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2011年4月18日 (月)

脱原発表明独と城南信金の叡智・消費者運動の出番

日本最大の信用金庫である東京都品川区に本拠地を置く城南信用金庫が公式サイトに、
「原発に頼らない安心できる社会へ」
と題する意見を表明した。
 
 極めて健全な判断が示されているので、以下にその全文を転載させていただく。
 
「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国の未来に重大な影響を与えています。今回の事故を通じて、原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っていること、さらに、残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかったことが明確になりつつあります。
 
 こうした中で、私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学びました。私達が地域金融機関として、今できることはささやかではありますが、省電力、省エネルギー、そして代替エネルギーの開発利用に少しでも貢献することではないかと考えます。

 そのため、今後、私達は以下のような省電力と省エネルギーのための様々な取組みに努めるとともに、金融を通じて地域の皆様の省電力、省エネルギーのための設備投資を積極的に支援、推進してまいります。

① 徹底した節電運動の実施
② 冷暖房の設定温度の見直し
③ 省電力型設備の導入
④ 断熱工事の施工
⑤ 緑化工事の推進
⑥ ソーラーパネルの設置
⑦ LED照明への切り替え
⑧ 燃料電池の導入
⑨ 家庭用蓄電池の購入
⑩ 自家発電装置の購入
⑪ その他

以 上」
 
 日本における原子力政策の今後の方針を考えるにあたり、極めて示唆に富む見識が示されている。
 
①原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っている
 
残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかった
 
私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学んだ
 
 これが、今回の人類史上最悪事故に区分けされた福島原子力発電所放射能放出事故から得た教訓である。

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日本では原子力発電が積極的に推進され、総発電能力に占める原子力の比重が3分の1にも達する状況に至っている。直ちに原子力発電をゼロにすれば、さまざまな問題が生じるであろう。
 
 しかし、中期的に原子力発電への依存から脱却することは十分に可能である。この場合には、相対的にコストの高い火力発電への依存度が高まり、原油価格変動の経済に及ぼす影響が拡大するが、国全体として、ライフスタイルや価値観の見直しを通じて、省エネルギーの運動を拡大できれば、十分に克服できる問題である。
 
 今回の原発事故でも、一歩誤れば、まさに取り返しのつかない事態が発生していたわけで、このリスクと原油価格の変動リスクとは、まったく次元の異なる問題である。
 
 ドイツでは、メルケル首相が4月15日に、「脱原発」の見直しを進めてきたこれまでの政策方針を国内の原子炉全廃を早期に実現する方向に転換することを決定したと報道されている。
 
 メルケル首相は野党社会民主党(SPD)を含む国内16州の州首相らと協議して、連立与党が推進してきた既存原子炉の稼働延長を短縮することで合意した。福島第一原子力発電所の事故を受け、これまでの原発政策を変更し、早期に原発全廃に向かうことを決定したのだ。
 
 これが人類の叡智である。子や孫の世代に、巨大なリスクを背負わせることは現代を生きる我々が取るべき方策ではない。
 
 日本の地殻変動が活発化し、地震活動期に入ったいま、巨大地震、巨大津波の巣の上の海岸線上に50基を超える原発を稼働させることは、暴挙、国民への背信行為である。
 
 原子力ビジネスは巨大産業であり、このビジネス領域に巣食う企業、政治屋、利権学者、官僚、国家が多数存在し、これまで、日本政治を支配し、原発を積極推進してきた。
 
 これが、今回の大惨事発生後も、原子力政策見直しの大合唱が日本中をこだましない最大の理由である。
 
 日本の原発政策を転換させようと考える国民は、消費行動を通じて脱原発を推進してゆくしかない。城南信金のような金融機関を支援するのだ。脱原発を明示しない企業をボイコットし、脱原発を表明する企業に消費をシフトさせるのだ。
 
 電気製品を購入する場合も、原子力事業を推進する企業の製品購入をやめ、脱原発の方針を示す企業の製品に切り替えてゆく。
 
 企業は最終的には消費者の支持によって存立している。消費者の支持を失えば、企業は存立の基盤を失うことになる。
 
 利権複合体にメディアを占拠されているなかで、市民に実行可能な行動は、消費による企業選別を先鋭化させることである。
 
 消費者は城南信金の見識を高く評価するべきである。脱原発の旋風を日本の消費市場に巻き起こしてゆかなくてはならない。

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