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2011年3月28日 (月)

自分の利益のみ優先し国民を犠牲にする菅直人氏

本ブログではすでに、
3月15日
「菅政権は原発リスクを認識し交通マヒを回避せよ」
および
3月18日
「東電は利用可能全発電設備稼働率を開示すべきだ」
に、計画停電の問題を取り上げた。
 
 計画停電は国民の生活に甚大な影響を与える問題であり、今回の原子力発電所事故の責任を負う政府は、計画停電について、適正な対応を示す責務を負っている。
 
 重大な問題が三つある。
 
 第一は、菅直人氏の元秘書が東京電力に圧力をかけて、菅直人氏の住居がある地域を計画停電の対象地域から外させていた事実が判明したことである。
 
 公私混同もここまでくると犯罪の領域に入ってくる。総理大臣であるから、自分が居住する地域を率先して計画停電の地域に組み込むように圧力をかけたというのなら、まだその心情を理解することができる。
 
 ところが、現実には逆に、自分の住居が含まれる地域を、計画停電の対象から外させるための圧力をかけたことが判明したのだ。
 
 菅直人首相の元秘書で、東京都武蔵野市の松本清治市議が、「松本清治の要請が実現しました」などと記したビラのなかで、東京電力が実施する計画停電で、市内の一部地域が対象から外れたことを記述していたことが判明したのだ。
 
 また、一部報道によれば、3月12日早朝に福島原発では炉内圧力を低下させるためのベント実施の必要性が浮上したが、菅直人氏が視察に来るため、菅直人氏の被曝を避けるために、実施時期を延期したという。これが事実とすれば、菅直人氏の重大な責任は免れない。
 
 また、菅直人氏は3月20日に現地視察を希望したにもかかわらず、雨天であったため、被曝を恐れて現地視察を中止したと見られている。常に自分の安全、自分の利益だけを追求する人物は、日本の総理大臣にもっともふさわしくないと思われる。
 
 これらのことだけでも、菅直人氏は直ちに総理大臣職を辞するべきである。

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第二は、東京電力の大口需要家に対する割引料金制度の契約のなかに、「需給調整契約」があるが、この制度を適正に運用しているのかどうかである。
 
 この問題は、自民党の河野太郎氏もブログで指摘しているが、契約者は、電力需要が逼迫した時に、電力利用を削減する義務を負う代わりに、割引料金が適用されるというものだ。
 
 東京電力は、需給調整契約を結んでいる大口契約者に割引料金で電力を供給してきたのであり、今回のように需要調整を行わなければならない局面では、まずこの契約者に対する供給を抑制しなければならない
 
 高額の電気料金を支払っている一般家庭に対しては、優先して電力を供給する義務を東京電力は負っているわけだ。
 
 この点についての完全な情報開示が求められる。
 
 第三は、年間の電力使用量の推移のなかで、電力需要が突出して多い時期ではない現段階で、計画停電で大騒ぎをする必要がそもそもあるのかという問題だ。
 
 夏場のピーク時電力需要は約6000万kw/hである。東京電力はこの需要をまかなうぎりぎりの電力供給能力を有する。他方、放射能漏れ事故で運転休止に追い込まれている福島原子力発電所の発電能力は、約900万kw/hであり、この発電能力を差し引いても5000万kw/hの電力供給力を有するはずだ。
 
 地震の影響で、一部火力発電所の運転が休止されている影響があるが、早期の運転再開が可能なはずであり、緊急事態に対応して、迅速な対応を取るべきことは当然である。
 
 計画停電の大騒ぎが生じている原因に
 
原子力発電に対する根本的な見直しの気運が強まらないように、原子力発電がなければ社会全体が大混乱するというデモンストレーションが実施されているとの疑い、
 
コスト面で割高な火力発電の比率を可能な限り高くしたくない電力会社のそろばん勘定が停電実施のひとつの要因になっているとの疑い
 
が指摘されている。
 
 このような疑いを解消する責任を東京電力は負っている。
 
 福島以外の発電設備をフル稼働すれば、当面は計画停電を回避することができるのではないかと考えられる。
 
 夏場の電力需要拡大期に向けての対応策については、じっくりと検討する時間的余裕があるはずだ。停電による社会的混乱を回避し、人命尊重を重視する視点で、適正な需給調整方法を決定するべきである。
 
 また、計画停電の地域別負担状況に不公平があることは許されない。

 地域別時間帯別の停電実施状況を一覧にして、不公平が存在しないことを、電力利用者に分かりやすく提示する義務を東京電力は負っている。
 
 いずれにせよ、計画停電の現状には、大きな疑惑がいくつも浮上しており、これらの疑惑を早急に完全解消することが強く求められる。
 

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