高濃度放射能下の屋外活動を強制する枝野幸男氏
枝野幸男官房長官が記者会見し、福島原発から20キロ地点は安全であり、荷物の搬入などの作業を屋外で安心して行うようにと指示する発言を示した。
枝野氏は安全性を警戒する行動が不当であるとの非難を示している。
文部省は、福島原発から20キロ地点での放射線量が195~330マイクロシーベルト/時であるとのデータをすでに発表している。
この数値を「安全」だとする判断は正常ではない。放射線量は風向きに大きく依存する。西風の日は東京の数値は低くなる。数値は必ず風向きと合わせて公表される必要がある。また、レントゲン1枚の放射線量と単純比較するが、数値は1時間当たりであるので、1日では24倍、1ヵ月では720倍になる。このことを正しく伝えている放送は皆無に近い。
本当に安全ならば、対策本部をこの20キロ地点に設置して、すべての活動をこの地点で行うがよい。枝野氏の活動の拠点もこの20キロ地点に定めればよい。
安全性に配慮して20キロ地点に人が近づかないようにしているときに、
「20キロ地点のリスクが高い」
との判断と、
「20キロ地点は安全だからリスクを回避する行動を取るのは不当だ」
との判断の、
どちらが正しいと言えるか。
枝野氏が前者の判断は誤りで、後者が正しいと考えるのなら、まず枝野氏が率先して20キロ地点に移動して活動することを、模範行動として国民の前に示すべきだ。
自分は安全な場に身を置いておいて、20キロ地点で屋外活動を行えとか、冷却水注入作業のために、25万マイクロシーベルトまで被ばくして作業をしろと命じるのは不当でないのか。
20キロに設定している避難エリアが、放射能放出の現実に照らしてあまりにもリスクが高すぎるのだ。
自衛隊の空中からの散水が中止されたが、政府は原発上空の放射線濃度を公表するべきだ。
残念なことではあるが、事態の深刻さは刻々と増している。遅きに失しぬうちに、避難エリアを大幅に拡大するべきである。エリアを拡大せずに発生する問題は、すべて「人災」ということになる。
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