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2011年4月16日 (土)

放射能事故責任者菅首相・東電幹部は直接謝罪せよ

東京電力福島第一原子力発電所が引き起こした放射能放出事故は、原子力事象国際評価尺度での最悪レベルであるレベル7に該当することが明らかになった。
 
 福島の原発はなお不安定な状況に置かれており、事態がさらに悪化する懸念が消失したわけではない。
 
 政府は近隣住民および国民の生命と健康を守るために万全の対応を取る責任がある。
 
 今回の事故の責任は100%、政府と事業者である東京電力にある。地震と津波は天災だが、原子力事故は100%の人災である。
 
 その理由は今回の地震が115年前に発生した明治三陸地震津波と同規模の津波によって引き起こされたものであるからだ。わずか115年前に発生した東北地方の津波を、原発建設に際して想定の範囲に入れるべきことは当然である。予備電源の設置場所を標高の高い地点に置くだけで回避できた事故である。
 
 東京大学で地震学を専攻するロバート・ゲラー教授が英科学誌ネイチャーに論文を掲載した。この事実を報じたロイター電から重要部部分を転載する。
 
「ゲラー教授は論文で、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地域では過去にも巨大津波が2度発生していたと指摘し、沿岸部の原子力発電所はそうした津波にも耐えうる構造に設計すべきだったと批判。1896年の明治三陸地震で起きた津波は最大38メートルに達したほか、869年の貞観地震の発生時でも東日本大震災と同等の津波が観測され、明治三陸津波では2万2000人が犠牲になったとしている。」
 
「1カ月以上にわたって放射線物質の流出が続く東京電力福島第1原子力発電所は、最大6メートルの津波を想定して設計されており、3月11日に観測された14メートルだけでなく、過去に発生した大津波の高さを下回っている。
 
「同教授は電話取材で、「この地域ではこれまでに発生した大規模な津波の記録が多数残っている」とし、すべては東日本大震災で福島原発を襲った津波を防ぐには十分な大きさだったと強調した。「(高い津波が)以前にも発生していたことはよく知られており、記録もある。原発設計時には想定する津波の高さを過去と同レベルに設定すべきだった」との見解を示した。」
 
 本ブログでは、3月16日付記事
「末端労働者犠牲に原発責任幹部政府は逃亡の図式」
に、今回の事故が「人災」であるとの認識を示し、3月17日には、
 
「日本は原子力発電からの訣別を決断すべきである」
 
に、広瀬隆氏の著書『原子炉時限爆弾』が指摘した過去の津波の事例を紹介して、福島原発は当然に備えておかねばならない規模の津波に対する備えを欠いていたことを記述した。
 

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ロバート・ゲラー教授の指摘もまったく軌を一にするものである。
 
 東北地方が巨大な津波を過去に何度も経験していることは周知の事実で、原子力発電所の事業者が今回の津波規模の津波に備えていなかったために発生した今回の事故は、100%の人災であると言わざるを得ない。
 
 その責任は事業者と、原発の安全基準を設定した政府にある。これまでの原子力政策に責任を負っているのは歴代自民党政権でもある。
 
 Photo 菅政権に与謝野馨という名の人物がいる。前回総選挙で小選挙区で落選したが、自民党比例代表候補者でもあったため、自民党枠で比例復活した議員である。
 
 この人物は大臣ポスト欲しさに節操もなく自民党を離党して菅政権に参加した。平成の無節操王平成の権力亡者王と言ってもよい人物である。経産相時代に金融商品取引法を策定する時期に、関連業界である商品先物取引業者から賄賂まがいの迂回献金を受け取っていながら鳩山由紀夫前首相を誹謗中傷した厚顔無恥の迂回献金王でもある。
 
 この与謝野馨氏が4月15日の閣議後会見で、自民党時代に通産相などとして原発を推進してきた結果として今回事故が発生したことについて、謝罪の意思があるかを問われて、その考えがないことを表明した。
 
 この人物は大学を卒業した1963年に、中曽根康弘氏の紹介で日本原子力発電に就職したと伝えられている。中曽根氏は正力松太郎氏と並ぶ、日本における米国原子力シンジケートの代表的エージェントを務めてきた人物である。
 
 与謝野馨は中曽根元首相の主宰する勉強会に属し、この勉強会のメンバーであった渡邉恒雄氏を通じて誘いを受けて中曽根氏の秘書になり、その後政界入りした経歴を有している。
 
 今回の人類史上最悪の区分に入る重大な原子力事故を発生させた責任は東京電力と政府にある。今後の対応においては、天災による被害と、人災による原子力事故災害とを明確に区別して対処する必要がある。
 
 東電と政府は、まず被害者に対して真摯な対応を示すべきだ。菅首相も東電の勝俣会長、清水社長の誰も、現地の被害者に対して直接謝罪の行動を取っていないのではないか。
 
 与謝野馨氏は政府の閣僚の一人でありながら、「謝罪」を拒否した。即刻、罷免されるべきである。
 
 放射能放出事故は天災ではなく人災である。東電の幹部および政府の閣僚は、まず、放射能放出事故の被害者に対して、真摯な姿勢で謝罪をすべきである。
 
 また、刑事事件捜査当局は、今回の原子力放出事故・事件について、その刑事責任を問うための捜査に直ちに着手するべきである。
 
 想定しなければならない津波に対して備えていず、人類史上最悪の事故を発生させてしまった責任は重大である。薬害エイズでは、人体に有害な影響を与える可能性のある血液製剤を認可して薬害エイズを発生させてしまったことに関して刑事責任が問われた。図式としては類似しており、直ちに捜査に着手するべきである。
 
 放射能放出事故の被害者は、事故発生から1ヵ月たってもいまだに直接の謝罪のない菅政権と東電幹部に対して、怒りの感情をはっきりと示す必要がある。

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