数値を記録し続けたのが、原発の北西地域である。本ブログでもこの点を再三にわたり指摘してきた。
 
 結局、多大な時間が経過したのち、20キロ圏の外側にある飯館村などの北西地域が計画避難地域に指定され、避難措置が取られることになった。
 
 これらの原発の北西地域の放射線量が高水準で推移した原因が判明した。これは私自身の解釈によるものであるので、最終的な判断は専門家による分析を待たねばならないが、恐らくこの原因特定は間違っていなのではないかと思われる。
 
 福島原発周辺では、大地震および大津波発生後以降、しばらくの間、降雨がなかった。各種気候情報をみると、震災発生後、初めて降雨があったのが、3月15日の夕刻から夜にかけてであった。
 
 この時間帯に放射性物質が飛散していた地域が、原発の北西部にあたる。
 
 この時間帯に、原発北西部で降雨があった。この結果、放射性物質が雨とともに落下し、原発北西部の土壌に付着した可能性が高い。
 
 降雨のあとは、この原発北西部の土壌にかなり高濃度の放射性物質が付着した可能性が高く、この点についての厳重な警戒が求められたはずである。
 
 原発2号機の爆発では、原子炉圧力抑制室が破損した疑いが持たれている。原子炉圧力抑制室の破損により、格納容器内の高濃度放射性物質が外部放出された可能性が高く、現に3月15日午前に、原発正門付近で8000μSV/hを超える高濃度放射線が観測されている。
 
 3月15日には2号機だけでなく4号機でも爆発があったと考えられている。この事故により放射性物質が大量に外部放出され、これが、南東の風に乗って原発北西地域に飛散した。
 
 このタイミングで原発北西地域に降雨があり、大量の放射性物質が土壌に付着したと考えられるのだ。
 
 極めて単純で初歩的な分析であるが、事実に符合している可能性が高い。
 
 強調したいことは、土壌汚染とその後の各地域放射線量に決定的に重要な影響を与えるのが「降雨」にあるという、単純ではあるが極めて重要な事実である。
 
 これらの重要情報が政府からまったく公開されなかった。これらの情報が適正に完全開示されていれば、重大な放射能被曝を相当程度回避できたと考えられるのである。
 
 避難を実施するにしても、避難する方向と地域が大きく変更されていたはずだ。とりわけ、浪江町や飯館村の住民の蒙った被害は甚大であると思われる。
 
 原発事故による放射能影響予測、風向き、そして降雨情報が極めて重要であり、この最重要情報を隠蔽した政府の責任が問われねばならない。

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2011年5月21日 (土)

米国対日支配戦略一環報ステG.カーティス氏出演

テレビ朝日「報道ステーション」がコメンテーターにジェラルド・カーティス氏を起用した。ジェラルド・カーティス氏は言わずと知れたジャパン・ハンドラーズの一人である。
 
 副島隆彦氏の『世界権力者人物図鑑』のなかでも、ジェラルド・カーティス氏は経済・金融分野の在日司令官として紹介されている。
 

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 阿修羅投稿によれば、ジェラルド・カーティス氏は2009年8月30日の決戦の総選挙当日の朝、TBS番組で怪文書レベルの内容の小沢-鳩山攻撃を絶叫していたという。
 
 以下が阿修羅投稿記事の記述。
 
「ジェラルド・カーティスは選挙当日(830日)の、TBSの日曜早朝の自民応援番組「時事放談」で司会の御厨貴(東大先端科学技術研究センター教授)、塩川正十郎と一緒に登場して、投票日直前にばらまかれた自民党の怪文書レベルの小沢、鳩山、民主党批判を声を荒げて繰り返していた。
 
 塩川正十郎のボケ具合も相当だったが、ジェラルド・カーティス自民工作員と言われても不思議ではないふるまいだった。
 
 録画してなかったので詳しい紹介はできないが、YouTubeなどに落ちていたら必見で、ジェラルド・カーティスの正体がよくわかるトンデモ番組だ。」
 
 また、「ライジング・サン(甦る日本)」様によれば、民主党の悪徳8人衆による政権強奪クーデタ-が挙行された2010年6月2日の直後、6月21日にジェラルド・カーティス氏が首相官邸を訪問し、菅直人氏と1時間16分にわたり面会している。
 
 2010年7月11日の参院選での民主党勝利を目指した実質的な支援活動を展開したことが裏付けられている。ジェラルド・カーティス氏は、これに前後してウォールストリートジャーナルの動画サイトに登場し、民主党による参院単独過半数確保を期待し、それが実現しない場合には、「みんなの党」との連携による参院過半数確保を期待する旨の発言を示している。
 
「ライジング・サン(甦る日本)」様が紹介するように、ジェラルド・カーティス氏はCIA情報提供者としても知られる存在である。
 
 テレビ朝日は、この文脈のなかで、カーティス氏をコメンテーターとして起用し、米国の指令に基く情報操作を展開しているのだと考えられる。
 
 私が大蔵省に勤務した1985-87年の期間に、大蔵省は財政金融研究所と財団法人研究情報基金という天下り法人を発足させた。費用は民間金融機関から御用金として調達した。
 
 この研究所は民間金融機関から拠出させた研究情報基金の御用金を使い、海外学者とのネットワークを形成した。研究所幹部は1月おきに、2~3週間の海外への大名旅行に出かけ、海外拠点での飲食遊興費を民間金融機関に支払わせていた。バーグステン、ジェラルド・カーティスなどの、いわゆるジャパン・ハンドラーズと日本政府のリンケージはこの機関を通じて形成されたものである。竹中平蔵氏はこの流れのなかで、ジャパン・ハンドラーズの日本サイドエージェントになっていったものと思われる。

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拙著『日本の独立』に詳述したように、米国の日本支配に対する意思は強烈である。宗主国米国にとっての最大の危機が2009年8月の総選挙を通じて実現した政権交代であった。
 

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 米・官・業・政・電の利権複合体=悪徳ペンタゴンによる日本支配の構造が、根こそぎ刷新される危機が表面化した。
 
 悪徳ペンタゴンは日本検察と電波を総動員して、苛烈な小沢-鳩山ライン攻撃を展開し続けた。意味不明な「政治とカネ」問題の捏造、そして普天間問題をめぐる鳩山政権攻撃である。
 
 天下り・企業献金・対米隷属の三者が、利権複合体による日本政治支配を象徴するものである。この三者が一掃され、刷新勢力が衆参両院で過半数支配を確立すれば、2013年までの4年間に、利権複合体による日本支配構造は一掃される危険があった。
 
 そこで、苛烈な小沢-鳩山ライン攻撃を展開し、2010年クーデタ-を挙行したのである。
 
 ところが、菅政権の政策運営はあまりにも稚拙で、2010年7月参院選での民主党大敗により菅政権消滅の危機が発生した。ここで小沢政権への移行ができていれば、日本の歴史は異なるものになった。しかし、疑惑の民主党代表選を通じて菅政権が存続してしまった。
 
 それでも菅政権の政策運営は立ち行かず、本年春には解散総選挙の可能性が急浮上し、利権複合体勢力と平成維新勢力とが増税を争点に激突する可能性が浮上した。
 
 対米隷属勢力と平成維新勢力の対立による二大政党制に移行するなら、時間の経過のなかで平成維新勢力が強力化する可能性が著しく高い。
 
 米国が日本の対米隷属体制を維持し、それを恒久化するには、日本の二大政党制は、必ず、対米隷属勢力と対米隷属勢力とによる二大政党制でなければならないのだ。
 
 利権複合体にとっての新たな危機であったが、このタイミングで大震災が発生した。
 
 菅政権が完全に米国の支配下にある政権であるとの意味で、宗主国米国は、菅政権の存続を希求している。大連立は意見強固な構造に見えても、必ずその先に、新たな反・対米隷属勢力=平成維新勢力の台頭を招く可能性が高いため、米国はこれを望んでいない。
 
 ジェラルド・カーティス氏による、大震災後の現局面での「政局」など言語道断、菅政権を支えるべきとの世論誘導は、米国の利益のための行動なのだ。
 
 日本は国難に直面しているからこそ、真に日本国民の幸福を追求する真のリーダーが必要なのであり、そのための「政局」なら、進んでこれを乗り越えねばならない。
 
 米国は民主党から平成維新勢力=反対米隷属勢力を一掃し、対米隷属勢力としての民主党と自民党とによる二大政党制に持ち込もうとしているのだ。
 
 テレビ朝日は、この米国の指令に基づいて行動しているのだと推察される。そのための情報操作に、このいわくつきの人物、ジェラルド・カーティス氏がコメンテーターとして起用されているのだ。
 
 国民は、このような情報操作の基本背景をよく理解して情報に接しなければならない。ジェラルド・カーティス氏はいいことを言っているなどと感嘆していては、日本の独立は永遠に実現しない。

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2011年5月20日 (金)

三井住友FG奥正之会長のエゴ丸出し責任回避妄言

Photo 全国銀行協会会長で三井住友ファイナンシャルグループ会長の奥正行氏が、記者会見で東京電力原発事故の賠償スキームについて、
「東京電力の株主や社債権者、金融債権保有者は損失負担からは免れると理解している」
と述べたと報じられている。
 
 ロイターは次のように報じている。

「奥会長は「原子力損害賠償法に基づいて賠償されるので、国と原子力事業者の両者で分担するべき。その他の社債権者や株主、金融債権保有者、納入業者などは負担しないと理解している」と述べた。同スキームを具体化するに当たっては「被害者の救済と電力の安定供給、金融市場の安定化を守れるようにしてほしい」と要望した。
 
 枝野幸男官房長官らの発言に対しては「債権放棄の話が出てくるのはどうしてかなと思う」と疑問を呈した。主力取引銀行の三井住友銀行としては、東電向け貸出金の債権放棄や金利減免などは考えていないとの見解を示した。」
 
(ここまでロイター報道)
 
 原子力損害賠償法第三条第一項に次の定めがある。

(無過失責任、責任の集中等)

第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない
 
 この条文は、原子力事故にかかる損害賠償責任が当該原子力事業者にあることを明確に定めている。但し書きにおいて、
「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない」
としている。
 
 今回の事故が「異常に巨大な天災地変」によって生じたものであるのかどうかが問題になる。しかし、百歩譲って仮に「異常に巨大な天災地変」によって生じたものであるとの認定が生まれても、「この限りでない」の規定は、賠償責任を誰に負わせるかを明確に定めたものでない。

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東京電力代表取締役副社長の皷紀男氏は、3月23日に郡山市で、個人的な見解だとしながらも、今回の事故について、「人災だと思います」と明言した。
 
 日本は世界有数の地震国、津波国である。したがって、原発を建設し、稼働する場合、まず、万全の地震対策、津波対策を施すことが必要不可欠である。
 
 今回の津波の高さは、115年前に発生した明治三陸地震津波とほぼ同規模であった。三陸海岸では、この明治三陸地震津波が甚大な被害を発生させたことから、各地で、この体験を教訓として活かす伝承が行われてきた。これらの伝承を忠実に守った地域では、家屋の損壊を免れたところが少なくない。
 
 作家の吉村昭氏が「海の壁」を出版したのは1970年6月のことである。三陸海岸の大津波について、膨大な取材に基づく記録文学を残した。この書は、1984年に文庫化され、さらに2004年に再文庫化された。文庫化に際して書名が『三陸海岸大津波』に改変された。

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 地震や津波の系譜で考えれば、115年前というのは、つい最近のことである。事故が発生すれば重大事態に陥ることが明白な原子力発電所の設計、管理において、わずか115年前の経験に備えることは当然のことである。
 
 地震と津波の規模や性格では、869年に発生した貞観地震および貞観津波が今回の地震と津波と類似するものであるが、この点についても、事前に情報はしっかりと伝えられていた。
 
 独立行政法人産業技術総合研究所が2009年に、貞観地震での津波が宮城県石巻市から福島県浪江町にかけて、海岸線から内陸3~4キロまで浸水していたことを把握し、福島第一原発の想定津波の高さについて貞観津波の高さを反映して見直すよう迫っていたとの事実が明らかにされた。
 
 しかし、東電と原子力安全・保安院はこの警告を無視したのである。
 
 産業技術総合研究所の調査では、貞観津波の450年前に大津波が起きたことも判明した。つまり、貞観地震津波クラスの津波は、450~800年間隔で起きてきた可能性があることが指摘されていたのである。
 
 また、本ブログ3月17日付記事
「日本は原子力発電からの決別を決断すべきである」
に記述したように、反原発運動を続けてきた作家の広瀬隆氏は、昨年8月に出版した『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)
に、明治三陸地震津波の例をあげて、津波による原子力発電所の電源喪失のリスクを具体的に指摘していた。今回の震災は完全に「想定の範囲内」のものだった。
 

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 つまり、今回の津波や地震は、原子力損害賠償法第三条の条文にある、
「異常に巨大な天災地変」
には該当しないのである。
 
 この程度の津波や地震には、当然、万全の安全策が取られていなければならなかったのである。その、「当然取られていなければならなかった万全の安全策」が取られていなかったために発生した今回の原子力事故であるから、東電の代表取締役が「人災」であると認めているのである。
 
 事故の詳細については、今後、調査や捜査が進展してゆくことになると思われるが、事故発生の原因・主因は、津波ではなかったとの見方が日増しに有力になりつつある。
 
 つまり、原発の電源喪失の直接の原因は地震によってもたらされたとの見方が浮上しているのだ。福島原発地点の地震規模は震度6弱ないし震度5強であったと見られる。この程度の地震であれば、なおさら、「異常に巨大な天災地変」ではなくなる。
 
 また、原子炉の爆発事故を引き起こした最大の理由は、海水注入による原子炉冷却方針決定の著しい遅れにあったと見られており、東電幹部の判断の遅れが、原発を制御可能から制御不能に陥れる主因になったとの見方が有力になりつつある。
 
 こうした事実に照らし合わせて考えれば、今回の事故は、原子力損害賠償法第三条の但し書きが適用になるケースではないと考えるのが妥当である。
 
 したがって、損害賠償責任は第一義的に東電が負うべきであると考えるべきである。

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政府にも当然重大な責任がある。原子力発電所のすべての監督権は政府にあり、政府もまったく同じ責任を負う。
 
 しかしながら、このことと、損害賠償スキームにおける政府負担の順位決定の論議を混同してはならない。
 
 政府に責任があるといっても、政府が損害賠償の責任を負うことは、そのまま国民に負担を転嫁することを意味するからである。
 
 つまり、損害賠償スキームを構築する際に、東電にどこまで負担を求めるかを決定することは、そのまま、国民にどれだけ負担を求めるのかということを意味するのだ。政府にも責任があるから政府も負担すべきだというのは、論理のすり替えであって、重要なことは、一般国民に負担を求める前に何をするべきかを考えることだ。
 
 こう考えれば、答えはひとつしかない。事故発生当事者である東電と東電の利害関係者が可能な限りの負担を負う。そのうえで、不足部分は、被害者を救済するために一般国民が負担を負うのである。
 
 東電と東電の利害関係者に応分の責任を求めるには、法的整理のスキームを用いる以外に道はないだろう。
 
 法的整理のスキームを採用しないから、奥正之氏のような暴言が憚りもなく示されることになるのだ。
 
 自由主義経済、資本主義経済の運営においては、明確で公正なルールに沿って、粛々と処理を進めることが重要である。厳しいように見えるかも知れないが、ルールを定め、ルールに従うことをすべての構成員が了解している以上、このルールに沿って処理を進めるのが、もっとも公正な手法になるのだ。
 
 電力供給の安定性確保などの重要課題については、当然留意する必要があるが、法的整理と電力の安定供給は十分に両立しうる課題である。
 
 政官業の癒着を断ち、天下り根絶、企業献金全面禁止、脱原発など、新しい日本の方向を明示する最大の機会が訪れている。

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2011年5月19日 (木)

毎年恒例首相交代機到来・菅直人氏退陣七つの理由

菅直人氏の居座りには辟易するが、総理大臣の交代は2006年以降の年中行事である。菅直人氏が国民の信任を得ており、国政選挙での民意を正しく反映する政治を実行しているなら、首相を続投するべきである。しかし、菅直人氏に対して主権者国民は明確に不信任を宣告しており、しかも、菅直人氏は国政選挙で示された主権者国民の意思を完全に踏みにじっているから、辞任しなければならない。
 
 菅直人氏を辞任させるには、内閣不信任案を可決する必要がある。野党が内閣不信任案を提出し、与党議員の80名以上が賛成すれば内閣不信任案が可決される。与党議員は、民主主義の根本原則に照らして判断するべきで、内閣不信任案への賛成が、正当性を持つなら、躊躇することなく賛成票を投じるべきである。
 
 国会議員は、主権者国民に対して責任を負う存在であり、首相であれ、党首であれ、徳を失った政治を行うのであれば、これを排除することは正当であり、代議士の責務でもある。首相、党首が政治を私物化して良いわけがない。党首、首相に対する不信任を与党議員が示すことを形式的な理由で批判するのは、あまりにも智慧を欠いている。徳のない政治は排除されるべきだ。易姓革命の考え方を採るべきである。
 
 菅直人氏はなぜ退場しなければならないか。
 
 第一に、菅直人氏は自らが菅内閣に対する信任投票であると位置付けた昨年7月11日の参院選で大敗した。政治家は自分の言葉に責任を持たねばならない。とりわけ、出処進退に関することでは、自身の言葉は何よりも重い。
 
 第二に、菅直人氏は民主党を私物化し、多数の民主党支持者の意思を踏みにじってきた。2009年8月総選挙の結果、民主党は政権与党の地位を得た。主権者国民は民主党の小沢-鳩山ラインが提示した政権公約に賛同して民主党に投票した。
 
 ところが、菅直人氏は民主党執行部から小沢-鳩山ラインを排除し、民主党が主権者国民と約束した公約をことごとく破壊しつくしてきた。
 
 第三に、菅直人氏は、外国籍の人物から多年にわたり政治献金を受けてきた。菅直人氏が事実を認知していた可能性が高く、政治資金規正法違反で立件され、公民権を失う可能性の高い立場にある。

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第四に、3月11日の大震災および原発放射能放出事故に際して、国民の生命と健康を守る責務を果たしてこなかったことだ。原子力三原則の「民主・自主・公開」に反して、重要事実を隠蔽し、国民の生命・健康・生活を犠牲にする行動を採り続けてきた。
 
 第五に、原発事故を発生させた東電に対して、適正な責任追及を行わず、原発事故に伴う費用負担を一般国民に転嫁する処理方法を提案している。
 
 損害賠償責任はまず東電が負うものであり、東電の支払い能力が不足しているなら、経営体としての東電は法的整理によって処理するしかない。東電を法的整理によって処理しても、電力の安定供給は十分に維持できる。東電の経営者、株主、金融機関、社債権者、従業員の順に、責任を問うのが、資本主義社会の当然のルールである。
 
 また、原子力事業に関するいわゆる埋蔵金も今回の損害賠償財源として活用するべきである。国民負担である政府負担は、これらの措置を取った上での対応策である。こうした正当で公正なスキームを採用せずに、金融機関の債権放棄などを断片的に唱えるから混乱が増すのである。
 
 東電を法的整理下に置き、当然のルールに則って措置をしなければ、国民が納得するわけがない。
 

第六は、日本経済が存亡の危機に直面するなかで、大規模な復旧・復興・経済支援政策を迅速に決定し、実行することが求められている。第一次補正予算は、1.5兆円が本予算からの振り替えであり、2.5兆円が増税で財源調達することが見込まれているものであり、景気浮揚効果はゼロである。
 
 早急に大規模な震災復興対策を決定し、実行しなければ、日本経済は泥沼に嵌まり込むことになる。本格的な政策対応を秋に先送りするような政府、首相は、直ちに退場するべきである。
 
 今国会を小幅延長し、小型の補正予算を編成するといった、付け焼刃の方針が示され始めているが、最悪の対応である。
 
 国会会期を大幅に延長して、震災復興政策を不眠不休で決定し、実行に移さなければ、何のための議会、何のための政府であるかということになる。

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第七は、このような緊急事態にあって、国会を閉会にして休みを取るようなことが許されるわけがないことだ。被災地では、いまも劣悪な生活環境に置かれ、苦しんでいる国民がどれほど存在していることか。
 
 そのなかには、原発事故によって、甚大な被害を蒙っている人々が無数に存在するのだ。風評被害も、実害も、精神的苦痛も、すべて、原子力事故という人災によってもたらされているものだ。
 
 政府と国会は、この問題に対する行政府と立法府の為すべき仕事を為し終えるまで、不眠不休で問題に取り組むべきである。
 
 ましてや、自分自身の保身のために、補正を先送りにするとか、小型補正で反対意見を封じ込めるなどの小手先の策を弄するなど、言語道断である。
 
 6月8日で菅直人氏は首相就任満1年を迎える。本来は、昨年7月11日の参院選直後に辞任しなければならなかったものを、約1年も総理の椅子に座らせてもらえただけで、もう思い残すことはないはずだ。
 
 日本が新しい時代に向けて、本当の再出発を実現するには、人心一新が不可欠である。正統性のない、主権者国民無視の首相には退場いただき、新しい日本の第一歩を記さねばならない。
 
 野党は正々堂々と内閣不信任案を提出し、民主党国会議員には、主権者国民の意思を正しく尊重し、正当性のある内閣不信任案賛成票を投じてもらいたい。内閣不信任案が可決されたなら、民主党を離党すべきは、現在の執行部ということになる。

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2011年5月18日 (水)

SPEEDI情報を自分のためだけに利用した菅直人氏

原子力三原則は周知の通り「民主・自主・公開」である。
原発での放射能放出事故が発生し、発電所外部に放射能が放出される事態に立ち至れば、政府は直ちにその事実を国民に公開する責務を負っている。
 
 原子力災害対策特別措置法第15条が、内閣総理大臣に原子力緊急事態宣言を義務付けているのも、この「公開」の原則に基づいている。
 
 ところが、菅直人内閣の対応は、すべてにおいて、この基本原則に反するものである。
 
「民主・自主・公開」
ではなく、
「独裁・対米隷属・隠蔽」
が基本に置かれてきた。
 
 原発事故が発生して以来、政府は原発周辺の汚染予測調査結果を一切公表してこなかった。私は本ブログで、放射能汚染を考察する際に、原発所在地の風向および風力が決定的に重要であることを強調してきた。
 
 政府が発表するモニタリングデータなどの数値から、とりわけ、原発北西方向に位置する浪江町の放射線数値が突出して高いことを指摘し続けた。
 
 つまり、原発事故に際しての放射能汚染の実情は、原発からの同心円状の汚染濃度分布ではなく、爆発事故発生時点の原発所在地の風向および風力に大きく依存するのであり、この情報が公開されることが何よりも重要であった。
 
 枝野幸男氏は記者会見で、問題は発生していないが、万が一の事態に備えて予防的に避難措置などを実行すると発言してきたが、これは虚偽である。
 
 事実をありのままに公開することが、不安心理を増幅させることを恐れたなどの弁解が予想されるが、原子力政策の基本に「民主・自主・公開」の原則を置かれていることを忘れてはならない。
 
 原子力事故は、ひとたび発生すれば甚大な影響を及ぼすことが多い。そのため、事実関係については、主権者である国民にすべてを公開する責務を民主主義政権は負っているのである。

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この点に関して民主党衆院議員の川内博史氏が、極めて重大な情報を提供した。5月16日付のツイートである。
 
「もっと正確に言うと、11日から16日までの間、官邸に届けられたスピーディー予測図は、1枚。それは、総理がサイトへ視察に行く直前、ベントしたとしても、放射性物質は海側に流れる、と予測した図であった。ここでも、総理は自分のことだけ。」
 
 これが何を意味するのかというと、菅直人氏はスピーディーの予測情報を、自分自身の生命と健康のためだけには利用したということである。
 
 3月11日から12日にかけて、福島原発は重大事態で緊迫した状況下にあった。電源を喪失し、原子炉冷却不能状態に陥り、格納容器内の圧力低下措置=ベント実施が迫られた。
 
 菅直人氏のパフォーマンス優先の行動が、原発の非常事態対応に著しい障害となったと考えられることも極めて重大で、この点については今後の徹底した事実究明が求められる。
 
 だが、このなかで、菅直人氏はベントの必要性を知り、何らかの爆発の可能性を認識したうえで、福島原発に向かったが、その際に、自分自身の生命や健康に影響が出ないことを、スピーディー予測によって確認したうえで現地に赴いたのである。
 
 つまり、放射能放出の程度は、スピーディー予測によって、かなり正確に把握できるのであり、この情報が広く国民に公開されるべきことは当然のことだった。ところが、政府はこの情報を隠蔽し、一方で、菅直人氏は自分自身の保身のためだけには、この情報を利用していたのである。
 
 戦争が発生して激戦が繰り広げられるなかで、卑劣な司令官が、最前線の兵士を置き去りにして自分だけ安全な場所に逃げるのと同じ行動が取られていたのだ。
 
 原発北西部の高濃度放射線汚染地域では、原発事故から2ヵ月も経過してから避難措置が強制された。スピーディー予測情報が迅速に公開されていれば、これらの地域住民が過大な被曝を蒙ることはなかったはずである。

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また、原発3号機爆発の際に、原発作業員が多数負傷して病院に搬送されたが、この負傷者のその後の情報がまったく公開されていない。作業員は被曝していないとの情報が当初伝えられたが、この情報の信ぴょう性に疑いがある。
 
 政府はこの原発作業員のその後の経過について、速やかに情報公開するべきである。
 
 さらに重大な問題は、原発事故の事実そのものについて、隠蔽する行動が継続して取られてきたことである。
 
 国際原子力事象評価尺度に基く今回の原発事故の評価においても、レベル7の事故を政府は当初レベル4と公表し、その後レベル5に引き上げたが、レベル7という事実を公表したのは事故発生から1ヵ月も経過した時点だった。
 
 原子炉の炉心が溶融して溶け落ちる、いわゆる「メルトダウン」が発生し、しかも格納容器の底に穴が開くなどの破損が生じているとの指摘は、事故発生直後から存在した。
 
 原子炉外部への継続的な高濃度放射線放出は、格納容器に破損が生じていなければ説明がつかないこと、また、再臨界的な反応が生じなければ発生しない放射性物質が原発外部で計測されたことから、メルトダウンおよび格納容器の破損は、まず間違いのないこととして認識されてきた。
 
 菅直人氏は3月23日に大前研一氏と会談をしている。この時点で、原発事故の真相を正確に把握したはずである。さらに、菅直人氏は4月20日に鳩山由紀夫氏と会談し、格納容器に破損が生じている現実を踏まえれば、「水棺」方式の採用は、地下水や土壌への深刻な放射能汚染をもたらすから、他の方法によるべきだとの進言を1時間半にわたり受けている。
 
 それにもかかわらず「水棺」方式での収束を目指して、大量の注水を続けた。しかし、あげくの果てに、メルトダウンを公表して、「水棺」方式の修正に至ったのである。メルトダウンの事実開示など、2ヵ月前に行われていなければならないことがらである。
 
 ここでも、事実の公開が著しく遅れている。
 
 原子力を利用しようとしたその出発点で、日本政府は「民主・自主・公開」の三原則を決めている。重大な原子力事故が発生した時点でこそ、この原則を忠実に守る責務を政府は負っている。
 
 原発からの高濃度放射能汚染水の海洋投棄について、元内閣参与が、米国の指令に基づく措置であった事実を暴露した。なぜ、日本の原子力事故に対して政府は、米国の指令に基づいて対処するのか。「自主」の原則からも外れる対応が取られている。
 
 国民に対しては、直ちに伝えるべき重大情報を公開せず、同じ情報を、自分自身の保身のためだけには用いるような首相を国民は必要としていない。これだけで内閣不信任に相当する。
 
 野党は速やかに内閣不信任案を提出し、日本の未来を案じ、日本国民の意思を尊重し、日本国民の幸福を追求する与党議員は、正々堂々と内閣不信任案に賛同するべきだ。菅直人氏を更迭することが、日本再生の出発点になることを国民がしっかりと認識しなければならない。

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2011年5月17日 (火)

原発事故発生主因は東電首脳判断能力欠如にあり

『金利・為替・株価特報』132号=2011年5月13日号を発行した。
 
 タイトルは、
「国民の命と生活守らず東電不正救済菅政権」
である。
 
 目次は以下のとおり。
 
<目次>
1.【原発】やはりメルトダウンしていた東電福島原発
2.【政策】原発事故責任を問わない菅政権の東電救済策
3.【株価】日本経済の悪化と株価のゆくえ
4.【政策】日本経済崩壊を招く菅政権の経済無策
5.【政策】震災復興特会を創設し外貨準備資金を活用すべし
6.【為替】対ユーロ、対米ドルでの日本円上昇だが資源価格には下落
7.【米国】FRBは金利引き上げを急がず
8.【金利】欧州も利上げ継続実施棚上げで低金利持続
9.【投資】投資戦略

 
『金利・為替・株価特報』では、4月8日号=130号に、大前研一氏の指摘が真実に最も近いとの見解を示し、福島原発がメルトダウンしている可能性が高いことを指摘した。
 
 実際、第1号炉の炉心が完全に溶融して圧力容器底部に落下、16センチもある圧力容器の壁を溶かして、穴を開けたことが明らかになった。

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今後、事故調査委員会や国会の特別委員会で事故発生の経緯が詳細に検証されることになると思われるが、事故発生の核心について、同志社大学教授の山口栄一氏が日経ビジネスオンラインに、重要な指摘を示しているので、ぜひ参照されたい。
 
 山口氏は福島第一原発で外部電源を喪失し、非常用炉心冷却系が止まったあと、最後の砦である隔離時復水器(IC)が作動し、重要な危機回避の経営判断を下す時間が、8時間あったことを指摘している。
 
 また、2号機については63時間、3号機については32時間、この「最後の砦」が作動して、炉心冷却を辛うじて維持していたと推察する。
 
 つまり、東電の経営者が発生している事態を正確に認識していれば、この「最後の砦」が作動している時間帯、山口氏の表現を借りれば「執行猶予」の時間帯に、海水注入の判断を下し、爆発事故を回避することが可能であったのではないかとの推論を示している。
 
 この推論の妥当性は今後検証されることになるが、極めて正鵠を射た指摘であるように思われる。
 
 海水注入は「廃炉」を意味するため、高度の経営判断が求められる事項である。東電の経営者が「廃炉」の選択を躊躇したために事故が発生したのであれば、東電の極めて重大な責任が改めて問われることになる。
 
 しかし、山口氏が指摘するのは、より深刻な問題である。すなわち、東電の経営陣が、「制御可能」と「制御不能」の境界線、「物理限界」を正確に把握できておらず、「制御不能」の状況に入って20時間も経過した時点で、初めて海水注入という対応を決定したことに、より重大な問題があったことを指摘する。
 
 山口氏は「技術」に問題があったのではなく、「技術経営」に問題があったのだと指摘する。東電経営陣が「制御可能」領域と「制御不能」領域を明確に把握していれば、少なくとも「制御不能」に移行した瞬間に海水注入の実施を指令していたはずで、その「技術経営」能力を東電経営陣が保持していなかったことが、人類史上最悪の放射能放出事故を発生させる原因だったことが明らかにされている。

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菅内閣は、
 
①責任ある当事者である東電の責任を問わず、膨大な損害賠償負担を一般国民に押し付ける損害賠償スキームを提示した。衆院予算委員会で塩崎恭久元官房長官が、責任を問われる優先順位を示したが、これが普通の資本主義国家の普通の考え方である。経営者、株主、金融機関、社債権者、従業員の責任を問わずに、一般国民に負担を転嫁することが通用するはずがない。
 
②福島の子どもを発がんの危機に晒す選択を採り続けている。
 
③経済支援策、経済復興策が焦眉の急であるにも拘わらず、第二次補正予算国会提出を秋に先送りする方針を示している。しかも、その理由は自己の保身のためだという。国会会期を長期延長して、本格的な震災復興政策を早急に決定して実行することが責任ある政府の最優先課題であることは明白だ。
 
の3つの方針を示しているが、どのひとつをとっても内閣不信任案が可決されておかしくない事案である。
 
 与党議員であっても、国民の負託を受けていれば、このような首相に対する内閣不信任案に同調することは正当である。このような内閣を自己の利害得失だけを理由に守ろうとする岡田克也氏などの低俗議員が離党して低俗新党を結成するのが正道である。

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2011年5月16日 (月)

政治私物化し民主主義根幹踏みにじる岡田克也氏

野党が菅内閣に対する内閣不信任案を提出した場合に、この決議に賛成する議員が民主党内からも生まれる動きがある。岡田克也幹事長は、不信任案に賛成するなら離党覚悟で臨む必要があると牽制するが、説得力を持たない妄言だ。
 
 内閣不信任案への同調の是非は、単なる形式的な判断ではなく、その行為の正統性によって判断されるべきものであるからだ。
 
 菅首相および菅内閣の行動に、不信任案が提出されてやむなき事情があるなら、与党代議士が内閣不信任案に同調することは批判されるべきものでない。政治を単なる権力闘争のゲームとして捉えるなら、岡田氏の主張も成り立つが、政治は権力闘争のゲームではない。
 
 政治は主権者である国民の意思を反映すべきものであり、国民の意思を反映して行動すべき首相が、民意を踏みにじり、主権者を冒涜する行動を示す場合には、与党議員がこの為政者を排除するために行動することは正当化される。
 
 菅直人氏は首相の地位に居座っているが、その地位に在職する正統性をすでに完全に失っている。
 
 菅直人氏は2010年6月8日に首相に就任した。この就任当初から、民主主義の根幹を踏みにじる行動を展開し続けてきた。民主党国会議員は主権者である国民の負託を受けた存在である。とりわけ、現在の衆議院議員は2009年8月の総選挙で当選した議員であり、この総選挙での民主党の主張、公約に対する主権者国民の賛同を背景に当選を果たしてきた人々である。
 
 ところが、菅直人氏は党内政局の視点から、民主党内人事を私物化してきた。主権者国民の意思を踏みにじり、2009年8月総選挙で指示を得た民主党正統派を弾圧し、いわゆる悪徳10人衆による民主党私物化を進めてきたのである。

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民主党が掲げた政権公約は、段階的になし崩しに破壊されてきた。子ども手当、高速道路無料化、農家個別所得補償、高校授業料無償化などの骨太の政策方針がことごとく破壊されてきた。
 
 また、民主党は2009年8月の総選挙で、天下り根絶など、政府支出の無駄排除に全力をあげ、この課題を成し遂げるまでは消費税増税に進まないことを政権公約に掲げた。この方針が主権者から支持されて政権を獲得した経緯を有する。
 
 ところが、菅直人氏は党内の民主的な意思決定手続きを経ぬまま、2010年7月11日の総選挙に向けて、消費税大増税の方針を突如政権公約に掲げた。
 
 この2010年7月の総選挙を菅内閣は、内閣に対する信任投票の選挙だと位置付けた。当時の幹事長であった枝野幸男氏は、時事通信社のインタビューに応じて、何度も「菅内閣に対する信任投票である」ことを明言している。
 
 この参院選で民主党は大敗した。国会は、完全なねじれ状態に移行し、ここから政治の混迷が一段と深まったのである。参院選を「信任投票」と位置付けた以上、菅内閣は国民から「不信任」を正式に示された政権であるということになる。民主主義の根本原則に従い、この時点で菅直人氏は首相の座を退くことが求められている。
 
 ところが、菅直人氏は民主主義の根本原則を無視して首相の座に居座り続けている。その後の国政選挙、統一地方選で民主党はほぼ全敗を続けている。
 
 さらに、菅直人氏が外国籍の人物から違法に政治献金を受け取った事実が明るみに出た。菅直人氏が、同人物が外国籍の人物であることを認知し、かつ政治献金を受けていた事実を認知していたなら、犯罪が立件されなければならない。捜査当局の捜査が必要であるが、法の下の平等を守らない不正な日本の捜査当局は適正な行動を示していない。
 
 小沢一郎元民主党代表に対して、敵意をむき出しにし、自己の欲望のおもむくままに卑劣な行為を繰り返してきた岡田克也氏は、菅直人氏に対しては何もものを言わない。こうした、偏向した人物が民主党幹事長職に居座っていることも不当である。

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選挙の指揮は幹事長の責任領域であり、すべての選挙に惨敗を続けている岡田氏が幹事長に居座っていることも不当なのである。
 
 こうしたなかで、原発の放射能放出重大事故が発生した。5月15日付記事
 
「日本を最大不幸社会に導く菅直人氏に退場宣告を」
 
に記述したように、福島原発事故発生以来の菅内閣の行動に対して、内閣不信任の声が上がるのは当然の状況にある。
 
①パフォーマンス優先の行動が原子炉爆発の惨事を招く重大な原因になった疑いが濃厚である。菅直人氏は原発災害の加害者の一人である疑いが濃厚である。そのなかで、福島県民を中心とする近隣住民の生命と健康を守る適正な行動を採っていない。子どもたちには、将来、がんで苦しめる「殺人政権」的な対応をいまも続けている。
 
②原発事故発生当事者である東電の経営者と株主、さらに金融機関、社債権者および従業員を救済するために、巨大な負担を一般国民に押し付ける、「究極のモラルハザード」策である東電救済策をまとめた。東電の代表者である勝俣恒久会長の続投まで容認する方針だという。
 
③大震災を契機に日本経済の急激な悪化が進行し、福島周辺では原発事故を主因とする企業倒産が多発し始めている。政府は原発事故を引き起こした東電を国民負担で救済し、罪なき民間企業の倒産を野放しにしている。総合的な経済対策が喫緊の課題だが、菅直人氏は自分自身の延命のために、国会を延長して経済対策を決定する道を閉ざそうとしている。
 
 以上、縷々述べてきたが、これだけの罪状を背負う菅直人氏を退場させることは、主権者国民の負託を受けた国会議員の当然の責務である。そこには、与党議員、野党議員の区別はない。
 
 内閣不信任案可決と同時に、菅直人氏と岡田克也氏が離党して、「反民主党」なり、「悪徳民主党」なり、「増税民主党」なりの新党を結成すればよいのだ。
 
 与党議員の内閣不信任案賛成は、これらの国家議員が主権者である国民の意思を反映して行動する以上、正統性を持つものである。民意を踏みにじり、ポストにしがみつくことだけを優先し、国民を不幸に導く内閣総理大臣は不信任を突き付けられて当然である。
 
 岡田克也氏はねぼけた妄言を吐くのをそろそろやめるべきだ。

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2011年5月15日 (日)

日本を最大不幸社会に導く菅直人氏に退場宣告を

菅政権の政策運営ではこの国は崩壊してしまう。

 三つの重大問題がある。
 
 第一は福島原発放射能事故を人為的に深刻化させていることだ。事故発生直後、水素爆発の危険が高まり、ベントの実施が必要になった。この局面で菅直人氏は福島原発への視察を強行実施し、その結果として、本来3月11日深夜には実施されるはずのベントが3月12日午後にずれ込み、第1号炉および第3号炉の爆発を招き、放射能事故を人類史上最悪レベルのレベル7にしてしまった。
 
 この間の経緯について、菅直人氏は曖昧な供述を繰り返しているが、真相を明らかにする必要がる。原発事故が著しく深刻化した原因の一部が菅直人氏のパフォーマンス優先の行動にあった可能性が高い。
 
 起こしてはならない原発放射能事故を引き起こしてしまった。原発事故を引き起こしてしまった以上、最優先されなければならないことは国民の生命の安全と健康被害の回避である。
 
 そのためには、費用がかかっても絶対安全の基準に従って、住民や子どもたちの避難を実行するとともに、あらゆる情報を全面的に開示する必要がある。
 
 ところが、菅直人氏が採用している方法は、まったく逆である。必要な情報を隠蔽し、財政支出を節約するために県民の生命、健康を犠牲にする行動を維持している。このままでは、菅直人氏の誤った政策運営のために、多くの尊い命や健康が犠牲にされてしまうだろう。
 
 第二は、原発事故を発生させた当事者である東電に対して、適正な責任を求めない方針を示したことだ。原発事故によって、何の罪もない事業者の多くが倒産に追い込まれている。
 
 その一方で、事故発生の第一の責任を負う東電が国民負担で救済されることが許されるはずがない。東電の役員は全員退陣させられなければならないだろう。ところが、会社を代表するトップである勝俣恒久会長まで、会長職に留まるとの報道が示されている。
 
 金融機関の債権放棄の要請などと伝えられているが、経営者および株主の責任を問わずに金融機関が債権放棄すれば、これは、東電経営者と東電株主への利益供与でしかない。東電の経営者、株主、金融機関、者債権者、従業員に対する適正な責任処理は不可欠だが、菅政権は東電救済策を強行しようとしている。

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第三は、大震災に伴う日本経済の急激な悪化に対して、無策を決め込んでいることだ。第一次補正予算を成立させたが、4兆円の予算規模のうち、1.5兆円は本予算からの流用、2.5兆円の支出については、第2次補正予算で増税を行うことが予想されている。これでは、景気浮揚効果はゼロである。
 
 膨大なインフラが破壊されてしまい、さらに原発事故で福島を中心とする住民に甚大な経済被害が発生している。直ちに大型の経済対策を決定し、実行しなければならないが、菅直人氏は無策を決め込んでいる。
 
 自分自身に対する不信任案が衆院で可決されないように通常国会を閉会し、景気対策を秋に先送りするのだという。これ以上の本末転倒はない。自分の保身のために国民全体を犠牲にしようとする姿勢である。
 
 この現実を踏まえれば、日本の未来のために、国民の不幸を回避するために、菅直人氏には退場してもらうことが望ましい。
 
 震災復興の途上で政局に時間を割く余裕はないとマスゴミは主張するが、日本の命運が託されるこの重要な時期に、リーダーとしての資質のない内閣総理大臣が居座ることの弊害の方がはるかに大きい。
 
 野党が内閣不信任決議案を提出する場合、民主党議員のなかで、真に国民の幸福を考える議員は、躊躇なく内閣不信任決議案に賛成するべきである。
 
 マスゴミは恐らく内閣不信任案決議の可決阻止に全力をあげるだろう。それは、日本国民の幸福を重視しての行動ではない。菅政権存続でマスゴミ自身が利益を受けるからである。マスゴミの誤った誘導を糾弾し、菅直人氏に一刻も早く退場を求めるのが、この国の唯一の活路である。

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2011年5月14日 (土)

原発事故厳正責任処理なければ大事故再発は必定

福島原発第1号炉がメルトダウンしていたことが公表された。

 本ブログでは4月8日付記事
「テレビが伝えない福島原発の著しく困難な状況②」
に、大前研一氏の指摘を紹介し、この見解が妥当性を有しているとの見解を記述した。
 
 福島原発1号炉では炉心溶融が進行して燃料棒が落下し、厚さ15センチの鋼鉄で組成されている圧力容器の底が溶解し、圧力容器に穴が開いていることが明らかにされた。
 
 燃料の一部が圧力容器から格納容器底部に落下した可能性もある。格納容器は3センチの鋼鉄製であるため、この格納容器にも穴が開いている可能性を否定できない。
 
 菅直人氏は3月23日昼に大前研一氏と45分間の会談を行っている。さらに、4月20日、鳩山由紀夫前首相は官邸を訪問し、菅直人氏と1時間半におよぶ会談を行っている。
 
 福島原発収束のために、政府は「水棺」方式を採用しているが、鳩山前首相は格納容器からの水漏れが生じている現状では、「水棺」方式が、高濃度放射能汚染水の外部放出をもたらしているため、収束方法の見直しが必要であることを指摘したものである。
 
 政府が原子炉のメルトダウンを認めたのは5月12日である。原子炉から高濃度放射能汚染水が放出されている状態を認知しながら、これを放置してきたことになる。犯罪行為であると認定されても反論はできないはずだ。
 
 福島における避難地域設定では、土壌汚染が考慮されていない。避難地域の設定基準はチェルノブイリ以下であると指摘されている。
 
 また、福島県の小中学校に通う子供たちの避難基準も著しく甘く設定されている。法律に基づく被曝上限値はあくまでも1ミリシーベルト/年である。ICRP(国際放射線防護委員会)の基準値にしても、公衆被曝限度は1mSv/yであり、職業被曝上限について20mSv/yの数値を定めているだけである。
 
 ところが、菅政権は福島の子どもたちに、職業被曝限度の20mSv/yを適用しているのであり、殺人政権だと言われてもやむを得ない。
 
 しかも、福島原発は収束しておらず、高濃度放射能汚染水が垂れ流されている。原子炉の容積と毎日実施されている注水の量とを比較すれば、外部流出の有無は直ちに判定できるはずである。
 
 原子炉の冷却を継続しなければ、メルトダウンによって圧力容器底部あるいは格納容器底部に溶融して落下した燃料が再臨界に至り、放射能爆発を引き起こすから、高濃度放射能汚染水の外部放出はやむを得ないとの判断が持たれているのだと思われるが、その場合には、正確な情報の公開が不可欠である。

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原子力三原則は、「民主・自主・公開」である。この「公開」が完全に無視されている。原発事故が発生した直後に、放射能汚染予測地を公開するべきであった。ところが、枝野頓珍漢房長官は、危険は生じていないが、念のため安全策を採るとの発言を行っている。これは、虚偽発言だったのではないか。
 
 正確な情報が提供されなかったために、原発が爆発した際に、一部地域で大量被曝が発生した疑いがある。
 
 本ブログでも指摘してきたが、とりわけ重要であるのが風向きである。風向および風速の情報は、被曝を回避するために不可欠な情報であったが、政府は意図的に情報を隠ぺいしたのではないか。

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高濃度放射能汚染水をこれ以上、原発外部に放出して良いはずがない。直ちに、汚染水外部放出を回避する手段を講じるべきである。同時に、周辺住民および全国民に対して、すべての情報を完全開示することを実行するべきである。
 
 また、事故発生当事者に対する適正な責任処理を行わなければ、将来に重大な禍根を残す。全国の原発事業者および利害関係者は、今回の事故発生後、どのような責任処理が実行されるのかを、固唾を飲んで見守っている。
 
 厳しいが適正な責任処理が行われれば、二度と同じ過ちを引き起こしてはならないとの意思が生まれてくる。経営者はもちろんのこと、株主、金融機関、社債権者は、従業員のすべてが、原発の絶対の安全性を厳格に求めることになる。
 
 ところが、責任処理が甘くなれば、利害関係者の心理は著しく弛緩する。いざ大事故が発生しても、政府はその負担を一般国民に押し付けてくれる。これで、安心して、いままで通り、いい加減な安全対策のままで、枕を高くして眠れると考えるだろう。
 
 このことによって、必ずより重大な大事故が引き起こされてゆくのである。本当に愚かな政権を持ったものだ。日本国民の不幸だが、この政府を国民が容認するなら、今後、いかなる重大事故を招くとしても、それは自業自得ということになる。

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2011年5月13日 (金)

経営者株主でない貸し手責任問う枝野頓珍漢房長官

5月13日、政府の原発被害損害賠償スキームに関して、枝野幸男氏が金融機関の貸し手責任が避けられないとの発言を示し、市場が反応した。
 
 このような頓珍漢が官房長官の要職にあることが日本の悲劇を招いている。福島原発近隣に居住する国民の生命と健康が危険に晒され、避難に際して、住民が著しい混乱に巻き込まれたのも、枝野氏の責任に負うところが大である。
 
 また、現状では福島県在住の子どもたちが、甲状腺がんや白血病のリスクに晒されている。健康被害が判明するのは10年も20年も後の時代である。国民の生命を最重視するなら、安全策を取ることが不可欠だが、枝野氏は危険策を強要している。
 
 東電の損害賠償支払い責任金額が東電の支払い能力を超えるなら、まず、東電を法的整理にかけて、しかるのちに、不足する資金を政府が手当てするのが当然の順序である。債務超過に陥れば優先・劣後関係のなかで損失を負担していくのが金融市場の原則、鉄則である。
 
 枝野氏はこのような大原則を理解できているのだろうか。これでよく弁護士資格が維持できるものだとあきれるばかりである。
 
 優先・劣後関係で言えば、東電が債務超過に陥り、経営体として破たんするなら、問われる責任順位は、まず経営者と株主、そして債権者である社債保有者と貸し手である金融機関、さらに従業員ということになる。
 
 このうち、経営者と株主の責任を問わずに金融機関の貸し手責任を問うということになれば、さらに歪んだ東電救済策になる。

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東電の経営者と株主の責任を問わずに、貸し手に対する債務を免除するなら、これは東電に対する責任処理策ではなく、東電に対する利益供与策になるのだ。
 
 りそな銀行と基本的に同じ図式になる。
 
 りそな銀行の場合は、小泉政権に批判的だった経営者が追放され、小泉-竹中近親者が大量に新経営陣に送り込まれた。そのうえで、政府が税金資金を2兆円も投入してりそな銀行を救済したのだ。株主責任は問われず、りそな銀行株価は半年で4倍に上昇した。責任を問われねばならない株主が巨大な利益供与を受けたのだ。
 
 だから、りそな銀行処理は、日本の金融問題処理に最大の汚点を残す事例になったのである。
 
 このようなでたらめ処理を許してはならないのだ。
 
 枝野氏が発言した「貸し手責任は免れない」との認識そのものは重要なのだが、優先・劣後関係から言って、それは、経営者責任、株主責任を適正に処理したあとの課題なのである。
 
 また、電力業界、原子力村への天下り根絶明言を優先すべきではないのか。
 
 悪代菅政治が日本を支配してしまっているが、このような不公正と癒着、不正義の東電救済策をまかり通らせてはならない。
 
 12日の民主党会合で意見が集約できなかったことに関して、多くのマスゴミが、東電の負担を軽減すべきとの意見が強かったと報道したが、これも捏造報道であった。東電と癒着する民主党議員がそのような意見を表明したことは事実だが、多くの意見は東電に対する責任追及が甘いとの指摘だったようだ。
 
 政・官と癒着するのはだけではない。もある。悪徳マスゴミの不正な情報誘導も糾弾してゆかねばならない。

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経営者・株主・債権者責任免責を東電救済策と呼ぶ

国民負担で東電を救済する政府案が1日遅れで決定される。

 12日に決定できなかったのは、民主党から反対意見が表明され、意見を集約できなかったためだという。民主党から正論が示されて、政府案と対立したのかと思いきや、そうではなかったようだ。政府案の東電の負担が重いとの反対意見が出たのだそうだ。
 
 民主党は完全に腐敗してしまった。米官業政電=悪徳ペンタゴン政党は自民党だけで十分だ。二大政党の両方が悪徳ペンタゴン政党になったら日本は終わる。米国はこれを狙っていることをかねてより指摘してきた。
 
 唯一の救いは、自民党の一部に正論を述べる議員が登場したことだ。河野太郎氏の意見には賛同しかねるものが多いが、今回の東電の損害賠償責任問題では私の考えと極めて類似している。
 
 マスゴミのなかで、正論を示し続けている数少ない存在が、日刊ゲンダイと中日新聞=東京新聞だが、中日の5月12日社説は、私の見解とほぼ同一である。以下に転載する。

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原発賠償案 これは東電救済策だ 
2011512
 
 
東京電力・福島第一原発事故の被災者に対する賠償案が固まりつつある。はっきり言って、これは国民負担による東電救済策だ。菅直人政権は霞が関と金融機関の利益を代弁するつもりなのか。
 
 
賠償案は政府が設立する機構に交付国債を発行し、機構は必要に応じて東電に資本も注入する。賠償は東電が上限なく負担するが、資金が不足すれば交付国債を現金化して支払い、後で東電が長期で分割返済する。
 
 
一見すると、東電が賠償責任を負っているように見える。ところが、東電の純資産は約二・五兆円にとどまり、リストラに保険金を加えても、十兆円ともいわれる賠償費用を賄い切れない。
 
 
実際、勝俣恒久会長は会見で「東電が全額補償するとなったら、まったく足りない」と認めている。つまり、東電はすでに破綻状態なのだ。実質破綻している東電を存続させた場合、賠償負担は結局、電力料金の値上げによって国民に転嫁されてしまう。
 
 
東電だけではない。機構に負担金を払う他の電力会社も同じだ。事故に関係ない地域の利用者も料金値上げで負担する結果になる。被災者にすれば、賠償金を自分が負担するような話であり、とうてい納得できないだろう。
 
 
一方で、被災者には十分な補償が必要だ。したがって政府の支援は避けられないだろうが、その前にまず東電と株主、社員、取引金融機関ら利害関係者が最大限の負担をする。それが株式会社と資本市場の原理原則である。
 
 
ところが今回の枠組みでは、リストラが不十分なうえ、株式の100%減資や社債、借入金債務のカットも盛り込まれていない。
 
 
東電をつぶせば電力供給が止まるわけでもない。燃料代など事業継続に必要な運転資金を政府が保証しつつ、一時国有化する。政府の監督下でリストラを進め賠償資金を確保しつつ、発電と送電を分離する。発電分野は新規事業者に門戸を開く一方、旧東電の発電事業は民間に売却する。
 
 
銀行再建でも使われた一時国有化の手法は、東電再建でも十分に参考になるはずだ。
 
 
菅首相は原発事故を受けてエネルギー基本計画を白紙に戻し、太陽光など再生可能エネルギーの活用を推進すると表明した。そのためにも新規参入による技術革新を促す枠組みが不可欠である。賠償案は東電と癒着した霞が関と金融機関の利益を優先してつくられた産物だ。根本から再考を求める。
 
(ここまで転載)

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新聞を有料購読している本ブログ読者がいるなら、中日、東京新聞への変更を強く推奨したい。この新聞は日曜日を除く毎日、「こちら特報部」と題する見開き二面のコーナーを有している。原発問題などについて、マスゴミが伝えない重要な情報が常に紹介されている。これが、本来のメディアの立ち位置である。
 
 メディアの偏向を是正するには、消費者が消費者主権を行使するのが一番効果的なのだ。
 
 悪質なテレビ番組に対抗するには、悪質番組のスポンサー商品に対して不買運動を展開することだ。
 
 金融機関のなかでは、東京の城南信用金庫が脱原発の方針を明示した。メインバンクを城南信用金庫に変更する手間を惜しまない。この消費者の努力が社会を変える原動力になる。
 
 東電の損害賠償責任額が東電の支払い能力を超えていれば、厳しいけれども東電は法的整理されなければならないのだ。それが、自由主義経済、資本主義経済のルールである。
 
 東電の支払い能力が損害賠償責任金額を大幅に下回ることは、東京電力代表取締役会長の勝俣恒久氏が公の席で明言している。
 
 法的整理にかけられれば、経営者、株主、債権者、従業員などの関係者がそれぞれ、法律の定めに従って責任を問われる。
 
 菅政権が提示している案では、経営者、株主、債権者、従業員の責任が大幅、あるいは全面的に免じられることになる。
 
 これらの関係者に対して責任を求めず、会社を存続させ、かつ、損害賠償を実行するということは、税金か電気料金かのいずれかのツールによって、国民に負担が転嫁されることになる。これは、小学生でもわかる足し算・引き算の問題である。
 
 東電のメインバンクは日本政策投資銀行である。東電救済案は東電に対する債権者である銀行が原案を作成したとされる。日本政策投資銀行、つまり財務省が作ったものなのだ。
 
 政官業癒着の象徴である東電救済案を官が作り、政が決める。そして業が利益を享受する。こんな悪代菅政治にさよならを告げたのが、2009年8月の政権交代ではなかったのか。
 
 こんな政官の決定に主権者が納得するわけがない。

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「李下に冠を正さず」を考えるなら、まず、電力会社、電力関連団体、原子力関連団体に対する天下り根絶を宣言すべきだ。当たり前だ。
 
 東電に天下った資源エネルギー庁元長官はすでに辞職したのか。全国の電力業界に対する天下り利権をまず根絶するべきだ。
 
 人類史上最悪の放射能事故の責任は明確に示すべきだ。このことと電力の安定供給とは、完全に切り離して処理できる。多くの有識者がこのことを主張しているではないか。
 
 利権と癒着の政治こそ、「政治とカネ」の問題そのものなのだ。
 
 菅直人氏はもうこれ以上、卑劣な行為を繰り返すのをやめるべきだ。
 
 福島原発の原子炉に注水しているが、水蒸気の発生量を計算すれば、注水した水が外部に漏出しているのかどうかは簡単に判定できるはずだ。
 
 4月20日に鳩山由紀夫前首相が、放射能汚染水が外部流出している可能性が高いから、「水棺」方式を見直すべきだと官邸まで話に行かなかったか。原子炉圧力容器の水位を確かめるまでもなく、汚染水の外部流出は判明していたはずだ。放射能を意図して撒き散らしていたのなら、これは明らかに犯罪である。
 
 外国人籍を知りながら政治献金を受け取っていたなら、これも犯罪である。捜査当局は「法の下の平等」を忘れるな。

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2011年5月12日 (木)

「東電に入ればこの世は天国」東電救済策が固まる

東電に対する救済策案の骨格が政府によって決定された。

 予想された通り、原発事故を引き起こした東電に適正な責任を求めない、東電救済策が決定された。原発事故の損害賠償資金はいずれ料金引き上げで一般国民に転嫁される。それまでのつなぎ資金が足りなくならないように、政府は公的資金を5兆円も注ぎ込む。りそな銀行と同様の自己責任無視の不正救済が動き出す。
 
 政府による不正で不正義の民間企業救済では、今回の東電救済が東正横綱、りそな銀行救済が西正横綱になる。利権まみれの悪政で菅政権は小泉政権と並ぶ悪の両巨頭になる。
 
 原子力事業は米官業政電+学の利権複合体が、自らの利益のために推進してきた事業である。原子力事業の持つ無限のリスクを無視して、巨大な利権事業である原子力事業が推進されてきた。
 
 その中核に位置する東京電力が、人類史上最悪レベルの放射能放出事故を引き起こした。
 
 原子力事業は地球を滅亡してしまいかねない重大なリスクを内包している。このリスクを真摯に受け止めるならば、原子力事業から撤退するのが、人間の叡智である。勇気には前に進む勇気もあるが、もっとも価値のある勇気は、一歩退く勇気である。
 
 重大な原子力事故を引き起こしたとき、事故を引き起こした当事者に、適正に責任を求めれば、原子力事業から手を引く冷静な判断が働くようになる。
 
 東電のような大企業でも、ひとたび重大事故を引き起こせば、たちまち債務超過に陥り、会社が倒産する。それほどまでに、原子力事業に重大なリスクが内包されているのだ。
 
 だから、東電に対して、自己責任原則を軸にした厳しい対応が必要だった。

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ところが、菅政権が決定したのは、適正な責任追及ではなく、東電に対する国民負担による救済策である。東電の株価が500円を回復したが、株価は東電に求める損害賠償負担が債務超過をもたらすものにはならないとの見通しを示している。
 
 電力の安定供給、社債市場の安定性確保などのもっともらしい理由が付せられているが、すべて、東電救済策を押し通すための方便にすぎない。
 
 東電社債の残高は5兆円あり、東電社債がデフォルトになると、社債市場が混乱するなどと、外資系証券会社のスタッフが東電救済を正当化する解説を示したが、まったく意味不明の説明だ。
 
 民間会社の発行する社債には、もとよりリスクが存在している。表面化したリスクを投資家に負わせずに、政府が尻拭いするのなら、市場の規律は緩み、責任ある経営は行われなくなる。
 
 このような不公正で不正義の東電救済策が通用するなら、この国は、そのことだけをもってしても、三流国であることが明確になる。
 
 米官業政電の利権複合体と御用学界が癒着して、原子力事業が推進されてきた。人類史上最悪の放射能事故が発生しても、利権複合体の結束は高く、東電の責任は問われず、原子力事業は今後も推進されてゆく。
 
 まさに東電天国の状況だ。巷間ではこうした現状を踏まえて、
「東電に入ろう」という替え歌が歌われている。これを菅政権のイメージソングにするとよいだろう。

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以下のYOU TUBE 映像をご覧いただきたい。

「東電に入ろう(倒電に廃炉)」
 

 歌詞は以下の通り
 
《トーデンに入ろう》
 
 G        D7
1
皆さんがたの 中に
 
 D7             C
東京電力に入りたい人は いませんか
 
 G          D7   
ひと旗あげたい人は いませんか?
 
 G    CD7 G
東電じゃ人材  もとめてます

 G    D7    G
※東電に入ろう  入ろう  入ろう
 
 G   A7   D7
東電に入れば この世は天国
 
 C  G    C  G      CD7    G
男の 中の  男はみんな  東電に入って 花と 散る!
 
2
スリルを味わいたい 人いたら
いつでも東電に お越しください
ウランでもプルトニウムでも なんでもありますよ
下請~け使えば 平気です
 
※くりかえし
 
3
原発推進派の みなさんは
原子炉の真下に お集まりください
いますぐ体に悪い わけじゃありません
シャワーで洗えば 平気です
 
※くりかえし

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4
原発はクリーンな エネルギーです
プルトニウムはそんなに怖い もんじゃありません
放射能出すといっても 半減期は
たった~の2万と 4千年です
 
※くりかえし
 
5
日本のエネルギーを 支えるには
原子力に頼らないと いけません
多少の被爆は やむをえません
イソジン飲んでおけば 平気です

※ くりかえし
 
6
使用済みの核燃料は ぜんぶまとめて
ドラム缶に詰めたら だいじょうぶ
六ヶ所村のプールで 冷やしてます
たった~の300年の がまんです

※くりかえし
 
7
水が漏れてるけど 騒ぐんじゃない
煙が出てるけど あわてるな
屋根が吹っ飛んだけど 全然だいじょうぶ!
とにかく塩水で 冷やしてます
 
※くりかえし
 
8
いますぐ危険って わけじゃないけど
牛乳も野菜も 捨てましょう
政府のおエライさんが 言ってます
補償は税金で 払います
 
※くりかえし
 
9
ガイガーカウンタは 売り切れてます
君たちそんなもの持っちゃ ダメですよ
放射線の値は こちらで発表します
信じる者は 救われる!
 
※くりかえし
 
 ニコニコ動画バージョンもあるのでご高覧賜りたい。
 
“too big to fail”(大きすぎるのでつぶせない)
 

モラルハザードという、重大な問題を引き起こす。
この反省に立って確立されたのが、
 
“too big to close”(大きすぎるので閉鎖しない)
 

の原則である。
 
 しかし、菅政権は利権複合体の中核メンバーとして東電救済策を決めた
 もちろん、天下り制度も温存したままである。
 
 日本国民はこんな悪代菅政治を容認してしまうのか。国民の判断力と矜持が問われている。

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2011年5月11日 (水)

今世紀最大級三つの重大茶番が同時進行している

今世紀最大の三つの茶番が同時進行している。

 第一は、米国による「テロとの戦い」の自作自演。
 
 第二は、検察による水谷建設から小沢一郎氏への金銭授受ストーリーの捏造。
 
 第三は、国民から明確に不信任の判定を受けている正統性を持たない菅直人氏の首相の座居座り。
 
である。
 
 米国は9.11テロの首謀者であるとするオサマ・ビン・ラディン氏を暗殺したと発表した。アルカイダからは丁寧に声明まで発せられた。日本の新聞は号外まで発行する追従ぶりを示した。
 
 そもそも、9.11のテロそのものが米国による自作自演である疑いが根強く存在している。米国の政産軍利権複合体は、その存立維持のために、常に大規模戦争を必要としている。
 
 冷戦が終焉し、大規模戦争の大義名分が消失した。そのなかで、新たな飯の種として育成してきた話題がテロ国家とテロそのものである。
 
 このなかで、人工透析で苦しむビンラディン氏がいまなお健在で、そのアジトを探索して暗殺したと報じられても、そのまま鵜呑みにする者は必ずしも多くない。しかも、米国政府は写真も公開しないと言うのだから、益々怪しげである。
 
 我々が警戒しなければならないのは、米国がさらにテロを捏造して新しい巨大戦争に突き進むことだ。2012年には大統領選がある。米国世論は単純なもので、戦争を引き起こす政府を支持する傾向がある。米国による戦争創作に十分な警戒が求められる。
 
 また、米国がビンラディン氏を「容疑者」と呼ぶなら、罪状を確かめることもなく暗殺するのは、処刑ではなく単なる殺人でしかない。このあたりの常識が欠落しているのに、世論がその是正を求めないところも、米国の脆弱性を示している。

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小沢一郎氏の政治資金管理団体が収支報告書への記載を誤ったとして開かれている裁判で、検察側が水谷建設から小沢氏サイドに裏金を渡したとの証言を行う証人を申請して裁判所がこの証人の出廷を認めた。
 
 収支報告書に虚偽の記載をする理由が、裏金の発覚を恐れたからであるとの検察の主張を裏付けるために検察側が申請した証人である。証人は水谷建設元社長とその友好会社社長である。
 
 法廷では、金銭授受の模様が生々しく証言された。
 
 検察は、今回の裁判において、この証人採用だけを執拗に求めた。小沢氏が不正な資金を受け取っていたとの印象を一般国民に刷り込むためである。
 
 しかし、この2名の証人が真実を述べたかどうかの確証は一切存在しない。2名の証人が、架空のストーリーを捏造して、まったくウソの供述をしたことも十分に考えられる。
 
 法廷でウソの証言をすれば偽証罪にあたるから、まさかそのようなウソを証言するはずがないと思う人は多いだろう。しかし、検察側の証人として出廷している限り、偽証罪で有罪とされる確率はゼロに限りなく近い。
 
 万が一、偽証であることが判明していても、あとから、夢と現実を混同してしまったなどと言い訳を述べれば、偽証罪で有罪とされる可能性は極めて低くなる
 
 水谷建設の社長の行動を裏付ける最重要の動かぬ証拠がある。それが水谷建設社長車の運転日誌である。この記録によれば、金銭授受があったとされる2004年に行き先名が『全日空ホテル』との記述があるのは6月、9月、10月4日の3回だけだと伝えられている。検察が金銭授受があったと主張する10月15日には記録がないと伝えられている。

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そもそも、2009年3月3日の大久保隆規氏に対する誤認逮捕で始まった小沢一郎氏に対する不当弾圧では、検察当局は小沢氏周辺の贈賄疑惑、裏献金疑惑を想定して、見込み捜査を行ったものである。
 
 2009年から2010年半ばまで、1年半の時間をかけ、何度も強制捜査を実施して、検察はその立件に全精力を注ぎ込んだ。
 
 ところが、この見込み捜査は完全なる敗北に終わった。何ひとつとして立件できなかったのである。
 
 2009年3月3日の大久保隆規氏の逮捕は、大久保氏が「新政治問題研究会」および「未来産業研究会」からの献金だとして届けた報告書の記載を、「西松建設」と記載すべきだったと難癖をつけて、突然逮捕したものだが、第2回公判で、検察側証人が検察の主張を根本から崩してしまった。
 
 史上空前の大誤認逮捕に慌てた検察は、2010年1月15日、今度は2004年の不動産取得にかかる収支報告書の内容に難癖をつけて、強引な逮捕、起訴に及んだのである。
 
 もともとのターゲットである裏金疑惑などで立件できるなら、検察はその立件をしていたはずだ。そもそも、その目的のために、1年半の時間をかけて、強制捜査を何度も繰り返したのだ。
 
 ところが、結局、何ひとつ立件できなかった。
 
 Photo その立件できなかった裏金問題について、検察側が証人を申請し、証言させても、まったく説得力がない。しかも、証言をした当事者は、まったく架空のウソを法廷で述べたとしても、罪に問われる恐れはほとんど存在しない。何らかの別件で検察に脅されて、うその証言をしたなどの可能性は十分に考えられる。
 
 日本は本当に恐ろしい国である。検察が正義であるとの神話はすでに完全に崩壊しているが、それでも、このような形での悪質な印象操作の実施が野放しにされていることは、重大な問題である。
 
 同じ水谷建設の元会長は、かつて、同様の手口で検察からウソの供述をするように迫られた経験を有しているとのことである。弁護側が証人申請していれば、裏側の生々しい真実も明らかにされることになるだろう。
 
 いずれにせよ、私たち国民は、法廷での証言が、完全にウソの証言であることもあることをよく理解してニュースに接しなければならない。
 
 第三は、菅直人氏の行動だ。私たちは民主主義の国に居住している。民主主義国家の為政者は、必ず民意の負託を受けていなければならない。ところが、菅直人氏は国民から不信任の判定を受けた人物で、首相の座に居座ってはならない人物なのだ。このような正統性を無視して首相の座に居座ることは、民主主義そのものの否定であり、民主主義の冒涜である。
 
 権力にしがみつく権力亡者の風貌は、あまりにも見苦しい。

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2011年5月10日 (火)

震災復興特会設置し財源に外貨準備活用すべし

震災発生から2ヵ月の時間が経過した。今回の震災による被害が甚大かつ深刻であるのは、地震に伴い、歴史的にも有数の大津波が発生したこと、地震に連動して原子力発電所が人類史上最悪レベルの放射能放出事故を引き起こしたことによっている。
 
 津波はリアス式海岸最奥部では、38メートルの高さにまで波及した。1896年に発生した明治三陸地震津波で残されている記録とほぼ同水準である。三陸海岸はリアス式海岸でその地形の特徴から津波の高さが急増する傾向を有している。
 
 三陸海岸沖では頻繁に大きな地震が発生しており、このため、各地に津波に警戒するべきとの伝承が残されている。これらの伝承が教訓として活かされた地域では、通常の住居の被害が皆無であった地域もある。
 
「天災は忘れたころにやってくる」というが、こうした先人の教訓を活かした地域と、時間の経過のなかで、そのような教訓が色あせてしまった地域とで、被害に天と地の開きが生じた。

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第二次大戦後に、防潮堤の建設などが進められたが、大自然の猛威は、こうした人工の建造物の力をはるかに上回るものであった。人間は大自然の前に謙虚でなければならないことを改めて今回の災害が教えている。
 
 東電の福島原発でも、自然災害に対する備えが明らかに不十分であった。そのために重大事故が発生したが、原子力事故はひとたび重大事故を引き起こせば、その影響が万年単位で私たちの子や孫の世代にも深刻なダメージを与える点に大きな特徴がある。
 
 今回の事故でも、半歩誤れば、日本全体が重大な放射能汚染地帯と化す可能性があったわけで、この現実を私たちは厳粛に受け止めなければならない。
 
 そのうえで、国のエネルギー政策の方向を、「脱原発」の方向に大転換する必要がある。電力使用量の増加が指摘され、増大する電力需要を賄うには原子力を活用せざるを得ないとの反論が聞こえてくるが、大事なことは、私たちがライフスタイルを根本から見つめ直すことである。
 
 エネルギー消費量を大幅に削減することは十分に可能であり、そのなかに、新しい日本の生活様式、世界に発信できるライフスタイルの主張が必ず生まれてくるはずである。
 
 こうした構造改革のために、将来、電気料金の体系が変更されることは国民の理解を得るものになるだろう。
 
 しかし、東電の原子力事故の責任処理が透明に行われていない段階で、地域独占事業である電力事業の料金引き上げは絶対に容認されない。
 
 東電処理策が決定されないと金融資本市場が不安定化すると主張されているが、自己責任を基軸に置く資本市場では、いかなる企業であれ、重大な失敗を演じれば、株主も債権者も重大な影響を蒙ることは避けられない。

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それにもかかわらず、官僚機構および利権政治屋と癒着している巨大企業であることを理由に、特別の救済策が検討されるところに、この国の前近代性、腐り切った政治と行政の体質が表れるのである。
 
 民主党の国会議員のなかに腐った議員が多数いることは周知の事実である。しかし、正統民主党は、こうした政官業の癒着体質にしっかりとメスを入れることを目標に掲げてきたのではないか。民主党を軸にした野党の健全な議論喚起が強く求められる。
 
 こうしたなかで、もうひとつの重大な問題は、経済の復旧・復興に向けての総合経済政策策定が完全に停止していることである。
 
 首相に居座ることだけを考えている菅直人氏は、政局の視点から第二次補正予算を今通常国会に提出しない方針を模索している。本当に情けない、悲しいリーダーである。国民は見殺しにされるばかりだ。
 
 第一次補正予算も、4兆円のうち、1.5兆円は本予算からの使いまわし、2.5兆円は財源の流用で、不足する2.5兆円を増税で賄うことが検討されている。かつて料亭吉兆で「手つかずの使い回し」が問題になったが、本予算の使い回し補正予算では、景気浮揚効果がゼロである。
 
 経済は着実に急降下を始めている。これから、倒産、失業が本格化し、経済苦を理由にした大量の自殺者が発生することになる。菅政権は福島の子どもたちを甲状腺がんや白血病に追い込み、一般庶民を経済苦自殺に追い込む、殺人政権と呼ばれて反論できないだろう。
 
 経済復興には野ざらしにされている1.1兆ドルの外貨準備のうち、50兆円ほどを円貨に換金して復興総合対策の財源に充てるべきだ。資金は日銀が政府短期証券を引き受けて拠出しているが、これを継続すればよい。
 
 日銀資産の劣化を防ぐために、今後、残高の100分の1.6を毎年度、減債基金に予算繰り入れすればよい。
 
 政府の外貨準備は、野ざらしにしている間に30兆円も40兆円も為替損失を生んでいるものである。このような損失垂れ流しが許されるはずがない。
 
 この政策を実行するためには法令の改正が必要となるから、これと併せて今次通常国会で措置すべきである。
 
 震災復興を独立させ、また会計処理の透明性を高めるために、震災復興特別会計を設置して対処することが求められる。このまま、日本経済の破壊を手をこまぬいて傍観することは許されない。

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2011年5月 9日 (月)

東電不正救済電力料金引上げこそ「政治とカネ」核心

この国では、天下りと政治屋、電波業界、および御用学者への巨大な利益供与によって、刑事上および民事上の事件取り扱いが一変する。
 
 このことを東京電力は実例によって証明しようとしているのか。
 
 電力会社が人為的な過失により、放射能の大量放出という惨事を発生させた。この行為は、当然、刑事上の事件として取り扱われなければならないことである。
 
 ある企業が街中にサリンをまき散らして、刑事上の責任を問われないことがあるだろうか。
 
 放射能放出量のレベルは、国際原子力事象評価尺度の基準にあてはめると、人類史上最悪のレベルであり、すでに「レベル7」との判定が示されている。
 
 チェルノブイリにも匹敵する放射能を撒き散らしているのであるから、当然、その事故処理には膨大な資金が必要になる。
 
 ところが、政府は東京電力に責任を求めず、あろうことか、電力料金の引き上げによって、一般国民にその負担を強制することを企てている。
 
 本来は、東京電力が株式会社制度の有限責任の範囲内で、可能な限りの責任を果たす。損害賠償金額は東電の支払い能力を超えるであろうから、経営体としての東電は法的処理に持ち込まれる。
 
 東電が法的処理に持ち込まれると、東電の経営者、東電の株主、東電の債権者、そして東電の社員に応分の負担が課せられる。しかし、法的処理の各種手法を用いることにより、電力事業そのものを継続させることは可能である。電力の安定供給という公益を守ることは十分にできる。
 
 政府が公正と正義を重んじるのであれば、当然にこの道を選択する。これが「自己責任」を基本に据える資本主義の順当なルールである。
 
 焼き肉店が業務上の安全管理義務を怠って、死者を生むような食中毒事故を引き起こしたとしよう。通常の行政措置が取られるなら、事業者は厳しく責任を問われるはずである。
 
 事故発生に伴い、巨額の損害賠償責任が発生し、企業の支払い能力を超えてしまえば、企業は法的整理にかけられねばならなくなる。厳しいけれども、これが資本市場のルールである。
 
 ところが、東電の場合、企業そのものが、政・官・業・学・電の巨大癒着構造を構築してきた歴史を背負っている。
 
 政治屋への利益供与、巨大な天下り構造、御用学者・御用大学への巨大な利益供与、電波業界への膨大な広告料支払い、によって、政も官も学も電も、「正義と公正」に基づいて行動できない構造が作り上げられてきてしまっている。

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東電株価が400円台で推移していることは、東電が可能な限りの資金負担を免れるとの市場の観測を示している。
 
 日本航空の場合もまったく同様であった。日本航空の責任が適正に問われないとの予想が支配している間は、株価が3ケタで推移した。しかし、一民間企業としての責任が問われることになった結果、株価は急落、株式は上場廃止になり、日本航空は法的整理されることになった。
 
 海江田経済産業相は、東電の電気料金引上げを容認する考えを示したが、このような拙速な対応を取るなら、東電に対する適正な責任処理は実現しえない。適正な責任処理を行わないために電気料金引上げ容認の方針を示したのだと思われるが、「悪代官行政」そのものである。
 
 政府が賄賂をもらい、賄賂を贈った悪徳業者に不正な便宜を供与する。
 残念ながら、これが日本の現状である。
 
 この現実を変えるためには、まず、天下りを全廃する必要がある。東電の問題が俎上に載っているが、東電の問題を少しでも透明に処理しようというなら、まずは、経産省等から電力会社および電力関連団体への天下りを全廃する必要がある。
 
 目に見える、このはっきりとした癒着をそのままにして、東電救済策を強行実施することは、政府がみずから「悪代官行政」を宣言するに等しい。
 
 最終的には、日本国民の問題である。日本国民がこのような「悪代官行政」を容認するのかどうかが問われるのだ。日本国民が「悪代官行政」を容認するなら、日本国民は、自らの意思で、非近代国家としての日本を容認することになる。日本の体質は何ひとつ変わらないだろう。
 
 2009年8月の政権交代で、日本は刷新されるチャンスを得た。しかし、旧来の「悪代官政治」を求める利権複合体の力が強烈で、現実が、この方向に大きく引き寄せられてきている。その中心を担っているのが、悪代「菅」政権である。
 
 浜岡原発停止要請は、電気料金引き上げを強行実施するための方便として示されたものである可能性がある。しかし、主権者国民が、この国の「悪代官政治」を一掃しようとするなら、この料金引き上げを絶対に容認するべきでない。東電に対する適正な責任処理を求めるべきである。
 
 悪代菅政治を容認するのかどうか、国民の矜持が問われている。

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2011年5月 8日 (日)

東電原発事故損害賠償方式決定前に天下り全廃を

政府による浜岡原子力発電所原子炉停止要請に対する中部電力の対応が遅い。また、原子力発電所の安全性確保を優先するのであれば、浜岡以外にも、一時運転を停止して安全性を確立するべき発電所がいくつも存在する。順次、適正な措置を取ることが求められる。
 
 しかし、我々が留意すべきことは、中部電力浜岡原子力発電所運転停止の問題と、東電の電気料金値上げの論議を結び付けてはならないことだ。
 
 東電は株式市場に上場する完全な民間会社である。事業の失敗による損失に対する責任は東電が負わねばならない。
 
 損失額が大きく、債務超過に陥るのであれば、法的手続きによって企業再建の手続きを取る必要がある。
 
 電力事業の公益性は大きく、電力の安定供給は必要だ。しかし、企業の経営責任を各種法的手続きによって処理をしても、破産による清算を行わない限り、電力供給を維持することは可能である。
 
 この点を理由とする国民負担による東電救済は、一民間企業に対する対応のあり方として不正である。

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政府と電力業界の間には、巨大な天下り利権を通じる癒着構造がある。電力会社本体にも多くの官僚OBが天下りして、巨大な利権を吸い取っている。周辺の独立行政法人や公益法人を含めれば、天下り利権の規模は極めて大きい。
 
 政府は東電に対する処理策を決定する前に、電力業界関連の天下りを完全に廃止することを決定するべきである。
 
 このような折に、政府は財務省から横浜銀行への天下り人事を決定しつつあるが、財務省も同じである。財務省にとっての最重要天下り先が日本政策投資銀行で、日本政策投資銀行は東京電力のメインバンクである。東電に対して適正な処理を行うと、日本政策投資銀行が巨大な損失を蒙ることになる。
 
 財務省にとっての最重要天下り先である日本政策投資銀行を守ることも、東電に対する不公正な処理策立案の背景にある。
 
 横浜銀行や西日本シティー銀行は、歴代頭取ポストを財務省に献上することによって、各種の行政上の便宜を得る選択を示してきたが、このような習慣こそ、旧弊、是正するべき因習なのである。
 
 日本が近代国家に生まれ変わるには、
①官僚天下りを根絶すること
②政治献金を全廃すること
③対米隷属の外交姿勢を排除すること
が必要不可欠である。
 
 東電処理においては、政官業の癒着を排し、透明性のあるスキームを提示しなければならない。東電には厳しい措置に見えるかも知れないが、これが原子力ビジネスにのめり込むことのリスクなのである。このリスクが表面化した時に、政府が国民に負担を強いて、電力会社を救済するなら、この原子力事故の教訓は絶対に活かされることがない。安易なスタンスが永続してしまうのである。
 
 民間企業として、資本市場のルールに乗って行動が許されてきた企業である限り、失敗を生じたときも、適正に資本市場のルールに沿って処理を進めなければならない。

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2011年5月 7日 (土)

浜岡原発即時停止の次は福島の子どもリスク排除だ

5月3日に
「原子力利権複合体を抑え脱原発大方針を定めよ」
と題する記事を書いた。
 
 このなかで、
中部電力浜岡原子力発電所は、巨大地震の予想震源域の真上に立地し、しかも、巨大津波への対応が十分ではない。直ちに運転を停止して、安全対策を講じるべきだとする主張に理があることは明白だ。」
と指摘した。
 
 また、
「日本の発電量に占める原子力発電の比率が3割にも達している現状を踏まえれば、脱原発など非現実的であるとの主張がすぐに聞こえてくる。
 
 しかし、この事実には裏側があり、日本の発電事情を考察する場合に、極めてミスリーディングである。」
と指摘し、脱原発の方向に、日本のエネルギー政策を大転換することは決して不可能でないことを記述した。
 
 菅直人氏が浜岡原発の原子炉を、確実な安全体制を構築できるまで停止する指示を示したことは適正である。ただし、菅直人氏はただひたすら、総理の椅子にしがみつくことだけを優先して行動している可能性が高く、今回の行動もその文脈上で理解するべきものであると思われる。菅政権倒閣運動の本格化を見据えて変化球を投げたと考えられる。こうした私益優先の人物は即刻首相を辞任すべきであることはいまも変わりはない。
 
 浜岡原発については、直ちに原発の稼働を停止して、必要電力が供給できるかどうかについての懸念が表明されているが、そのリスクは大きなものではない。
 
 中部電力の発電能力に占める原子力の比率は14%に過ぎない。現実の発電量に占める原子力の比率が高いのは、限界的な採算で、原子力が有利であるため、電力会社が原子力を可能な限りフル稼働させているためである。
 
 原子力発電所が大きな事故を発生させれば、国内に原爆を投下されたのと同等の被害が発生する。日本そのものの存続を脅かすばかりでなく、地球的な規模での危機を招く恐れさえある。
 
 歴史の途上に発生してきた現代人に、地球の未来を消滅させる自由権限はない。「子や孫の世代のため」にも、巨大リスクは排除しなければならないのだ。

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私に寄せられた情報によると、福島原発の放射能事故の主因は津波による損傷ではなく、地震による損傷であるとの疑いが生じているとのことである。
 
 福島原発地点の地震による揺れは震度5ないし震度6であり、もし、この程度の揺れの地震で電源喪失の事態が生じたということになれば、日本全国の原発の安全性が根本から問われることになる。
 
 115年前の津波規模の津波に備えていなかったことは当然に重大だが、日本で頻発する震度7規模の地震に原発が耐える力を持っていないということであれば、すべての原発の稼働を即時停止しなければ、安全は確保できないということになる。
 
 もうひとつ、直ちに実行しなければならないことは、福島の子供たちに対する被曝上限値の引き下げである。
 
 チェルノブイリの事例を見ても、被曝による甲状腺がんや白血病発症には、長い時間がかかる。10年程度の時間を経て見なければ、放射能の影響を判断することは不可能である。
 
 ICRP(国際放射線防護委員会)が提示する1~20ミリシーベルトという数値の意味を、日本政府は曲解すべきでない。
 
 ICRP勧告に示される1~20mSv/yは、一般公衆に被曝上限を1mSvとし、原子力関連事業の専門従事者に例外的に20mSvの被曝を許容するものである。小学校の児童に20mSvの被曝を強要するのは、極めて危険な行為である。殺人政権と呼ばれて反論はできない。
 
 菅政権が子どもの被曝量上限値を引き下げないのは、ただ一点、費用がかかるからである。この政治姿勢こそが糾弾されねばならないのだ。安全策を採って被害を蒙る人はいない。危険策を採って、あとで多数のがん発症を招いたのでは手遅れなのである。
 
 "Be on the Safe Side"

という言葉がある。原子力災害への対応こそ、この「安全策」が不可欠なのだ。安全が確認されれば、避難体制を緩和すればよい。
 
 菅政権では、初動から、危険に対する対処の基本姿勢が間違っている。「安全だ」を繰り返し叫びながら、避難エリアを五月雨式に拡大してきた。避難が遅れたことによる弊害が必ず表面化することになる。
 
 まず、万全の避難体制を敷いて、状況の変化に応じて、避難体制を漸次緩和してゆくのが正しい対応方法である。
 
 浜岡原発の即時停止を決めたのなら、続いて、直ちに福島県の子どもたちの命と健康を守る対応を取らねばならない。

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2011年5月 6日 (金)

原発事故責任国民転嫁の菅政権東電救済策を糾弾

 福島原子力発電所における放射能放出事故は、東京電力が福島原子力発電所の構造設計において、当然に想定しておくべき津波への対応を怠ったことにより発生した人災である。また、国は原子力発電所の運転許可に際して、地震や津波への対応を事業者に義務付ける責任を負っており、事故を発生させた責任は政府にもある。
 
 東京電力が引き起こした原子力事故は、原子力事象国際評価基準において最悪レベルである、「レベル7」に区分された。極めて深刻な影響を与える放射能を発電所外部に放出してしまったのである。
 
 人類史上最悪の放射能放出事故を引き起こしてしまったのであるから、その経済的損失は大きく、東京電力は事故を引き起こした当事者として、その損害を賠償する責任を負う。
 
 この判断の下で、東電による損害賠償の方法を、原子力損害賠償紛争審査会が検討を行っているが、適正な責任処理を行う提案が示されない可能性が高まっている。
 
 原子力損害賠償紛争審査会のメンバーは以下の通りであるが、多くの委員が経済産業省と深い関わりを有しており、経済産業省の意向に沿う提案を示しているからだ。
 
 大塚 直  早稲田大学大学院 法務研究科 教授
 
 鎌田 薫  早稲田大学総長 早稲田大学大学院 法務研究科 教授
 
 草間 朋子 大分県立看護科学大学 学長
 
 高橋 滋  一橋大学大学院 法学研究科 教授
 
 田中 俊一 財団法人 高度情報科学技術研究機構 会長
 
 中島 肇  桐蔭横浜大学 法科大学院 教授/弁護士
 
 能見 善久 学習院大学 法務研究科 教授
 
 野村 豊弘 学習院大学 法学部 法学科 教授
 
 山下 俊一 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 研究科長
 
 米倉 義晴 放射線医学総合研究所 理事長

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田中俊一氏は原子力委員会委員長代理であり、政・産・官・学・電利権複合体の中心に位置する人物である。
 中島肇氏は裁判官出身の弁護士である。
 野村豊弘氏は経済産業省所管の産業構造審議会委員などを務めた人物である。
 山下俊一氏は、福島の原子炉で仮に爆発が起きても、放出される放射能はチェルノブイリの1000分の1から10000分の1だと断言していた、よく知られている御用学者の一人である。
 米倉義晴氏は、独立行政法人の理事長であり、やはり、利権複合体のインナーサークルのなかで活動してきた人物である。
 
 このようなメンバーで構成される審査会が、公正と正義に基づく判断を示すはずがそもそもないのだ。経済産業省が利権複合体の中核メンバーとして、東電救済のスキームを作成し、審査会の委員に根回しして、政府案を決めようとしているのだ。

 経済産業省は電力業界と行政と天下りの関係で、深い癒着関係を有している。経済産業省は電力業界への天下り利権を維持しようと考えており、このため、東京電力に適正な責任を求めずに、原子力事故に伴う損害賠償負担を国民に転嫁する提案を検討している。
 
 これだけの重大事故を引き起こし、そのうえ、自分たちの利権のために、電力会社を守り、電力会社の責任を軽減し、国民に負担を転嫁することが通用するわけがない。このようなふざけた提案を、もし、菅政権が示すなら、即刻、菅政権を退陣させなければならない。
 
 これだけの事故を引き起こしながら、なおかつ、大甘の責任処理を行うから、この失敗の教訓が活かされないのだ。
 
 津波の教訓も、マスゴミは、あえて1896年の明治三陸地震津波の事例を隠蔽するが、いまから115年前に三陸で発生した津波で、標高38メートルまで海水が押し寄せたことが記録に残されているのである。
 
 今回の津波では、これを上回る箇所が生じているが、津波の規模としては、ほぼ同規模であったと見られる。この規模の津波が岩手県で観測され、また、多くの地点で15メートルを超す高さの津波が観測されているのであるから、少なくともこの規模の津波を想定しておかなければならなかったことは当然である。
 
「想定外」の表現は、津波の事実調査を完全に怠っていたことを告白するものであって、免責に理由になりようがない。
 
 菅政権は、電力の安定供給を確保する視点から、東電を債務超過にしないなどとほざいているが、国民にウソをつくことはもうやめるべきだ。
 
 いま問われていることは、経営体としての東京電力の責任を問うのか問わないのかという問題である。これと、安定供給の問題は、完全に切り離すことが可能である。経済産業省が巨大利権を守るために、東電の経営責任を問わないようにするために、口から出まかせの屁理屈をこねまわしているだけに過ぎない。
 
 損害賠償は、まず、東電の資金を用いるべきで、債務超過になる場合には、株式価値をゼロにして全株政府保有にすればよい。一時国有化措置である。そのうえで、企業を再建すればよいのだ。電力の安定供給に支障が出ないように対応すれば、何の問題もない。
 
 株主が責任を負うのは当然のことであり、民間企業の社債である限り、経営が破たんすれば、債券の額面全額の償還が不可能になる場合は当然生じる。
 
 東電社債に政府保証が付いていたのなら、政府が補償しなければならないが、政府保証のない民間企業の債券であるなら、投資リスクは存在しており、そのリスクは投資家が認識していなければならないものである。
 
 今回の事故は重大であり、損害賠償金額もどこまで膨らむかまだ判明しない。場合によっては東京電力が債務超過に陥り、経営体としては破たんすることも考えうる。

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ここに原子力利用の負の側面、巨大なリスクのひとつが存在している。事業者が、本当にこのリスクを認識して、これまで原子力利用を進めてきたのかどうか。その点が問われているのである。
 
 ひとたび事故を引き起こせば会社が吹っ飛ぶ。この緊張感をもって、これまで原子力事業が推進されてきたのか。この点を考えねばならない。
 
 ひとたび、問題が発生した時に、再び責任処理も曖昧にすれば、何が起こるのか。それは明白である。
 
 原子力事業の恐ろしさを真正面から受け止めることなく、安易に利益追求、利権確保のために原子力事業に突進してゆくことになる。
 
 だから、絶対に、モラル・ハザード(倫理の崩壊)を引き起こさない責任処理、厳正な責任処理が必要なのだ。
 
 日本全国に54基もの原子炉が存在する。これらの多くが、その安全性に重大な疑問が持たれている。東電が事故を引き起こし、その結果、経営体としての東電が破たん処理に至ったとの現実が存在して、初めて、全国の電力会社経営陣に緊張感が走るのだ。
 
 安易に東電を救済してみるがよい。全国の電力会社経営者は、国民負担の上にあぐらをかいて、次の取り返しのつかない原子力災害を引き起こすまでの間、絶対的な安全対策など、絶対に講じることはないだろう。
 
 政府が検討している案が、公正と正義を欠いていることは、東電の株価に表れている。東電がぎりぎりの負担を強いられることになるなら、東電株価は必ず50円以下に下落するはずである。最終的にはゼロになる公算が限りなく高い。
 
 400円近辺で推移しているのは、政府の大甘東電救済策を株式市場が想定しつつあるからだ。
 
 最終的に決定権を持つのは主権者国民である。主権者国民には、総選挙の際の投票権がある。不公正で不正義な政策運営を行う政権は、主権者国民がつぶす。これだけは間違いない。個別の候補者ごとに、問題処理策に対する賛否を色分けして国民は投票することになる。
 
 福島の子どもたちに発がんの宿命を強制する一方で、事故を発生させた事業者を救済する政府を、いつまでも国民が許すわけがない。
 
 民主主義国家において、主権者国民の公正と正義を求める視点を甘く見てはいけない。国民は菅直人政権の不公正と不正義を絶対に許さないはずだ。

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2011年5月 5日 (木)

放射能重大事故責任処理は社長会長現地謝罪から

Photo_2 東京電力は絶対に起こしてはならない事故を引き起こしてしまった。事故発生の原因は、事業者が想定しておくべき津波への対策を怠っていたことにある。東電役員が原子力発電を行うために必要不可欠の善管注意義務を果たしていなかったことも明らかである。また、国も原子力発電所の運転認可において、まったく同じ責任を問われる存在である。
 
 現在は民事上の損害賠償に関心が集中しているが、当然、東京電力の刑事責任が追及されなければならないだろう。
 
(東電勝俣恒久氏3月30日会見→) 
 
 
 政府は東京電力の責任を曖昧にし、損害賠償の負担を一般国民に押し付けるという驚愕の東電救済案を検討しているようだが、このような案が通用するはずがない。全国の電力会社11社には経済産業省OBが顧問や役員で13人が在籍している。
 
 このような癒着関係から、東京電力に対する適正な責任処理が歪められることは許されない。このような不公正で不正義な事業者救済案をぬけぬけと提出するような政府は、国民の力で倒さねばならない。
 
 Photo_3 東電が原子力事故を発生させてから、すでに2ヵ月近くも経過している。原発近隣に居住する住民は、東電が発生させた重大事故により、極めて困難な生活を強いられている。責任ある当事者である東電が地元住民に謝罪すべきことは当然だが、これまで、この基本の謝罪すら、ほとんど行われてこなかった。
 
 事故発生後、会社を代表する社長は3月13日に会見を行った後に姿を消し、会長が会見を行ったのは3週間も経過した3月30日である。
 
(関電藤洋作氏 2004年8月31日→)
  
 3月31日付け記事
「真摯な謝罪姿勢が感じられない勝俣東電会長会見」
に記したが、東電の姿勢には、起こしてはならない重大事故を引き起こした当事者としての真摯な反省の姿勢がまったく見られない。
 
 関西電力が美浜原発で事故を引き起こした際、社長の藤洋作氏は直ちに現地に入り、真摯な謝罪の姿勢を示した。事故で死亡した原発作業員の通夜に駆けつけ、自ら土下座して謝罪する姿勢を示したのである。
 
 ところが、関西電力会長の秋山喜久氏は表から完全に姿を消し、一切の謝罪を藤社長に押し付けた。藤社長は引責辞任したが秋山会長はそのまま会長の座に居座った。
 
 JR西日本が福知山線で重大事故を引き起こした際も、JR西日本の経営体質を生んだ最大の責任者である井手正敬氏は最初から最後まで雲隠れ状態を貫いた。人間としての心の有りようが、このような有事の際の行動に表れる。

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Photo_4 東京電力の鼓紀男副社長は5月1日に福島県飯館村を訪れたが、避難住民は、なぜ社長、会長が来ないのかと詰め寄った。
 
 地元住民が体育館の地べたにそのまま座るなか、東電幹部職員は座布団を外すこともなく謝罪の席に座った。体育館の上座に東電職員が位置し、下座に地元住民が座らされる配置に、問題の構造が浮き彫りになっている。
 
 東電が謝罪のために訪問するなら、自らの配置を下座に設定するなり、せめて座布団をはずす程度の気配りをする必要がある。
 
 会長は対外的に会社を代表する人物である。会社をあげて謝罪の意思を示す意思があるなら、社長、会長が連れだって、すべての避難所を訪問して謝罪するべきだろう。
 
 菅直人政権は電力事業の公共性に鑑み、電力供給の安定性を重視する視点から東電の債務超過を避けるとの方針を示しているが、言語道断の判断である。
 
 この問題については稿を改めるが、公共性の観点から電力の安定供給を図ることと、東京電力の責任を適正に問うこととはまったく別の問題である。つまり、東電の責任を適正に問い、他方で、電力の安定供給を実現することは十分可能なのだ。
 
 こんな子供だましの説明で、国民負担により東電を救済することが通用するわけがない。菅直人氏が内閣総理大臣の地位にあるからといって、何から何までやりたい放題をできると思うなら大きな間違いである。東電に対する責任追及が著しく甘いものであることは現在の東電株価が明白に物語っている。
 
 そもそも日本国民は菅直人氏を総理大臣として信任しないことを、2010年7月の参院選ではっきりと意思表示しているのである。菅直人氏は、この瞬間に辞任すべきであったのに、なお、私利私欲のためだけに、いまも総理大臣の椅子にしがみついている、ただの権力亡者である。その権力亡者が、不公正で不正義の政策をさらに進行させることは許されない。
 
 被災地に何度も無駄なパフォーマンスのために足を運ぶ時間があるなら、その前に、福島の子どもたちを死の道に誘導する殺人放射能基準を直ちに是正するべきである。
 
 日本では法律で、一般人の年間被曝量上限は1ミリシーベルトに定められているのだ。20ミリシーベルトはその20倍であり、殺人政権と呼ばれて、いかなる反論もできないはずだ。
 
 このような状況が続くなら、最終的には各地で暴動が生じるだろう。暴動によって、実力で政治体制を変革しようとの意思が生まれるのは、極めて順当な情勢になりつつある。

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2011年5月 4日 (水)

テレ朝報ステが東電社長現地謝罪を大幅編集報道

テレビ朝日の「報道ステーション」が、5月4日に東京電力の清水社長が福島県の原子力災害被災地を訪問した模様を報道した。
 
 しかし、その内容は、TBSが夕方のニュースで報道した内容と比較すると、重要な部分が大幅に編集されたものであった。
 
 夕方のニュースでTBSが報道したのは以下のYOU TUBE映像である。
 
「福島の避難所訪問 東電社長に怒号」(
YOU TUBE)
 
 ところが、報道ステーションでは、
①住民が清水社長に土下座を求め、清水社長が土下座をした。
②見舞金の100万円は3、4ヵ月でなくなり、その先のことを考えてもらっているかとの住民の質問
③100万円など、あなた方が一晩に飲んでなくなるようなお金をもらって、みんなが納得するとでも思っているのかとの発言に住民から拍手が沸いた場面
 
が、すべて削除されていた。
 
 東京電力は、いまでもテレビ朝日にとって、最重要顧客=スポンサーなのであろう。
 
 しかし、東京電力のこれまでの誠意の乏しい謝罪姿勢に対する原発被害住民の感情、極めて少額の被害住民への見舞金などの現実を正しく伝えるのが、報道の責任であるのに、企業との癒着で、その責任を放棄しているのがテレビ朝日「報道ステーション」である。
 
 東電では、体調不良の清水社長が誠意を示しているが、会社を代表する勝俣恒久氏が雲隠れを決め込んでいるようである。会長が率先して謝罪行動の先頭に立つべきであると思われる。会長の責任が強く問われている。

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罪なき子を発がんに追い込む菅殺人政権に退場を

原子力の専門家として菅直人氏がわざわざ内閣官房参与に起用した東京大学教授の小佐古敏荘氏が、福島県の学校の校庭使用基準について、年間放射線被曝量上限を20ミリシーベルトと定めた政府に抗議して辞任した。学者の良心に照らし、政府方針を容認できないことを告白した。これが、心のある科学者の正しい姿勢である。
 
 年間20ミリシーベルトの基準は、校庭に出る時間が1日の3分の1に留まるとの前提に基づく数値で、1時間当たりの放射線量として、3.8マイクロシーベルトまでが容認されるということになる。
 
 400日間の放射線量は、1時間当たりの放射線量の1万倍であるから、400日間で38ミリシーベルトの放射線量があるということになる。
 
 多くの専門家が指摘するように、10年、20年経過すると、いまの子供たちの多くががんを発病する可能性は極めて高いと考えられる。
 
 東電の放射能放出事故がなければ、被曝する必要のない子どもたちが、高濃度の放射線を浴びなければならない事態に追い込まれている。
 
 直ちに年間被曝量上限値を引き下げて、子どもの移動などの措置を取る必要がある。
 
 政府が、この措置を頑なに拒絶している理由はひとつしかない。この措置を取るために費用がかかるからだ。原子力事故に伴う損害賠償金額が拡大することになる。
 
 この損害は東京電力が負う必要があるが、電力業界に大量の天下りを送り込んでいる政府は、東電に適正な負担を求めない方針を打ち立てようとしている。東電の支払い能力を超える部分は政府が負担しなければならないが、政府はこの責任から逃れようとしている。
 
 つまり、福島県に在住する子どもたちの健康と生命と引き換えに財政支出を切り詰めようとしているのだ。
 
 福島の子どもたちが、政府の反対を押し切って原子力発電を福島に誘致したというなら、このような措置も妥当であるかも知れない。しかし、真実は異なる。政府と東京電力が「絶対安全」だとして原子力発電を推進してきたのだ。
 
 その原発で重大事故を起こして、放射能をまき散らし、そのうえで、子どもを確実に安全な圏内に避難させないとは、開いた口もふさがらない。

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こんな殺人政権には1秒でも早く退場してもらう必要がある。
 
 世論調査が大好きなマスゴミは、
 
「年間20ミリシーベルトの基準を引き下げて、福島の子どもたちの生命と健康を守るべきだと思うか」、について世論調査を実施すべきだ。
 
 政府がいかなる言い訳をしても通用しない。政府は、福島の子どもの生命と健康を犠牲にして、東電と政府の費用負担を節約しようとしているだけに過ぎない。後ろにあるのは、利権につながらない政府支出拡大には背を向ける霞が関と利権議員の姿がある。
 
 民主党の原口一博議員はテレビ番組で、政府方針を激しく糾弾した。民主党参議院議員の森ゆう子氏も、参議院予算委員会で、政府方針の改定を厳しく求めた。
 
 民主党のなかにも、正論を主張する人々がいる。すべてが、小沢-鳩山ラインにつながる「正統民主党」に属する議員だ。
 
「悪徳民主」の悪徳10人衆によって結成されている菅直人政権は、もはや国民の敵以外の何者でもない。補正予算も成立したいま、直ちに退場させて、人心一新を図る必要がある。

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2011年5月 3日 (火)

原子力利権複合体を抑え脱原発大方針を定めよ

東京電力は福島第一原子力発電所で、絶対に起こしてはならない人類史上最悪のレベルに区分される放射能放出事故を引き起こしてしまった。
 
 原子力利用の最大のリスクは、万が一事故を発生させたときの影響が甚大であることだ。事故の程度によっては、一国全体を放射能の恐怖に陥れる。地球規模で放射能汚染をもたらすことも警戒される。
 
 放射能の恐ろしさは、その脅威が万年単位の長期にわたって持続することである。
 
 財政論議で常套句として使われる「子や孫の世代のために」という言葉は、原子力利用を考える際に、より適切な判断基準になる。
 
 なぜ、これほどまでに深刻な事態を引き起こす原子力であるにもかかわらず、原子力利用の強力な力が働き続けてきたのか。
 
 人類の幸福を追求して原子力利用が唱えられてきたのなら、原子力利用に目くじらを立てる必要もないだろう。ところが、真実は、多くの関係者が原子力利権に群がり、死体に群がるハイエナのように、原子力利権を漁ってきたことにある。
 
 電力、重電、プラント、ゼネコンなどの原子力産業界、官僚機構、御用学界、利権政治屋、マスゴミ、そして米仏の原子力シンジケートが、ただひたすら利権のために原子力事業を推進してきたのである。
 
 日本は第二次世界大戦で核兵器を投下された世界で唯一の国である。ファットマンとリトルボーイと名付けられた2個の原子爆弾が長崎、広島に投下され、ごく短期間に21万人の同胞が命を奪われ、多数の生存被曝者を生み、いまなおその後遺症が私たちの同胞を苦しめ続けている。
 
 戦後、日本では当然のことながら反核運動が活発化したが、米国は対日支配政策の一環に、日本における原子力利用の強制を位置付け、米国の意向を受けた日本人代理人を通じて、日本における原子力利用を強力に推進してきたのである。
 
 米国は日本が核保有国になることに警戒感を持ちながらも、日本がいつでも核保有国になれる状況を作り出してきたとも言える。原子力平和利用推進の裏側に、核兵器保有へのプロセス確保の思惑が、日米双方に存在し続けてきたことも否定できない。

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米国の対日支配政策のなかでの原子力平和利用推進の謀略については、
4月4日付記事
「原発政策を誘導した米国核政策必見ドキュメント」
をご覧いただきたい。
 
「絶対安全」だとされてきた原発がいとも簡単に重大事故を引き起こした。その理由が、わずか115年前に起きた津波の規模に対応する構造が用意されていなかったことにあったことも判明した。
 
 日本は世界でも有数の地震国、津波国である。「TSUNAMI」がそのまま英語で通用することが語るように、津波は日本固有の代表的な自然災害である。
 
 原子力発電所を建設する際に、地震と津波への対応を万全にすることは、基本中の基本であると誰もが思う。ところが、その備えが存在せず、今回の事故が起きた。
 
「万全の安全設計」の内情の一端が、今回の事故で明らかにされたわけだが、これが紛れもない真実であることを踏まえれば、「絶対安全」神話を二度と信じるわけにはいかなくなる。
 
 中部電力浜岡原子力発電所は、巨大地震の予想震源域の真上に立地し、しかも、巨大津波への対応が十分ではない。直ちに運転を停止して、安全対策を講じるべきだとする主張に理があることは明白だ。
 
 日本の発電量に占める原子力発電の比率が3割にも達している現状を踏まえれば、脱原発など非現実的であるとの主張がすぐに聞こえてくる。
 
 しかし、この事実には裏側があり、日本の発電事情を考察する場合に、極めてミスリーディングである。
 
 原子力発電は、設備敷設に巨大な資金が必要だが、ここには巨大な財政資金が投入されている。電力会社の限界的なコストである、単位発電量あたりのコストでは、火力や水力に比べて原子力が大幅に低い。したがって、電力会社はまず原子力をフル稼働し、電力利用量の変化に応じて火力や水力発電を用いる。
 
 したがって、結果で見る発電量に占める原子力の比重が高くなるのだ。
 
 これに対して、発電能力に占める原子力の比率はかなり異なるものになる。
「宗子時空」様が提示されている数値を紹介すると、
 
•日本全体で発電能力は22608kW。原発を抜くと17560kW
•電力需要のピーク(最大電力)20017月の18200kW
(
ソース:「日本の電力消費 - 電気事業の現状 | 電気事業連合会【でんきの情報広場】」)
•東京電力の供給能力は6266kW。原発を抜くと4535kW
•東京電力の電力需要のピーク(最大電力)2001724日の6430kW
(
「ソース:TEPCO : プレスリリース | 最大電力の記録更新について(今夏5回目)」)

である。
 
 日本全体で言えば、過去のピーク時電力が18200万KWで原子力を除く発電能力が17560万KWであり、原子力を除く発電能力はピーク時電力を小幅下回るが、その差は驚くほど小さい。また、発電能力に占める原子力の比率は22%にとどまる。
 
 ピーク時電力は、真夏の猛暑日で、全国で高校野球中継を視聴しているような時間帯に記録される電力使用量で、365日の電力使用量からすれば、極めて例外的に生じるような電力使用量である。

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つまり、これから日本のライフスタイル、経済政策方針を変えることで、日本においても脱原発は十分に可能なのである。
 
 JR東海が東京-大阪間にリニア新幹線を新設するなどの構想を発表しているが、このような時代錯誤の試みを全面的に見直すことが不可欠である。
 
 在来新幹線に比べて、リニア新幹線は使用電力が桁違いに大きくなると見られている。
 
 夏の冷房温度の調節を含めて、私たちはライフスタイルを全面的に見直して、電力使用量の削減に努めるべきであると思う。夜のネオンサインも必要不可欠なものではない。家庭内の照明も欧米に比べると、日本は著しく明るく設定されている。
 
 深夜にテレビ局が競って同じような放送を垂れ流す必要もないだろう。夏の電力利用ピーク時間帯は、テレビ放送を持ち回りで1社か2社かに限定することなど、工夫の余地は無限に広がっている。
 
 福島での重大放射能放出事故の教訓を今後に生かさなければ、この事故による多大な犠牲は浮かばれることはない。
 
 脱原発は十分に現実的な目標なのである。日本は政界唯一の核爆弾投下を受けた国として、核廃絶の先頭を進んでゆくべきだと思う。

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2011年5月 2日 (月)

死者2名食中毒焼き肉えびす社長驚愕の逆切れ会見

富山、福井両県の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の店舗で、食事をした男児計2人が腸管出血性大腸菌O(オー)111に感染し死亡した集団食中毒で、この焼き肉チェーンを経営するフーズ・フォーラス社(金沢市)社長の勘坂康弘社長が、記者会見で逆切れする醜態を晒している。
 
 この食中毒事故が発生する直前に、この焼き肉チェーン店が全国放送で紹介されていた。まずは、そのYOU TUBE 映像をご覧いただきたい。
 
「人生が変わる深イイ話
【殺人焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」】
 

 全国放送が、同焼き肉チェーンを絶賛する放送を行った直後に、悲惨な死亡事故が発生した。
 
 食中毒の原因は「えびす」が提供した「ユッケ」にあると見られている。この「ユッケ」に用いた肉について、東京の卸売業者が供給した「加熱用」の肉であったことが判明したことから、「加熱用」の肉を「生食用」として提供したと報道されたことに対してフーズ・フォーラス社の勘坂社長が会見で激高した。
 
 厚生労働省の衛生基準に生食用の牛肉を提供するためのものがあるが、現実にはこれをクリアする出荷体制が存在しないため、現実に「生食用」として牛肉が提供されている例はないという。
 
 つまり、焼き肉店等で提供される「ユッケ」などの生肉は、飲食業者の独自の判断で提供されているものであるということだ。
 
 生肉である「ユッケ」を提供している焼き肉店は数多くある。こうした焼き肉店は入荷した肉を独自の判断で生食用として提供しているということになるわけだ。勘坂社長はこの点に食いついて逆切れ会見を行った。その映像は、消去されぬうちに下記動画をご覧いただきたい。
 
「「生食用の肉など流通していない」社長が釈明会見」
 
 メディアが、フーズ社が「加熱用」の肉を「生食用」に提供していたと報道したことをうけた社長の反論である。
 
①「生食用」の牛肉は日本には流通していない。
②「加熱用」の牛肉で「ユッケ」を提供することを法律で禁止してもらいたい。
③当社の行動は、全国の焼き肉店とまったく同じことをしただけである。
 
というものだ。

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東京の卸売業者が、フーズ社が「ユッケ」として販売することを認識していたことをうかがわせる2年前のメールコピーも提示された。
 
 しかし、上記の事実関係は、フーズ社を免責にするものではまったくない。
 
 そもそも、「ユッケ」を280円で提供するための牛肉を、フーズ社はキロ単価いくらで入荷していたのか。東京の卸売業者の衛生管理等について、どこまで綿密な分析、検査をしてきたのか。
 
 全国の焼き肉店の多くが「ユッケ」を提供しているのは事実だ。しかし、生肉を提供するからには、すべての焼き肉店が、相応の厳しい注意を払っているのが現実ではないのか。
 
 その当然の注意義務をフーズ社が適正に果たしていたのかどうかが問われているのである。仮に万全の注意義務を果たしていたとしても、結果的に2名もの死者を出してしまったことが現実であるなら、経営者はその結果をまずは真摯に受け止めることが先決である。
 
 飲食業において何よりも重視しなければならないことは、「食の安全」である。フーズ社の提供した商品を飲食して、すでに二人の尊い命が失われているのだ。いかなるルートで、いかに安い食材を仕入れたとしても、ひとたび仕入れて、「えびす」の名前で消費者に食材を提供する以上、その全責任を事業者が負うことは当然のことである。
 
 記者会見では、生食で提供してきたこの牛肉に関して、2年間も一切、検査を行ってこなかったことが明らかになった。
 
 高価な価格で、ユッケとして提供して絶対安全だと業者が保証する商品を仕入れ、衛生管理に万全の体制を執りながら、事故が起きたとすれば、過失の程度は低くなるかも知れない。それでも、提供した食材で食中毒を出すことは、外食産業における致命傷であることを、この社長は認識していないとしか思えない。
 
 「生食用」ではない安価な肉を仕入れておいて、2年間も検査なしに生食用として商品を提供し続けてきた事実が、驚愕そのものである。
 
 このような腐った業者が大手を振ってまかり通っている現実を、消費者は改めてしっかりと認識しておかないと、いつ生命の危険に晒されるか分からない。
 
 市場経済においては、厳しい自己責任が問われる。
 
 この会社が今後、どのような運命を辿るのか分からないが、少なくとも、自己の責任によって発生させた問題に対しては、全面的に自己の責任で対応しなければならない。
 
 この会社が、発生させた損害に対する賠償責任が大きすぎ、経営が破たんしてしまう場合には、厳しくとも破たん処理を迫らねばならない。このときに、国民の税金を用いてこの焼き肉チェーンを救済することは、許されないだろう。
 
 やや飛躍するが、東京電力が発生させた原子力放出事故は、東京電力が当然取るべき安全対策を怠っていたために発生した人災である。人災であることは、東京電力の皷紀男副社長がすでに認めている。基本構造では、焼き肉店の食中毒死亡事故と変わりがない
 
 したがって、その損害賠償に際しては、東京電力が第一義的には全責任を負わねばならないのである。東京電力が責任を負わずに、一般国民に責任を転嫁することは許されない。

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原発事故責任者に農林漁業損害を全面補償させよ

「原発被害ですか?」っていうと
「風評被害です」っていう。
こだまでしょうか。
いいえ枝野幸男です。

 金子みすずの詩がすっかり有名になったが、金子みすずが結局、世をはかなんで若くして自らその生涯を断ったことを見落とすことができない。
 
 政府はマスゴミを総動員して、「風評被害」なる言葉を前面に打ち出し、「風評被害」撲滅キャンペーンを張った。
 
 基準値以下の農林水産物が消費者から忌避されることを防ぐための行動であった。うっかりすると、この政府の行動は原発被害に苦しむ農林水産業者を支援する行動であるかのように思われてしまう。
 
3月21日付記事
「誰が、何を目的に、誰を救済しようとしているのか」
 
4月14日付記事
「原発重大事故責任を安全重視消費者に転嫁するな」
 
などに記述してきたが、この政府とマスゴミの行動は、安全を重視する消費者の慎重な行動を糾弾するものである。放射線量の安全性基準には、専門家によって大きな開きがある。高い数値でも問題がないとする者もおれば、低めの数値でも長い期間を考えれば軽視すべきでないとの声もある。
 
 このときに、消費者がより安全な選択を行うことは、消費者の主権にかかる判断であり、政府やマスゴミが、特定の姿勢を強制することは間違っている。安全性を重視して、リスクのある農林水産物を忌避する行動は、十分に尊重されるべきものだ。
 
 ところが、政府は安全基準を多くの基準のなかでは甘めに設定し、また、放射線量の計測も除染後の数値を用いるなど、明らかに消費者がリスクを感じるような手法を用いてきた。
 
 そのうえで、出荷制限および出荷自粛の規制をかける生産物とかけない生産物とを区分し、消費者に出荷制限のかかっていない生産物を積極的に購入するように呼びかけてきた。
 
 私が本ブログで指摘し続けてきたように、この行動には重大な裏があった。

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原子力損害賠償紛争審査会は4月28日に、原発事故の損害賠償の範囲に関する第一次指針を発表した。案の定、審査会はこの指針で避難指示区域以外での損害や風評被害については、「今後検討する」として、ひとまず対象外としたのである。
 
 つまり、菅-枝野ラインが、
①避難区域の拡大に頑強に抵抗し続けたこと
②政府が定めた基準値をクリアした農林水産物を消費者に強制的に食えと叫び続けてきたこと
③さらに、福島県の児童の被曝基準を明らかに高すぎる年間20マイクロシーベルトを引き下げることに頑強に抵抗していること

の理由が、生産者のためではなく、ただ、ひたすら政府と東電の損害賠償金額や財政支出を節約するためだけのものだったことが明らかになったのだ。
 
 こんなことが許されていいわけがない。
 
 農林水産業者にとっては、生産物が基準値を下回り、出荷制限を解除された方が、はるかに深刻な打撃を受けるのである。出荷制限が解かれても、市場価格は暴落しており、販売代金は激減している
 
 政府とマスゴミの「風評被害キャンペーン」の目的は、安全志向の消費者が加害者で、当該地域の農林水産業者が被害者であるとの図式を国民の頭に刷り込むことであった。このことにより、たとえ、農林水産業者に損害が発生しても、その原因は安全性を重視して、当該地域の農林水産物を買わない消費者が悪いのだとの印象を作り出すことにあるのだ。
 
 真実は「風評被害」ではなく「原発被害」である。原発被害の加害者は放射能を撒き散らした東京電力と政府である。農林水産業者が被害者であることに変わりはないが、消費者も同じ「被害者」なのだ。消費者を「加害者」に仕立て上げるのは、本当にたちの悪い謀略でしかない。
 
 消費者には確実に安全な道を選択させ、他方で、損害を蒙る農林水産業者の損害を全面的に補償すればよいのだ。原発被害の全面的な補償が人類史上最悪の原発事故を引き起こした当事者の最低限の責任である。
 
 また、未来のある子どもたちを核の危険に晒すべきでない。年間20ミリシーベルトの基準値を直ちに引き下げて、適正な対応を取らなければ、必ず将来に大きな禍根を残す。

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2011年5月 1日 (日)

一石七鳥の米国債売却による経済復興政策実現

連休中も国会が開催され、補正予算の審議が行われている。しかし、菅政権が提出した第一次補正予算は醜悪なものである。
 
 4兆円規模の補正予算であるが、その財源の1.5兆円は本予算の支出取りやめである。このなかに、高速道路料金無料化措置、子ども手当てなど、2009年8月に実現した政権交代の象徴と言える施策である。
 
 ガソリン価格に含まれる暫定税率は廃止されたが、財源難からガソリン税が復活された。しかし、その際に、原油価格高騰が生じた場合には課税免除を定め、国民生活への配慮が組み込まれた。
 
 原発事故発生後、原油価格は上昇傾向を強め、免税措置を発動する水準を超えた。ところが、菅政権はこのトリガー条項発動も取りやめてしまった。
 
 菅政権は2010年6月に正統性のないクーデターを挙行して樹立された政権である。民主党内の正統派=小沢-鳩山ラインから、民主党内の悪徳派=菅-岡田ラインが、政治権力を奪取したものである。
 
 菅直人氏は、補正予算編成に際して、この国難への取り組みを、党内政局に利用したのである。小沢-鳩山ラインが主権者国民と約束した重要施策を、この補正予算編成を通じて反故にするという、なんとも姑息な対応を取っているのだ。
 
 補正予算の財源のうち、残りの2.5兆円は、国民年金の国庫負担金を2分の1に引き上げるために確保した埋蔵金を流用することになる。現段階では、本予算で穴のあく2.5兆円に対する手当てが済んでいない。この点について、菅-岡田ラインは何らかの増税で賄うことを提示している。
 
 さらに、この財源不足を2012年度に消費税率の大幅引き上げで賄う方針が示されている。未曾有の天災と人災で日本経済が存亡危急の局面に立たされているときに、大増税を計画すること自体、この政権が国民生活を重視する視点を持ち合わせていないことを物語っている。
 
 景気は音を立てて崩れつつある。失業、倒産、経済苦自死が日本列島を覆い尽くすことは間違いない。一刻も早く、本格的な経済インフラ復旧、経済支援の総合経済対策が必要であることは火を見るよりも明らかである。

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私は、政府が外貨準備で保有する米国国債を売却し、50兆円の資金を調達してこれを経済復興政策の財源とすることを提案している。50兆円の経済対策は3年計画での支出政策とするべきである。
 
 今回の災害に伴うインフラの喪失、経済活動の破壊を修復するには、この程度の思い切った対応策が必要である。
 
 政府は政府短期証券を日銀に直接引き受けてもらい、その発行代わり金で米国国債等の外貨準備を保有している。円高が進行する局面などで、円高進行を抑制するために外為市場で日本円を売り、米ドルを購入する。この累積残高が外貨準備である。
 
 しかし、外貨準備には外為リスクが伴う。保有しているドル資産はドルが下落すれば為替損失を生む。日本の財政事情が極めて悪化している局面で、巨額の資金を為替リスクに晒したままにすることは、適切な財政政策運営の姿勢ではない。
 
 米国でも政府が為替介入を実施することがあるが、議会が厳しい監視をしている。為替介入によって損失を計上すれば、政府はその責任を厳しく追求される。米国では、「儲かる介入は良い介入だが、損失を生む介入は悪い介入」だとされている。
 
 日本では、2002年10月から2004年3月にかけての1年半の間に外貨準備が47兆円も増大した。小泉-竹中ラインが、米国に不正な利益供与したものと理解される。この結果、日本の外貨準備が1兆ドルを超えることになった。
 
 1兆ドルものドル資金を裸で保有すれば、巨大な為替リスクが生じるのは当然である。現実に、その後の円高で30兆円もの為替損失が生まれているのだ。責任者が私財を提供して国家の損失の穴埋めを求められてもおかしくない失態である。
 
 この現状を踏まえるなら、政府が米国国債で保有する資金を日本円に換金し、この資金で国内の実物インフラ資産を保有する方が、はるかに健全である。外為特会での実物インフラ資産保有ができないなら、震災復興特別会計を設置して、この震災復興特会が実物インフラ資産を保有すればよい。
 
 財源としては、これまでの外貨準備保有と同様に、日銀が政府短期証券を保有して資金を調達すればよい。実物インフラ資産は、直ちに日本国民に便益を提供してゆくもので、これが国民生活を支援するものであるが、時間の経過に従い、その価値が減価してゆく。

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建設国債の60年償還ルールは建設国債を財源にして保有される実物資産の耐用年数が60年であるとの前提に基づく措置である。震災復興特会が保有する実物インフラ資産も時間の経過とともに減価してゆくものであるので、建設国債同様に毎年1.6%を減債基金に定率繰り入れを実施すればよい。
 
 経済効果だけをとらえれば、これは建設国債を日銀引受で発行することと同じである。財政法5条は、国債の日銀引受を禁止しているが、名目上、国債の日銀引受とは区別しておけばよい。また、外貨準備残高は有限の資金であるため、国債の日銀引受が際限なく拡大することも防止できる。
 
 米国国債売却が円高・ドル安を生むとの懸念が生じるが、実質的な国債日銀引受は、極めて強力な円安誘導政策である。同時に、インフレ誘発政策でもある。現下の日本経済が強度のデフレに苦しんでいることを踏まえれば、短期的かつ単発の経済政策としては、適正な政策である。
 
 米国国債売却による経済復興政策実現には、
①国債発行残高を増やさない
②大規模なインフラ復旧が可能になる
③大規模な景気対策を兼ねる
④強力なデフレ対策になる
⑤急激な円高・ドル安を回避できる
⑥性急に大増税に突進する必要がなくなる
⑦過大な外貨準備保有に伴う巨大な為替リスクを縮小できる
などの利点がある。
 
 菅政権は、財務省の小役人にすべてを取り仕切られて、ちまちまちまちま、国民生活にとって極めて意義深い「子ども手当」、「高速道路料金割引」、「ガソリン暫定税率廃止」などの重要施策をずたずたに切り裂いている。
 
 他方で、菅政権は福島原発近隣の子どもたちを、残酷にも放射能地獄の下に放置するという、悪魔のような政策を実行し、被災者の避難所での極めて劣悪な生活環境の改善も遅々として進んでいない。高濃度放射能に汚染された地域に住む住民に対する避難措置も著しく遅れ、取り返しのつかない禍根を残している。
 
 いずれの政策も、菅直人政権が財政支出を1円でも切り詰めるための政策である。国民の命と健康を犠牲にして、財務省の利権最優先の近視眼的財政収支均衡第一主義に完全追従しているだけなのである。こんな政権が居座れば、国民はすべて滅ぼされてしまうだろう。一刻も早い菅直人政権の退場が求められている。

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