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2011年4月

2011年4月30日 (土)

住民の命守る金出さぬ菅直人氏を内閣参与が糾弾

東京電力福島原子力発電所の放射能放出事故は、人類史上最悪のレベル7に区分された。原発原子炉は水棺方式で冷温停止に向かわせる方針が取られているが、放射能汚染水の原発地下への漏出の可能性が遮断されておらず、今後、重大な土壌汚染および地下水および海洋水汚染を引き起こす可能性がある。
 
 鳩山由紀夫前首相は菅直人氏にこの点を指摘したと考えられるが、現状ではこの提言が無視された形になっている。水棺方式では、原子炉格納容器の絶対的な強度が求められるが、この点に不安が残されており、早期にこの問題を全面的に解消することが求められる。
 
 福島原発放射能事故の処理に関しては、以下の三点を改めて確認しておく必要がある。
 
 第一は、近隣住民および近隣地域に居住する子どもの生命と健康を確実に守ることである。菅直人氏が今回の原発放射能事故への対応について、専門的見地からの助言を求めるため内閣官房参与に起用した小佐古敏荘・東京大教授が29日、30日付の辞表を提出した。
 
 Photo 小佐古氏は東京大工学部卒。東大助手などを経て05年に同教授。放射線の健康影響について勧告する国際組織、国際放射線防護委員会(ICRP)の委員を務めた経験があるほか、国の原子力政策を担う内閣府原子力委員会の専門部会でも委員を務めている。原子力の安全確保への貢献が評価され、08年に経済産業省から原子力安全功労者表彰を受けた。
 
 小佐古氏は、放射能に関する安全基準を設定するうえで専門的見地からの助言を受けるために、菅直人氏がわざわざ内閣官房参与に任命した学者である。
 
 小佐古氏は29日に行った記者会見で、なかでも福島県内の小学校や幼稚園などの利用基準で、被曝(ひばく)限度を年間20ミリシーベルトと設定していることを「とても許すことができない」と非難した。特に同県内の小学校などの校庭の利用に際し、この基準を使用することを問題視し、見直しを求めたが、政府はこの危険な基準を適用することを強行した。
 
 この点に関して小佐古氏は、「(小学生らに)無用な被曝をさせてはいけないと官邸に何度も言った。(このままだと)私の学者としての生命が終わる」と述べた。
 
 基準を厳しく設定すると、学童などの避難措置が必要になる地域が福島県伊達市や福島県福島市にまで拡大する。両市は人口密集地帯を含んでいるため、児童の健康被害を回避しようとすると、大きな財政負担が発生する。
 
 つまり、菅直人政権の基本スタンスは、国民の健康・安全と政府の財背負担を天秤にかけて、政府の財政支出負担を軽くするために、国民の健康や安全を犠牲にするというものである。この基本スタンスが改めて鮮明に示された。

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第二の問題もこれと密接に関わる問題であるが、東電福島原発で作業をしている労働者の被曝量管理が極めて杜撰であるとともに、その被曝量上限が場当たり的に撤廃されていることだ。小佐古内閣官房参与の辞任の原因のひとつでもある。
 
 原子力関連事業に従事する労働者の年間被曝量上限は100ミリシーベルトに定められている。一般個人の年間被曝量上限は10ミリシーベルトであるが、専門産業従事者には10倍の被曝が認められてきた。
 
 この基準が、今回、一気に250ミリシーベルトに引き上げられた。これも何ら明確な根拠のない暴挙である。
 
 菅直人政権は今回、さらにこの基準を撤廃して、年間500ミリシーベルトまで基準を引き下げようとしている
 
 そこまで、安全だと言い切るなら、少なくともまず、菅直人氏、枝野幸男氏、東電役員、原子力安全・保安院幹部、原子力委員会委員が全員、現場で作業して500ミリシーベルトの被曝をして、これだけ浴びてもまったく問題がないことを示してからにするべきである。
 
 事故を引き起こした責任ある者が安全な場所から命令を出すだけで、生命の危険を伴う作業を末端の名もなき労働者に強制することが許されるはずがない。
 
 枝野幸男氏は、原発から20キロの地点を視察する際に、防護服に防毒マスクで完全防護した姿でいたにもかかわらず、たった5分で現場をあとにした。腰ぬけである。
 
 政府と東電はこれだけの大惨事を引き起こしてしまったのである。すでに引き起こしてしまった過去を変えることはできないが、せめて、これ以上、原子力被害を出さないための万全の対応を取るべきではないのか。

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第三の問題は、東電の賠償責任である。原子力損害賠償法第三条には、「損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるとき」は、賠償責任が軽減されるとの規定があるが、今回の事故は、わずか115年前に発生した津波と同規模の津波によって発生したものであり、当然に求められた備えを怠っていたために発生したもので、100%の人災であるとしか言えない。
 
 したがって、東電に可能な限りの責任を求めるのは当然である。東電の能力を超える損害賠償責任は一般国民が肩代わりせざるを得ないが、一般国民に負担を求める限りは、資本市場のルールに基づく事故発生当事者の応分の責任処理が不可欠である。
 
 経営責任は厳しく問うが、事業そのものは継続させるのが
“too big to close”

(=大きすぎて閉鎖できない)
の原則である。
 かつての
“too big to fail”
(=大きすぎて倒産させられない)

では、責任追及が実現しないために構築された、新しい規準だ。
 
 責任ある当事者に応分の責任を問わず、救済してしまうと自己責任原則が崩壊してしまう。これを「モラル・ハザード」と呼ぶ。資本主義における企業責任処理においては、この「モラル・ハザード」を引き起こさないことが鉄則になる。
 
 財界首脳のなかに、「モラル・ハザード」を奨励する意見を示す例が散見されるが、そのような時代錯誤の発言を示す人物は、直ちに財界から身を引いて、企業経営を一から学び直すべきだ。財界そのものの見識が疑われる。
 
 政府は東電の免責を否定しているが、そうであるなら、その基本方針と整合的な問題処理スキームを提示する必要がある。
 
 同時に、国民の生命と健康を守ろうとしない菅政権を退場させることが先決である。

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2011年4月29日 (金)

原発被害の損害賠償責任はまず東京電力が負う

関東大震災以来の甚大な災害に見舞われた日本。地震と津波は自然の恐ろしさを改めて我々に伝えるものになった。地震と津波だけでも100年に一度の甚大な被害が生じているのだが、被害をさらに深刻にしているのが東電による原発事故である。
 
 原発事故に伴う損害については、事故発生に責任を負うものが全責任を取る必要がある。まずは、東電が有限責任の範囲内の責任を示さねばならない。損害賠償金額が東電の能力を超える場合、東電は経営体としては破たんする。このときには、株主責任と金融機関の融資責任が発生する。
 
 政府による負担はそのうえで実施されるべきものだ。政府による負担、電気料金引上げによる損害賠償は、事故発生に責任のない一般国民の負担による損害賠償になるから、最後の手段になる。
 
 政府が提示している案は、東電の有限責任を厳正に問わずに、負担を一般国民に転嫁しようとするものであり、これがこのまま通用するはずがない。
 
 岸博幸氏が東電の株主責任、金融機関の融資責任を問わないのはおかしいと述べているが、りそな銀行処理の誤りを認めた発言であると解釈できる。りそな銀行の場合には、りそな銀行に責任があるとしながら、りそな銀行の株主責任を問わなかった。問わないどころか、税金を2兆円も投入して、株価を4倍に上昇させた。
 
 他方、経営陣は全員を小泉政権近親者に入れ替えた。小泉政権による銀行乗っ取りであり、日本の金融行政史上、最大の汚点を残すものになった。
 
 東電の損害賠償責任の取り扱いについては、合理性のある透明な処理を実行しなければならない。
 
 また、企業が当然果たさねばならない義務を果たさず、放射能という最悪の物質を外部にまき散らしたのであり、当然、刑事責任が問われねばならないはずだ。
 
 企業が安全に操業しなければならない工場の運転を誤り、広範囲にサリンを撒き散らしたらどうなるのか。さらに、工場内にサリンがあふれ、そのサリンを海洋投棄して、何らの刑事責任を問われないということがあるのか。
 
 その企業の損害賠償を国が肩代わりして、企業が何事もなかったかのように延命できるのだろうか。

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世界史に残る、人類史上最悪の放射能事故を引き起こしておきながら、政府はいまだに事故調査委員会すら立ちあげていない。
 
 自衛隊機が3月11日夜に東電社長を帰京させ始めたのに、防衛相が東電社長を名古屋に送り返す指示をしたことも、非常識極まりない対応である。
 
 原発の放射能遮断を「水棺」方式で実行しようとしているが、格納容器や圧力抑制室が破損している状況では、高濃度放射能が地下に漏出する可能性が極めて高い。
 
 空中に飛散するよりも目立ちにくく、費用が低く、工程が簡単であることから選択されているが、土壌および水質への影響は極めて深刻であり、より重大な問題を引き起こす可能性が高い。
 
 いずれにせよ、原発事故に伴う損害の賠償責任は事故を引き起こした事業者と国にあり、このことを踏まえた責任処理の図式を早期に示す必要がある。
 
 国会が責任処理案を厳しくチェックしなければならない。原発被害で、すでに多くの企業が倒産し始めているのである。何の罪もない一般企業が倒産し、東電が本来は経営破たんするにもかかわらず、政府によって救済されることは、道理に合わない。
 
 中立公正の立場から、問題処理案が策定されなければならないことは当然である。

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2011年4月28日 (木)

市民が覚醒し要求せねば原発事故責任追及は不能

米官業政電の利権複合体を悪徳ペンタゴンと呼んでいる。日本政治を支配し続けてきた勢力である。
 
 この利権複合体の利害と国民の利害は対立する。悪徳ペンタタゴンは政治権力を掌握することにより、利権複合体に有利な政治を運営し続けてきた。このことは、主権者である国民の利益が踏みにじられてきたことを意味している。
 
 しかし、米官業政電の五者の質的劣化は目を覆うばかりである。経済産業省の電力会社への天下り漬けが問題になっているが、そのさなかに、財務省は横浜銀行頭取の天下りリレーを演じている。
 
 財務省はこれだけ天下り批判が強まるなかで、横浜銀行、西日本シティ銀行の頭取ポストを掴んで離さない。時代錯誤も甚だしい。明治以来の有司専制の弊はまったく除去されていない。天下り根絶を叫んでいた菅直人氏の裏切りも犯罪行為に近い。
 
 Photo 財界首脳の質の劣化も著しい。日本経団連の米倉弘昌会長は、日本経団連の米倉弘昌会長は3月16日、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について
 
千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」
 
と述べたことが報じられている。
 
 正常な市民感覚を完全に失っている。利権にまみれ、カネと官と政にだけひざまずく卑しい商人の性だけが、その言動を支配している。とても醜悪な姿である。掃きだめのような財界なら、無い方がましだ。
 
 ここに、新たな援軍が加わった。経済同友会の新代表幹事に就任した、厚生労働省と癒着する武田薬品工業社長の長谷川閑史氏だ。4月27日に代表幹事就任の記者会見を行い、東電問題について言及した。
 
 長谷川氏は、東京電力福島第1原発事故の被害補償の枠組みについて、
 
「原発事故を起こしたら電力会社がつぶれかねないというメッセージを送らないよう、よく考えるべきだ」
 
と述べた。
 
 4月22日付記事
「東電勝俣会長が原発損害賠償での経営破たん示唆」
に記述した内容に咬み付いた恰好だ。私は次のように記述した。

「事実関係から明らかなことは、東電が経営破たんを招く原子力事故を引き起こしてしまったということだ。このことは、原子力事業に経済的合理性がないことを示している。事故がなければ火力発電より多少利益が多いが、事故を引き起こせば、一発で会社がすっ飛ぶというのが、原子力事業の現実なのだ。
 
 この費用対効果を現実に則して事業者に適用することによって、正しい経営判断が形成されるようになる。「事故を起こせば、会社が飛ぶ」との厳しい現実を踏まえれば、安易に原子力事業に突き進むという選択肢は自ずと消滅するはずだ。」

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Photo_2 経済同友会の長谷川氏の主張は正反対である。
 
「原発事故を起こしたら電力会社がつぶれかねないというメッセージを送らないようしろ」と言うのだ。
 
 4月22日付記事には以下の内容も記述した。
「事故を引き起こしたのに、ペナルティーを科せられず、国民負担で事業者が救済されるなら、こうした厳しい判断は働かない。これを「モラル・ハザード=倫理の崩壊」と呼ぶが、政策がこれを誘導してはならないのだ。」
 
 また、長谷川氏が、
「電力の安定供給の観点から、東電の事業継続を前提に同社と国の負担割合を決めることが重要と強調した」
と報道されている。
 
 東電の事業継続と東電の経営責任とをきちんと区分して対処することが重要なのだ。
 
 かつての
 
“too big to fail”
 

では、責任ある当事者の責任が問われず、モラル・ハザードを引き起こす。この視点を踏まえて新たに構築されている処理スキームが
 
“too big to close”
 

なのだ。
 
 電力事業は公益性が高いから、事業を継続させねばならないが、経営責任はこれと切り離して処理する。すなわち企業体は破たん処理するが、同時に一時国有化などの措置で、事業の継続性を維持するのである。
 
 責任ある当事者の責任を厳しく問わないと、真剣に経営にあたる必要性が消滅する。同じ重大事故を繰り返し発生させかねない。これを「モラル・ハザード=倫理の崩壊」と呼ぶのだ。
 
 原子力損害賠償法に基づき、東電がまず事故に伴う損害賠償の責任を負う。その金額は8兆円とも10兆円とも推定されている。東電の資金負担能力は4兆円が限界であると考えられており、経営体としては東電を破たん処理せざるを得ない。これが、資本主義のルールに基く問題処理である。
 
 経団連にしても経済同友会にしても、まともな論理思考を示すことのできる人材、現代企業経営論を理解する人材が枯渇しているとしか思えない。なんとも哀れな老人サークルである。
 
 原発事故発生後、原発被害を主因に民間企業が次々と倒産している。東電はわずか115年前に発生した津波規模への備えを欠いていた。100%人災であり、いかなる弁明も通用しない。この重大事故を引き起こした東電が税金で救済され、原発事故被害者の中小零細企業が次々と倒産してゆく不条理がまかり通るのか。
  
 問題処理策策定に際して欠落しているのは、国民の視点である。最終的に悪徳ペンタゴンの相互扶助的救済策がまかり通るのかは、主権者である国民が、悪徳ペンタゴンの提案を容認するのかどうかに依存する。もし、国民が悪徳ペンタゴンが提案する国民負担による東電救済策利権構造を容認するなら、永遠に悪徳ペンタゴンによる日本政治支配構造は変わらないだろう。
 
 その責任を悪徳ペンタゴンだけに帰すことができない。その構造を容認する主権者国民の従属体質が自らの不幸を招く原因になっているからだ。

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2011年4月27日 (水)

一石五鳥の米国国債売却による経済復興政策実現

未曾有の大震災と原発爆発事故は日本経済に甚大な影響を与えている。日本経済は昨年秋以降、下り坂に転じている。その下り坂の日本経済に、菅直人内閣は史上空前の超デフレ予算を組んだ。2011年度当初予算が、史上最強の超デフレ予算であることは、予算計数から確認できることであるにも拘わらず、私以外の誰一人として、この重大事実を指摘しない。詳しくは『金利・為替・株価特報』ご高覧賜りたい
 
 そこに、今回の天災と人災が加わった。
 
 景気が急激に崩落することは火を見るよりも明らかである。
 
 被災地域の生産活動が急低下している。生産活動の急低下は、同時に、雇用の消滅を意味する。労働の対価として受け取るはずの所得が消滅するのだ。
 
 組み立て加工の製造業の場合、部品の一部の供給が止まれば、生産ライン全体を止めざるを得ない。
 
 より深刻な影響が生じるのは、原発事故を主因に、第三次産業への消費が激減することだ。企業倒産は激増し、失業が急増することは間違いない。また、海外から日本を訪問する観光客は年を通じて激減する。国内旅行者も激減するだろう。
 
 直ちに巨大な予算を編成して、直ちに実行しなければならないのに、菅直人内閣は、まったく異なる方向を見ている。国民の生命も生活も健康も、この内閣の関心事項ではないのだ。
 
 財務省の小役人の支配下に入って、財務省の指示通りに動くことしかしていない。財務省が国家を案じているなどというのは幻想にすぎない。彼らは、常に、自らの利権維持・拡大しか考えていない。
 
 彼らは、自らの利権を維持・拡大させるための庶民増税を実現することしか考えていない。国のことはもちろん、国民のことなど、まったく考えていないのだ。私は大蔵省の中にいて、彼らの行動様式の一部始終を見て、このことを確認している。
 
 2011年度第一次補正予算は、へどの塊である。4兆円の予算のうち、1.5兆円は本予算の支出取りやめで財源を確保したが、その柱は、2009年8月総選挙の重要公約の廃棄である。菅-岡田ラインは、小沢-鳩山ラインを攻撃する「政局」に補正予算を利用したのだ。
 
 残る2.5兆円は年金国庫負担に振り向けるはずの埋蔵金の流用だ。その結果、第2次補正で穴埋めをしなければならない。これを、増税で埋めようとしているのだ。「みんなの党」の江田憲司氏が衆議院予算員会で、補正の財源を増税に求めることの愚かしさを絶叫していたが、江田氏の主張が正論である。

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国民生活が根底から脅かされる、まさに民衆の危機に際して、菅直人内閣は生体反応を示していない。「心」が欠落している。菅直人氏の頭の中には、首相ポストにしがみつくことしかないのだろう。本当に悲しい人間だ。
 
 この姿を見ると、過去の薬害エイズ問題での活動も、目的ではなく、政治の世界で立身出世するための単なる手段だったのだということがよく分かる。
 
 この危機に菅直人という人間が首相に居座っていることが、日本を最大不幸社会にしている元凶である。
 
 逆に言えば、「菅直人氏が首相を辞任する」ことは、いまの日本において、直ちに実行可能な、もっとも即効力のある最高に明るいニュースになる。暗い日本に明るいニュースをもたらすために、菅直人氏は一秒でも早く首相を辞任するべきだ。それが菅直人氏に可能な唯一の国民貢献策である。
 
 疫病神が消えた段階で、最優先の課題になるのが思い切った政策発動である。真水50兆円の経済対策を直ちに編成して実施するべきだ。
 
 財源は、日本の外貨準備を活用するべきだ。
 
 外貨準備は政府が日銀に短期証券を引き受けてもらった資金で保有しているものである。現在約1兆ドルの外貨準備がある。政府は、この外貨準備の大半を米国国債の形態で保有している。
 
 この問題を、本ブログでは繰り返し指摘してきた。
 
 日本が1兆ドルもの外貨準備を保有する必要はもともとない。外貨準備は外国為替市場での介入の結果が蓄積されたものである。円高・ドル安を抑制するためにドル資産を買ってきた。
 
 しかし、趨勢としてドルは下落傾向にあるから、ドルが値上がりした局面では、日本政府は手持ちのドルを売却しなければならなかったはずだ。
 
 ところが、日本政府は外貨準備を売らずにきた。
 
 1兆ドルを米国に貸しているのだが、返してもらわないのなら、米国にあげたも同然だ。
 
 1兆ドルは110兆円程度のコストで購入したものだが、ドルが下落して、時価は80兆円にまで目減りしている。巨大な損失が生まれているのだ。
 
 財政が苦しい苦しいと言いながら、外貨準備を放置して20兆円も30兆円もの損失を生んでいるのに、財務省はなぜこれを問題にしないのだ。
 
 この外貨準備が不透明に激増したのは2002年10月から2004年3月の1年半だ。小泉-竹中ラインが、米国に巨大な利益供与を行ったものと推察される。
 
 貸借対照上では、政府が日銀からお金を借りて、1兆ドルの米国国債を保有しているのが現状だ。
 
 しかし、この資産は不良資産で、時間が経つにつれて大きな損失を日本政府に与えてきたし、今後も与えるだろう。

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100兆円の資産(現在の時価は80兆円に減少)をどぶに捨てるようなことをしているのなら、そのうち50兆円分を米国国債から、国内インフラに姿を変えた方が、よほど国益に適うのだ。つまり、米国国債を50兆円分売却して、この資金で、復興インフラを整備するのだ。
 
 政府の貸借対照表は、債務が日銀からの借り入れで、資産がこれまでの米国国債保有から、国内の実物インフラに振り替えられる。
 
 現行の外為資金特別会計に係る特別会計法の改正が必要なら、必要な改正を行えばよい。必要な法律を整えるのが国会の役割である。
 
 日本政府が米国国債を売却するとドル安・円高が進行する恐れがあるが、米国国債を国内インフラ資産に振り替えることは、実質的に国債の日銀引き受けによる公共事業実施の意味を持ち、この政策が、強い円安誘導政策になるから、バランスを取ることができる。
 
 問題は、米国がクレームをつけてくることだ。
 
 だから、菅直人氏の後任首相には、必ず、米国に対して「モノを言える」人物が就任する必要がある。
 
 日本政府のバランスシートの修正を、米国に阻止されるいわれはない。日本国民の国益に適う政策である。予算書上の財政赤字が問題だとされるが、このスキームでは、国債発行残高は1円も増えない。景気は良くなる。インフラは整備される。外貨準備での無駄な損失も発生しない。
 
 外貨準備を円に換金して、復興経済政策の財源に充当することが、いま考えられるベストな選択である。この政策を実行に移すことから、『日本の独立』が始動することになる。

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2011年4月26日 (火)

民主党を分党し真の主権者国民政党を確立すべし

統一地方選での唯一と言ってもよい朗報は、元社民党衆議院議員の保坂展人氏が世田谷区長選で見事な勝利を得たことである。「カナダde日本語」の美爾依さんが、保坂氏の動画映像を紹介くださっているので、ぜひご覧いただきたい。
 
 日本の政治は2009年8月の総選挙で政権交代の偉業を成し遂げた。日本の歴史上初めて、民衆の意思を代表する勢力が政権を獲得したのである。
 
 しかし、民主党内部に、旧来の支配勢力に通じる勢力が送り込まれていた。旧来の日本の支配勢力とは、米国・官僚・大資本・政治屋・マスゴミによる利権複合体である。米官業政電・悪徳ペンタゴンが日本政治を実質支配し、巨大な利権に群がり続けてきた。
 
 この利権構造を根絶し、民衆の利益を追求する政治を確立することが求められていた。
 
 利権複合体は、2010年7月の参院選で敗北すれば、本格的に悪徳ペンタゴン支配政治が破壊されることから、参院選に向けて死に物狂いの反抗を示した。
 
 具体的には民主党の基軸であった小沢-鳩山ラインを、「政治とカネ」キャンペーンで総攻撃し、また、普天間基地の県外移設方針を示した鳩山首相の意思を全面的に妨害した。この作戦が成功して、悪徳ペンタゴンは2010年6月2日にクーデターを挙行し、政治権力を主権者国民勢力から奪還してしまったのである。
 
 その主要メンバーが、菅-仙谷-岡田-前原-枝野-野田-玄葉-渡部の悪徳8人衆である。
 
 しかし、主権者国民は菅政権を信任しなかった。菅直人氏が信任投票であると位置付けた2010年7月の参院選で民主党は大敗し、菅直人氏は辞任しなければならなかったが、菅直人氏は自分自身の利益だけを追求する行動を押し通し、いまも首相の座に居座り続けている。
 
 それでも、菅直人氏が政治資金規正法で禁止されている外国人から政治献金を受け取っていたことが明らかになり、菅直人氏の辞任は時間の問題となった。ところが、その瞬間に大地震・大津波が発生し、緊急避難的に政治休戦に移行したが、統一地方選が終わり、第一次補正予算が成立すると、この政治休戦は終了する。

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日本政治をどのように誘導するべきか。極めて重要な局面に差しかかっている。
 
 今後の政治の方向を考える上で、日本滅亡をもたらしかねない原発災害がなぜ起きたのかを考えることは、極めて示唆に富む。
 
 原子力の利用には利点はあるが、一方に、重大なリスクが存在する。今回の事故も、半歩誤れば日本滅亡をもたらす重大事案である。
 
 しかし、政府と電力会社はこれまで「絶対安全神話」を喧伝し続けてきた。
 
 政治が、国民の幸福を第一に置いて、この見解を示してきたのかと言えば、それは違う。
 
 原子力利用が積極推進されてきたのは、原子力利用が絶対安全だからではなかった。「資本の論理」が「人民の論理」を抑圧してきた結果である。
 
 原子力利用推進で利益を得る勢力が存在し、この利益を得る勢力が原子力利用を政治の場での意思決定としてきたのだ。安全だから推進したのではなく、利益を得るために推進したのだ。
 
 電力会社は原子力が低い発電コストであること、原子力利用により巨大設備が必要となることを理由に原子力事業を推進してきた。詳細な説明を省くが、電力事業の適正利益算出式は巨大設備保持が電力会社にとって有利であるように定められているのだ。
 
 また、重電各社、ゼネコン、メンテナンス業者などの企業は、原子力事業を巨大ビジネスチャンスとして捉えてきた。脱原発は巨大なビジネスチャンスの喪失を意味する。
 
 官僚機構は全国の電力会社への天下り利権を極めて重視してきた。また、それ以外の膨大な天下り機関がこの領域に創設されてきた。原子力ビジネスは官僚利権の巣窟とも化してきたのだ。
 
 マスゴミは電力業界から膨大な広告費収入を得てきた。最重要顧客が電力業界であると言って過言でない。
 
 また、膨大な規模の御用学者が金魚のフンのように原子力利権に列を連ねてきた。テレビに登場する学者と称する人間たちのほとんどが、利権まみれの薄汚れた人間たちである。
 
 米国が日本の原子力政策を支配し続けてきたことについては、すでに4月4日付記事
 
「原発政策を誘導した米国核政策必見ドキュメント」
 
に記述した。
 
 米国は、日本の反米化・反核化を回避すると同時に、日本の原子力政策を米国の監視下に置くために、日本人から選出した米国代理人を通じて、日本支配の謀略活動を展開し続けてきたのだ。
 
 日本の利権政治屋は、米国および利権複合体の手先として、カネと引き換えに、利権複合体の意向を政治に反映させ続けてきた。
 
 原子力が国民の幸福を最大化する手段であるから原子力を推進してきたのではない。悪徳ペンタゴン勢力原子力利用を推進することによって金儲けができるから原子力利用を推進してきたのだ。
 
 日本では、2009年8月まで、主権者国民の意思を反映する政治勢力の力が弱かった。この結果、危険な原子力利用に歯止めをかけることができなかった。
 
 そして、2010年7月以降、再び、主権者国民の意思を反映する政治勢力が権力中枢から姿を消した。
 
 悪徳8人衆が支配する民主党は、自民党とまったく同じ悪徳ペンタゴン勢力である。

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選挙を実施しても、脱原発の動きが広がらないのは、ここに理由がある。右に行っても左に行っても、原発推進者が立ちはだかるのである。
 
 国民の幸福を第一とする政治を実現するには、企業献金を全面禁止し、官僚の天下りを根絶しなければならない。そして、主権者国民の意思を反映する政治勢力が二大政党の、少なくともひとつに浮上しなければならない。
 
 現在の腐りきった民主党は、自民党と同種の悪徳ペンタゴン政党でしかない。
 
 菅直人内閣を内閣不信任案決議可決で総辞職に追い込み、民主党を分党し、新たな主権者国民勢力を糾合する政治勢力を結集しなければならない。
 
 本来、民主党から悪徳民主党勢力が脱党するべきだが、素直に応じるかどうかは分からない。最悪の場合は、正統民主党が脱党することでも構わない。
 
 国民が正しい情報を入手し、正しく判断する能力を持つなら、世田谷での判断が日本全体に広がるはずである。世田谷のケースは、主権者国民勢力が首長のポストを獲得した事例である。
 
 マスゴミは、いまは政局を動かす時機ではないと、懸命に悪徳菅政権の延命を図るだろう。
 
 腐ったマスゴミをのさばらせてはならない。日本が存亡の危機に直面しているからこそ、正統性ゼロの悪徳菅政権を一秒でも延命させることが、日本国民の不利益になるのだ。菅直人辞任要求国民署名運動を開始する必要があるのかも知れない。

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2011年4月25日 (月)

震災復興政策財源には外貨準備を換金し充当せよ

統一地方選は民主党が大敗して終わった。東京都世田谷区では元衆議院議員の保坂展人氏が「世田谷から日本を再生」のスローガンを掲げて、民主党系候補、自民党系候補を破って初当選した。心から祝福申し上げたい。
 
 保坂氏は原発停止も求めてゆくと述べている。真実を知る市民が増えれば政治は変わり得る。国民は菅直人氏の即時退陣を強く求めており、菅直人氏は政治の私物化をやめて、民意を尊重して即刻辞任するべきだ。 
 
 日本の政治が本格的におかしくなったのは、2010年6月2日からである。菅-仙谷-岡田-前原-枝野-野田-玄葉-渡部の民主党悪徳8人衆が、民主党を不当に乗っ取ってから、日本政治はダッチロールを開始した。
 
 2009年8月の総選挙で、国民は民主党の小沢-鳩山ラインに政権を委ねたのである。ところが、上記悪徳8人衆は、正統性のないクーデターを挙行し、民主党中枢から小沢-鳩山ラインを一掃してしまった。この不正クーデターを契機に日本政治は大迷走を始めたのだ。
 
 統一選後に菅降ろしの動きが本格化することが予想されるが、国民はこの動きを後押しするべきである。マスゴミは震災復興のさなかの政権交代を批判するだろうが、正統性のない政権がこのような重要局面を指揮することは、大きな禍根を後世に残すことになる。正統性のない政権を退場させ、危機のリーダーを適切に選出するべきである。
 
 いま、何よりも優先して求められていることは、国民生活を守るための政府の迅速な行動である。巨大なインフラと生活の基盤が破壊され尽くした。この復旧を図るには、巨大な財政資金の投入が不可欠である。
 
 ところが、菅-岡田体制は、政府支出の財源としての増税ばかりを追求して、いまのところ、何もしていない。4兆円の補正予算のうち、支出1.5兆円は本予算からの流用、財源2.5兆円は本予算の財源の流用で、この部分は第2次補正において増税で賄うことが検討されている。つまり、GDP押し上げ効果がゼロの補正予算を提示しているのだ。
 
 日本経済は、これから急激な景気後退に向かう。倒産、失業の苦しみが国民生活を厳しく圧迫する。経済苦を原因とする自殺も急増するだろう。
 
 財政政策のいろはに属することがらだが、財源を税収で吸収して景気対策を実施しても、景気浮揚効果はゼロである。景気を支えなくてはならないときには、意図的に財政赤字を拡大させることが正しい政策選択になる。
 
 このような経済学の基本をも踏まえない財政運営は、財務省の専売特許であり、政権が財務省を指揮できず、逆に政権が財務省に指揮される場合に、この政策運営が表面化して、国民に災厄をもたらす。1997-98年、2000-03年に、政策逆噴射による日本経済崩壊はすでに経験済みである。

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『金利・為替・株価特報』131号=2011年4月22日号を発行した。
 
タイトルは、
「経済危機に大増税で対応する冷血暗愚政権」
 
目次は以下のとおりである。
 
<目次>
1.  【株価】原発災害の適正な責任処理と東電株価
2.  【政策】経済危機下の大増税を推進する菅-岡田棄民政権
3.  【政策】日本復興政策財源のウルトラC
4.  【株価】長期化するバブル崩壊後四度目の株価暴落局面
5.  【経済】失業・倒産・経済苦自死が日本列島を覆う
6.  【政治】日本政治を浄化する方策
7.  【為替】円高ではない超ドル安の進行
8.  【金利】長期金利の乱高下に警戒すべし
9.  【投資】投資戦略
 
 第3節に、「日本復興政策財源のウルトラC」と題して、震災復興経済政策の財源案を記述した。
 
 詳細については、『金利・為替・株価特報』ご高覧賜りたいが、結論を示せば、日本の外貨準備を日本円に換金して、復興経済対策の財源に充てるべきだというものだ。
 
 50兆円の規模で、3年間の事業として実施するべきだ。政府債務残高も増加しない。日本政府の資産の構成のうち、現在、ドル建て債券で保有している分の50兆円分が、国内の実物インフラ資産に振り変わるだけだ。
 
 国民の視点から言えば、実質価値が確実に減少するドル建て金融資産で資産を保有するよりも、国内の実物インフラ資産で資産を保有する方が、はるかに賢明な資産保有である。
 
 米国政府が不当な批判を示す可能性があるが、日本政府がその批判に左右される必要はない。
 
 達増岩手県知事が述べるように、大震災で国民経済が急激に悪化するときに増税論議を行うことは適正でない。民主党の小沢-鳩山ライン、国民新党、社民党がこの正論を述べている。
 
 1兆ドルもある外貨準備を日本円に換金して、大規模な経済復旧・復興経済対策を策定するべきである。

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2011年4月24日 (日)

原発災害に伴い発生した損害のすべてが原発被害

福島原発で人類史上最悪の区分に分類される放射能放出事故が発生した。大気、土壌、海洋、地下水に極めて深刻な放射能汚染が広がっている。
 
 放射能に汚染された食物を摂取することを体内被曝と呼ぶが、外部被曝と比較して体内被曝は影響が深刻である。とりわけ、子どもの放射能摂取には十分な警戒が求められる。
 
 国民の生命と健康を守る政府であるなら、直ちに危険情報を十分に提供し、国民にリスク回避行動を呼びかける必要がある。
 
 リスクのある食物を摂取しなければリスクは封じ込めることができるが、リスクのある食物を摂取すれば、リスクを封じることはできないからだ。
 
 念には念を入れて、リスクを排除する行動を取ることが望ましい。リスクのある行動を取れば、取り返しのつかない事態を招く恐れがあるから、リスクのない行動を取るように国民を誘導するのが政府の役割である。
 
 ところが、菅-枝野体制は、当初から、「食べても直ちに人体に影響を与えない」の言葉を繰り返してきた。安全のために国民が知りたいのは、「直ちに影響が出るかどうかではなく、最終的に影響が出るのかどうか」なのだ。直ちに影響が出なくても、20年後にがんになる確率が高まるのなら、普通の国民はその行動をあえて選ぼうとはしないだろう。
 
 ところが、菅-枝野体制は、「食べても問題はない」を積極的にアピールし、「できるだけ食べないように」の表現を用いなかった。ハードルを大幅に引き下げて、放射線濃度が一定の水準に達しない食物は、摂取可能であるとして出荷も容認し、国民に摂取を呼び掛けた。
 
 テレビは原発災害発生地の農産物販売の模様を中継し、こうした農産物を購入する人から、「被災地を応援するためには、このような野菜をぜひ購入して、被災者たちに勇気を与えたい」などの感想を話させて、これを繰り返し報道してきた。
 
 子どもに放射能汚染食物を摂取させたくない親は、一定の水準まで放射能に汚染されている食物の購入を控えているが、原発事故被災地の野菜を積極的に買おうとする消費者がいるとの報道が繰り返されると、非常に肩身の狭い思いを感じることになる。
 
 まるで、放射能汚染食物の摂取を回避しようとする行動を取る者は、被災地の人々のことを思いやる心も持たない、冷血な人間であると、非難されているような気分になってくる。
 
 菅-枝野体制の狙いはまさにここにある。出荷制限、摂取制限をかける対象をできるだけ小さく設定し、ある程度放射能に汚染された食物は出荷も認め、摂取も奨励するスタンスが採用されている。

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その理由が明らかになった。推察通りの腹黒い計算がそこにはあった。
 
 すべては、政府や東電の損害賠償金額を最小化するために取られている行動なのだ。国民の生命や健康を守る視点とは逆の方向の動きである。
 
 原発事故の損害賠償が今後の最重要のテーマになるが、政府は出荷制限のかかった品目を損害賠償の対象にしようとしている。ある水準以下の放射能汚染食物については出荷も摂取も容認する。ハードルを引き下げた結果、ハードルを越えられない対象食物が限定される。政府はこの限定された品目に限って、出荷制限のかかったものだけを損害賠償の対象にするのである。
 
 損害賠償の対象になる農林水産生産物を極力縮小されれば、政府や東電の支払い負担金額は小さくなる。この点だけが重視されている。
 
 放射線被曝が人体に影響を与えるには長い時間を要し、いざ、がんを患ったからといって、その因果関係の立証は容易でない。政府が政府と東電の損害賠償金額をできるだけ小さくしようとするうえでは、損害賠償の支払い対象をできるだけ小さくしてしまうのが得策なのだ。
 
 出荷制限や摂取制限はかけられなかったが、一定程度は放射能に汚染された食物を摂取し続ければ、健康被害も発生する確率は高くなるだろう。しかし、いざ健康問題が発生したとしても、因果関係の立証は容易でなく、政府は際限なく逃げの一手で、損害賠償の支払いを拒否する可能性が高い。
 
「風評被害」という言葉が多用され、
「放射能に汚染された食物は危険である」
と言わないようにするべきだとの空気が作られて、実際に、政府はある程度放射能に汚染された食物の出荷と摂取を解禁している。
 
 一見すると、これらの行動は原発事故被災地の農林漁業関係者を支援する行動であるように見えるかもしれない。 
 
 しかし、よく考える必要がある。
 
 政府の行動は、こうしたプロセスを経て、ある程度、放射能に汚染された食物の出荷と摂取を容認するものである。したがって、出荷制限と摂取制限がかけられる対象は小さくなる。そして、重要なことは、政府は、出荷制限をかけたものだけを損害賠償の対象とすると言っているのだ。
 
 ところが、実際の消費市場で何が起きているのか。大多数の消費者は問題が放射能汚染であるだけに、やはり安全策を取る傾向を強く示している。
 
 武田邦彦氏が指摘するように、安全宣言は、野菜などをよく洗ってから放射線量を計測しており、安全宣言を出しているところほど、注意が必要である。武田氏は福島、茨城、栃木、宮城、群馬産を基本的に警戒するべきだとアドバイスしている。理にかなったアドバイスである。
 
 安全策を取る消費者は多いと思われる。そして、放射能問題では、安全策をとる者が賢者であり、危険策を取る者が愚者であるというのが常識的な判断である。
 
 このとき、何が起こるのかをよく考える必要がある。
 
 農林漁業の生産者は、政府から出荷制限を解かれたとしよう。ところが、消費者の選択により、生産物の売れ行きが大幅に落ちたとする。売り切るには、価格を大幅に引き下げて、赤字覚悟の値をつけなければならなくなるかも知れない。
 
 しかし、東電からの損害賠償は得られない。
 
 政府が「風評被害」だと騒いでいるのは、出荷制限などを可能な限り限定的にして、損害賠償の支払い金額を1円でも節約したいからなのだ。農林漁業生産者の立場を慮って騒いでいるなどというのは、見せかけの虚偽のポーズに過ぎない。
 
 放射能に汚染された食物の摂取を禁止し、その代わり、農林漁業生産者に対しては、生産物をすべて政府が買い取れば良いのだ。
 
 低レベルでも放射能に汚染された食物が消費者から敬遠されるのは、生産者が悪いのでも消費者が悪いのでもない。原発事故を引き起こした東電と政府が悪いのだ。
 
「風評被害」ではなく「原発被害」なのだ。
 
 損害賠償はまず、東電が責任を果たすべきである。東電の支払い能力が不足するなら、東電を法的に整理し、債務処理を行う必要がある。電力事業を継続する必要があるから、政府が全株式を取得し、一時国有化する必要がある。
 
 原発事故でキャンセルになった観光に関する収入なども、すべて、損害賠償の対象に含めるべきである。農林漁業生産物について、出荷制限の対象になった分だけを損害賠償の対象にしようというのが間違いであり、消費者が安全性の視点から消費しないために売れ残った農林漁業生産物のすべてを、損害賠償の対象に設定するべきなのだ。
 
 政府の狡猾な言動を注意深く監視しなければならない。

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2011年4月23日 (土)

福島原発10キロ圏内泣き叫ぶ牛たちの悲劇

次の映像をご覧いただきたいと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=-kNVWIdWpG0&feature=youtu.be

 4月20日に、「脊振の麓~大自然の図書館」様が本ブログにトラックバック下さった

「福島原発10キロ圏内 / 泣き叫ぶ牛たちの末路 Many cattle are dying.

に貼り付けてくださったYOUTUBE映像である。
 
 福島原発が人類史上最悪の原子力放出事故を発生させて以降の、菅-枝野体制の住民避難誘導は拙劣を極めたと言える。
 
 拙劣と言うよりも、その基本姿勢に重大な背徳の姿勢があったことを否めない。住民の生命と健康を万全の体制で守ることよりも、政府と電力会社の賠償責任を最小に抑制することだけが念頭に置かれていたと言わざるを得ない。
 
 事故発生から1ヵ月以上の時間が経過し、放射線量が明らかに過大な地域があるが、菅-枝野体制は国民をそのまま危険地帯に居住させ続ける方針をも示している。また、学校の安全基準が3.8μSv/hに設定されたが、子供に適用する基準としては明らかに過大な数値である。
 
 住民の健康と生命を守るうえで、やり過ぎはない。安全策をとっておいて、後に避難地域を狭める方式を採用すれば、住民が被曝するリスクははるかに軽減される。
 
 原発事故発生直後に避難通告をある程度の時間的猶予を与えて実施すれば、住民は必要不可欠な荷物を持って避難することができたはずだ。

 また、事故発生後も福島原発の建屋内で事故対策の作業が行われたことを踏まえれば、避難した近隣住民の居住地内にいるペットや家畜の生命を守ることも十分に可能であったはずだ。家畜については、直ちに遠隔地に搬送して避難させれば、近隣住民が後に酪農や畜産事業を継続することも可能になったかも知れない。
 
 これらの事情を十分に知りながら、一切の対応策を取らなかったのが菅-枝野体制である。
 
 原発事故発生の責任は東電と政府にある。地震と津波の多発地帯で、わずか115年前に発生した規模の津波に対する備えを怠ったのは重大な過失であり、重大な原発事故発生は100%人災である。
 
 菅直人氏はかつて薬害エイズ問題に関与したことがあるが、薬害エイズ問題と今回の原発放射能放出事故とは、基本的に同じ図式にある。
 
 東電社長が避難者に謝罪したが、菅直人氏は原発避難者にきちんと謝罪をしたのか。人為的な過失により、人類史上最大の放射能放出事故を発生させた責任は限りなく大きい。
 
 民事上の損害賠償責任が論議されているが、同時に刑事上の責任追及が行われる必要がある。刑事捜査当局は直ちに適正な捜査を開始するべきであると思われるが、その具体的な動きはあるのだろうか。

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2011年4月22日 (金)

東電勝俣会長が原発損害賠償での経営破たん示唆

原子力損害賠償法第三条は、原子力損害を与えたときに、
 

「当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」
との定めを置いている。
 
 しかし、同条には、
 

「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」
との但し書が付せられている。
 
 つまり、電力事業者の過失の有無が損害賠償責任帰属の決定要因になる。
 
 今回の原発災害は、津波により原子炉が電源を喪失したために発生した。地震による震度は5ないし6であり、事故は地震によって発生したものではなく、津波が原発を襲ったために発生したものである。
 
 福島原発では今回原発を襲った規模の津波を想定していなかったため、電源喪失という不測の事態を招き、人類史上最悪レベルの原子力放出事故を引き起こしてしまった。
 
 しかし、今回福島原発を襲った規模の津波が、想定できなかったのかと言うと、それは違う。
 
 1896年に明治三陸地震津波が発生しているが、この時の津波は、今回の津波とほぼ同規模であったと考えられる。いまから、わずか115年前に発生した津波は、地震や津波の教訓を語る上では、最近発生した津波事例と表現するべきものだろう。
 
 この規模の津波を想定していなかったことは、人為的な過失であったと言わざるを得ない。
 
 このような杜撰な安全対策で、「絶対安全」を看板に掲げてきたことを、関係者は謙虚に、そして真摯に考え直す必要があるだろう。
 
 したがって、損害賠償の責任はまず、東京電力が負わねばならないと法文を解釈すべきである。東京電力が負うことのできない損害部分が生じれば、その部分を政府が責任をもって負担するべきである。
 
 政府は原子力発電所の設置について、絶対安全な基準を設定する責任を有していたのであり、この点についての政府の過失は東電とまったく変わりがない。
 
 さらに見落とせない点は、3月12日に菅直人氏が福島原発を訪問したために、原子炉の圧力を低下させるためのベント作業が遅れたとの指摘があることだ。菅氏の原発訪問でベントが遅れたのであれば、菅氏の責任も重大である。
 
 ベントの遅れが今回の事故にどのように影響を与えたのかについて、現実に則した検証が求められる。

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4月6日付記事
 
「原発事故加害者が被害額大幅圧縮に突き進む暴挙」
 
に記述したように、東京電力の純資産および原子力損害賠償責任保険、原子力損害賠償補償契約をすべて活用して東電が負担できる金額は約4兆円と見られ、東電の負担金額が4兆円を超えれば、東電は実質的に債務超過となり、経営破たんの危機に直面することになる。
 
 一部報道によると損害賠償金額規模は8兆円を超えると見られるとのことだが、そうなると東電は大幅な債務超過に陥り、破たん処理が必要になる。
 
 東電の勝俣恒久会長は記者会見で、
「資産をどれだけ売っても、(賠償負担を)『全額東電で』ということなら、とても足りない」
と述べたが、これは、損害賠償金額を東電が優先的に負担すると、債務超過になり、経営が破たんすることを開示した発言と理解できる。
 
 損害賠償の規模が8兆円を上回るのであれば、東電の債務超過=経営破たんは明確であり、当然、東電の株主責任と金融機関の融資責任が問われねばならなくなる。
 
 株主責任と融資責任を問わずに電気料金の引き上げによって、国民負担で東電を救済する案が報道されているが、言語道断の提案である。
 
 電力事業の公共性に鑑みて、電力事業を維持する必要はあるが、これと経営責任とはまったく別次元の問題であり、基本的には会社更生法を適用して、企業体としての責任を問う一方、電力事業を継続させるべきだ。
 
 資本市場のルールを適用するなら、株価はゼロになる。したがって、少なくとも政府はゼロから50円程度のレンジの中で価格を定めて、その株価で東電の全株式を取得し、一時国有化したうえで、債務処理をしたうえで、東電の再生を図るべきである。
 
 電気料金変更等の措置は、当然、その後の施策である。
 
 事実関係から明らかなことは、東電が経営破たんを招く原子力事故を引き起こしてしまったということだ。このことは、原子力事業に経済的合理性がないことを示している。事故がなければ火力発電より多少利益が多いが、事故を引き起こせば、一発で会社がすっ飛ぶというのが、原子力事業の現実なのだ。
 
 この費用対効果を現実に則して事業者に適用することによって、正しい経営判断が形成されるようになる。「事故を起こせば、会社が飛ぶ」との厳しい現実を踏まえれば、安易に原子力事業に突き進むという選択肢は自ずと消滅するはずだ。
 
 ところが、事故を引き起こしたのに、ペナルティーを科せられず、国民負担で事業者が救済されるなら、こうした厳しい判断は働かない。これを「モラルハザード=倫理の崩壊」と呼ぶが、政策がこれを誘導してはならないのだ。
 
 また、「風評被害」という表現が多用されているが、現実に大量の放射能が放出されたのだから、程度の差はあれ風評ではない。すべては「原発被害」に属するものであり、今後はすべての問題を「原発被害」として一括し、その範疇で考察するべきである。

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2011年4月21日 (木)

内閣不信任案可決後菅直人政権は大政奉還すべし

震災・津波・原発災害の国難に直面する日本の復興は、民意を受けた政府が取り組まねばならない。政治屋の自分自身の利益のためでなく、主権者である民衆の困難を取り除くために全身全霊を注ぐ政府が行動しなければならない。
 
 菅直人氏は自分自身が1日でも長く総理大臣のポストにしがみつくことしか考えていない。国会で誤りを指摘されても、自分を正当化することしかしない。
 
 福島原発が緊急事態にあった3月11日から12日にかけて、菅直人氏の福島訪問のために、原子炉のベント作業が延期された。政権がベント作業を指示したと言い逃れしようとしても、現実の事実がベントの致命的な遅れを示しており、その責任は菅政権に帰するしかない。
 
 国会で、結果論としてのベントの遅れを指摘されても、頑なに非を認めない。民主党の櫻井充財務副大臣の批判は正鵠を射ている
 
 3月12日から14日にかけての原子炉大爆発によって、原発災害は国際原子力事象評価尺度での最悪事故に分類されることになった。
 
 半歩誤れば、日本全体が核汚染される危機的な状況に陥ったのである。
 
 もうひとつ、菅政権には致命的な欠陥がある。それは、菅政権が主権者国民の信を得ていないことである。正確に言うと、信を得ていないだけでなく、不信任を受けていることだ。
 
 かつて自公政権が首相をたらい回しにしたことがあった。このとき、菅直人氏は自公政権の首相に対して、国民の信を得ていないから、首相としての正統性がないと批判した。 
 
 さすがに菅直人氏もこのことは覚えていたようで、2010年6月クーデターで首相の座を手中に収めた後、菅政権が正統性を備えていないことに気がついた。そこで、菅直人氏は2010年7月参院選を、菅政権に対する信任投票であると位置付けたのである。このことは、当時民主党幹事長に就任していた枝野幸男氏が、時事通信社のインタビューではっきりと述べているから、言い逃れはできない。
 
 この参院選で菅政権は主権者国民から不信任の判定を得た。この時点で、菅直人氏は辞任するしか道はなかったのだ。
 
 それにもかかわらず、菅直人氏は正統性なく、首相の座に居座っている。
 
 その後のすべての選挙で、民主党は大敗し続けている。民主主義政治の基本は、主権者国民の信を得た勢力が政治を担うところに置かれる。現在の政権はこの基本要素を備えていない。
 
 そもそも、2009年8月の総選挙で主権者国民が支持したのは、「正統民主党」であって「悪徳民主党」=「連赤民主党」=「増税民主党」ではない。この非正統民主党がクーデターで権力を強奪し、政治の中枢に居座っていることが根本問題なのである。

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この機に、「非正統民主党」は「正統民主党」に大政奉還するべきである。非正統民主党を率いているのは、菅-岡田-仙谷-枝野-前原-野田-玄葉-渡部の悪徳8人衆に、藤井-与謝野を含めた悪徳10人衆である。この悪徳10人衆に連なるのが非正統民主党=増税民主=悪徳民主である。
 
 これに対して、「正統民主」=「減税民主」が厳然と存在している。
 
 野党が内閣不信任案を提出すると、「正統民主党」はこの不信任案に賛成することになる。そうなると、内閣不信任案は可決されることになる。
 
 時期は2011年度第一次補正予算成立後になると思われる。
 
 菅直人氏が真の狂人でない限り、解散総選挙はできない。この国難の時に解散総選挙を実施する狂人は、この国には存在しない。
 
 内閣は総辞職し、新しい政権が創られる。
 
 小沢一郎政権を発足させることが望ましい。非正統民主は正統民主に大政奉還するべきなのである。これが2009年8月総選挙で主権者国民が示した民意なのである。
 
 小沢一郎政権は野党とも協力して、挙国一致政策を推進することになる。これが、日本が最速のペースで復興する道である。
 
 内閣総辞職があれば、政界再編への動きも本格化するだろう。正統民主と非正統民主は水と油であり、同居していることが不自然でもある。政界再編は望ましいことでもある。
 
 政界再編の着地点については不透明な部分が残るが、正統性のない菅政権を退場させることが、国難に直面するいまの日本にとっては、最優先の課題である。

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2011年4月20日 (水)

時代の転換点を超えると政治のあり様が激変する

2008年のサブプライム危機と2011年の福島原発事故は、いずれも制御不能な領域に人類が手を伸ばしたことの帰結である。
 
 いずれも、人間の強欲が、人間の限界を忘却させたことによって、取り返しのつかない未曾有の危機を招いたものである。幸い、破滅の一歩手前にとどまっているが、警鐘を踏みにじるなら、ついには破滅に至るだろう。
 
 地球環境問題や生物多様性を論じる本来の視点は、地球が人類だけのものではないとの原点に還ることである。人類の奢りと強欲が地球の生命までをも奪いかねないのだ。
 
 カネを飽くことなく追求する資本主義のなれの果てがサブプライム金融危機だった。人類としての調和と共生を忘れ、ただひたすら、自己の利益だけを追求する。その延長線上にサブプライム危機があった。
 
 大地震、大津波とともに我々の前に立ちはだかった原発地獄を目の当たりにして、私たちは基本理念から見つめ直す必要に迫られている。
 
 しかし、日本をけん引する役割を担う政治のリーダーに、その気配はなく、私たちを正しい方向に誘導する言葉さえ、何ひとつ示されない。
 
 政局と自己の利益だけが、いまの政治を動かしている。
 
 総理大臣のポストを離さないために何をすればよいのか。
 
 政官業の念願である消費税大増税を実現する千載一遇のチャンスが到来しているのではないかと考える、悪魔の手先でしかない小役人ども。
 
 2009年8月の総選挙で動き始めた、この国の政治体制の刷新の気配を、根絶する最大のチャンスなのではないかと考える悪徳ペンタゴン。
 
 欲にまみれた人々の、こんな貧困な発想しか聞こえてこない。
 
 城南信金が提示したメッセージをすべての市民がよく考えてみる機会ではないか。
 
「原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っていること、
 
 さらに、残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかったことが明確になりつつあります。
 
 こうした中で、私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学びました。」
 
 この「学び」を活かすことに、人類の叡智がある。

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原子力発電を推進してきたのは自民党だった。電力会社は個人献金の装いをまといながら、組織的に自民党に政治献金を続けてきた。
 
 民主党は利権複合体から離れて、自民党とは異なる視点で問題を捉えなければならないはずだ。
 
 ところが、民主党も多くの議員が原発推進の金権に染まってきた。
 
 労働組合こそ、企業の利益ではなく、国民の生命の安全、生活の防衛を前面に掲げるべきだが、民主党支持団体の「連合」は原発見直しに動かない。
 
 考えてみれば、東京電力、東芝、日立、三菱をはじめ、原発推進経団連企業の労働組合が連合であるから、脱原子力の旗は掲げられないのかも知れない。
 
 しかし、ここで何も考えずに、立ち止まったままでいるなら、何も変わらない。市場原理主義、効率第一主義など、地球の歴史数十億年に照らしてみれば取るに足らない存在であり、そこには根本的な大きな落とし穴がある。
 
 すべてのことを、原点に立ち帰り、新しい時代を考えるべき時が来ているのだ。サブプライム危機も原発震災も、私たちに根本的な転換を迫るために、引き起こされた事象なのかも知れない。
 
 政府の政策運営も同じだ。政治屋は自分の利益のために政治に関わっている。民のためにすべてを捧げる顔をした人物はほとんど存在しない。
 
 権力、肩書き、カネ、だけのために政治に関わっている者がほとんどすべてでないのか。
 
 これからの政治を司るのは、純粋な奉仕者だけになる。政治献金を全面禁止して、議員の処遇を大幅に引き下げる。政治活動は政治に関わる本人の利益のための活動ではなく、必然的に民に捧げる活動になるように制度を変更してゆくのだ。
 
 そうなると、真の政治家は霞が関と癒着する必要がなくなる。霞が関の猛反発を恐れずに、官僚利権の根絶に突き進める。霞が関解体の時代が来る。
 
 変化の片鱗はすでにかすかに見え始めている。だが、多くの人はまだその変化がこれから本流になることに気付いていない。
 
 大災害で苦しんでいる無数の民が目の前に横たわっているのに、その人々を支えることに全力をあげずに、民からカネを召し上げることだけを考えるような人間は、全員、国会議員を首にするべきだ。次の総選挙では、大半の議員を落選させる必要がある。
 
 民のために奉仕する、まったく新しい人材が政治を司る時代を創らねばならない。
 
 時代は大転換する。これまでの常識をすべて捨て去る時代が来る。私たちはいま、その大転換の扉に差しかかっている。

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2011年4月19日 (火)

ついに2011年度消費税大増税悪魔構想が浮上

未曾有の天災と人災に襲われた日本。いま政府が直ちに為すべきことは国民生活の防衛である。津波によって生活を支えるインフラ、生活を支える住居、生活を支える仕事が、一気に呑み込まれてしまった。
 
 国民生活を支援するには資金が必要だ。一方、その膨大な政府支出を賄う資金は、直ちには国民からは入らない。この局面で、短期の財政収支が赤字になることは火を見るよりも明らかだ。
 
 財政には、もともと「ビルトイン・スタビライザー」と呼ばれる自動調整機能が備わっている。とりわけ、税収における所得税や法人税のウエイトが高くなるとこの機能は強まる。
 
 景気が落ち込むと生活保護などの社会保障支出が増える。他方、税収は大幅に減少する。結果、財政赤字が拡大するが、この財政赤字拡大が景気を支える効果を持つ。つまり、景気悪化時には財政赤字が拡大することが望ましいわけである。好況期にはその逆になる。
 
 2011年、日本経済の悪化は甚大になる。いまはまだその実感が日本全体に広がっていないが、製造業も非製造業も生産活動の大幅低下に直面するから、経済活動は確実に大幅低下する。
 
 被災地の生活は極めて厳しい状況下に置かれる。とりわけ、雇用の不足は被災者の生活不安を一段と強めることになるに違いない。このような局面こそ、政府の役割は大きいのである。政府が巨大な事業を実施して、政府が大きな雇用を生み出すことが大事なのである。
 
 ところが、菅-岡田-仙谷-枝野-野田-枝野-前原体制が仕切るマクロ経済政策運営には、まったく血が通っていない。完全に財務省の冷血政策に支配されている。
 
 ガソリン価格が上昇した局面では、ガソリン暫定税率を免除するとの規定も、何の論議もなく反故にされる。ガソリンは被災地の生活にとっても必需品である。ガソリン価格が高騰すれば、被災者の生活にも重大な影響を与える。しかし、何よりも政府の財政収支を悪化させるものは許されないのだ。 
 
 この菅-岡田冷血体制は、未曾有の大震災で国民生活が存亡危急の危機に直面している、そのタイミングを悪用して、財務省のかねてよりの念願である消費税大増税に突き進むという、悪魔の政策運営に突進し始めた。
 
 1995年1月17日に阪神淡路の大震災が発生した。1995年前半、日本経済はこの地震に加えて、円高、サリン事件が重なり、株価は7月の14,485円まで暴落した。株価が上昇に転じたのは、日本銀行が7月と9月に利下げを実施し、村山政権が9月に14兆円の景気対策を決定したことを受けた7月だった。
 
 Nikkei946966
 
 財政金融政策を総動員した結果、1996年6月には日経平均株価が22,666円にまで反発し、日本経済も回復基調に回帰した。
 
 ところが、橋本政権が96年6月25日に消費税引き上げ方針を閣議決定すると、株価は翌日の6月26日をピークに下落に転じ、98年10月の12,879円へと暴落していった。

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今回の菅-岡田体制は、95年の対応よりもはるかに拙劣である。政策を総動員せずに、大増税に突き進むというのだ。日本経済は確実に崩壊する。日経平均株価は7000円割れの水準にさらに下落することになるだろう。詳しくは『金利・為替・株価特報』2011年4月22日号をご高覧賜りたい
 
 菅-岡田体制の財政運営は根本が間違っているのだ。財政は財務省の利権のために存在するのではない。国民の幸福のために存在するのだ。財政再建は大事だが、そのために国民を不幸にするのでは元も子もない。
 
 財政再建を進めるには、まず、官僚利権を切ることが先決なのだ。岡田克也氏も経産官僚出身で、官僚利権を切ることに完全に背を向けている。国民が増税に応じないのは、政府が官僚利権を切らずに温存し続けようとしているからなのだ。
 
 また、財政を立て直すには、絶対に経済を健全にすることが不可欠なのだ。財政というのは、経済が生み出す果実を元手に行う活動である。肝心要の経済活動という幹を枯れさせてしまえば、経済が生み出す果実は少なくなり、財政活動が窮地に追い込まれるのは当然なのだ。
 
「経済あっての財政であり、財政あっての経済ではない」
 
 回り道に見えるかもしれないが、経済という樹、幹をしっかりと育てることが財政再建への近道なのだ。
 
 菅-岡田体制は、2011年度の第2次補正予算で消費税を3%ポイント引き上げる案を提示し始めている。しかし、この方向で政策運営を進展させるなら、100%失敗に終わるだろう。失敗の意味は、国民生活が破壊されるという意味である。
 
 財務省は消費税増税を実現できるなら、国民生活が破壊されようと、日本経済が破壊されようと構わないというスタンスだから、財務省にとっての失敗にはならないだろうが、国民は間違いなく地獄に突き落とされる。国民はこのことをよく理解したうえで、政府提案を受け止める必要がある。
 
 そのうえで増税を選択するなら、国民は国民生活が破壊されても文句を言えない。

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2011年4月18日 (月)

菅・岡田の時代が終わり日本は輝きの時代に移る

『金利・為替・株価特報』130号=2011年4月8日号を、4月8日に発行した。物流が大幅に復旧し、128号に比べて早期のレポート送付が可能になった地域が多いと思われるが、一部地域では、クロネコヤマト便での受け付けが行われていず、配送に多くの時間を要し、ご購読の皆様には、大変ご不自由をおかけ申し上げておりますことをお詫び申し上げます。大変ご迷惑をおかけ申し上げますが、なにとぞご理解賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 
『金利・為替・株価特報』130号のタイトルは、
「天災に人災が加わり日本経済の悪化が加速」
 
目次は以下のとおりである。
 
<目次>
1.  【人災】極めて深刻な状況にある福島第一原発
2.  【経済】日本経済の悪化が深刻化する
3.  【政策】国民生活よりも財源を重視する菅政権
4.  【株価】政官業癒着東電株のゆくえ
5.  【為替】ECB利上げでユーロ高が一服するか
6.  【米国】経済回復局面を維持する米国
7.  【政局】震災を政局に利用する菅直人氏
8.  【金利】最終的に増発される国債の影響
9.  【投資】投資戦略
 
『金利・為替・株価特報』では、昨年後半以来、日本の株価が三尊天井を形成する可能性が高いとの見通しを示してきた。
 
 2010年4月の11,339円を大天井とし、2009年8月26日の10,639円と2011年2月21日の10,857円を両肩とする高値を形成する三尊天井を形成する可能性が高いと予測してきた。
 
 その最大の理由は、菅政権が提示した2011年度予算が史上最強の緊縮予算=デフレ予算になっているからだった。
 
 市場エコノミストの大半は2011年の日本経済拡大を予想し、株価上昇を予測した。
 
 しかし、現実には、株価は急落し、予測通りの三尊天井を形成した。
 
 地震の影響で「想定外」の株価下落が生じたと述べるエコノミストが多いが、これらは間違いである。地震が来なくても株価は下落していた可能性が高い。

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問題は、地震が発生し、株価が急落しているにもかかわらず、菅政権の震災および原発事故への対応が著しく遅れていることである。その理由は菅直人氏と岡田克也氏の言動に表れている。
 
 国民生活の窮状を打開することよりも、財政収支を優先して考慮していることにある。財政収支を重視するなら、切るべき財政支出は山のように存在している。政府はこれまで原子力発電を推進するために、膨大な資金を投入してきた。多くの利権御用学者が原子力事業に蟻のように群がってきたことを見ても、その資金量の大きさがよくわかる。
 
 財政収支を改善しようというなら、こうした支出を切れば良いのだ。2009年8月の総選挙に際して、民主党は無駄な政府支出を切ることで9.1兆円の、租税特別措置を見直して2.7兆円の財源を捻出するとの方針を示した。
 
 政権交代後、事業仕分けなどの行動は取られたが、支出を本格的に切り込む行動はまったく取られていない。事業仕分けは、政府支出切り込みに努力したとの形を残すアリバイ作りでしかなかった。その内容は小学校の学芸会以下のものだった。
 
 財務省の進める財政再建は、社会保障支出の削減と庶民大増税である。官僚利権をそぎ落とす政府支出削減など、実行する考えは皆無だ。官僚の天下り利権は完全に温存され、菅政権はかつての自民党政権以上に、官僚天下り利権の守護人になり果てている。
 
 岡田克也氏こそ、財務省の体質をそのまま体現している。官僚出身の岡田氏に官僚利権を切る考えは皆無だ。庶民にささやかな恩恵を与えた高速道路料金休日割引も冷酷に切り捨てる。震災で日本国民が未曾有の困難に直面しているときに、庶民大増税を画策するなど、悪魔でも躊躇する行動を、何のためらいもなく推進する。
 
 未曾有の大震災を契機に日本は根本から変わる。変わらねばならない。菅-岡田-仙谷-枝野-前原の時代はまもなく終わる。
 
 新しい国づくりをいまこそ始めなければならない。菅政権の振る舞いを見ると、日本の未来は真っ暗だが、ここで希望を捨ててはならない。
 
 菅-岡田一派は、確実に消える。時間の問題だ。そのあとに、新しい日本を創らねばならない。
 
 震災の復旧・復興には、恐らく30兆円程度の緊急財政政策の発動が必要になるだろう。2011年の後半以降、こうした施策が本格的に策定されてゆくことになる。
 
 サブプライム金融危機と原発震災は、ひとつの時代の終焉を示している。この二つの事象を転換点にして、新しい時代が始まるのだ。私たちは希望の光を消してはならない。
 
 目の前の闇の向こうに、光り輝く時代が必ず到来する。闇から闇に進まぬよう、脚下照顧=足元の道筋をしっかり照らすことが重要である。

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脱原発表明独と城南信金の叡智・消費者運動の出番

日本最大の信用金庫である東京都品川区に本拠地を置く城南信用金庫が公式サイトに、
「原発に頼らない安心できる社会へ」
と題する意見を表明した。
 
 極めて健全な判断が示されているので、以下にその全文を転載させていただく。
 
「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国の未来に重大な影響を与えています。今回の事故を通じて、原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っていること、さらに、残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかったことが明確になりつつあります。
 
 こうした中で、私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学びました。私達が地域金融機関として、今できることはささやかではありますが、省電力、省エネルギー、そして代替エネルギーの開発利用に少しでも貢献することではないかと考えます。

 そのため、今後、私達は以下のような省電力と省エネルギーのための様々な取組みに努めるとともに、金融を通じて地域の皆様の省電力、省エネルギーのための設備投資を積極的に支援、推進してまいります。

① 徹底した節電運動の実施
② 冷暖房の設定温度の見直し
③ 省電力型設備の導入
④ 断熱工事の施工
⑤ 緑化工事の推進
⑥ ソーラーパネルの設置
⑦ LED照明への切り替え
⑧ 燃料電池の導入
⑨ 家庭用蓄電池の購入
⑩ 自家発電装置の購入
⑪ その他

以 上」
 
 日本における原子力政策の今後の方針を考えるにあたり、極めて示唆に富む見識が示されている。
 
①原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っている
 
残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかった
 
私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学んだ
 
 これが、今回の人類史上最悪事故に区分けされた福島原子力発電所放射能放出事故から得た教訓である。

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日本では原子力発電が積極的に推進され、総発電能力に占める原子力の比重が3分の1にも達する状況に至っている。直ちに原子力発電をゼロにすれば、さまざまな問題が生じるであろう。
 
 しかし、中期的に原子力発電への依存から脱却することは十分に可能である。この場合には、相対的にコストの高い火力発電への依存度が高まり、原油価格変動の経済に及ぼす影響が拡大するが、国全体として、ライフスタイルや価値観の見直しを通じて、省エネルギーの運動を拡大できれば、十分に克服できる問題である。
 
 今回の原発事故でも、一歩誤れば、まさに取り返しのつかない事態が発生していたわけで、このリスクと原油価格の変動リスクとは、まったく次元の異なる問題である。
 
 ドイツでは、メルケル首相が4月15日に、「脱原発」の見直しを進めてきたこれまでの政策方針を国内の原子炉全廃を早期に実現する方向に転換することを決定したと報道されている。
 
 メルケル首相は野党社会民主党(SPD)を含む国内16州の州首相らと協議して、連立与党が推進してきた既存原子炉の稼働延長を短縮することで合意した。福島第一原子力発電所の事故を受け、これまでの原発政策を変更し、早期に原発全廃に向かうことを決定したのだ。
 
 これが人類の叡智である。子や孫の世代に、巨大なリスクを背負わせることは現代を生きる我々が取るべき方策ではない。
 
 日本の地殻変動が活発化し、地震活動期に入ったいま、巨大地震、巨大津波の巣の上の海岸線上に50基を超える原発を稼働させることは、暴挙、国民への背信行為である。
 
 原子力ビジネスは巨大産業であり、このビジネス領域に巣食う企業、政治屋、利権学者、官僚、国家が多数存在し、これまで、日本政治を支配し、原発を積極推進してきた。
 
 これが、今回の大惨事発生後も、原子力政策見直しの大合唱が日本中をこだましない最大の理由である。
 
 日本の原発政策を転換させようと考える国民は、消費行動を通じて脱原発を推進してゆくしかない。城南信金のような金融機関を支援するのだ。脱原発を明示しない企業をボイコットし、脱原発を表明する企業に消費をシフトさせるのだ。
 
 電気製品を購入する場合も、原子力事業を推進する企業の製品購入をやめ、脱原発の方針を示す企業の製品に切り替えてゆく。
 
 企業は最終的には消費者の支持によって存立している。消費者の支持を失えば、企業は存立の基盤を失うことになる。
 
 利権複合体にメディアを占拠されているなかで、市民に実行可能な行動は、消費による企業選別を先鋭化させることである。
 
 消費者は城南信金の見識を高く評価するべきである。脱原発の旋風を日本の消費市場に巻き起こしてゆかなくてはならない。

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2011年4月17日 (日)

財務省主導の震災復興政策が日本経済を破壊する

戦後最大の自然災害と重大な放射能事故に見舞われた日本。被災地の困難には想像を絶するものがある。この存亡危急の事態に、政府は全力を注いで対応する必要がある。
 
 菅政権に国民が信頼を寄せることができ、菅政権に能力があるなら、この危機に際して、国民は一丸となって復旧、復興に向かって全力を注ぐべきであろう。
 
 しかし、残念ながら、国民は菅政権に信頼を寄せることができない。同時に菅政権の運営は正道を歩んでいない。であるなら、一刻も早く政権を差し替え、政策が有効に機能する体制を整えるべきである。急がば回れである。不安定な政権が居座っても、事態の混迷が長引くだけである。
 
 補正予算編成など、具体的な政策対応が焦眉の急になっているが、残念ながら正しい政策が実行される見通しがまったく見えてこない。
 
 予算編成上の三つの重大な問題を指摘しなければならない。
 
 第一は、2011年度第一次補正予算の経済浮揚効果がゼロであることだ。菅政権は4兆円規模の第一次補正予算案を提示しているが、これでは日本経済の急降下を止めることはできない。
 
 2011年度当初予算が史上最大のデフレ予算である事実を正確に認識しなければならない。財政政策が景気抑制であるか景気刺激であるかは、端的に言えば、財政赤字を増額させたか減額させたかによって測られる。財政赤字を拡大させる政策が景気拡大策、財政赤字を減少させる政策が景気抑制策になる。
 
 2009年度第2次補正予算のうち、4兆円分は実質的に2010年度支出になっており、この点を踏まえて計算すると、2011年度当初予算は、日本のGDPを8.9兆円も圧縮してしまう、史上最大のデフレ予算になっている。ここに大震災が発生したため、2011年度の日本経済悪化は極めて深刻なものになる。景気の悪化は雇用の悪化を意味し、極めて深刻な状況が到来することは確実である。
 
 詳細を知りたい方は、『金利・為替・株価特報』ご高読賜りたい
 
 菅政権が提示している2011年度第1次補正予算では、支出のうち1.5兆円が当初予算の支出をキャンセルしての振り替えであり、また、財源の2.5兆円が国民年金国庫負担増額分に充てる埋蔵金の流用である。この2.5兆円は第2次補正予算において復興税で賄うことが検討されている。
 
 つまり、4兆円補正予算の景気浮揚効果はゼロなのである。これでは、急激な日本経済悪化を食い止めることはできない。

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第二の問題は、上述したように菅政権は2011年度当初予算支出の一部を取りやめる方針を示しているが、その理由が党内政局に絡む菅直人氏自身の保身を図るためであることだ。具体的には子ども手当増額や高速道路料金割引が廃止される。
 
 民主党内での小沢-鳩山ラインの政策を消滅させることが狙いとされており、まさに火事場泥棒的な行動である。これらの施策は2009年8月総選挙での民意を反映するものであり、菅直人氏がこれを切り込む正当性は存在しない。
 
 菅直人氏はすでに国民から不信任の審判を下されている身であり、その人物が民意を反映した政策を取りやめる権限を持つわけがない。庶民にささやかな恩恵を与えてきた高速道路料金割引まで廃止するとは、庶民の心をまったく理解しない冷血の行動である。
 
 第三の問題は、多くの国民が被災者を支援しようとして拠出した義捐金を政府が横領しようとしていることだ。国民の信任を受けていない菅政権に資金を提供した国民は皆無であるはずだ。これを政府が勝手に横領するなら、恐らく多くの義捐金拠出者が業務上横領罪で菅政権を刑事告発することになると思われる。
 
 政府が政府の責任で適切な財政政策を発動するのは当然のことである。多くの国民は、それとは別枠で、被災者を支援するために、義捐金を拠出したのであって、これを政府が横領することは許されない。警察当局は政府による民間資金横領事件として厳しく摘発するべきである。
 
 日本の財政収支が悪化したのは事実である。中長期の課題として財政収支の改善を実現しなければならないことにはコンセンサスがあると言ってよいと思う。
 
 しかし、財政再建の手順を間違ってはならない。第一は経済成長による税収の確保である。第二は、政府支出の無駄排除である。この二つをやり抜いて、なお収支を改善しなければならないときに、負担の増加を検討するのである。
 
 原子力事故を踏まえて、まず、経産省から電力会社への天下りを全廃すべきだ。また、多数の原子力関連独立行政法人・公益法人を一掃すべきだ。こうした政府支出の無駄が巨大な山脈として手付かずで残されている。ここに手を入れずに国民負担増大など言語道断である。
 
 また、景気が急激に悪化する局面での増税は経済の自殺行為である。
 
 菅政権の経済政策が完全に財務省に仕切られているから、このような案しか表出しないのだ。
 
「復興構想会議」が「復興」を隠れ蓑にした「増税構想会議」であることも明らかだ。
 
 本当に被災者の生活を考え、被災地の復旧・復興を考えるなら、直ちに10兆円規模の建設国債発行を財源とする復旧・復興補正予算を編成して、迅速に執行するべきなのだ。財源は10年満期の建設国債で賄えばよい。
 
 償還までの10年間に財源を検討すればよいのだ。経済を支えなければいけないときに増税を前面に出せば、景気浮揚は絶対に実現しない。10兆円の建設国債を増発しても、長期金利が大幅上昇する懸念は存在しない。この国債が償還期を迎えるまでに償還財源を検討すればよいではないか。
 
 財務省が政策を仕切って、何度大失敗を繰り返したら気が済むのか。バブル崩壊後の日本経済長期低迷の主犯が財務省の近視眼的財政再建原理主義にあったという、厳然たる真実から目をそらすべきでない。
 
 残念ながら、菅直人政権は政策運営を完全に財務省に支配されている。この状況が続く限り、日本経済の明日に明るい光は射してこない。回り道に見えるかも知れないが、菅政権を退場させることが、いまの日本にとっては最優先の課題である。

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2011年4月16日 (土)

NPJ主催原発事故&TPPインタビュー動画のご案内

今回の大震災に伴って発生した東京電力福島原発放射能事故とTPPについて、NPJ(News for the People in Japanの動画配信インタビューに出演させていただいた。
 
 インタビューはさる4月12日に、NPJ代表梓澤和幸弁護士とNPJスタッフライターの中川亮弁護士がインタビュアーを務められ、梓澤和幸弁護士が主宰させる東京千代田法律事務所会議室で行われた。
 
 NPJ動画ニュースサイト動画がアップされているので、ぜひご高覧賜りたい。

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放射能事故責任者菅首相・東電幹部は直接謝罪せよ

東京電力福島第一原子力発電所が引き起こした放射能放出事故は、原子力事象国際評価尺度での最悪レベルであるレベル7に該当することが明らかになった。
 
 福島の原発はなお不安定な状況に置かれており、事態がさらに悪化する懸念が消失したわけではない。
 
 政府は近隣住民および国民の生命と健康を守るために万全の対応を取る責任がある。
 
 今回の事故の責任は100%、政府と事業者である東京電力にある。地震と津波は天災だが、原子力事故は100%の人災である。
 
 その理由は今回の地震が115年前に発生した明治三陸地震津波と同規模の津波によって引き起こされたものであるからだ。わずか115年前に発生した東北地方の津波を、原発建設に際して想定の範囲に入れるべきことは当然である。予備電源の設置場所を標高の高い地点に置くだけで回避できた事故である。
 
 東京大学で地震学を専攻するロバート・ゲラー教授が英科学誌ネイチャーに論文を掲載した。この事実を報じたロイター電から重要部部分を転載する。
 
「ゲラー教授は論文で、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地域では過去にも巨大津波が2度発生していたと指摘し、沿岸部の原子力発電所はそうした津波にも耐えうる構造に設計すべきだったと批判。1896年の明治三陸地震で起きた津波は最大38メートルに達したほか、869年の貞観地震の発生時でも東日本大震災と同等の津波が観測され、明治三陸津波では2万2000人が犠牲になったとしている。」
 
「1カ月以上にわたって放射線物質の流出が続く東京電力福島第1原子力発電所は、最大6メートルの津波を想定して設計されており、3月11日に観測された14メートルだけでなく、過去に発生した大津波の高さを下回っている。
 
「同教授は電話取材で、「この地域ではこれまでに発生した大規模な津波の記録が多数残っている」とし、すべては東日本大震災で福島原発を襲った津波を防ぐには十分な大きさだったと強調した。「(高い津波が)以前にも発生していたことはよく知られており、記録もある。原発設計時には想定する津波の高さを過去と同レベルに設定すべきだった」との見解を示した。」
 
 本ブログでは、3月16日付記事
「末端労働者犠牲に原発責任幹部政府は逃亡の図式」
に、今回の事故が「人災」であるとの認識を示し、3月17日には、
 
「日本は原子力発電からの訣別を決断すべきである」
 
に、広瀬隆氏の著書『原子炉時限爆弾』が指摘した過去の津波の事例を紹介して、福島原発は当然に備えておかねばならない規模の津波に対する備えを欠いていたことを記述した。
 

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ロバート・ゲラー教授の指摘もまったく軌を一にするものである。
 
 東北地方が巨大な津波を過去に何度も経験していることは周知の事実で、原子力発電所の事業者が今回の津波規模の津波に備えていなかったために発生した今回の事故は、100%の人災であると言わざるを得ない。
 
 その責任は事業者と、原発の安全基準を設定した政府にある。これまでの原子力政策に責任を負っているのは歴代自民党政権でもある。
 
 Photo 菅政権に与謝野馨という名の人物がいる。前回総選挙で小選挙区で落選したが、自民党比例代表候補者でもあったため、自民党枠で比例復活した議員である。
 
 この人物は大臣ポスト欲しさに節操もなく自民党を離党して菅政権に参加した。平成の無節操王平成の権力亡者王と言ってもよい人物である。経産相時代に金融商品取引法を策定する時期に、関連業界である商品先物取引業者から賄賂まがいの迂回献金を受け取っていながら鳩山由紀夫前首相を誹謗中傷した厚顔無恥の迂回献金王でもある。
 
 この与謝野馨氏が4月15日の閣議後会見で、自民党時代に通産相などとして原発を推進してきた結果として今回事故が発生したことについて、謝罪の意思があるかを問われて、その考えがないことを表明した。
 
 この人物は大学を卒業した1963年に、中曽根康弘氏の紹介で日本原子力発電に就職したと伝えられている。中曽根氏は正力松太郎氏と並ぶ、日本における米国原子力シンジケートの代表的エージェントを務めてきた人物である。
 
 与謝野馨は中曽根元首相の主宰する勉強会に属し、この勉強会のメンバーであった渡邉恒雄氏を通じて誘いを受けて中曽根氏の秘書になり、その後政界入りした経歴を有している。
 
 今回の人類史上最悪の区分に入る重大な原子力事故を発生させた責任は東京電力と政府にある。今後の対応においては、天災による被害と、人災による原子力事故災害とを明確に区別して対処する必要がある。
 
 東電と政府は、まず被害者に対して真摯な対応を示すべきだ。菅首相も東電の勝俣会長、清水社長の誰も、現地の被害者に対して直接謝罪の行動を取っていないのではないか。
 
 与謝野馨氏は政府の閣僚の一人でありながら、「謝罪」を拒否した。即刻、罷免されるべきである。
 
 放射能放出事故は天災ではなく人災である。東電の幹部および政府の閣僚は、まず、放射能放出事故の被害者に対して、真摯な姿勢で謝罪をすべきである。
 
 また、刑事事件捜査当局は、今回の原子力放出事故・事件について、その刑事責任を問うための捜査に直ちに着手するべきである。
 
 想定しなければならない津波に対して備えていず、人類史上最悪の事故を発生させてしまった責任は重大である。薬害エイズでは、人体に有害な影響を与える可能性のある血液製剤を認可して薬害エイズを発生させてしまったことに関して刑事責任が問われた。図式としては類似しており、直ちに捜査に着手するべきである。
 
 放射能放出事故の被害者は、事故発生から1ヵ月たってもいまだに直接の謝罪のない菅政権と東電幹部に対して、怒りの感情をはっきりと示す必要がある。

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奈良林直氏なる偏向解説者を重用するテレビ朝日

テレビメディアが原発放射能放出重大事故に関して、御用学者だけを選別してテレビ出演させていることは周知の事実だが、その事実を広く民衆に広める必要がある。
 
 放射能に汚染された食物を、いくら摂取してもまったく害がないというウソを垂れ流している御用学者どもには、傷害罪や殺人罪などの刑法などの適用も視野に入れるべきである。
 
 健康を守る視点から各種の安全基準が定められてきた。放射能が人体に良好な影響しか与えないのなら、そもそも放射能に関する規制など必要がない。すべてを自由放任にすればよい。
 
 放射能が人体に良好な影響を与えると公言してはばからない御用学者は、ぜひ、福島原発の原子炉建屋内の格納容器前で、防護服もマスクも着用せず、
「これだけ高濃度の放射能を浴びていますが、まったく問題がありません。むしろ放射能を浴びて体調が良くなっていくような気がします」
とでも述べながら生中継すればよい。
 
 メディアの役割は、正しい情報を人々に伝えることである。偏向した人物の偏向した情報を提供するのは、放送法に違反する行為である。
 
 原発御用学者リストなども広められつつあるが、問題は、これらの学者が金銭で原子力発電推進勢力から買収されていることである。
 
 米・官・業・政・電の利権複合体が、原発を強行に推進してきた。この利権複合体と御用学者が結託して、日本の原子力発電が推進されてきた。
 
 学者のなかで良心と正義感を維持する少数の人々が、筋を通し続けてきているが、これらの優れた学者は、原発推進に反対意見を表明してきたために、人事や経済的処遇で不当な差別を受けてきた。
 
 東大には東電から巨額の資金が投入され、この資金によって多くの学者が買収されている。NHKがテレビ番組に出演させる東大系の学者の多くが、このグループに属する。
 
 よみうりテレビは、伊藤哲夫なる人物を頻繁に登場させる。

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テレビ朝日は、頻繁に奈良林直という名の学者を登場させる。
 
 Photo 奈良林氏の経歴は以下の通り。
 
北海道大学大学院工学研究科教授。
1991
年 博士(工学)(東京工業大学・論文博士)
1999
年 (株)東芝 電力・産業システム技術開発センター主幹(部長級)
2007
年 北海道大学大学院工学研究科エネルギー環境システム専攻教授

 北海道電力主催のプルサーマル推進講演会では、原発の耐震設計について次のように述べている。
 
「耐震設計の必要性につきましては、プルサーマルの実施有無ではなく、原子力発電所全体にいえることです。
 新潟県中越沖地震後現地に行って、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の内部を詳細に調査しましたが、原子炉等の重要な機器は安全が保たれており、周辺環境に重大な影響を与えるような事象はありませんでした。」
 
 電力会社の広報マンと見まがうような発言しか示さない。
 
 北海道では、電力会社が中心になって財界が結託して原子力発電を推進するための「北海道エナ―ジートーク21」なる事業が実施されてきたが、奈良林氏はこの事業にも深く関与している。
 
 昨年10月27日に開かれた「原子力の日」記念フォーラムでの講演
「地球温暖化対策と原子力」
 

で奈良林氏は次のように述べている。
 
「原子力の安全というのは非常に大事なものです。おそらく皆さんは誤解されていると思いますが、チェルノブイリ事故は日本では絶対に起きません。
 
 日本の原子力発電所は軽水炉といい、冷却材として水を使っています。核分裂をすると中性子ができますが、そのスピードが水の中でゆっくりとなって、ウラン235に近づくとまた核分裂をします。このときに重要なのは、水を使ってスピードを落としていることです。チェルノブイリの原子炉では、炭が使われていました。水は温度が上がると密度が下がる。つまり、水が少なくなると、中性子のスピードを落とす能力が弱くなります。ですから、日本の原子力発電所で炉心を操作しようとしても、自動的に出力を下げてしまうしくみです。これが日本の原子力発電所です。」
 
チェルノブイリのような大事故は、日本やアメリカ、ヨーロッパの原子力発電所では起きません。ただし、原子力では2大事故があり、チェルノブイリ事故の前にアメリカで起きたスリーマイルアイランド事故があります。そのときは、炉心を空焚きにしてしまいました。水が抜けたときに緊急炉心冷却装置が働きますが、それが働いて水がちゃんと入っていれば、炉心が損傷することはなく安全に止まったはずです。しかし、そのときに中の水位を示す計器が恣意誤差を起こしていた。運転者はその恣意誤差を見て「水はいっぱいになった」と勘違いし、スイッチを切ってしまった。これがスリーマイルアイランド事故の原因です。」

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「もう一つ大事なのは、原子炉格納容器です。先ほど日本製鋼所の原子炉圧力容器の話をしましたが、その外側に、ガスタンクのような厚さ40ミリ近くの原子炉格納容器があります。原子力発電所では、仮に炉心で放射能が漏れても、この格納容器で閉じ込めるようになっています。スリーマイルアイランド事故で炉心が損傷する事故が起きても、放射能は全く外に出ませんでした。一方、チェルノブイリ事故では天井がコンクリートだけで、鉄板がなかった。だから天井が抜けて世界中に放射能をまいてしまった。そういう大きな違いがあります。
 
 ですから、技術で放射能を閉じ込めることはできます。大事なことは、さまざまな計器が正常に働くように点検をしっかりすることです。それには日々の努力しかありません。日本でもちょっとしたトラブルはありますが、どこにも放射能は出ていません。しかし全部事故と報道されています。美浜原子力発電所でお湯をかぶって亡くなってしまった人がいますが、原因は放射能ではなく、お湯によるやけどです。そういう点検をきちんとやることが、わが国を含めて原子力発電所のいちばん大事なことです。」
 
 奈良林氏は東芝の出身者であり、東芝にとって東電は、最重要顧客である。北海道大学も電力会社から巨額の研究費を受け入れていることだろう。
 
 奈良林氏は原子力推進プロジェクトで、恐らく電力会社の費用でスイスやノルウェーに、観光を兼ねた視察旅行にも出かけているのだろう。この構造のなかで、奈良林氏が中立公正の発言をできるわけがない。
 
 4月14日のテレビ朝日番組「ワイドスクランブル」で奈良林氏は、今回の原発事故が国際原子力事象評価尺度のレベル7に格上げされたことに不満を述べていたが、原子力事故の重大性の基準は、外部への放射能放出量に置かれている。この基準に照らしてレベル7に位置付けられたことに対して、基本的に反論はできないし、事実、奈良林氏の発言は反論の体をなしていなかった。
 
「日本でチェルノブイリ事故は絶対に起きない」と発言してきた奈良林氏にとって、レベル7の認定が著しく都合が悪いことは理解できるが、レベル7の認定がおかしいとの発言には無理がある。
 
 また、この奈良林氏は、同じ番組に以前出演した際に、プルトニウムの有害性について、食塩と大差がないとの暴言まで吐いている。
 
 テレビ朝日は、このような偏向御用学者を解説者として出演させるべきでない。もしどうしても片側に偏向している人物を出演させたいなら、反対側に偏向している人物を同時に出演させるべきだ。電波は公共物である。だからこそ放送法が定められている。公共の電波を使って偏向虚偽情報を垂れ流すのは犯罪行為である。

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2011年4月15日 (金)

やはり浮上した税金投入による電力事業者救済策

震災を悪用する悪魔の蠢(うごめ)きが活発化しているので、最大の警戒が必要である。
 
 三つの重大な問題がある。
 
 第一は、今回の福島第一原発による人類史上最悪の区分に入る放射能放出事故について、事故発生当事者である東京電力に適正な責任を求めない方向に政治が動いていることである。
 
 第二は、この機に乗じて、「国民すべてが復興のために力を注ごう」とのキャンペーンを張り、その流れに乗って、庶民大増税をなし崩しで導入する動きが本格化し始めていることだ。
 
 第三に、「増税よりも前に政府の無駄を省け」、「目先の財政収支よりも国民生活の救済に全力をあげろ」、「原発政策を根本から見直せ」の声を発する主権者国民とその声を吸収する真の政治家の動きを封殺することが目指されていることである。
 
 ここでは、一番目の問題を考える。
 
 今回の事故は津波の発生に伴って生じた。予め備えておくべき津波への備えを事業者が怠っていたために事故が発生したのかどうかが焦点になる。
 
 津波の規模は1896年に発生した明治三陸地震津波と同等であったことが推察される。この事実が正しいなら、事業者の津波への対策が適正でなかったとの指摘は正当である。いまからわずか115年前に発生した津波規模への備えを十分に取ることは、安全対策に万全を期せねばならない原子力発電所の対応として、基本中の基本であるからだ。
 
 他方、原子力発電所の耐震構造、対津波構造については、政府が基準を定めていた。このなかに、明治三陸地震津波規模の津波への対応を義務付けていなかったとすれば、政府も責任を免れない。
 
 東電と政府は、原子力事故発生に伴って発生しているすべての経済的な損失に対して全面的な損害賠償の責任を負っている。
 
 支払いの手順としては、まず、東電が事故を発生させた民間の事業者として全責任を負うべきである。この東電が会社更生法等の適用を含めて、有限責任を完全にまっとうしても、なお損害が上回る場合には、政府がその残余について、責任をもって賠償する必要がある。
 
 この点につて、東電に可能な有限責任のすべてを求めずに、政府が賠償に乗り出すとの方針が、一部で報道されているが、これは問題処理として間違いである。
 
 電力事業は公益性が高く、電力の安定供給は極めて重要な事項であるが、このことと、民間事業者としての責任、自己責任は別である。海外ではエンロン社の経営破たんなど、電力事業者の破たんが生じている。東電が自己責任によって経営に行き詰まるのであれば、経営体としては、通常の資本主義のルールに従って処理を行う必要がある。
 
 なぜかと言えば、絶対に起こしてはならない原子力事故ということがらで重大な善管注意義務違反があり、その結果として事故を発生させたのであるから、その事故の損害賠償の責任を厳しく負わせることが、今後の安全対策への原動力となるからだ。
 
 重大な事故を起こしながら、いざ事故を発生させてしまったときには、政府が税金を投入して事業者を救済するというのでは、今後も、真剣な安全対策など求めようがない。
政府が安易に救済して、企業倫理が破たんすること
「モラル・ハザード」
と呼び、政府の政策はこの「モラル・ハザード」を引き起こしてはならないとされている。

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大手金融機関について、大手金融機関は非金融機関と役割が異なり、大手金融機関が破たんすると金融システム全体を不安定化させるから、大手金融機関は倒産させられないとする、
「トゥービッグ・トゥー・フェイル=(おおきすぎてつぶせない)」政策
の是非がかつて真剣に論じられた。
 
 内外の金融危機から得られた結論は、正しい政策は、
「トゥービッグ・トゥー・フェイル=(おおきすぎてつぶせない)」政策
ではなく、
「トゥービッグ・トゥー・クローズ=(おおきすぎて閉鎖できない)」政策
であるとされている。
 
 つまり、経営体としての事業者は会社更生法や連邦破産法などで破たん処理をする。しかし、事業そのものを閉鎖してしまうことの社会的コストが大きいから、事業そのものは継続させる、というものである。
 
 電力会社の経営責任は厳しく問うが、電力事業そのものは継続させるという選択肢は存在し、必要に応じてこの方式を採用するべきなのだ。
 
 政府がいち早く東電救済に動いているのは、霞が関と永田町が東電と癒着しているからである。
 
 電力業界には、多数の天下り利権が植え込まれている。事業者から巨大な利権提供を受けているから、行政が歪むのである。これが、「政治とカネ」の問題の本丸である。実質的な贈収賄の基本構図である
 
 永田町の癒着の中心は民主党ではなく自民党であったが、現在の民主党執行部はかつての自民党の癒着構造をそのまま引き継ごうとしている。電力業界から巨大な献金等の利権提供を受けるから、政治が中立公正な処理ではない、東電救済に突き進むのである。これも「政治とカネ」問題の本丸である。
 
 まず、二点を明確にする必要がある。
 
 ひとつは、電力業界全体として、今後、一切、天下りを受け入れないことを明確にすることだ。枝野幸男氏が質疑応答で天下りが望ましくないと述べたが、述べるだけでは何の意味もない。天下り全廃を明確に法制化すべきだ。
 
 第二に、政治家が電力業界から一切、政治献金を受け取らないことをやはり法制化することだ。
 
 個人献金に偽装して企業献金が行われている現実を踏まえて、企業献金に加えて個人献金も禁止するべきである。
 
 また、原発放射能を回避するために避難した罹災者に一時金の支払いが検討されているが、一人当たりの金額を設定して支払うべきである。二人世帯と十人世帯では必要資金がまったく異なる。単身世帯を七十万円とするなら、すべての罹災者に対して一人当たり七十万円を仮払いするべきだ。
 
 また、十年も二十年も居住不可能であるとの見解が流布されているが、十分に考えられることである。重要なことは、実態に即した十分な補償を行うことである。風評被害も当然に補償の対象に含めねばならない。
 
 東電は株式市場に上場する100%民間事業者であるから、民間企業の自己責任原則を軸に損害賠償のあり方を決定しなければならないことは当然だ。

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日本の電力事情無知を晒した日テレ村尾信尚氏

Photo 4月14日放送の日本テレビ番組「NEWS ZERO」で、番組司会者の村尾信尚氏が番組エンディングで次の発言をした。
 
「各種節電の努力を進めれば、日本の発電における原子力依存度を下げることができる」
 
 村尾氏は、日本の発電事情について、完全に無知であるのではないかと疑わざるを得ない。
 
 日本の電力会社が原子力発電を強行に推進しているのは、環境対策のためではない。利益追求のためのである。
 
 すでに地球環境問題でのCO2主犯仮説は破たんしている。CO2主犯仮説は、原子力推進利権複合体が、原子力利用を推進するために流布したデマゴギーである。
 
 電力会社にとって、水力発電を拡張する余地は小さい。採算では原子力発電が圧倒的に有利だが、原子力利用には重大なリスクがつきまとう。
 
 原子力の利用が制限されれば、火力発電に依存せざるを得ないが、コストが高く電力会社の利益を圧迫する要因になる。
 
 そこで、電力業界としては原子力発電を積極推進しているのである。重大なリスクを伴う原子力発電を推進するには多義名分が必要で、そのために創作されたのが「CO2温暖化仮説」であるが、すでにこの「CO2温暖化仮説」は破たんしている。
 
 詳しくは、広瀬隆氏著『二酸化炭素温暖化仮説の崩壊』(集英社新書)
をご高読賜りたい。
 

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本ブログ4月9日付記事
「原発推進=人類滅亡導く米官業政電+学利権複合体」
に記述したように、
 
1kWhの発電コストは、
石油 10.0~17.3円
水力  8.2~13.3円
に対して、
原子力 4.8~ 6.2円
である。
 
 電力会社の各発電方式の利用方式は以下のようになる。
 
 電力会社は、まず原子力発電をフル稼働しようとする。
しかし、原子力だけではすべての電力需要を賄うことができない。
原子力で賄えない電力需要を、各時点のコストを勘案して水力および火力を活用するのである。
 
 したがって、電力需要が抑制されると何が生じるか。活用できる原子力発電をフル稼働する状態は変わらない。変動する超過需要の部分が水力や火力で賄われるのであるから、需要量が抑制される場合には、発電全体に占める原子力発電の比率は逆に上昇することになるのである。
 
 電力会社の方針、あるいは、国策として原子力発電の絶対量を削減する方向に、基本方針を転換しない限り、日本の電力生産における原子力依存度は低下しないのだ。
 
 今回の原子力放出重大事故に際して、第一に求められる対応は、原子力利用そのものに対する根本的な見直しである。
 
 復興構想会議が招集されたが、第一の課題に原子力利用の見直しを位置付けるべきである。
 
 五百旗頭真氏が会議の方向についての所信を述べたが、
「クリーンエネルギー時代のモデル」
の表現を用いること自体、自身が御用人であることを表明するようなものである。
 
 この件については稿を改めるが、
「復興構想会議」
などという欺瞞に満ちた名称を付けずに、
「増税構想会議」
と、内容と一致する名称を付けるべきだ。
 
 復興の構想よりも前に、増税の構想が示されるところに、菅政権の悪魔の本性が明瞭に示されている。
 
 村尾氏も情報番組の司会を担うなら、間違った情報を垂れ流すべきでない。節電を進めるほど、原子力依存度は上昇するのが現実である。
 
 原子力利用そのものを根本から見直すことなしに、発電における原子力依存度引き下げは実現しない。原子力発電への依存低下を主張するなら、原子力利用の抜本見直しを提言すべきなのだ。
 
 原子力シンジケートに組み込まれている日本テレビ番組の司会者にこの提言を求めることは、北朝鮮幹部に金正日批判を求めるに等しいから、多分、無理だとは思う。

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2011年4月14日 (木)

原発重大事故責任を安全重視消費者に転嫁するな

3月21日に
「誰が、何を目的に、誰を救済しようとしているのか」
と題する記事を書いた。
 
 東京電力の福島原子力発電所が人類史上最悪の区分に入る放射能放出事故を引き起こした。その結果、大量の放射性物質が放出され、深刻な大気、土壌、水質、海洋汚染が発生し、市民生活および第一次産業に深刻で重大な影響が生じている。
 
 放射能で汚染された農林水産物を警戒する消費者の行動に対して、これを「風評被害」として攻撃する論調がマスゴミによって形成されている。
 
 農家が丹精込めて一生懸命に作った農作物。流通業者や消費者の一部には、福島や茨城で生産された農林水産物を積極的に販売し、また購入しようとする人々がいる。これらの人々は、放射能で汚染された地域の農林水産物を積極的に販売、購入することによって、被災地を一生懸命支援しようとしている。こうした支援活動が広がることが期待されている。
 
 こうした文脈での広報活動が積極的に展開されている。
 
 これは、間接的な形で、放射能に汚染された農林水産物に対する警戒姿勢を示す販売業者や消費者を攻撃する宣伝活動になっている。
 
 放射能に汚染された生産物に対して警戒姿勢を持つことは、被災地に対する敵対行動であるとの印象をすりこむことが狙いとされている。
 
 放射能に汚染された食物の摂取に対して警戒姿勢を持つことは、被災地の生産者に対する思いやりの心のない、非人間的な対応であるとのイメージが形成されることが目指されているのである。
 
 しかし、冷静に考えて、放射能に汚染された食物に対して警戒感を持つことが、それほど非人道的なことなのだろうか。
 
 被災地に居住していない消費者が被害を受けて深刻な打撃を受けている生産者に対して、いたわりの心を持ち、自分にできる支援を行おうとする姿勢は賞賛されるものである。厳しい局面に置かれた同胞を慈しむ心は尊いものである。

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しかし、この図式を悪用して、放射能に汚染された生産物に対する強い警戒姿勢を示す消費者は悪人であり、冷血人間であるとの印象操作を誘導することは適正でない。
 
 この図式の特徴は、農林水産業者を被害者として描き、この農林水産業者を苦しめている加害者=悪者は、放射能に汚染された生産物に対して警戒姿勢を示す消費者であると描く点にある。
 
 このドラマに登場するのは、農産物の生産者と消費者であり、消費者がさらに二つに分類される。消費者Aは生産者の苦しい実情に思いをはせて積極的に被災地生産物を摂取する心温かな善良なる市民である。他方、消費者Bは放射能汚染食物に対して厳しい警戒感を持つ市民であり、このドラマのなかでは、被災地の生産者に対する思いやりの心を欠いた冷血人間として描かれる。このドラマには、生産者、消費者A、消費者Bの三者しか登場しない。
 
 このドラマの図式が刷り込まれることにより、放射能汚染の食物に対する警戒感を示す行動は、非人道的で自己中心的な行動であると位置付けられることになる。やがて、放射能汚染食物を警戒する行動は、非人道的で自己中心的行動であるとして、自粛されることが誘導される。これが狙いであり期待されるわけだ。
 
 見落としてならないのは、この図式によって、本当の加害者の姿が陰に隠れることだ。
 
 真実は、放射能汚染食物を警戒する消費者Bが加害者ではないことにある。生産者同様に、消費者Bも被害者なのだ。
 
 真の加害者は、放射能放出事故を発生させた当事者である。
 
 今回の事故において、事故発生の当事者の責任が厳しく問われるべきであるのは、今回の事故が、もっとも根本的な安全対策を怠っていたことにより発生したことによる。
 
 本ブログで繰り返し指摘しているように、今回の原子力事故は津波によって生じたものである。その津波は、1896年に発生した明治三陸地震津波と類似した規模のものであったと推察される。
 
 いまから115年前に発生した津波は、大地震などの系譜で考えれば、最近の津波発生事例と呼ぶべきものである。日本における原子力発電所建設に際しての第一の安全対策は、地震ならびに津波対策である。津波対策は、最優先・最重点の対応項目である。
 
 ところが、福島第一原発では、明治三陸地震津波程度の津波への備えをしていなかった。そのために重大な事故が発生した。
 
 この事実を踏まえれば、今回の事故は100%人災であると言わざるを得ない。東電の清水社長は国の津波対応策の基準に従っていたと発言し、東電の責任を否定するとも受け取れる見解を示したが、これは通用しない。
 
 事業者として、万全の安全対策を取ることは当然のことであり、115年前の津波規模に対応していなかったことは、責任を問われるべき重大過失である。国に責任を転嫁することは適正でない。
 
 とはいえ、国も明治三陸地震津波規模の津波への対応をしないことを容認してきた意味で、当然に事業者と同等の責任を問われねばならない。
 
 重要なことは、一連の災厄の加害者が原発事故を発生させた当事者であり、農林漁業生産者と消費者は、いずれもが被害者であるということだ。
 
 消費者に放射能汚染地域の農林漁業生産物の摂取を強要することは、本来、原発事故発生者が負うべき責任を消費者に転嫁するものである。
 
 消費者が原発近隣の農林漁業生産物を購入し、摂取すれば、電力会社や国の損害賠償責任を縮小させることができる
 
 生産者が被害者で、放射能を警戒する消費者が加害者であるとする図式が、マスゴミによって意図的に流布されているが、私たちはこの図式に乗せられてはならないのだ。
 
 真実の図式は、加害者は原発事故を発生させた国と事業者であり、農林漁業生産者も消費者も、共に被害者であるというものだ。農林漁業生産者の蒙る被害は、原発事業者と国が責任を持って100%補償しなければならない。
 
 農林漁業生産者の蒙る損害を事業者と政府が100%補償するなら、消費者が大きな不安を抱きながら無理に被災地の生産物を摂取する必要はなくなる。
 
 安全基準を無視して、過度の警戒をする必要はないが、事故発生の責任を問うことなく、安全性を重視する消費者行動を糾弾するのは筋違いも甚だしい。
 
 事故に責任を負う事業者および国の責任を問わずに、放射能を警戒する消費者を攻撃することは、根本的な誤りである。国や事業者の責任を消費者に転嫁するプロパガンダ、情報操作に踊らされてはならない。

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2011年4月13日 (水)

首相即刻辞任が菅首相に可能な唯一の国民貢献策

菅直人氏には自分のことだけでなく、国民のことを少しでも考えてもらいたいと思う。
 
 菅直人氏にできる国民への唯一の貢献は、一刻も早く首相を辞任することである。
 
 岡田克也氏も他の人間が幹事長などに就任しているときは、いつも辞任要求ばかりを口にしていたが、自分自身の出処進退だけを別扱いにすることをやめるべきだ。
 
 菅-岡田氏は民主党代議士会で公然と辞任を要求されたが、この要求を聞き入れなかった。菅-岡田体制は選挙に連敗を重ねており、職にとどまる正統性を有していない。
 
 菅政権総辞職が必要であるのは以下の理由による。
 
 第一は、原発事故の対応で、事故の真実を隠蔽し、国民の生命、健康、生活を守ることを優先しなかったことだ。原発事故は最悪のレベル7であったのに、政府はレベル4であると偽り、国民の生命、健康を重大な危険に晒し続けた。
 
 第二は、菅政権そのものが政権として存在する正統性を持たないことだ。菅政権は2010年7月の参院選を信任投票であると位置付けた。この参院選で民主党は大敗したのだ。この時点で、菅政権に対して主権者国民は明確に不信任を突きつけている。それにもかかわらず、政権の座にしがみついているのは、民主主義政治に対する背信である。
 
 第三は、国民生活が苦しみの淵に追いやられているのに、超緊縮財政を維持し、あげくの果てに大増税を組み込み始めていることだ。補正予算も本予算の支出を流用したのでは景気浮揚効果はない。しかも、民主党の看板政策を主権者国民の了解を取り付けることもなく、片端から廃棄し始めた。菅直人氏や岡田克也氏は民主主義を冒涜する独裁者と言わざるを得ない。
 
 増税を検討する前に、巨大な天下り根絶などが不可欠だが、天下りを温存したまま、庶民大増税に動き始めた。このような政権を主権者国民は認めるわけにはいかない。
 
 菅直人氏、岡田克也氏に、国民のことを少しでも考える余地があるなら、即刻辞任することが唯一、国民に対する貢献策であることを、冷静に見極めるべきだ。
 
 民主党の実権を、正統民主党勢力=小沢-鳩山ラインに回帰させることが、日本救済の第一歩になる。

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「菅政権は打倒せねばならない」原口一博氏本日講演

『月刊日本』2011年3月号に
「菅政権は打倒せねばならない」
というセンセーショナルなタイトルの論文を掲載した民主党国会議員、元総務相の原口一博氏が『月刊日本』主催特別講演会に登場される。
 
特別講演会概要は以下の通り。
 
『月刊日本』特別講演会

 講師 原口一博 氏(衆議院議員)
 演題 危機の指導者とは(仮)
 場所 赤坂区民センター 第一会議室

       
港区赤坂4─1813 赤坂コミュニティーぷらざ内
 日時 平成23年4月13日(水)午後6時~
 会費 1000円(資料代)

参加希望者は『月刊日本』
TEL03-5211-0096

まで問い合わせをしていただきたい。
 
 菅直人氏が民主党代表に就任し、内閣総理大臣に就任したのは2010年6月である。民主党を小沢-鳩山体制から、菅-岡田-仙谷-前原-枝野体制に変質させたが、民主党を支持する主権者国民の意思を踏みにじる実質的なクーデターによって権力を不正に奪取したものだった。
 
①対米隷属からの脱却
②官僚主権構造の打破
③政治権力と大資本の癒着排除
が政権交代に課せられた課題であったが、菅直人氏はこの三つの主要課題をすべて投げ出した。
 
 米・官・業・政・電の利権複合体による日本政治支配の構造に時計の針を逆戻しする使命を帯びてクーデタ-を実行したのがこれらの対米隷属勢力である。

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菅-岡田-仙谷体制は民主党を私物化し、党中枢部から小沢一郎元代表と鳩山由紀夫前首相に近い「正統民主党」勢力を一掃してしまった。
 
 そのうえで、2009年8月の総選挙で民主党が主権者国民と約束した主要な政権公約を片端から破壊する暴挙に進んだ。
 
 しかし、当然のことではあるが、この菅政権に主権者国民が鉄槌を下した。2010年7月に実施された参院選を菅政権は、菅政権に対する信任投票であると位置付けた。枝野幸男幹事長が応じた時事通信社インタビューにこのことが歴史の証拠として明確に残されている。
 
 この信任投票で菅政権が主権者国民から受けた審判は、「不信任」だった。
 
 その後も、菅政権はすべての選挙で惨敗を続けている。幹事長は岡田克也氏に代わったが、2011年4月10日の統一地方選前半戦では、与野党対決型の知事選で全敗を喫した。しかも、民主王国のひとつである岡田克也氏の地元三重県でも知事選で敗北を喫した。
 
 岡田克也氏は他人の責任は常に大声で追及するが、自分自身の責任問題になると、手の平を返して逃げの一手に転じる。まったく腹の座らない人物である。これほどの連戦連敗を繰り返した以上、自ら身を引くべきは当然だが、ポストにしがみつき、いかなる手段を用いてでも総理大臣の椅子を手中に収めたいとの、極めて低次元の発想にのみ縛り付けられているのも、菅直人氏そっくりである。
 
 民主党は党中枢を、もう一度「正統民主党」勢力に引き渡さねば再生はないだろう。もはや自民党とまったく差のない政策を掲げる、菅-岡田-仙谷-枝野-前原一派は、党から去って、自民党とでも公明党とでも一緒に暮せばよい。主権者国民の支持に応えられる民主党勢力は、「正統民主党」以外に存在しない。
 
 その「正統民主党」のなかで時代を担うと考えられる最有力候補の一人が原口一博氏であり、細野豪志氏である。
 
 本日3月13日の夕刻に、その原口一博氏の生の声を聞くことができる。万障繰り合わせて、原口氏講演会にご出席をいただき、第二平成維新を成就するための道筋を改めて考察いただきたい。

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2011年4月12日 (火)

脱原発が真剣に論議されない不思議の国ニッポン

福島原発の放射能放出事故は、国際原子力事象評価尺度における区分で米国のスリーマイル島原発事故のレベル5を上回り、チェルノブイリと同じ最悪レベルであるレベル7のに位置付けられることになるだろう。
 
 1号炉においては、すでにごく小規模の再臨界が発生していると見られ、今後の事態の推移によっては、格納容器が爆発し、原子炉炉心の核物質が広範に外部放出されることも考えうる。この場合には、チェルノブイリ事故同様に、原発から半径数百キロのエリアでの人間の居住が不可能になる。
 
 1号炉に窒素を注入する作業が行われたが、1号炉での水素爆発を回避するための作業であり、1号炉が予断を許さぬ状況にあることを示している。
 
 さらに深刻であるのは、1号炉が爆発すればすべての原子炉での爆発が誘発される可能性が高くなり、3号炉の放射性物質の大量放出が予想されることだ。3号炉はプルトニウム燃料を使用しており、体内蓄積により重篤な被害がもたらされるプルトニウムが大量に日本各地に放出される可能性が高まる。
 
 原子力発電所の事故は、これほどまでに深刻である。仮に1号炉の原子炉格納容器の爆発の事態が発生すれば、もはや発電所における人的な対応策をとることは不可能になる。6基の原子炉が隣接しているわけで、すべての原子炉が重大事態に移行する可能性が高く、高濃度放射性物質の大気への放出により、日本列島全体が深刻なレベルで放射能汚染されることになる。日本滅亡の危機が架空の話ではなくなる。
 
 これほどまでに深刻な事態が進行しているが、メディアで報じられる意識は、現実からかけ離れている。
 
 今回の事故は地震に連動する津波によって発生した。日本は地震国であり津波国である。大津波は歴史的にも周期的に発生しており、最近では1896年の明治三陸地震津波が記録されている。
 
 明治三陸地震津波では38メートルの津波が記録に残されており、この115年前の津波規模の津波に対応する原子力発電所設計を行うべきことは当然のことであった。
 
 福島原発が深刻な大事故を起こしたのは、当然備えておかなければならない自然災害への対応がおろそかにされていたためである。この意味で、今回の事故は100%人災であり、政府と東京電力は原子力事故について100%の損害賠償責任を負うことになる。
 
 日本は沿岸部に54基の原子炉を持っており、その多くがいまも稼働している。しかし、巨大津波が周期的に日本の沿岸部を襲うにもかかわらず、想定される最大規模の津波に対する万全の備えを行っていないのが現状である。
 
 今回、想定される最大規模の範疇にはいる津波が発生したが、この規模の津波に対する備えを欠いていたために深刻な事態が発生している。半歩誤れば、日本全体が深刻な放射能汚染地帯になるという、ぎりぎりの事態が発生しているのである。
 
 このことを踏まえれば、全国の原子力発電所の運転をいったん停止して、想定される自然災害等への対応が十分であるかどうかのチェックを一斉に行うことは当然である。

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問題は日本の存亡、ひいては世界の存亡にかかわるものなのだ。
 
 電力会社と政府が「絶対安全」を強調してきた日本の原子力発電所だが、その現実は深刻な事故の歴史でもある。JOC東海村臨界事故、東電柏崎原発事故、関電美浜原発事故など、重大な事故を相次いで経験してきている。
 
「絶対」だと思っていても、この世に「絶対」はない。まして、115年前に発生した津波程度の津波への備えもしていないような人々「絶対」の言葉を信用するわけにはいかない。
 
 責任ある当事者だけに被害が及ぶのであるなら話は別だが、何の罪もない日本の民衆全体が放射能の地獄に突き落とされるような話に、国民が無関心でよいわけがない。
 
 結局、脱原発の方向に、舵を大きく切り直す必要があるのだ。
 
 金儲けのために原子力をフル利用しようとしていた電力会社は反対するだろう。
 
 原子力ビジネスで大金儲けを目論んでいた電気機械メーカー、ゼネコンは反対するだろう。
 
 原子力関連産業への天下り先を大量に抱える経産省や文科省は大反対するだろう。
 
 電力会社のメインバンクである日本政策投資銀行を天下り先とする財務省も大反対するだろう。
 
 原子力発電積極推進の旗を振ることで、金儲けを狙っていいた大学の御用学者たちも大反対するだろう。
 
 原子力推進企業と政府から膨大な広告料を得ているマスメディア=電波=マスゴミも大反対するだろう。
 
 原子力推進企業や政府からカネで操られてきた御用コメンテーターも大反対するだろう。
 
 原子力関連産業から巨大な企業献金を受け取ってきた利権政治屋も大反対するだろう。
 
 しかし、この国の未来を決める権利を持つ唯一の存在は、主権者国民である。一般庶民にとって、原子力が本当に必要不可欠なものであるのかどうかを考えなくてはならない。
 
 この世に絶対はない。大事故が絶対に起こらないとは誰も言いきれない。賢者は最悪を想定して遠くても安全な道を進む。なぜなら、それが、子や孫の世代に対する人間としての当然の責務だからである。
 
 今回の放射能放出事故を契機に、脱原発に大きく舵を切ることを、じっくりと検討しなければならない。その前に、まずは、リスクのある原子炉の運転をいったん停止するべきである。

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2011年4月11日 (月)

国民が生命を守るため政府を無視せざる得ない訳

政府は福島原発の北西に位置する福島県浪江町、飯館村などの1市2町2村について、「計画的避難区域」に設定することをようやく決定した。政府は域内の住民に対し、おおむね1カ月以内をめどに避難するよう要請する。
 
 福島原発の北西地域では震災発生直後から高濃度の放射線量が計測され続けてきた。
 
 本ブログでも
3月16日付記事
「末端労働者犠牲に原発責任幹部政府は逃亡の図式」
 
3月16日付記事
「放射線被ばくリスクを隠蔽して広報しない菅政権」
 
以来、この問題を記述し続けてきた。
 
 当初、浪江町で観測された放射線量は
100~330マイクロシーベルト/時
であった。その後も100マイクロシーベルト/時程度の放射線量が計測され続けた。
 
 マスゴミは、各地の「1時間当たりの」放射線量とレントゲン1回あたりの放射線量などとを比較し、健康に影響を与えない放射線量だと報道し続けた。
 
 しかし、住民は1時間だけ現地にとどまるわけではない。朝も昼も夜も真夜中も、現地に居続けるのだ。レントゲンと比較するなら、必ず、「1時間に1回のペースでレントゲンを撮り続けること」と比較しなければ意味はない。
 
 マスゴミの知的水準を示す事例である。
 
 1時間当たりの放射線量の健康被害を考える場合、この放射線量を1年あたりの放射線量に換算して考察することが必要だ。住民は、放射能に汚染された地域に「居住」しているのであり、避難すべきかどうかの判定をするためには、その地点に1年程度居住する場合の放射線量を考察しなければ意味がないからだ。
 
 1年間の放射線量は1時間当たりの放射線量の
24X365倍 8760倍
になる。
 
 これを、より分かりやすくするには、
400日間の放射線量に置き換えるのがよい。
1時間当たりの放射線量を1万倍すれば400日間の放射線量になる。
 
 原子力委員会は新たに、一般住民の場合、年間の被曝量上限を20ミリシーベルトとする方針を示した。
 
 20ミリシーベルトは20000マイクロシーベルトのことである。
年間の被曝量上限が20000シーベルト
に設定されると、
1時間当たりに換算した放射線量上限値は
2マイクロシーベルト

ということになる。
 
 福島県浪江町では、震災発生後、恒常的に
100マイクロシーベルト/時以上の放射線量を観測し続けてきたのである。その後も毎時数十マイクロシーベルトレベルの放射線量を観測し続けてきた。
 
 これらの地域が避難地域に設定されるのは当然のことであり、菅政権の対応はあまりにも遅すぎる。

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原子力事故発生時に何よりも優先されなければならないことは、国民の生命、健康を守ることである。そのためには、「やり過ぎと思われるような対応」が必要なのである。
 
 枝野幸男氏は、「菅直人首相からは、『やり過ぎでもいいと言われるくらい安全の確保は最優先でやれ』という指示を受けている」
と述べたが、
「やり過ぎでもいいと言われるくらいの安全確保」
を主張してきたのは、本ブログを含む在野の批評家と、政治家では小沢一郎元民主党代表などである。
 
 菅政権は財務省の財政再建原理主義に汚染されて、避難が必要な国民に、放射能に汚染された地域にとどまり続けろと主張してきたのである。
 
 また、放射能に汚染された食物は、人体への影響を慎重に検討して、厳しい基準で摂取しないことを周知徹底させねばならないのに、菅政権は、放射能に汚染された食物をできるだけ積極的に摂取するように強制してきた。
 
 放射能汚染に対して警戒的に行動することを「風評被害を生む」との誹謗中傷を浴びせて弾圧する言語道断の行動を示してきた。
 
 政府の財政支出を節約することだけを優先して、国民の生命や健康をないがしろにする政府を信頼することが無理になる行動を示してきたのである。このなかで、国民が自分自身の安全確保のために慎重な行動を示すのは当たり前のことである。
 
 この政府は国民の生命や健康を第一に考えていない。このことを私たちは十分に念頭に入れて行動してゆかねば、自らの生命や健康を守ることはできない。

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地方選大敗の連赤民主菅岡田氏は辞意公表すべし

統一地方選で民主党が大敗した。知事選では北海道、東京、三重の三都道県で与野党対立型選挙になったが、すべて民主党が推薦する候補が惨敗した。
 
 2009年8月に総選挙があり、歴史に刻まれる政権交代が実現した。主権者国民の主権者国民による主権者国民のための政府が初めて樹立された。
 
 問題は、民主党内に対立する二つの勢力が存在していたことである。
「正統民主」「悪徳民主」=「連赤民主」である。
 
官僚による政治支配
大資本による政治支配
米国による政治支配
から脱却することが政権交代の目的であり、「正統民主」はこの道を目指して進むはずだった。
 
 ところが、「米・官・業・政・電」利権複合体=悪徳ペンタゴンは、主権者国民政権を破壊し、再び悪徳ペンタゴンによる政治支配を回復しようと、新政権発足直後から激しい政治謀略を仕掛けてきた。
 
 普天間問題での鳩山政権攻撃と小沢一郎元民主党代表に対する政治謀略の展開である。
 
 この流れのなかで、2010年6月2日のクーデタ-が実行され、政治権力が主権者国民の手から悪徳ペンタゴンの手に奪われてしまった。
 
 民主党を軸とする政権とは言っても、2009年8月に樹立された政権「正統民主」による政権だったが、2010年6月以降の政権「悪徳民主」=「連赤民主」による政権であり、その基本性格がまったく異なる。
 

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「悪徳民主」が政権の軸になって以降
民主党は選挙で全敗している。2010年7月の参院選は菅直人首相・枝野幸男幹事長が菅政権に対する信任投票であると位置付けた選挙だったが、この選挙で菅政権は主権者から「不信任」の審判を下された。本来は、この時点で内閣総辞職が求められた。
 
 しかし、菅直人氏は不当に首相の座に居座りを続けており、いまなお辞任する姿勢を示していない。
 
 その菅政権が統一地方選でさらに大敗を喫した。もはや地方議会で民主党は風前の灯である。菅直人氏は辞任の道筋をはっきりと示すべき段階にいたっている。
 
 民主党が選挙に全敗しているが、全敗しているのは「悪徳民主」=「連赤民主」であって「正統民主」ではない。もう一度「正統民主」の政党を立ち上げる必要があるのだ。

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菅直人氏は首相の座にしがみつくために自民党に大連立を申し入れたが、自民党に拒絶された。
 
 理由はつある。
 
 第一は、自民党が、いま大連立を求めなくても、次期総選挙で政権を奪還できると考えていること。
 
 第二は、いま大連立が実現すると、大連立に反対する主権者国民勢力が、反民自公勢力として結集する恐れが高いことである。そうなると、悪徳ペンタゴン対主権者国民の対立の図式で二大勢力体制が確立される可能性が高まる。
 
 悪徳ペンタゴンは、日本の二大政党制を、
 
悪徳ペンタゴン対悪徳ペンタゴンの二大政党制
 
として定着させようとしている。
 
 悪徳ペンタゴン勢力同士が手を結ぶと、反悪徳ペンタゴン=主権者国民勢力の台頭を招くことになる。これを避けるために、悪徳ペンタゴンは大連立を望ましくないと考えたのだと思われる。
 
 日本の政治構造を刷新するためには、
 
①官僚天下りの根絶
②企業献金の全面禁止
③対米隷属からの脱却
 

を実行することが不可欠である。
 
 菅-岡田-仙谷-枝野-前原-野田-玄葉-渡部各氏による民主党悪徳8人衆が牛耳る民主党は「悪徳民主」であり、上記三大課題の実現には絶対に進まない。したがって、主権者国民は民主党を「悪徳民主」=「連赤民主」と「正統民主」とに分党し、「正統民主」を核にして、新たな主権者国民勢力を糾合しなければならない。
 
 菅直人氏は首相の椅子への居座りの方針を決めているように見えるが、自民党は菅直人氏の長期延命を認めない方針を示し始めている。
 
 こうした事情を踏まえて、菅直人氏は震災復旧の準備段階に一定の目途が立った時点で、内閣総辞職することを明言するべきである。主権者国民の信を受けていない者たちが政治の中枢に居座ることは、あまりにも不健全である。主権者国民が不信任を突き付けた政権が居座ることは、日本の民主主義そのものの否定である。
 
 統一地方選大敗の結果を受けて、菅直人氏と岡田克也氏は一定の区切りを付けた時点での辞任の方針を広く国民に発表するべきである。

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2011年4月10日 (日)

子孫に超危険高濃度放射能使用済燃料は遺せない

福島第一原発での放射能放出事故は、人類に対する原子力利用断念を誘導する最後通牒である。
  
 チェルノブイリ、スリーマイル島で、重大な事故が発生した。
 日本でも、JOC東海村、関西電力美浜原発、東電柏崎原発で、重大な事故を経験して現在に至っている。
 
 原子力の特徴は、ひとたび、大事故を引き起こせば、取り返しがつかないこと、使用済み燃料が数万年単位で、地球生命全体に深刻な影響を与え続けること、の二点にある。
 
 日本ではこれから財政再建の論議が意図的に拡大されることになる。財務省、政府、大資本、御用学者、電波、そして多数の政党は、財政再建のための増税を主張するだろう。
 
 その際、
「子や孫の世代に負の遺産を遺せない」
が常套句として使われる。
 
 誰しも、子や孫の世代に負の遺産を遺してゆきたいとは思わない。
 
 しかし、財政の場合、国の借金残高=国債残高が次の世代に引き継がれていくが、同時に国債購入者にとっての財産である国債も次の世代に引き継がれていく。引き継がれる国の借金と引き継がれる財産としての国債は、常に同額だから、あたかも借金だけが次の世代に引き継がれるというのは事実に反している。
 
 たしかに、将来の世代が、ある時点で、国の借金の累積合計である国債残高の全額を税収で返済してしまうと、このときの納税者の負担は非常に重くなる。この場合には、借金で政府支出の恩恵を受けた世代が得をして、将来の国債の償還を行う世代が損をするということは生じてくる。
 
 しかし、国債の残高を経済規模との比率で一定に保ち、常に維持してゆくなら、世代間の不公平は生じない。このときに、国債残高をゼロにする必要性もない。
 
 国の財政赤字が拡大の一途を辿り、国債残高のGDP比が増大し続けることは問題だが、この程度の財政規律を守ることは現状では、十分に可能である。

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実際、政府の財政赤字は、好況の局面では大幅に減少する。これが、不況になると、税収が減り、景気対策が必要になり、赤字が増える。
 
 過去30年程度を振り返っても、1980年代後半はバブル景気で財政赤字が減った。その後、1990年代から2003年にかけては、バブル崩壊と失われた10年の不況で財政赤字が増えた。その後、2008年ころまでは、景気の緩やかな改善で財政赤字は減少傾向を示した。
 
 ところが、2008年半ば以降、サブプライム金融危機が発生し、麻生政権が大型補正予算を組んだりしたので、財政赤字が急拡大した。
 
 そこで、これからは財政赤字の縮小を真剣に考えなければならないと考えていたところに、今回の大震災が発生した。
 
 こうなると、性急な財政再建はいったん先送りするしかない。国民の生命、安全、生活が何よりも大事だからだ。直ちに10兆円規模の補正予算を編成して、迅速に実行しなければならない。
 
 ところが、菅、岡田、仙谷、枝野、玄葉、野田、などの各氏が内閣や与党の主要ポストにいて、頓珍漢な政策運営を行っている。日本の財政にどの程度の余力があるか、いま何が一番に必要か、どの分野にどれだけのお金が必要か、などの基本をまるで理解していない。
 
 危険極まりない、これから廃絶に向かわねばならない原子力に膨大なカネを注ぎながら、放射能の危険に晒されている国民に避難の勧告さえ出さない。財政支出を節約するために、国民の生命を犠牲にしているのだ。
 
 財政政策の話はまた別の機会にしっかりと記述する。
 
「子や孫に負の遺産は遺さない」を根拠に、財政再建=庶民大増税=社会保障支出切り詰めに突き進んでいるのが、菅-岡田-仙谷-枝野-野田-玄葉政権である。
 
 財政再建を進めるなら、まず天下りを全廃することだ。原子力だけで、どれだけの天下り機関があるというのだ。原子力発電所を建設するのに、政府はどれだけの補助金を出しているか。原子力関連分野の科学研究費にどれだけの費用を投下しているのか。天下りで癒着している経済産業省が、電力会社に厳しい姿勢を取れるわけがない。
 
 事業仕分けという名の学芸会は開催されたが、台本はすべてを財務省が書いていた。官僚利権を一切削らないための儀式に過ぎなかった。
 
 官僚利権を100%温存して、国民生活を切り捨てる財政運営が許されるわけがない。まして、震災という天災と放射能地獄という人災で、国民の生活が根幹から脅かされているいま、政府が予算措置を取らずして、被災者が立ち行くはずがない。

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さて、問題は原子力だ。「子や孫に負の遺産を遺さない」と考えるなら、脱原子力の方向に進むしか道はない。どれだけ万全を期したとしても、事故は起こるのだ。まして、115年前の地震の際に発生した程度の津波に対する備えもないような、気の緩み切った姿勢で原子力利用政策が行われているのだから、重大な事故が起こらないわけがない。
 
 あげくの果てに高濃度の放射能に汚染された水を海に垂れ流しするなど、重大な法令違反行為である。警察当局は、今回の放射能放出事件について、刑事責任を問う捜査を直ちに開始するべきである。
 
 今回の事故、事件は、原子力事象国際評価基準に照らして、すでにレベル6にまで深刻化していることは、明らかになっている事象から明らかだ。
 
 福島第一原発の第1号炉では、すでにメルトダウンが生じ、格納容器に穴が開き、危険な放射能が大気に漏れだす状況に立ち至っていると思われる。
 
 格納容器の底に落ちた燃料が核反応を再開する再臨界が、すでに低規模に始まっている可能性も高いと考えられる。
 
 この第1号炉の格納容器の爆発が生じれば、まさにチェルノブイリの再現となる。レベル7の深刻な事態に至る。
 
 絶対にレベル6をレベル7に移行させないための、全精力を注いでの対応が求められているが、東電および政府の情報開示が不十分で遅すぎる。
 
 また、農産物や水産物について、「安全だ」と言うことよりも、「危険を排除する」ことに重点を置き、他方、農業、水産業生産者に対しては、生産物を国が全量を買い上げる措置を直ちに取るべきである。
 
 放射能に汚染された農産物、水産物の出荷を解除しても、消費者が安全策を取って購入しなければ、生産者は途方に暮れるばかりである。
 
 政府は政府の負担金を節約するために「安全だ」と繰り返しているように見える。基本スタンスが間違っている。
 
 原子力発電を推進する勢力については、
「原発推進=人類滅亡導く米官業政電+学利権複合体」
に詳しく書いたが、すべてが「カネ」に群がる人々であり、民衆の幸福、生命、健康を踏みにじっても、自分たちさえ儲かれば良いと考える人々である。
 
 最大の問題は、2010年6月2日クーデターで、政権交代後の政権が、この利権複合体=悪徳ペンタゴンに完全に乗っ取られてしまったことである。
 
 大震災のさなかに統一地方選が行われる。この選挙を、反原発・脱原発の第一歩にすることが求められている。知事を選出する地域もある。とりわけ影響力の大きい知事選においては、脱原発=反原発を明言する人物に投票を集中させ、新しい時代の新しい政治のリーダーを選出してゆくべきだ。
 
 次期総選挙までに、
「増税検討の前に天下り根絶」、
「増税の前に企業献金根絶」、
「脱原発・脱対米従属」、
の旗を鮮明に掲げる第三極を糾合
してゆかなければならない。
 
「子や孫の世代に負の遺産を遺さない」ために、脱原発の方向を明確に打ち出さねばならない。

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2011年4月 9日 (土)

原発推進=人類滅亡導く米官業政電+学利権複合体

日刊ゲンダイが報じた東電役員の自民党(国民政治協会)への個人献金リストは以下の通り。

【国民政治協会へ個人献金した東京電力役員】
名前/役職/献金額(万円)
勝俣 恒久/取締役会長/30
清水 正孝/取締役社長/30
皷  紀男/取締役副社長/24
藤本  孝/取締役副社長/24
山崎 雅男/取締役副社長/12
武井  優/取締役副社長/12
藤原万喜夫/取締役副社長/12
武藤  栄/取締役副社長/12
山口  博/常務取締役/12
内藤 義博/常務取締役/12
西澤 俊夫/常務取締役/12
荒井 隆男/常務取締役/12
高津 浩明/常務取締役/ 7
小森 明生/常務取締役/ 7
宮本 史昭/常務取締役/ 7
木村  滋/取締役/24
(2009年分、政治資金収支報告書から)
 
 政治献金について、企業献金を廃止して個人献金を認めるべきだとの意見を岡田克也氏などが主張するが、企業がシステマティックに個人献金を実施すれば、実質的に企業献金は無くならない。
 
 電力会社が中核を占める日本経団連の政治献金は2004年の実績で、
自民党 22億2000万円
民主党    6000万円
 
「MY NEWS JAPAN」に三宅勝久氏が執筆した
「経産官僚10人が電力会社天下り 官業癒着で機能しない監視体制」
には、経済産業省官僚OBの電力会社への天下りリストが示されている。
 
 菅政権は自民党政権以上に官僚の民間企業への天下りを推進している。
 
 経産省の外局である資源エネルギー庁長官を務めた石田徹氏は本年1月に東京電力に顧問として天下りしたが、現在は雲隠れ中であると伝えられている。
 
 そして、「S家の別宅」様が紹介くださった原子力関連機関のリストは以下の通り。

独立行政法人原子力安全基盤機構 
独立行政法人日本原子力研究開発機構 
独立行政法人原子力環境整備促進資金管理センター 
財団法人原子力安全研究協会 
財団法人原子力安全技術センター 
財団法人原子力国際技術センター 
財団法人日本原子文化振興財団 
原子力委員会(JAEC)(内閣府) 
原子力安全委員会(NSC)(内閣府) 
原子力安全 保安院(NISA)(経済産業省) 
原子力発電環境整備機構(NUMO
(
)日本原子力産業協会(JAIF
(
)日本原子力学会(AESJ
(
)原子力安全技術センター(NUSTEC
(
)原子力安全基盤機構(JNES
(
)日本原子力技術協会(JANTI
(
)原子力安全研究協会(NSRA
(
)日本原子力研究開発機構(JAEA)
(
)原子力研究バックエンド推進センター(RANDEC)
(
)日本原子力文化振興財団(JAERO)
(
)原子力発電技術機構(NUPEC)
(
)火力原子力発電技術協会(TENPES
(
)原子力国際協力センター(JICC
(
)原子燃料政策研究会(CNFC)
(
)原子力環境整備促進・資金管理センター(RWMC

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どういうことか。
 
 電力会社にとって原子力発電はもっとも儲かる発電方式である。1kWhの発電コストは、
石油 10.0~17.3円
水力  8.2~13.3円
に対して、
原子力 4.8~ 6.2円
である。
 
 したがって、電力会社は、原子力発電をフル稼働し、電力需要が伸びる夏などに、石油や水力発電で不足分を補っている。
 クリーンだからでなく、儲かるから原子力発電を推進してきた。
 
 東芝や日立などの重電各社、ゼネコン原子力発電所建設・運転が巨大ビジネスであるから、原子力発電を積極的に推進してきた。
 
 東電は大学に膨大な研究費を提供して、御用学者を養成し続けてきた。学者は良心を捨てて積極的に御用学者になる道を選べば、各種委員会の委員になって地位は上昇し、収入も増加し、学内での発言力も増し、メディアへの出番も増える。
 
 テレビ・新聞のメディアは電力会社および経団連企業が最大のスポンサーである。
 
 官僚は、業界と政治屋の意向に従って原発ビジネスを推進して、巨大な天下りのおこぼれを頂戴する。
 
 また、米国は世界戦略の一環として、日本が反核運動の先頭に立たず、かといって核兵器保有国にならないよう、米国の監視下で日本が原子力発電ビジネスにのみ邁進するよう誘導してきた。
 
 そのエージェントの代表が、正力松太郎であり、正力が率いた読売・日テレグループである。
 
 政治屋は、原子力発電を積極推進することにより、表・裏の巨大な政治献金を受け入れてきた。
 
 これが米・官・業・政・電+学の利権複合体による巨大な癒着の構造であり、すべての裏側に米国がいて、仕切ってきた。
 
 欠落しているものがひとつある。民衆の視点民衆の幸福である。
 
 チェルノブイリ、スリーマイル島、東海村、美浜、柏崎の経験により、人類は原子力を完全にはコントロールしえないことを、歴史の真実から学び取った。
 
 賢者は最悪を想定して安全な道を進む。それが、子や孫の世代を慮る思慮ある行動である。人類の叡智である。
 
 愚者は目先のカネに目がくらんで、危険な原子力利用の道を進む。けもの道である。
 
 米官業政電+学の癒着の構造を破壊しない限り、国民の幸福が第一の政策は実行されない。原子力危険利用の問題は、日本の政治体制そのものの問題なのである。
 
①天下りを全面禁止すること
②企業献金を全面禁止すること
③対米隷属から離れること

を実行しない限り、日本は危険な原子力利用から離れられず、国民の生命と健康は深刻なリスクに晒され、子や孫の世代に巨大な放射性物質が死の遺産として贈り続けられることになる。
 
 そして、カネに目が眩まず、真に国民の幸福を追求する者が政治を司ることが不可欠なのだ。

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2011年4月 8日 (金)

テレビが伝えない福島原発の著しく困難な現況②

福島第一原発から高濃度放射能汚染水が垂れ流されていたが、ガラス凝固剤を用いた対応策を実行した結果、海洋への汚染水放出は停止した。
 
 これで一安心かと言えば、まったく違う。
 
 政府は低濃度汚染水の海洋放出を行うと喧伝したが、これは大きな間違いである。実際に福島第一原発から放出されたのは、低濃度ではなく高濃度放射能汚染水だった。
 
 ガラス凝固剤で放出が止まったのは、「超超高濃度汚染水」であり、放出が続いているのは「低濃度」ではない「高濃度放射能汚染水」である。
 
 福島第一原発で何よりも必要な作業は、核燃料=炉心の冷却である。
 
 冷却水を投入すれば放射能汚染水が海洋に廃棄される。
 
 
冷却水の投入をやめれば、核燃料の温度が上昇し、核爆発が再開する。
 
 この「究極の選択」のなかで、再臨界という最悪の事態を回避するために、放射能汚染水の海洋放出と言う二番目の最悪の事態を選択してきたのだ。
 
 今回、ガラス凝固剤の活用で、海洋への超超高濃度放射能汚染水の放出は止まったが、他方で、冷却水の投入を中止したわけではない。冷却水の投入に比例して、超超高濃度放射能汚染水が際限なく発生することになる。
 
 
外部から冷却水を投入せずに、循環的な冷却システムを再構築することが求められているが、高濃度放射線が計測されている作業環境の下で、循環的な冷却システムを再構築することは、極めて難しいものと考えられる。
 
 そうなると、際限なく発生する高濃度放射線汚染水の処理が極めて重要な作業になるが、そのめどはまったく立っていないというのが現状であると思われる。
 
 問題の核心は、原子炉そのものの状況であるが、日経BPnetの4月4日付記事に大前研一氏が記述されているように、現状では、第1号炉から第3号炉のすべての原子炉で炉心溶融(=メルトダウン)が生じ、さらに、第1号炉と第3号炉において、原子炉内の格納容器の底に穴が開いて、核燃料の放射性物質が外部に放出されている可能性が高いと思われる。
 
 
とりわけ問題は、第3号炉がMOX燃料を用いていることである。

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菅-枝野体制は、ようやく避難エリアの拡大を検討しているようだが、致命的に対応が遅れている。健康被害が表面化するのに10年ないし20年かかるかも知れないが、間違いなく刑事事件に発展することになるだろう。
 
 健康被害が明瞭に予測されながら、住民を強制的に危険な場所に留まらせているわけで、この不作為が未必の殺意と認定されることも十分に考えられると思われる。
 
 1時間当たりの放射線量の簡便な用い方は次の通りだ。1時間当たりの放射線量の1000倍が40日間、1万倍が400日間の放射線量になる。原子力委員会は被曝量上限を20ミリシーベルトに引き下げると発表したようであるが、400日を基準にすると、毎時2マイクロシーベルトが分岐点になる。
 
 浪江町などコンスタントに毎時100ミリシーベルトの放射線量を観測してきた地点などは、震災発生直後から避難地域に認定されていなければならなかったはずだ。
 
 菅直人氏や枝野幸男氏の頭の中を占めているのは、政府支出を以下に節約するのか、東電の負担を以下に減らすか、だけである。東電は政官業学電癒着の構造のなかにあり、東電に対する政府の政策は中立性を保ちえない。
 
 経産省にとって東電は最重要天下り先であり、東電のメインバンクである政策投資銀行は財務省の最重要天下り先なのである。こうした天下りを通じる癒着を遮断しない限り、国民本位の政策など期待しようがない
 
 原子炉の格納容器に穴が開いているというのが事実だとすると、国際原子力事象評価基準では、福島原発の現状は明らかにレベル6に相当し、万が一、再臨界あるいは格納容器の爆発に至れば、チェルノブイリ並みのレベル7に相当することになる。
 
 これが、枝野氏をして急きょ、方針転換の行動をもたらしめている主因である。政府は事実を正確に国民に公表する責任を負っている。

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2011年4月 7日 (木)

厳正な事故賠償コスト強制が脱原発を誘導する

原発放射能放出事故・農林水産物汚染・消費抑制の関係を改めて整理して、基本を確認することが重要だ。
 
 すべての元凶は放射能事故にある。重要なことは地震は天災だが放射能事故は人災であることだ。
 
 放射能事故は津波で発生した。日本世界有数の地震国であると同時に津波国である。TSUNAMIという日本語は、そのまま国際語として通用する。それほど、津波は日本固有の自然現象である。
 
 1896年に明治三陸地震津波があった。東北地方太平洋岸に大きな津波が打ち寄せた。
 
 原発はこの世に存在する人造のファシリティーのうち、もっとも危険な存在である。その設置に際しては万全の安全対策を講じることが不可欠である。
 
 しかし、「絶対」はないから、原発保有そのものを断念するのが、人間の叡智である。賢者は最悪を想定するものである。
 
 東京電力と日本政府は、福島原発の構造設計において、1996年津波規模の津波への対応を怠ったその結果として、人類史上最悪の部類に属する重大な放射能事故を発生させた
 
 大気、河川水系、土壌、海洋を放射能物質で汚染してしまった。その一環として、農産物、水産物の放射能汚染が生じた。
 
 消費者が放射能に汚染された農産物や水産物を忌避することは当然の行動である。政府は万全の安全策を取らなければならない。保守的な規制数値を設定して、規制数値を上回る放射線が計測された農産物、水産物の出荷、販売、購入、摂取を回避するための万全の策を講じなければならない。
 
 テレビなどの電波を通じて周知徹底しなければならないことは、
「放射能に汚染されたリスクのある農産物や水産物を摂取することのないように万全の対応を取ること」
である。
 
 ところが、菅-枝野体制は、放射能に汚染された農産物や水産物を、「直ちに人体に害を与える水準の濃度」でない限り、できるだけ積極的に購入し、摂取することを奨励している。
 
 政府のこの行動は、一見すると罪のない農業労働者や漁業労働者の立場を大切に扱っているものに見える。放射能に汚染された農産物などを買わない、食べないとの行動を広く消費者が取り始めれば、農業や漁業が壊滅的な打撃を受けるから、できるだけ、そのような放射能に汚染された農産物や水産物を思い切って食べることが、被災地の人々を支援する行動であるかのような錯覚が生まれてくる。

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しかし、これは大間違いである。
 
 放射能に汚染された農産物、水産物を摂取することは避けるべきである。
 
 この行動が広がれば、農業や漁業関係者が壊滅的な打撃を受ける。だから、放射能に汚染されたものを積極的に食べろというのは間違っている
 
 大事なことは、物事の本質を明らかにして、誰が何に責任を負うのかをはっきりさせることである。
 
 問題の元凶は、東京電力と政府が、本来果たすべき責任を果たさずに、放射能放出という犯罪的な行為を引き起こしたことにある。薬害エイズ問題では、加害者が刑事責任を追及された。今回の事故でも、事故発生責任者の刑事責任が追及されなければならないはずだ。
 
 放射能放出という惨事を引き起こしてしまったことを踏まえ、リスクのある放射能汚染食物の摂取を回避すること、生産者等の損害を完全に補償することが求められているのだ。
 
 農業関係者、漁業関係者に対する損害賠償を完全に行うことが確約されるなら、大混乱は避けることができるのである。
 
 放射能に汚染された食物を積極的に食べろと言っているのは、菅-枝野ラインの政府だけである。彼らが、放射能に汚染された食物をどんどん食べろと言っているのは、農業関係者、漁業関係者を救済するためではない自分たちの責任を回避するためなのだ。
 
 放射能汚染が広がれば、東電と政府の損害賠償金額は際限なく拡大してゆく。この損害賠償のお金を節約するために、危険な食物を「安全だ」、「安全だ」と繰り返し、「風評被害を起こすな」、「放射能に汚染された食物を積極的に食え」と絶叫しているのだ。本当に悲しくなるほど卑劣な姿勢である。
 
 東電と政府はこのような惨事を引き起こしたことをまずは、心から深く謝罪するべきである。
 
 そして、すべての損害に対して、完全に補償することを確約するべきである。
 
 損害賠償金額は法外な規模に達することになるだろう。
 
 これが、危険な原子力を安易に取り扱った「コスト」なのである。
 
 この「コスト」を直視するなら、安易に「原子力平和利用」などの言葉を口にできなくなる
 
「原子力の平和利用」を「絶対」の安全性の下に実現することは不可能なのだ。
 
『東京原発』という題名の映画を見ていただきたい。主題は、原子力の安全神話に「絶対はない」というものである。
 
 エネルギー政策の基本方針に「脱原子力」を据えるしかないのだ。

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2011年4月 6日 (水)

原発事故加害者が被害額大幅圧縮に突き進む暴挙

福島原発で発生した巨大な放射能放出事故で、政府がかたくなに避難エリアの拡大に抵抗してきた理由より明白になった。
 
 原発周辺住民に対する損害賠償責任を算定するに際して、避難エリアのみを対象とする方針が垣間見えてきたからだ。
 
 安全性を基準に避難エリアが設定されたのではない電力会社と政府の損害賠償金額を節約するために、避難エリアを過小に設定してきたのだ。
 
 政府は避難住民に対する損害賠償仮払金の支払いの検討に着手した模様であるが、損害賠償の金額を低水準に確定するために、慌ただしい動きを示しているとすれば言語道断である。
 
 避難者の生活の不自由を考慮して、あくまでも「仮払い」とのことで支払うのであれば正当であるが、仮払いの水準に最終的な支払い水準を誘導しようということであれば、近隣住民は明確に拒絶の意思を示す必要がある。
 
 1世帯当たり100万円との数値が報道されているが、桁がひとケタ違うだろう。近隣住民に責任はない。
 
 電力会社と国の責任は何%であるか。
 
 間違いなく100%である。
 
 その理由は、4月4日付記事
 
「明治三陸津波規模で発生の原発事故は明白な人災」
 

に記述したように、
 
①事故発生の主因が大津波にあること
 
②津波の規模は115年前の明治三陸地震津波にほぼ匹敵する規模であること
 
③福島原発が明治三陸地震津波並みの津波に対する備えを欠いていたこと
 

にある。
 
 安全対策に万全を期さなければならない原発の構造設計において、わずか115年前に発生した津波と同規模の津波を想定していなかったのは、明らかな安全設計義務違反であり、その責任は厳しく問われねばならない。
 
 責任は東電と国の双方にある。
 
 住民側の責任はゼロである。したがって、原状回復が事故発生責任者の負う賠償責任ということになる。

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1世帯当たり100万円の補償で原状回復と言えるわけがない。避難住民8万人の全員に100万円を支払っても800億円である。最終的な東電と政府の負担金額を極小化するために、この金額が提示されたわけだ。放射能を撒き散らしたことの重大さを、これほどまでに軽々しく考えているということになる。
 
 この規模の損害賠償で、重大な放射能汚染事故の損害賠償責任を国と東電が済まそうということになるなら、直ちに全国の原子力発電所に対して、運転即時中止の大住民運動が勃発するだろう。当たり前のことだ。
 
 原子力発電が積極推進されてきたのは、

①電力会社にとって原子力発電がもっとも儲かる発電手法であること
 
②関連大企業にとって、発電所ビジネスがビッグビジネスであること
 
③関連学界にとって、原子力発電推進の論陣を張ることが、巨大な経済的利得を得る方法であること
 
④政治屋にとって原子力発電を推進することがカネを得る極めて有効な方法であること
 
⑤電波ビジネスにとって原子力発電を積極推進することが巨額の広告収入を得る方法であること
 
⑥霞が関官庁にとって原子力発電推進が天下り利権を拡張する有効な手法であること

 
によっている。
 
 電力会社を中心に、政・官・業・学・電の五者が利権複合体を形成して、原子力発電を積極推進してきたのである。
 
 住民は年中無休で生命のリスクに晒され、事故が発生すれば被曝させられ、自宅から避難させられ、あげくの果てに、およそ被害と見合わないカネを掴まされて、あとは泣寝入りしろと言うのか。これほど市民を愚弄する政府が、現代社会のどこにあるというのだ。
 
 この原子力ビジネス推進の最大の問題点は、いざ事故を発生させた場合の損失が無限大に拡散することである。
 
 今回の事故に伴う損害を正確に計測するなら、間違いなく10兆円は超えることになるだろうこのコストを厳しく当事者に背負わせなければ、また同じことが繰り返されることは火を見るよりも明らかだ。これをモラルハザード(=倫理の崩壊)と呼ぶ。
 
 1999年に発生した茨城県東海村のJOC原発臨界事故では、避難エリアは350メートルであったが、150億円の賠償責任が生じた。面積は相似比の二乗に比例するから、これを半径20キロにあてはめて、150億円を乗じると約50兆円との数値が得られる。
 
 避難範囲は本来、より大きく取られるべきであったし、近隣の農業、漁業に与える損害は計り知れない。これらを正確に計測して補償を行う必要がある。
 
 東京電力の昨年3月末の純資産2兆1607億円原子力損害賠償責任保険と原子力損害賠償補償契約でカバーできる金額が1兆8160億円であるから、両者の合計である約4兆円よりも東電の損害賠償金額が大きくなれば東電は債務超過になり、株主責任が問われねばならなくなる
 
 政府と電力会社には、事故に伴う損害額をできるだけ小さく計測する方向に強いインセンティブが働いている。どちらも、損害賠償金額を最小化したいと考える立場にある。
 
 政府が安全性や被害規模を計測するのは、交通事故を引き起こした100%責任を負う加害者が、被害者の損害金額を査定しているようなものなのだ。
 
 被害者が「痛い」と言っているのに、加害者が「だいじょうぶだ」と言って、損害がゼロに査定されているのだ。このような不条理がまかり通ってよいわけがない。
 
 被害を受けている一般国民、漁業関係者、農業関係者が被害状況を計測して、被害金額を確定してゆかなければならない。
 
 政府は、中立を装いつつ、先回りして損害金額を著しく不正に低い水準に誘導して確定しようとしている。その行為はもはや犯罪的ですらある。
 
 20-30キロ圏を避難エリアに組み込むことは当然であるし、また、その外側でも累計放射線量が極めて高い地域は避難エリアに組み込まねばならない
 
 政府と東電の利益のために、国民に犠牲を強制する政府には、即刻退場してもらう必要がある。国民を犠牲にして原発事故発生の責任者を擁護する政府でなく、政府や電力会社に厳しく対処しても、国民の健康と安全を重視し、国民の権利を確実に守る政府樹立しなければならない。

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2011年4月 5日 (火)

巨額損害賠償責任負う東電の株主責任が問われる

安全ですかっていうと、
安全ですっていう。
 
こだまでしょうか、
いいえ、枝野幸男です
 
週刊現代2011年4月16日号に紹介されたコピーである。秀逸なコピーである。
 
 これでは国民の生命と健康を守ることはできない。
 
東ニ放射能ニ汚染サレタ野菜ガアレバ、危険ダカラ食ベルナト言ヒ、
 

西ニ高濃度放射能ガ観測サレタト聞ケバ、行ッテ危ナイカラ避難シロト言ヒ、
 
北ニ放射能デ汚染サレタ水ヲ海ニ流シタト聞ケバ、魚ヲ食ベルノハ危険ダカラ控エロト言ヒ、
 
南ニ放射能ヲ浴ビナガラ働ク人アレバ、基準値ヲ超エル放射能ヲ浴ビテハイケナイト言ヒ、
 
農業ヤ漁業ノ損害ニツイテハ、政府ト電力会社ノ責任デ完全ニ補償スルコトヲ確約シ、
 
津波ニ備エナカッタ政府ト電力会社ノ責任ヲ全面的ニ認メテ謝罪スル
 
サウイフ政府ヲワタシハモトメル

 
というのが正しい考え方だ。

 風評被害を批判するコピーがテレビメディアで盛んに流布されている。
 
 健康被害を警戒することが間違った行動なのか。
 
 高濃度の放射能を大気中に放出し、高濃度の放射能汚染水を大洋に大量放棄しながら、放射能汚染を警戒する世界の主要国の行動が間違っていると、日本政府は国連総会で主張できるのか
 
 食物の放射能汚染を警戒し、健康被害が生じないための万全の方策を、責任をもって誘導するのが政府や電力会社の責任である。
 
 何よりも重要な問題は、原子力発電所の放射能放出事故に伴う生産者および消費者の損失を、責任ある事故発生当事者である電力会社と政府が、責任を持って完全に補償するとの確約を示すことである。
 
 この確約が示されれば、農林漁業関係者の不安は、ひとまず解消される。損害に対する完全な補償の確約がないことが、混乱を生む最大の原因になるのだ。
 
 東京電力の補償責任は膨大な金額に達することになると思われるが、東京電力の経営危機が表面化する場合には、適正に株主責任金融機関の融資責任が問われなければならない。

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被害者への補償を完遂するため、また、電力供給の責任を果たすために電力事業の継続が求められ、最終的には政府による資金支援が必要になると考えられるが、順序を逆にして、株主責任や金融機関の融資責任が問われないというようなことが万が一にも起こらないように、厳重な監視が求められる。
 
 りそな銀行の処理の場合には、りそな銀行に責任があると言いながら、政府はりそな銀行を救済し、りそな銀行の株主株主責任を問われるどころか、政府による銀行救済により、株価が4倍に上昇したことにより、政府から巨大な利益供与を受けた株主責任を負う株主が、逆に政府から巨大利益供与を受けたのだ。この措置の過程で、大規模なインサイダー取引が実行されたと見られている。
 
 このような不正が行われないように、厳重な監視が求められる。経営危機が表面化する場合には、会社更生法の適用を軸に対応策を検討することが適正である。
 
 今回の震災で、巨額の借金で購入した機械設備が津波で流され、倒産の危機に直面している企業に政府が公的資金を投入して、この企業を救済するとでもいうのか。
 
 今回の原発爆発事故は、東電と政府が、わずか115年前に発生した津波規模の津波に対する備えを怠ったために発生した人災であり、電力事業継続のために政府が公的資金を投入する場合には、その前に、株主責任、金融機関の融資責任が問われることは当然である。
 
 利権政治屋-利権政党-官僚機構-電力会社-電波会社が結託して、株主責任や金融機関の融資責任を曖昧にすることは絶対に許されない
 
 株式市場では株主責任が問われる事態を予想する方向に株価が変動しているが、当然の市場の反応である。

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人類史上最悪の放射能海洋汚染が進行している

4月4日、茨城県北茨城市の平潟漁協が検査用に採取したコウナゴから、1キロ当たり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。
 
 人類史上最悪の海洋汚染が進行している。
 
 問題は、生物濃縮が行われる放射性物質が海洋放出された場合の影響である。生物濃縮が行われる放射性物質はすでに海洋に放出されていると考えられる。
 
 政府は、放射性物質は海洋によって希釈されるから健康に害を及ぼすことはないと主張するが、その主張が正しいのなら、放射性物質を海洋に放出して廃棄することに規制を設ける必要はない福島原発に溜まった大量の放射能汚染水をすべて太平洋に垂れ流せば良いということになる。
 
 セシウムストロンチウムなどの放射性物質を無制限に海洋放出して、政府は本当に問題がないと言い切れるのか。
 
 福島原発の北西に位置する福島県浪江町、飯館村に対する対応も同じだ。
 
 浪江町では、3月11日の地震発生以降、コンスタントに
100~330μSv/hの高濃度放射線量が観測
されてきた。
 
 40日間の被曝量は1時間当たり放射線量の1000倍、400日当たりの被曝量は1時間当たりの被曝量の1万倍になる。
 
 上記放射線量の1万倍は、
1~3.3Svに達する。
 
 一般個人の年間被曝量上限は、0.001SV
 原子力関連事業専門職員の年間被曝量上限
 0.05Sv
と定められている。
 
 0.1Sv以上の被曝で重大な健康被害が警戒される。
 
 年間被曝量1~3.3Svという放射線量は、心配のいらない数値からかけ離れている。

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放射線濃度の高い地域の住民はいったん避難させ、問題が完全になくなった時点で帰宅許可を出せばよい。何の罪もない住民の健康への配慮は、万全を期すべきだが、枝野幸男氏は、かたくなに住民を危険な地域に居住させ続けようとしている。
 
 その理由は、政府の財政支出を節約することだけにある。国民の健康を犠牲にしてでも政府支出の抑制を優先しているのだ。次期総選挙では、こうした悪魔の政策を実行する枝野幸男氏を必ず落選させなければならない。国民の生命と健康を守らない人物は、間違いなく国会議員失格である。
 
 政府は、罪なき国民の生命と健康を犠牲にしながら、財務省の天下り利権を守るために、税金を投入して東電を救済する方針を定めようとしている。この本末転倒に対して、主権者国民は怒りを表明しなければならない。
 
 セシウムストロンチウムなどの放射性物質の生物濃縮が進行し、その濃縮された放射性物質を人間が体内に取り込めば、極めて深刻な体内被曝が生じることになる。体外被曝と体内被曝との間には著しい相違があり、生物濃縮によって濃縮された放射性物質による体内被曝の影響を軽視してよいわけがない。
 
 この危険極まりない高濃度放射能汚染水が、現在、福島第一原発から海洋に垂れ流されている周辺海域の水産物の取り扱いについて、適正な規制をかけなければ、必ず深刻な事態を引き起こすことになる。
 
 イタイイタイ病水俣病の惨禍を絶対に繰り返してはならない。
 
 近隣の漁業関係者に甚大な損害を与えることになるが、この損害は、電力会社と政府が完全に補償しなければならない
 
 漁業関係者への影響を考慮して健康被害を口に出さないようしろというのは、被害拡大によって負担が増加する政府と電力会社の利害から生まれる主張である。
 
 風評被害を強調して水産物に対する警戒姿勢を批判するのは筋違いである。海産物に対する警戒は適正に強化するべきである。
 
 漁業関係者と消費者は、いずれも完全な被害者であることを認識しなければならない。誰が被害者で誰が加害者であるかを正確に認識して、責任を問う相手を間違えてはいけない。
 
 被害者は遠慮することを強制されるべきでない。被害者は被害の実情を遠慮せずにはっきりと声に出さねばならない。原発事故発生に責任を負う当事者が、すべての損害賠償の要求に対して、完全に、そして誠実に対応することが求められている。
 
 発生している海洋汚染大気汚染水質汚染土壌汚染過小に評価して、国民や農林漁業関係者に犠牲を強制するのは間違っている
 
 海洋汚染、大気汚染、水質汚染、土壌汚染を厳格に評価し、その損失に対する賠償責任を原子力事故発生に責任を負う当事者に厳しく負わせなければならない。そのコスト効果こそが、このような事故を再発させない原動力になる。
 
 事故を発生させたときの膨大なコストを踏まえれば、安易に原子力平和利用などと口にすることはできなくなる
 
 原子力は人間がコントロールできる資源ではない脱原子力の方向に人類の進路を明確に転換することが求められている。

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2011年4月 4日 (月)

明治三陸津波規模で発生の原発事故は明白な人災

今回の東北大震災に伴う大津波に関する調査が開始され、新たに今回の津波が1896年の明治三陸地震津波に匹敵する規模であることが明らかにされた。
 
 115年前に発生した津波と同規模の津波が東北地方太平洋沿岸を襲ったことが明らかにされつつある。
 
 福島原子力発電所における高濃度放射能放出爆発事故の責任問題が厳しく問われなければならないが、最重要のポイントは、
 
①事故発生の主因が大津波にあること
 
②津波の規模は115年前の明治三陸地震津波にほぼ匹敵する規模であること
 
③福島原発が明治三陸地震津波並みの津波に対する備えを欠いていたこと

 
にある。
 
 いまからわずか115年前に東北地方では明治三陸地震津波が発生している。安全対策が何よりも重要である原子力発電所の構造設計に際して、わずか115年前に発生した津波の規模を踏まえて、その程度の津波発生に耐えうる構造を保持するのは当然のことである。
 
 ところが、福島原発では、明治三陸地震津波規模の津波への対応がなされていなかったその結果として、重大事故が発生してしまったのである。
 
 東京電力および政府の責任は明白であり、完全な損害賠償実施が求められるのは当然である。
 
 4月1日付記事
「東電の責任処理歪める利権最優先財務省の暴走」

に記述したように、東京電力に対する適正な責任を求めず、政府が東電を救済するとの拙速な対応情報が報道されているが、最大の融資責任を負い、原子力発電所の海外への拡散を推進してきた政府系金融機関である
 
日本政策投資銀行
および
国際協力銀行
 
責任を回避するために、財務省が蠢(うごめ)いている結果である。
 
 財務省は財務省の最重要天下り先である日本政策投資銀行と国際協力銀行の責任を回避するために、東電救済の方向を既成事実化しようとしているが、言語道断の暴走である。

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河北新報が伝えているが、岩手県大船渡市綾里白浜では、明治三陸地震津波で38メートルの津波に襲われた。現地では、この津波の教訓を生かして地区住民のほとんどが高台に住み、今回の津波被害を免れたという。
 
 津波は非常に大きなものであったが、わずか115年前に発生した津波の記録をもとに、最大の備えをしていた地域では、被害を限定的にすることに成功しているのである。
 
 福島原発は、少なくとも明治三陸地震津波規模の津波を想定して、発電所の安全を図ることが求められていたその備えがなく、重大事故を発生させたわけで、極めて重大な「人災」であるとしか評価しようがない。
 
 賠償責任を論じる場合、想定できる災害によるものであったのか、想定できない災害によるものであったのかが焦点になると思われるが、客観的なデータは、完全に想定しておかなければならない規模の津波によって引き起こされた事故であることを明白に証明している。
 
 政府が設置する事故調査委員会では、このような当たり前の結論を導くための、公正な人選が絶対に必要である。人選を歪め政府と電力会社の責任を回避するような歪んだ結論を示すことを許してはならない客観的な事実に基づいて適正な賠償責任のあり方が示されなければならない

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原発政策を誘導した米国核政策必見ドキュメント

第二次大戦後の日本の原子力政策は、米国によって半強制的に植え付けられたものである。米国が植え付けの主体であるが、この過程で、日本人のエージェント(=米国代理人)が、極めて重要な働きを演じた。
 
 日本人でありながら根ざす根本が日本にはない、米国の使命を帯びた人間が、戦後日本を誘導し続けてきた。
 
 そのために、日本は「真の独立」を達成できぬまま、現在に至っている。
 
 戦後日本の原子力政策を誘導した第一の人物正力松太郎である。正力松太郎読売新聞の事実上の創設者であり、日本テレビ放送網を創設した人物だが、同時に日本の原子力利用を誘導した人物でもある。
 
 正力松太郎の実像については、米国の外交文書の公開に連動する形で、徐々に明らかにされ始めているが、米国からの使命を帯びて、戦後日本が米国の属国であるように誘導してきた第一の人物と言ってよいだろう。
 
 早稲田大学教授の有馬哲夫氏などの研究により、ようやくその実像を日本国民が知り得るようになり始めている。
 

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 拙著『日本の独立-主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体の死闘』に記述したように、戦後日本を米国の支配下に置くために、米国は戦犯釈放者を重用してきた。正力松太郎もその一人であり、正力はCIAのコードネーム「PODAM」を保持していたことも明らかにされている。
 

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 米国が描き、日本で実演されてきた戦後日本の原子力政策の根幹は次の三つである。
 
①戦勝国が核を独占し、日本の核利用を米国の監視下に置くこと
 
②米国の対日政策の基本を「反共政策」とし、原子力を反共の目的のためにも利用する
 
③日本の反米化、反核行動の激化を回避する
 
 戦後直後のGHQの対日占領政策は、これとは著しく異なっていた。マッカーサー総司令官配下のGS(民政局)が占領政策の中心を担い、徹底的な民主化政策が採用された。
 
 ところが、冷戦が勃発し、トルーマン大統領によるソ連封じ込め政策が展開されると同時に、日本の民主化政策は大転換した。日本民主化の「逆コース」である。GHQでは、G2(参謀2部)が実権を掌握し、日本の反共化を推進するために、多くの謀略が実行されていった。
 
 日本に秘密警察組織が再生され、旧軍人秘密警察組織および新たな軍隊である自衛隊に徴用されていった。
 
 それでも、国内の民主化要求は根強く、日本の延縄マグロ漁船である第五福竜丸が米国の水爆実験により被曝すると、反核、反米運動はさらに活発化する傾向を示した。

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この状況下で米国からの使命を帯びて活動したのが、正力=読売グループである。正力は米国からの指令を受けて、「原子力の平和利用」のプロパガンダ流布に全精力をあげたのである。米国からの「原子力平和利用」使節団を読売新聞が招聘するとの策を弄し、日本における「反核・反米」活動の沈静化を推進していった。
 
 その延長上に、東海村の原子力施設設置があり、福島県での原子力発電所建設があった。「原子力の平和利用」のプロパガンダ採用の真意は、核兵器を含む原子力利用への風圧を緩和するため「平和利用」の表現を「方便」として用いた点にあると言ってよいだろう。
 
 原子力利用に批判的な学者を摘出し、弾圧するとの行動は、1950年代に公安調査庁や警察庁などによって確立された手法であり、テレビメディアはいまもこの種の「思想リスト」による色分けに基づいて、テレビ番組のコメンテーター起用を行っている。
 
 今回の原子力事故は原子力利用の困難さを改めて証明する事象である。この事故を踏まえて、日本は原子力に依存しないエネルギー確保に向け、エネルギー政策を根本から変更することを検討するべきである。
 
 万全を期していたはずの原発で、スリーマイル島事故を上回る深刻な事故を引き起こしたのである。日本では、政府とマスゴミが一体となって、「安全宣言」を繰り返しているが、主要な世界の報道機関は、原子力重大事故に対して政府とマスゴミが「安全広報・報道」を展開する「狂気の国日本」としてしか評価をしていない
 
 ただ、そのなかで、世界の原子力ビジネスを推進する米・英・仏の巨大原子力シンジケートが、日本での反原子力利用ムーブメントが一気に拡散しないように、さまざまな行動を展開しているだけである。
 
 福島では高濃度放射能汚染水が大量に海洋投棄され続けている。この最重大行為を、どの報道機関も最重要ニュースとして報道しない。
 
 福島原発での作業員死亡の情報も、長い間、隠蔽され続けていた。詳細を調べれば、驚くべき事実が判明するだろう。
 
 福島原発での作業員の労働環境について、厚生労働省は、労働者の労働環境および雇用契約等が、各種労働法制から逸脱するものでないかの監督責任を負っているにもかかわらず、厳重なチェック体制を敷いていない。
 
 日当数十万円での労働者の勧誘が適正なものであるのかどうか、直ちに詳細な検証が求められている。
 
 放射能事故に責任を負っているのは政府と東電である。政府と東電の責任者が誰一人として福島原発の現場で指揮をせず金の力で違法な労働力がかき集められているようなことがまかり通るのでは、日本は法治国家=近代国家とは言えないだろう。
 
「ふじふじのフィルター」様が、極めて有用なNHKスクープドキュメントのYOU TUBE映像を紹介くださった。正力松太郎が具体的にどのような行動をしたのか。米国がどのように日本の原子力政策をコントロールしてきたのかが、よく分かるプログラムである。福島原発事故に直面したいま、すべての日本国民がこのプログラムを視聴し、原子力政策を再検討しなければならない。
 
「原発導入のシナリオ~冷戦下の対日原子力戦略~」(その1)
 
「原発導入のシナリオ~冷戦下の対日原子力戦略~」(その2)
 
「原発導入のシナリオ~冷戦下の対日原子力戦略~」(その3)


 さらに、「ふじふじのフィルター」様が紹介くださっている
 
「米の放射能人体実験 次々崩れた機密の壁」
 
必読記事であるので、ぜひご高読賜りたい。

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2011年4月 3日 (日)

高濃度放射能汚染水の海洋放出を選択した菅政権

福島第一原発から高濃度放射性物質汚染水が海に流出していることが明らかにされた。すでに海洋水域では高濃度放射線が計測されていたから、原発から放射能汚染水が流出していたことは明らかだった。
 
 福島原発が、究極の選択を迫られていることを3月29日付記事
「テレビが伝えない福島原発の著しく困難な現況」
に記述した。
 
 炉心溶融を進行させないためには水の注入の継続が必要である。しかし、水の注入を続ければ、高濃度放射能による海洋汚染を継続してしまうことになる。海洋汚染を避けながら炉心冷却を進めなければならないが、その両立が難しい状況にあることを指摘した。
 
 この懸念が現実のものであったことが明らかにされた。
 
 政府と東電は、炉心溶融の継続を避けるために、海洋汚染を選択していたことが明らかになったのである。
 
 放射能汚染水による海洋汚染が生じていることが明らかになったが、炉心冷却を中断していない。このことは、炉心溶融を継続させないために、海洋汚染を選択したことを意味している。
 
 高濃度放射能汚染水による海洋汚染は、人類史上初めて生じる現象であり、先例がない。東電、政府、御用学者は海洋水によって放射性物質の希釈が生じるので人間の健康に影響を与えることはないと主張するが、それほど現実は甘くない。
 
 セシウム137あるいはストロンチウム90などは、海洋生物による生体濃縮という機能によって、驚くべき高濃度放射能に濃縮される可能性があり、この放射能に汚染された魚などを体内に取り込めば極めて重大な体内被曝が生じる恐れがある。
 
 私たちは、イタイイタイ病水俣病の悲劇を忘れるべきでない。
 
 ただし、問題が顕在化するのにある程度の時間がかかることが予想されること、そして、仮に生体濃縮による健康被害が生じたとしても、その因果関係の立証が必ずしも容易でないこと、などが問題を理解する鍵である。
 
 原子炉の炉心溶融が進展し、事態が核分裂が再始動する再臨界にまで進展すれば、格納容器の破壊、炉心爆発などによる最悪の事態が発生することになる。
 
 格納容器自体が溶け落ちて、核分裂が外界に直接晒されることになれば、とてつもない放射能の拡散が生じることになる。当然、事態改善のために人間が近づくことすら不可能になる。この状態に至るのが「チャイナ・シンドローム」であるが、その危険性が消滅していないのが福島原発の実態である。

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炉心冷却を継続している限り、この最悪のシナリオは現実化することはないが、この最悪のケースを回避するために、高濃度放射能汚染水による海洋汚染容認の選択が行われているのだ。
 
 政府、東電はこの海洋汚染を実行していることから、御用学者を動員して、海洋汚染の危険性を否定する言論統制を行っているが、深刻な海洋汚染は看過できる問題ではない。
 
 セシウム137やストロンチウム90などの生体濃縮による健康被害の可能性については、日本のイタイイタイ病被害事例、水俣病被害事例などを踏まえて、重大に、そして慎重に健康被害を考察するべきである。
 
 菅直人政権は炉心の冷却を継続していることから、「チャイナ・シンドローム」という最悪の事態に発展するリスクが低下したとして、定例の記者会見すら取りやめてしまった。しかし、冷却水注入は高濃度放射能汚染水の海洋への垂れ流しによって支えられているのである。
 
 高濃度放射能汚染水の海洋への垂れ流し事態が、重大な犯罪的行動であることへの認識が決定的に欠落している。
 
 この状態を放置すれば、近隣沿岸漁港で水揚げされた魚介類が消費者から排除される事態が生じることは当然である。これを「風評被害」と呼ぶことは適切でない高濃度放射能汚染水の海洋への垂れ流しを放置する政府がもたらす「人災」である。
 
 高濃度放射能汚染水の海洋垂れ流しがもたらす健康被害の可能性について、御用学者ではない、正義と良心を捨てていない専門家のコメントを広く流布してゆく必要がある。生体濃縮された放射性物質を体内に取り込むことによる体内被曝の影響は、驚くほどに深刻であることを、我々は正確に認識しなければならない。

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総理の椅子にしがみつくことだけが目標の大連立

ご臨終を迎えるはずだった菅直人政権が、東北関東大震災を利用して政権の延命を画策している。
 
 最大の問題は、主権者国民の声を踏みにじっていることだ。
  
 菅直人氏が進めている政権延命を目的とする大連立構想は、民主党政権を自公政権化することに他ならない。
 
 菅直人氏と現政権執行部は、自分たちが政権中枢に留まることだけしか考えていない。与党は参議院で少数だから、法律を成立させることができず、行き詰まりを見せている。政権運営が立ち行かないのなら、内閣総辞職するか解散総選挙に打って出るしかない。
 
 解散しても大敗するのは目に見えている。そこで、菅直人氏は政策運営を野党に丸投げして、総理の椅子にとどまることだけを考え始めた
 
 実質的な内閣総辞職だが、肩書きだけは内閣総理大臣を維持できる。
 
 政策は野党に丸投げだ。それでも、総理の椅子に座り続けられるのだから、菅直人氏としては何の問題もないのだろう。
 
 この時、完全に無視されているのは民意である。2009年8月の総選挙で主権者国民は、自公政治に終止符を打ち、主権者国民の意思を反映した民主党を軸とする政権を樹立したのだ。
 
 この時の民主党執行部は、小沢-鳩山ラインを主軸とするメンバーだった。
 
 ところが、2010年6月2日のクーデター政権執行部が民主党内悪徳ペンタゴン勢力に乗っ取られてしまった。そして、その延長上に、政権の政策を野党にそのまま丸投げする大連立への動きが浮上しているのだ。
 
 岡田克也氏は、2007年11月に生じた大連立提案に対して、何を言ったのかを忘れたとは言わせない。民主党は政権交代実現を目指して進んできたのだと言った。大連立を提案する党首は党首失格だと言ったのだ。
 
 その政権交代を実現した最大の功労者は小沢一郎氏である。岡田克也氏小沢一郎氏に対して不当で不正な攻撃を続けてきた。そして、政権交代が実現してまだ1年半しかたっていないというのに、今度は自分で大連立を言いだすのか。無責任もいい加減にしろと言われて当然だ。
 
 党幹事長は政策論議に口を出さない大連立など言語道断などを絶叫してきた、その舌の根も乾かぬうちに、政策には口を出す、大連立を口にする、など、岡田氏は本当に根なし草そのものだ。

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菅-岡田-仙谷ラインが画策する大連立は、政策決定権を自公に売り渡すという意味以上のことはない。政策決定権は自公に売り渡すが、ポストだけは維持させて欲しいというものだ。
 
 政策決定権を自公に渡すなら、それは本質的に自公政権である。自公政権にするというなら、内閣総辞職して、自公に政権を樹立させればよいのだ。
 
 政策決定権を自公に渡して、ポストだけ自公に恵んでもらうよりは、内閣総辞職の方がまだましかも知れない。しかし、いずれのケースでも、菅-岡田-仙谷ラインに欠けている決定的なことは、主権者国民の意思を無視しているということだ。民主主義の根本から完全に外れているということだ。
 
 菅直人氏が私利私欲に目がくらんで、政権を自公に売り渡す行動を取ったら、主権者国民はどうしたらよいのか
 
 主権者国民勢力を糾合して、自公民=悪徳ペンタゴン勢力に対抗する主権者国民政党=主権者国民勢力を確立し、来る次期総選挙において、衆議院過半数獲得を何としても実現しなければならない。
 
 自公民=悪徳ペンタゴン勢力は、必ず庶民大増税を掲げてくるだろう。これに対して、主権者国民勢力は、増税反対を明確に掲げるべきである。減税日本連合を形成して、総選挙を必ず勝ち抜かなければならない。
 
 菅直人氏が背徳の私利私欲大連立に進むことを念頭に入れて、大きな国民運動を展開しなければならなくなる。

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2011年4月 2日 (土)

大不況の危機に不況加速政策に突進する菅直人氏

『金利・為替・株価特報』129号=2011年3月25日号を、3月25日に発行した。物流が一部復旧し、129号に比べて早期のレポート送付が可能になった地域が多いと思われるが、一部地域では、なお配送に多くの時間を要し、ご購読の皆様には、大変ご不自由をおかけ申し上げておりますことをお詫び申し上げます。大変ご迷惑をおかけ申し上げますが、なにとぞご理解賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 
『金利・為替・株価特報』129号のタイトルは、
「経済悪化の深刻化招く大震災政策対応遅延」
 
目次は以下のとおりである。
 
<目次>
 
1.  【経済】95年型株価下落コースを歩む日本経済
 
2.  【政策】予測されていた『原子炉時限爆弾』
 
3.  【政策】財務省に支配される経済政策
 
4.  【株価】予測通りの株価三尊天井形成
 
5.  【政局】自公政権への変質で延命狙う菅直人氏
 
6.  【為替】予測通りの日本円史上最高値更新
 
7.  【中国】ソフトランディングに進む中国経済
 
8.  【金利】国債増発でも債券相場の暴落はなし
 
9.  【投資】投資戦略<目次>

 
『金利・為替・株価特報』では、昨年後半以来、日本の株価が三尊天井を形成する可能性が高いとの見通しを示してきた。
 
 2010年4月の11,339円を大天井とし、2009年8月26日の10,639円と2011年2月21日の10,857円を両肩とする高値を形成する三尊天井を形成する可能性が高いと予測してきた。
 
 その最大の理由は、菅政権が提示した2011年度予算が史上最強の緊縮予算=デフレ予算になっているからだった。
 
 市場エコノミストの大半は2011年の日本経済拡大を予想し、株価上昇を予測した。
 
 しかし、現実には、株価は急落し、予測通りの三尊天井を形成した。
 
 地震の影響で「想定外」の株価下落が生じたと述べるエコノミストが多いが、これらは間違いである。地震が来なくても株価は下落していた可能性が高い
 
 問題は、地震が発生し、株価が急落しているにもかかわらず、菅政権がまったく対応策を検討していないことである。ほとんど生体反応を示していないと言って過言でない。
 
 このまま進むと、一般の予想をはるかに超える景気急降下が発生する。
 
 景気急降下はそのまま雇用量の急減少を意味するから、大失業の発生もほぼ確実である。政府は直ちに超大型の財政政策を決定して発動する必要があるが、政府の対応はあまりにも遅い。
 
 その最大の理由は、この菅政権の経済政策立案機能を財務省が完全に掌握してしまったことにある。
 
 さらに、菅直人氏は、自分自身の延命を最優先して、政権そのものを自民公明両党に勝手に売り渡す暴挙に進んでいる。
 
 自公両党は、庶民大増税という不人気策を菅直人氏に委ねるとの狡猾な判断を持ち始めており、政府から、国民の生活を真剣に考える勢力が消滅しつつある。
 
 主権者国民のための政権は消滅し、米官業政電の利権複合体=悪徳ペンタゴンが支配する政権がこの国の中央に居座る最悪の状況が生じている。
 
 悪徳ペンタゴン悲惨な大不況をいとわない。庶民が苦しもうが、死んでゆこうが、意に介さない。苦しみにあえぐ国民に大増税を課すことも辞さない悪魔の存在である。
 
 95年の日本経済は、「地震・株安・円高・サリン」に見舞われた。株価が底をつけたのは、地震発生から6ヵ月後である。
 
 国民の生活を第一どころか、まったく考えない悪魔の政権が国の政策を握ってしまっている。主権者国民は、最悪の事態を想定してゆかねばならない状況にある。

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かんぽの宿疑惑不起訴こそ検察審査会起訴の対象

東京痴犬地検特捜部が、3月29日、日本郵政が保養宿泊施設「かんぽの宿」などをオリックス不動産に不当に安く売却して会社に損害を与える恐れがあったとして、日本郵政の西川善文社長ら幹部3人(いずれも当時)が民主党などの国会議員から特別背任未遂などの容疑で告発されていた問題について、
 
「売却条件に最も近い条件を提示したのがオリックス不動産で、任務に反したとはいえない」
として、3人を不起訴(嫌疑なし)とした。
 
「ライジング・サン(甦る日本)」様が事実を明らかにしてくださった。
 
 日本のもっとも深刻な構造問題は、警察・検察・裁判所制度の前近代性にある。
 
 小室直樹氏は、
「日本いまだ近代国家に非ず」
と表現した。
 ウォルフレン氏は、
「日本では法律が支配するのではなく支配されている」
と表現した。
 
 最大の問題は、
 
刑事訴訟法第248条が定める「起訴便宜主義」が拡大解釈され、刑事訴訟手続きが政治的目的のために恣意的に運用されていること
 
②そのなかで、刑事訴訟手続きにおいて、法の下の平等、罪刑法定主義、基本的人権の尊重、およびDUE PROCESS OF LAW(=適正手続き)が、完全に無視されていること
 
裁判所裁判官の人事権内閣総理大臣および最高裁事務総局に握られていることから、裁判官の独立が有名無実化し、行政府が裁判所を実質支配してしまっていること
 
にある。
 
 このことから、検察当局に、判決を決定する権限を含めて、実質的に最高の権限が付与されてしまっている。政治権力はこの検察権力と取引することにより、政治権力の安泰を図ると同時に政敵の抹殺を行えることになる。
 
 司法権の政治利用、政治権力による裁判所および検察権力支配は、前近代国家の基本構造であり、日本はこの段階にとどまったままである。

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問題の「かんぽの宿不正売却未遂疑惑」については、本ブログで、繰り返し詳しく解説してきているので、改めて参照いただきたい。
 また、拙著『日本の独立-主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体との死闘-』にも、詳しく記述したのでご高覧賜りたい。
 

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 疑惑の概要は、時価1000億円超と見られる「かんぽの宿」など79施設が、極めて不透明な売却先決定プロセスを経て、オリックス不動産に109億円で売却されることが決定されたというものである。
 
 日本郵政でこの問題を取り扱ったのはCRE部門で、西川善文社長直轄の特命チームが担当したとされる。西川社長の出身母体である三井住友銀行出身者が中軸を占める特命チームだった。
 
「かんぽの宿」売却規定は、郵政民営化関連法案策定の最終段階で、竹中平蔵氏の指示で盛り込まれたものである。竹中氏は著書のなかで、「かんぽの宿」事業は日本郵政の本業ではないことを理由に売却方針を決定したとしているが、他方で竹中氏は日本郵政が本業ではない不動産事業に積極進出することを推奨しており、「本業でないから売却することとした」との理屈付けは、竹中氏のその後の言動と矛盾している。
 
 また、竹中氏はオリックスの宮内義彦氏が小泉政権の郵政民営化論議とまったく関わりがないと主張してきたが、総合規制改革会議2003年度第5回会合議事録に、総合規制改革会議が郵政民営化論議に関わってきたことが明確に示されており、この点についても竹中氏の主張が嘘であったことがすでに明らかになっている。
 
 日本郵政は「かんぽの宿」売却に向けて、「かんぽの宿」簿価を人為的に急激に引き下げた。「かんぽの宿」売却方針が決定された2005年10月以降に、「かんぽの宿」簿価は人為的に急激に引き下げられた。
 
 2005年3月期に1535億円であった「かんぽの宿」簿価が、2007年9月の公社閉鎖時点では129億円にまで強引に引き下げられたのである。
 
 安値売却を正当化しようとする人々は、「かんぽの宿」の鑑定評価額が低いことを根拠にするが、その理由は低い価格が算出される方法で鑑定評価が行われていることが主因であり、異なる鑑定評価方法を用いれば、物件の客観的評価額は格段に高いものになる。
 
 鑑定評価には、「原価法」、「取引事例比較法」、「収益還元法」の3種類がある。大幅赤字の事業収支をベースに収益還元法で鑑定評価を行えば極めて低い鑑定評価額を得ることができる、「かんぽの宿」鑑定評価額算出ではこの手法が用いられた。
 
 また、日本郵政内部で、意図的にかつ強引に簿価引き下げが行われたことを示す関係者の証言も明らかにされている。
 
「かんぽの宿」加入者福祉施設で、加入者への利益還元を目的に利用料金が低く設定されている。したがって、収支が赤字になるように料金体系が設定されていたわけで、経営体制の見直し、利用料金の見直しなどにより、収支を黒字化することが可能だった。実際、2010年度の黒字化に向けて収支改善が進行していた。
 
 ところが、そのなかで2008年度の収支が突然大幅赤字に変化した。安値売却を正当だとする人々は、2008年度収支の年間40-50億円の赤字を喧伝したが、これは安値売却のために「作られた数値」であった可能性が高い。
 
 従業員の雇用維持が安値売却の理由とされたが、オリックス不動産に課せられた雇用維持義務は、3200名の雇用者のうち、620名の正社員のなかの550名について、1年限りで雇用条件を維持するというもので、安値購入を正当化するものでない。
 
 日本郵政による売却方針公告時に、400億円程度の買値を打診した事業者が存在したが、日本郵政がこの事業者を門前払いした。
 
「かんぽの宿」79施設のひとつに「ラフレさいたま」があり、この施設だけで100億円程度の時価があると見られている。また、首都圏9か所の社宅については、土地代だけで47億円程度の時価があると見られている。
 
「かんぽの宿」売却はこの10施設以外に、全国69ヵ所の「かんぽの宿」をすべて合わせたもので、固定資産税評価基準額は857億円である。不動産時価は通常、固定資産税評価基準額より高くなるのであり、109億円の価格は客観的に得られる時価水準を著しく下回っている
 
 競争入札が行われたとされているが、競合者はすべて、特別の理由により排除されており、実質的な競争入札は行われていない。
 
 東京痴犬地検特捜部は、良識ある捜査を行っていない。政治的な圧力を受けて不起訴決定を示したと考えられる。
 
 客観的な証拠も数多く存在しているのだ。このようなケースで、政治的な圧力により不起訴とされるようなケースでこそ、検察審査会による審査が求められるのだ。国民に重大な不利益を与える行政上の刑事事件疑惑である。このようなケースで検察審査会が機能を発揮しないのなら、検察審査会など無用の長物である。
 
 日本は前近代国家であるから、政治権力と結びついた政商宗主国と結びつく政商を摘発することは著しく困難であるが、この状態を放置したのでは、日本は永遠に近代国家になり得ない!
 
「かんぽの宿」疑惑は、必ず法廷の場で真相を明らかにしなければならない。

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2011年4月 1日 (金)

国際原子力機関IAEAも認定した枝野氏の過ち

福島原発から65キロも離れた福島市に「現地」対策本部を避難させた政府が、高濃度の放射能に汚染されている、福島県浪江町および飯館村の住民に対して、放射能被曝の危険の高い地域に留まることを強制している。
 
 IAEA(国際原子力機関)は3月30日、東日本大震災で放射能放出事故を起こした福島第1原発から約40キロ北西の福島県飯舘村で、IAEAの避難基準を超す高いレベルの放射性物質が検出されたとして、日本政府に避難地域の見直しを暗に促した。しかし、日本政府は避難の必要がないと強弁を続けている。
 
 IAEAは、3月18日から26日にかけ、第1原発から25~58キロの9自治体で採取した土壌サンプルに含まれるヨウ素131とセシウム137の量を測定した結果、飯舘村で1平方メートル当たり200万ベクレルを検出した。これはIAEAが定める避難指示基準の2倍に相当する。
 
 3月15日の時点で、文部科学省の計測により、原発から北西20キロ地点にある福島県浪江町100~330μSvという高濃度放射線量が観測された。
 
 1時間あたりの放射線量を年換算するには、1万倍すればよい。1万倍で400日間の累計放射線量になる。
 
 上記、福島県浪江町のケースでは、400日間放射線量が
1Sv~3.3Sv
に達することになる。
 
 一般的に放射線被曝量限度は年間で0.001Svとされている。
 
 放射線関連事業の専門職労働者の場合の上限被ばく量は0.05Svとされている。
 
 0.1Sv以上の被曝で健康被害が明確に認識され、1Sv以上の被曝では生命の危険も浮上する。短期間に4Sv以上の被曝を受ければ、半数以上が死亡するとされている。
 
 上記福島県浪江町のデータでは、最大400日間で3.3Svの被曝量が計測されているのであり、当然のことながら、健康被害が懸念されている。

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文部科学省はこの浪江町20キロ地点の放射線濃度計測を中止してしまった。政府に都合の悪いデータを意図的に隠蔽する行動が鮮明に示されている。
 
 放射線汚染は、風向きの影響を強く受ける。福島原発の場合、とりわけ、北西方向の放射線量が著しく高くなっており、北西方向にある浪江町や飯舘村では、より大きな距離範囲での避難が必要になっている。
 
 ところが、枝野幸男氏はかたくなに避難勧告を拒絶している。避難エリアの拡大が財政支出負担を拡大させることが、その主因であると思われるが、もうひとつ、個人的に面子を維持したいとの思惑が強く影響しているようだ。
 
 政府の「現地」対策本部は、いち早く、65キロの遠方に避難した。枝野氏などははるか300キロも離れた東京から一歩も離れようとしない
 
 福島原発から北西20キロの浪江町がそれほど安全なら、枝野幸男氏の常駐場所を浪江町に変更するべきである
 
 原発事故が収束に向かえば、結果オーライということになるが、国民の生命と健康を守る施策において、そのようなギャンブル=危険策は許されない万が一にも被害を発生させないという安全策を取ることが鉄則である。
 
 自分は安全な場所に身を置いておいて、国民には危険な場所から離れるなと主張し続けるのは、枝野氏が悪魔であることを物語っている。
 
 また、菅-枝野体制の避難誘導の段取りの悪さから、避難民は、最低限度必要な手荷物を取りまとめる時間もなく、深夜や早朝に、着の身着のままで、自宅から離れざるを得なかったのだ。少しの思考力を働かせたなら、身の回りの荷物を取りまとめて、余裕を持って昼間の時間に落ち着いて避難を実行できる支持を示すことができた。
 
 避難民は、自宅に必要な物資を取りに行くことさえ許されていないのだ。政府の無能さが、そのまま住民の不幸に直結している。
 
 日本国民は悪魔に政治を委ねる考えなどまったく持たない。国民の生命と健康を守ろうとしない政府には、即刻退場してもらう以外にない。暴走する枝野氏を主権者国民の意思で強制排除することを検討しなければならない。

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東電の責任処理歪める利権最優先財務省の暴走

福島原発で放射能放出爆発事故を引き起こした東京電力について、東京電力が完全民営化会社であり、市場の自己責任原則を負っているにもかかわらず、早い段階から政府による救済のプランが取り沙汰されている。
 
 自己責任を負う民営化会社として電力会社を位置付けてきたことと、早期の政府による救済策の検討は、根本的な矛盾を孕んでいる。東電の経営が行き詰まる場合、会社更生法を適用するのが基本である。会社更生法を適用しても電力事業そのものは十分継続可能である。この基本を踏み越えて、現段階で東電救済策が浮上することはあまりにも不正であり不当である。
 
 東京電力が今回の事故に責任を負うのは当然である。なぜなら、地震と津波という、もっとも蓋然性の高い災害に対する、当然の備えを怠ってきたことが事故発生の主因であるからだ。
 
 いまからわずか115年前1896年に発生した明治三陸地震津波は、今回の津波を上回る高さを記録している。したがって、少なくとも、前回の大津波と言えるこの明治三陸地震津波程度の津波に備えておくべきことは当然であった。
 
 国会でも津波対策が厳しく追及され、大きな津波が来たときに福島原発が安全性を確保できないとの厳しい指摘があったにもかかわらず、電力会社と国はこの警告を無視し、その結果として今回の事故を引き起こしたのである。
 
 したがって、事故にかかる補償について、電力会社と国は全責任を負っている電力会社には、自己責任原則に基づいて損害に対して賠償責任が求められる。電力会社の能力を超える損害補償については、国が全責任を負わねばならない。
 
 この事態に対して、東京電力に対して市場原理に基づく責任を求めないとの案が早期から提示されているのは、あまりにも奇怪である。

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自己責任原則によって東京電力の経営が破たんする場合、当然のことながら、株主は株主責任を問われ、銀行は融資責任を問われる
 
 現段階で政府による東電救済案が浮上しているのは、この株主責任と融資責任を不当に回避したい勢力が、責任回避のためにいち早く行動を開始したからである。
 
 その最大の主体は日本政策投資銀行とこの銀行を最大の天下り先に持つ財務省である。
 
 また、国際協力銀行は、利権臭が立ち込めるベトナムへの原子力発電所の海外輸出に向けて、時代錯誤の危険極まりない5000億円もの融資提供を行うことになっている。今回の原発事故で、原発輸出が消滅することも間違いない。
 
 国際協力銀行も財務省の最重要天下り先のひとつで、財務省は公的機関のスリム化で単独の機関としてはいったん消滅した国際協力銀行を、単体の金融機関として復活させ、より充実した天下り機関への衣替えをも狙っている
 
 国民に増税などを求める超緊縮財政を敷きながら、自分たちの利権、天下り先確保には、なり降りかまわず突進する財務省の横暴を放置してはならない。
 
 銀行の融資責任を問わないとの方針には、大手銀行がもろ手をあげて賛成する。市場経済の根本ルールをはずして、自分たちの利権だけは死守しようとする財務省の横暴に国民は気付かねばならないし、この横暴を断じて許してはならないのである。
 
 東京電力は株式市場に上場している、れっきとした民間企業であり、その責任処理に際しては、市場のルールに沿って行うべきことは基本中の基本である。
 
 新聞などが競って東電救済プランを報道するのは、利権最優先の財務省の意向を先回りして反映しているのである。このような財務省の横暴を断じて許してはならない。

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正義と良心捨てた御用学者を選別して排除すべし

政府が御用学者を使って、放射能に汚染された食物
「安全だ」
と強弁
しているのは、パニックを引き起こさないためではない。
 
 政府と電力会社の損害賠償補償金額を節約するためである。
 
 放射能に汚染された食物を摂取して、体内被曝することは極めて危険である。この危険性に対する認識があるから、摂取についての安全基準が設置されてきたのである。
 
 実際に放射能汚染問題が生じたときに、この基準を変更するのでは、何を目的に基準が設定されてきたのか分からなくなる。基準が適正であるかどうかは基準を設置する際の問題なのであって、実際に放射能事故が生じた際に基準を変えるのでは、本来の基準の意味をなさない。
 
 自動車で後方から追突事故に遭ったとする。過失責任は100%後方の車にある事例で考えてみよう。
 
 むち打ちの心配があり、医者に診てもらい、確実な安心を得ようとするのは当然の行動である。
 
 ところが、どこからか、「首が痛くても心配ない」「うしろから追突されても直ちに健康に影響することはない」「この程度の後ろからの衝撃であれば、300回受けても問題はない」「心配して病院に行くことはない」「まったく心配する必要はないので安心して暮らしてほしい」などの声が聞こえてきた。
 
 よく調べてみると、声を発している主は、後ろから追突した追突犯とこの追突犯が加入していた保険会社だった。
 
 つまり、事故の損害賠償金を一円でも節約するために、「だいじょぶ、だいじょぶー」と絶叫していることがわかったのだ。
 
 事故の責任は100%後ろの車にある。事故の被害者である前の車の乗員は、首が痛いことを心配して当然だし、医者にしっかりと見てもらう必要がある。また、症状がすぐには出ずに、少し時間が経過して出てくることもある。後遺症についても慎重に考えるべきなのだ。

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今回の原発事故は「人災」である。最大の問題は、わずか100年前に今回よりも大きな津波が東北地方太平洋沿岸を襲っていることだ。少なくとも、この100年前の津波を想定のなかに入れて、安全対策をとることが求められた。
 
 ところが、国も電力会社も、この基本の基本を怠ってきたのだ。1000年に一度の想定外の地震で発生した事故ではない。100年前の津波以下の規模の津波で発生した事故であり、この意味で完全な「人災」なのである。
 
 原子力発電が他の発電方式と決定的に異なるのは、ひとたび事故が発生する場合に、その程度が極めて重大で深刻になる点である。したがって、原子力利用の大原則は、安全対策に、万全の上にも万全を期すことである。
 
 それでも、人間のなせる業である。万全を期したつもりでも抜け穴が生じることも完全には否定できないであろう。
 
 現実に、これまで、チェルノブイリ、スリーマイル島などで重大事故が発生してきた。日本でも、東海村、柏崎、美浜などで重大事故が発生してきた。これらの教訓から、原子力を人間が制御することは不能であるとの認識が広がり、世界的に原子力の平和利用を断念する思潮が広がってきた。
 
 ところが、原子力利用を推進することにより経済的な利益を得る勢力が、執拗に原子力利用を推進する活動を展開し続けてきた。地球温暖化の原因をCO2に原因を帰す地球温暖化大キャンペーンが展開され、原子力利用推進の巨大運動が推進されてきた。その舞台回しを行ってきたのが米英仏の原子力シンジケートである。
 
「原子力に汚染された食物が安全である」との運動を推進するよりは、
「人類の脅威となる原子力利用を可能な限り制限する」運動を推進することの方が賢明である。
 
 この視点に立てば、原子力に汚染された食物を我慢して食べるよりも、原子力に汚染された食物を拒絶し、原子力放出をもたらした責任ある当事者にコストを課すことの方が、より望ましい効果が発揮される。
 
 原子力事故を発生させてしまうことのコストが著しく高まることにより、安全対策はより万全を期すものとなると考えられるし、事故発生の際の補償に責任を持てない主体は、安易に原子力利用に突き進むことを躊躇するようになる。原子力はやはり人間の管理下には置けないとの正しい認識が共有されるようになる。
 
 原子力利用に、このような厳しい「コスト効果」を働かせることが重要である。
 
 また、市民は、お金と引き換えに正義と良心を捨ててしまった御用学者を、この機会に明確に摘出して、以後、こうした御用学者を排除することを実行するべきである。
 
 今回の事故を踏まえて、原子力利用のあり方を根本から見直すべきであると思われる。

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